著者
吉田 学 吉田 薫
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

受精の過程において精子の運動能・受精能が調節されるメカニズムについて解明することを目的とし、本課題においては、主に精子走化性運動調節機構、及び精漿による精子の受精能調節機構の2点に研究内容を絞って研究を推進した。そして、精子走化性においては精子誘引物質による精子鞭毛内Ca^(2+)濃度上昇が鞭毛運動の変化となり、走化性運動に顕著な方向転換となっていること、マウス精子の受精能獲得は精漿タンパク質SVS2が精子表面のガングリオシドGM1と結合することで抑制されること、ヒト精子の受精能抑制は精漿タンパク質SgとZn^(2+)により制御されていることなどが明らかとなった。
著者
粟屋 利江 岩崎 稔 澤田 ゆかり 佐々木 孝弘 野本 京子 吉田 ゆり子 大川 正彦 臼井 佐知子 金 富子 米谷 匡史 左右田 直規 小田原 琳
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

ジェンダーをめぐる支配と差別の構造が「家族親密圏」における暴力を通していかに現れるのかということを、アジアとヨーロッパ・アメリカという地域軸、伝統社会における近代化、植民地支配からポストコロニアル状況へという時間軸にそって分析した。その結果、各地域固有の社会的実践や権力関係に見られる〈暴力〉は、支配・被支配の結果であるばかりではなく、相互干渉、癒着、相乗作用の上に成立するものであることが判明した。
著者
長瀬 文昭 田中 靖郎 堂谷 忠靖 石田 学 紀伊 恒男 伊藤 真之 松岡 勝 柴崎 徳明 大橋 隆哉 国枝 秀世 田原 譲 北本 俊二 三原 建弘 田中 靖郎 CANIZARES C. RICKER G. 鶴 剛 粟木 久光 河合 誠之 吉田 篤正 SERLEMITSOS アール 林田 清 BREON S. 海老沢 研 VOLZ S.V. KELLEY R. HELFAND D. MCCAMMON D. 常深 博 牧島 一夫 満田 和久 村上 敏明 小山 勝二 山下 広順 小川原 嘉明 宮本 重徳 MUSHOTZKY R. 槇野 文命 HOLT S. 井上 一 SERLEMITSOS R. 川口 淳一郎 中川 道夫 藤本 光昭 長瀬 文昭 松尾 弘毅 上杉 邦憲 WANG B. FEIGELSON E. GRAFFAGNINO V. REYNOLDS C. 羽部 朝男 GEHRELS N. FABBIANO G. SERLEMITSOS RICKER G 山内 茂雄 池辺 靖
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1992

