著者
吉田 展子
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.303-326, 1996-07-15
被引用文献数
1

本稿では,名前通信並行プロセス計算のコンビネータ理論を提案する.関数型コンビネータが有限の組み合わせで計算可能な高階関数を表現する新たな基盤を与えたように,この並行コンビネータも非同期名前通信を細密に分解することによって導出され,その有限個の並行合成と相互作用計算で名前通信プロセス計算と同等の計算を表現するという新たな枠組みを提供する.まず本稿では,非同期名前通信計算の7つのコンビネータとそれら2者間の相互作用則を定義し,動作意味論を等式理論を基盤に展開する.次に,それらの並行合成と名前制限のみで名前通信計算のプレフィックスが動作的に表現できることを述べ,さらにこの結果の拡張として同期名前通信,多引数名前通信,分岐構造が表現できることを示す.最終的には本稿の並行コンビネータ系と非同期名前通信プロセス計算の一対一対応が示されることにより,この理論体系が名前通信プロセス計算族における結果を引き継ぐことを示す.
著者
下川 俊彦 木場 雄一 中川 郁夫 山本 文冶 吉田 紀彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.176, pp.1-8, 2001-07-05
参考文献数
6
被引用文献数
3

大規模なストリーミング配信では, ストリーミングサーバも広域に分散配置することが有効である.この場合, 各利用者からの処理要求を, どのようにして最適なストリーミングサーバに誘導するのか, という問題が生じる.本研究では, インターネット上の経路情報とDNSを利用することで, 利用者から透過かつサーバやクライアントから非依存に実現可能なシステムを開発した.本システムを月食中継システムに適用し, 評価を行った.
著者
塩沢 昌 田野井 慶太朗 根本 圭介 吉田 修一郎 西田 和弘 橋本 健 桜井 健太 中西 友子 二瓶 直登 小野 勇治
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.323-328, 2011 (Released:2011-08-29)
参考文献数
4
被引用文献数
28 31

福島第一原子力発電所事故で放射性物質が多量に降下してから約2か月後に,耕起されていない水田の深さ15cmまでの表土を厚さ1~5cmの6層に分割してサンプリングし,放射性セシウム(134Csと137Cs)の鉛直濃度分布を求めた結果,放射性Csの88%が0~3cmに,96%が0~5cmに止まっていた。しかし,量的に大半は表面付近に存在するものの,15~20cmの層まで新たに降下した放射性Csの影響が及んでいた。濃度分布から求めた放射性Csの平均移動距離は約1.7cmで,70日間の雨量(148mm)から蒸発散量を引いて体積含水率で割った水分子の平均移動距離は約20cmと推定され,土壌への収着により,Csの移流速度は水の移流速度に比べて1/10であった。しかし,文献にみられる実験室で測定した収着平衡時の土壌固相と土壌水との間の分配係数から計算される移流速度よりは2~3桁大きく,現場の移動現象が収着平衡からほど遠いことを示している。一方,耕起された水田では,表層の高濃度の放射性セシウムが0~15cmの作土層内に混合されて平均値(約4000Bq/kg)となっていた。
著者
吉田 将人 福原 知宏 増田 英孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告デジタルドキュメント(DD)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.35, pp.37-44, 2009-03-18

ブログ記事と Web ページを利用したイベント情報抽出手法を提案する.提案手法は,ブログ記事からイベント名抽出パターンを構築し, Web ページからイベント名を抽出する.本研究では,ブログ記事と Web ページを利用したイベント情報抽出手法を提案する.ブログ記事を用いることにより,記事の書かれた日付が分かり,イベント名抽出パターンとイベント開催日の関係を把握できる.Web ページを用いることにより,イベント名検索の網羅性を広げることができる.提案手法では,まず,いくつかのイベント名に対してブログ記事を収集し,そこからイベント名の前後に連接しやすいパターンを抽出する.次に,抽出したパターンを用いて Web 全体からイベント名を収集する.提案手法のイベント名収集適合率と将来構想について報告する.An extraction method of event names appeared on the Web using blog and Web articles is described. Proposed method extracts event names from Web pages by finding extraction patterns of event names from blog articles. The method finds extraction patterns from blog articles that contain event names given by a user. Because different names for the same event can be appeared on the Web, the method identifies the same event using a string kernel that can measure similarities of event names. Then, the method finds event names by using extracted patterns. Preliminary results of an experiment are described.
著者
永原 陽子 粟屋 利江 鈴木 茂 舩田 さやか 阿部 小涼 今泉 裕美子 小山田 紀子 尾立 要子 小林 元裕 清水 正義 前川 一郎 眞城 百華 濱 忠雄 吉澤 文寿 吉田 信 渡邊 司 津田 みわ 平野 千果子 浅田 進史 飯島 みどり 板垣 竜太 大峰 真理 後藤 春美 高林 敏之 旦 祐介 津田 みわ 中野 聡 半澤 朝彦 平野 千果子 溝辺 泰雄 網中 昭世 大井 知範 柴田 暖子
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、「植民地責任」概念を用いて、脱植民地化過程を第二次世界大戦後の植民地独立期に限定せず、20世紀の世界史全体の展開の中で検討した。その結果、第一次世界大戦期の萌芽的に出現した「植民地責任」論に対し、それを封じ込める形で国際的な植民地体制の再編が行われ、その体制が1960年代の植民地独立期を経て「冷戦」期にまで継続したことが明らかになった。
著者
飯塚 佳代 鈴木 釈規 石川 雅之 飯塚 泰樹 吉田 享子
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.2, pp.1-8, 2011-08-29

災害対策は,大別して 「公助」・「共助」・「自助」 がある.現在まで行われている多くの対策や研究は国や自治体を中心とした 「公助」 であるとされているが,実際に助かった人の多くは 「共助」「自助」 によるものであり,その重要性が叫ばれている.本稿では,大学のキャンパスなどに代表される施設において共助を支援するためのユーザ参加型キャンパス内リアルタイム被災情報マップを提案する.PlaceEngine の位置情報を活用することにより,ユーザが自分のいる位置を把握しながら情報を登録できるしくみを組み込んだ.There has been great improvement in various disaster prevention countermeasures and their researches. However, most of the countermeasures that have been implemented are classified as "kojo" which are implemented by public sectors (in Japanese). Therefore, it is considered that the importance of both "jijo" (countermeasures implemented by the individual) and "kyojo" (countermeasures implemented by mutual assistance) is increasing, because in actual fact many people survive in times of disaster by mutual assistance or self support. In this paper, the authors propose a system that facilitates disaster situation information transmission by users in the facilities such as university campuses, in order to address these prevention issues. PlaceEngine is implemented for this system to allow users to estimate the current location easily by utilizing Wi-Fi devices.
著者
村野 健一 吉田 和夫
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 = Transactions of the Japan Society of Mechanical Engineers. C (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.69, no.686, pp.2580-2587, 2003-10-25
参考文献数
8

The container crane of the harbor received the enormous damage in the Hanshin Awaji great earthquake disaster. After that, the container crane with seismic vibration isolation system has been developed and operated in practical use. We proposed the rocking type of vibration isolation sysem (RVIS) for the container crane instead of the horizontal type of vibration isolation system that is used in bridges and building. It was found that the damping factor of RVIS mechanism has the particular values for the different natural vibration modes. In this paper, we propose the application of a semiactive control system to the RVIS mechanism to improve the isolation performance and operation efficiency. The Kalman filter in used to estimate the system state values. The results of the isolation controlled by the semiactive system are better seismic isolation in performance than the passive RVIS. And we show that the semi-active RVIS can be used in the operation of the container crane.
著者
粒来 香 米澤 彰純 濱名 篤 矢野 眞和 吉田 香奈
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