「あすか」(Astro-D)は、1993年2月に打ち上げれられ、わが国4番目のX線天文衛星となった。この衛星は0.5-10keVの広いエネルギー帯をカバーし、史上最高の感度でX線天体の撮影を行うと共に、世界で初めてX線CCDによる精密X線分光を行う高性能X線天文台である。「あすか」の性能はX線天文学を飛躍的に進めるものと国際的に注目されている、X線天体は極めて多岐に亘り、殆どあらゆる種類の天体がX線天文学の対象となっている。特に銀河系では中性子星やブラックホールのX線連星、超新星残骸等、銀河外では、銀河団、クェーサー等の活動銀河中心核、更に遠方からのX線背景放射が重要課題である。この衛星に搭載されている観測装置は日米共同で製作された。打ち上げ前には、装置の設計・製作・試験・較正・調整を、打ち上げ直後には装置の較正・調整を共同で行ってきた。さらに、定常観測に入ってからは、装置の性能の正確な把握や正しいデータ解析のツールの提供等でも共同で作業を行うとともに、その成果を最大限に挙げるために、観測計画の打ち合わせ、ソフトウエア開発、観測結果の処理、解析等の各過程で両国の研究者が協力して作業を行ってきた。これらの作業のための日米研究者の移動は、主に、本科学研究費によって行われた。これら日米協力に基づく「あすか」がもたらしたいくつかの成果を以下にまとめる。・「あすか」が打ち上がって40日もたたないうちに近傍銀河M81に発生したSN1993Jからは、ドイツのX線天文衛星ROSATとほぼ同時にX線を検出した。発生して1週間ほどの超新星からX線を検出したのは今回がはじめてである。・超新星の爆発で飛び散った物質が星間物質と衝突して光っている超新星残骸について、「あすか」のすぐれた分光特性による新しい学問的展開がひらかれている。・ガンマ線バーストと呼ばれる特異な現象の発生源をはじめて既知の天体との同定に成功し、この現象の原因の解明に大きな貢献をした。・われわれの銀河系の中心部や円盤部を満たす高温ガスからのX線の分光的研究が進み、従来の予想では理解し難い事実があきらかになりつつある。・楕円銀河、銀河群、銀河団といった宇宙の大きな構造物をとりまく高温ガスの分光学的研究が進み、これらのガス中の重元素量が一貫して少ないという、新しい考え方の導入を迫る事実があきらかになってきた。また、これらの構造物を構成する暗黒物質の分布や量についても新しい知見が得られつつある。・遠方の銀河団をつかった宇宙の大きさを決める研究も、「あすか」の広い波長範囲の分光を行える能力をつかって、着々と成果をあげつつある。・活動銀河の中心にある大質量ブラックホールのごく近傍からのものとおもわれる鉄の輝線構造をはじめて発見し、ブラックホール近傍での物質流につき貴重な情報をもたらしている。この中心核を取り巻く比較的遠方の物質や分布の物理状態についても「あすか」のすぐれた分光性能により新しい事実が次々と明らかになってきている。・宇宙X線背景放射の研究も、「あすか」の波長範囲の広さを利用して、宇宙のはて近い遠方の宇宙初期の原始天体を探る研究がはじまりつつある。以上のように、本科学研究費補助金の援助のもと、「あすか」を用いた日米の研究者による共同研究は大きな成果をあげている。
著者
河崎 道夫 権部 良子 浅田 美知子 藤本 尚 井本 賢治 吉田 京子
出版者
三重大学
雑誌
三重大学教育学部附属教育実践総合センター紀要 (ISSN:13466542)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.9-16, 2005-03
被引用文献数
1

本研究会(幼小連携接続問題研究協議会)は、幼小連携問題について、(1)児童間交流と教員間交流、(2)教育課程の再編、(3)養成課程の改革を三つの課題として取り組んでいる。これまでは(1)全体の取り組みの計画を構造化するとともに、児童間交流の問題を中心とした実践的研究を報告してきた。今回は、(1)3年間にわたり継続的に児童間交流を進めてきた実践の成果と課題を総括すること、(2)2年目となる教育課程の改訂への取り組みの中間報告と今後の展望をまとめた。
著者
吉田 清
出版者
公益社団法人 低温工学・超電導学会 (旧 社団法人 低温工学協会)
雑誌
低温工学 (ISSN:03892441)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.346-352, 2009 (Released:2009-10-15)
参考文献数
17
被引用文献数
1 2

The upgrading of the JT-60U to the JT-60SA has started in a joint effort by the Japanese government (JA) and European commission (EU) under the framework of the Broader Approach (BA) Agreement. The superconducting magnet system for the JT-60SA consists of 18 toroidal field (TF) coils, a central solenoid (CS) with four modules, and six equilibrium field (EF) coils. The TF case encloses the winding pack and is the main structural component of the magnet system. The CS consists of independent winding pack modules, which are hung from the top of the TF coils through its pre-load structure. The six EF coils are attached to the TF coil case through supports with flexible plates that allow radial displacement. The CS modules operate at high field and use a Nb3Sn superconductor. The TF coils and EF coils use NbTi superconductors. This paper describes the technical requirements, operational interface and detailed manufacturing design outline of the superconducting magnet system for the JT-60SA.
著者
神月 紀輔 東郷 多津 吉田 智子
出版者
京都ノートルダム女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では教員を目指す学生を対象に次の研究を行った。多くの学生はICTを利活用するイメージが少なく,学習者の主体的な学びの形態にも慣れていないことが分かった。デジタルカメラを用いた模擬授業の動画撮影とその動画を利用した振り返りやLMSを利用した意見交換による学びの深化を意図した学習方法により,他者の意見をWeb上で参照でき,写真・動画や自ら作成した指導案などのリソースを他者と共有することで自らの学習の進捗を実感できるようになった。またデジタル教科書や電子黒板などを活用したICT活用を意図した授業づくりを行ったが,機器を使う程度にとどまった。しかし学習者の立場で学びを考える成果を得た。
著者
吉田 達彦 豊田 正夫 菅 由紀子 高岡 茂 橋本 敏弘 浅川 義範
出版者
天然有機化合物討論会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.38, pp.397-402, 1996-09-02

Liverworts (Hepaticae) are known to be rich sources of both terpenoids and aromatic compounds with biological activities. The Hepaticae occasionally produce their own peculiar phenolic bis(bibenzyl) derivatives. In the course of our systematic investigation of the chemical constituents of liverworts belonging to the Blasiaceae, we isolated four novel cyclic bis(bibenzyl) dimers, pusilatins A-D (1-4) and two depsides (16, 17) together with nine phenolic compounds (5, 6, 9-15) from Blasia pusilla L. and a novel optically active cyclic bibenzyl-dihydrophenanthrene derivative.(+)-cavicularin (18) from Cavicularia densa Steph. Their structures were characterized by a combination of spectroscopy, X-ray crtstallogarphic analysis and chemical evidences. Further investigation of the phenolic constituents of the thallic liverworts, we isolated a new cyclic bis(bibenzyl) dimer, pusilatin E (8) from Riccardia multifida (L.) S. Gray subsp. decrescens (Steph.) Furuki which was easily derived from riccardin A (7) by coupling reaction using Mn(OAc)_3 ・2H_2O. Previously, we isolated pusilatin D from B. pusilla and proposed the structure (4b) linked by ether C12-O-C1''' bond on the basis of comparison of the ^<13>C NMR data of its acetate with those of the related acethyl compounds. However, the structure (4b) was revised to 4a possessing C10'-O-C11" linkage on the basis of the HMBC analysis. (+)-Cavicularin (18) might be formed by intramolecular phenolic oxidative coupling between 3' and 10' position of riccardin C. On the other hand, riccardin C dimers, pusilatins A-D (1-4) might be biosynthesized by intermolecular coupling between two molecules of riccardin C. These bibenzyl derivatives are significant chemical markers of the Blasiaceae. Pusilatins B (2) and C (3) showed DNA polymerase β inhibitory activity.
著者
鳥羽 剛 西牟田 敏之 斎藤 裕康 矢野 靖子 山口 正敏 船橋 茂 久保 政次 吉田 亮
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.21, no.9, pp.608-613,633, 1972

臍帯血清から成人まで健康者血清 207検体につき, immuno-plate^[○!R]を用いてIgG, IgA, IgM を測定し, 測定値の分布が対数正規分布であることを検定して後, 次のような平均値, およびその上下2標準偏差の範囲を得た.1) IgG は, 臍帯血清で 1126 (504-2513) mg/dlを示し, 4-6ヵ月に 511 (236-1104) mg/dlを最低になり, 以後漸増して3-4才で成人値の70-80%に達する.成人値は, 1312 (821-2099) mg/dlであつた.2) IgA は, 臍帯血清では大部分の検体で検出されず, その後の上昇速度もこれら3者の中で最も遅く, 7-9才に至り成人値の70-80%に達する.成人値は 251 (133-475) mg/dlであつた.3) IgM は, 臍帯血清では16 (8-30) mg/dlで成人値の14%程度に存在し, その後の上昇は非常に早く, 1才-1才半で成人値の70-80%に達する.成人値は, 108 (44-264) mg/dlであつた.これらの値は, 本邦小児の正常値および範囲として臨床応用できると考えられる.
著者
吉田 英輔 角川 裕次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.331, pp.27-32, 2005-10-06
被引用文献数
1

従来のプログラミング演習の問題点として, 指導者への評価負担が大きいこと, 学習者のスキルに関係なく同一の課題が与えられること, コードを書く学習が中心で, ソフトウェアテストやコードリーディングに対する学習が行われていないことなどが挙げられる.これらの問題を解決するため, 指導者への評価負担をなくし, 教材自体に評価機能を持たせることを目的とした評価手法Triple Checked Testingを提案する.さらに, プログラミング全般のスキルを向上させるため, テスト駆動開発に基づいた演習を通して, ソフトウェアテストやコードリーディングの学習を支援する, プログラミング学習支援システムSTANDを開発した.
著者
小場瀬 令二 斎尾 直子 吉田 友彦 吉田 友彦
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

筑波研究学園都市はTXの開発により、中心地区は再び活性化したが、開発当初のニュータウンの環境的ストックを食いつぶす超高層大規模マンションが乱立する結果となった。他方駅勢圏から遠い超郊外住宅地においてTX効果はない。今後、持続性を保持していくには、住環境の維持を手がける組織の立ち上げが必要であり、そうでないとすでに衰退の段階に突入しており、現状のままであれば持続性はない
著者
入澤 崇 宮治 昭 吉田 豊 山田 明爾 井上 陽 山田 明爾 井上 陽
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

アフガニスタン中央部バーミヤーンを中心としたハザラジャート地域において仏教がどの程度広がりをもっていたか、またバーミヤーン以西へどれほど仏教が及んでいたかについて現地調査を行った結果、8世紀前半にバンデ・アミール川流域に仏教が及んでいたことが判明した。
著者
齋藤 忠志 大谷 純 上土井 陽子 吉田 典可
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.724, pp.25-32, 2000-03-22
被引用文献数
2

オンラインに逐次発生するジョブをネットワーク上のどの資源に割り当てると効率良い処理が行えるかを考える負荷分散問題であるオンラインスケジューリング問題について考察する。Aspnesらにより8-competitive ratioをもつオンラインアルゴリズムSLOWFITが提案されている。理論的にはSLOWFITは効率の良い手法であるが、実験的には貪欲法GREEDYが良質な解を得ている。本稿ではSLOWFITに導入されているステージの概念とダブリング・トリックに注目して、新しい2つのオンラインスケジューリングアルゴリズムを提案する。シミュレーション実験により、提案手法の有効性を検証する。
著者
小林 裕康 田口 修 安井 浩樹 小林 哲 吉田 正道 ガバザ エステバン
出版者
日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.94-97, 1997-03-25
被引用文献数
1

気管支鏡検査後に生じる発熱の病態把握の一助として検査後の末梢血白血球数の経時的変化を胃内視鏡検査例と比較し検討した。対象は当科入院中で気道感染のない気管支鏡施行患者15名と胃内視鏡施行患者10名である。方法は検査施行直前, 直後, 2時間後, 4時間後, および8時間後に体温と末梢血白血球数を測定し, 4時間後には咽頭ぬぐい液と静脈血培養を施行した。その結果, 胃内視鏡検査施行群では体温の上昇や, 白血球数の増加が認められなかったのに対し, 気管支鏡施行群では両者ともに上昇, 増加が認められた。しかし, 静脈血培養では細菌は検出されなかった。また, 気管支鏡検査時の処置内容による相違は認められず, 発熱の原因として気道へのファイバー挿入そのものによると考えられた。