現在、高等教育においては大学評価が重要な意味を持ちつつあるが、本研究では家計による市場型評価に焦点をあてた。大学の教育サービスの需要者である家計は、教育内容と価値について情報を求める。わが国の大学教育費の多くは、とりわけ私立大学では親(保護者)によって負担されていることから、保護者を家計の代表者と考えることができよう。以上をふまえ、本研究では保護者を対象とした面接調査および質問紙調査を中心とし、1)大学教育に対する満足のありかたとその規定要因、2)家計による費用負担の実態、3)大学に対する期待と教育費負担に対する考え方、の3点を明らかにすることを、主要な課題として設定した。1.大学教育に対する保護者の満足度は、「満足」+「やや満足」の合計で77.3%と、全体的にみて非常に高い。2.入学時に考慮していた教育内容やサービスに対する満足度が高いだけでなく、入学時にはほとんど考慮されていなかった「同窓会組織の充実」や「卒業生の社会的活躍」などに対する満足度が大きく高まっている。入学から卒業にいたる期間に、保護者は大学の評価すべき側面を新たに発見しており、そのことが高い評価に結びついていると考えられる。3.親子間のコミュニケーションが高いほど、また大学から提供されるさまざまな情報を利用しているほど、保護者の大学評価は高くなる傾向がある。4.年収700万円未満の家庭では、教育費が家計の20%以上を占める比率が85%にのぼる。教育費の調達に特別な方策を要しなかった家庭は6%で、ほとんどの家庭で「教育目的以外の預貯金や蓄え」を取り崩している。5.重い負担にもかかわらず、多くの保護者は教育費を「子どもへのプレゼント」として認識している。

2 0 0 0 OA 大日本貨幣史

著者
吉田賢輔 等編
出版者
大蔵省
巻号頁・発行日
vol.37.38, 1883

2 0 0 0 OA 大日本貨幣史

著者
吉田賢輔 等編
出版者
大蔵省
巻号頁・発行日
vol.付録十, 1883

2 0 0 0 OA 大日本貨幣史

著者
吉田賢輔 等編
出版者
大蔵省
巻号頁・発行日
vol.39.40, 1883

2 0 0 0 OA 大日本貨幣史

著者
吉田賢輔 等編
出版者
大蔵省
巻号頁・発行日
vol.35.36, 1883

2 0 0 0 OA 大日本貨幣史

著者
吉田賢輔 等編
出版者
大蔵省
巻号頁・発行日
vol.付録八, 1883

2 0 0 0 OA 大日本貨幣史

著者
吉田賢輔 等編
出版者
大蔵省
巻号頁・発行日
vol.33.34, 1883
著者
本多 一郎 和田 道宏 阿部 知子 浅見 忠男 吉田 茂男
出版者
植物化学調節学会
雑誌
植物化学調節学会研究発表記録集 (ISSN:09191887)
巻号頁・発行日
no.35, pp.147-148, 2000-11-02

To obtain novel mutants of barley (Horderum vulgare L), heavy ion irradiation were conducted. Both imbibed and dry seeds of barley (Kanto Hadaka No.77) were irradiated with 5-400 [gray] of dose by heavy-ion beam (^<14>N; 135MeV/u) and cultivated on field. Severe growth inhibition were observed in over 10 and 200 gray irradiation in imbibed and dry seed irradiation, respectively. After harvesting M_2 seeds, an aliquot of seeds were sown to field, candidates of mutants were serveyed, and selected. After crossing, their F_1 and F_2 plant phenotype were examined, 3 dwarf lines which have ressesive allele were separated. These results suggest that heavy-ion irradiation is effective method to mutate barley.
著者
吉田 俊介 矢野 澄男 安藤 広志
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.42, pp.33-36, 2009-10-21
被引用文献数
1

着座した状態でテーブルの周囲から立体映像を観察可能な裸眼立体ディスプレイを新たに提案する.本ディスプレイは,柱体あるいは錐体の光学素子と複数のプロジェクタによって構成される.テーブルトップ作業を阻害しないよう,これらの装置はテーブル面より下方に設置される.プロジェクタ群から発せられる無数の光線は,テーブル中央にあるとする再現しようとする立体物の表面から放たれる光を再構成するように働く.光学素子には指向性のある光学性能が付与され,入射光を水平面では直進させ,鉛直面では拡散させ射出する.これにより,光線群の飛行方向を着座した位置で最適に観察されるよう制御する.すなわち本方式は,観察に適した視域がテーブルの周囲を取り囲む円環状に配置されることを特徴とする.
著者
吉田 裕志 野上 耕介 里田 浩三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.449, pp.349-354, 2010-02-25
被引用文献数
1

べストエフォート型のIPネットワークを介した映像配信サービスでは,パケットロスやパケット到着遅延が映像の視聴品質を低下させることがある.この問題に対して,適切な映像ビットレートやFEC冗長度で映像を配信する手法が有効だが,そのためにはEnd-to-Endで通過可能なトラヒックレート,すなわちグッドプットを推定する必要がある.これに関して,従来から可用帯域を推定する技術が数多く研究されてきた.しかし,可用帯域はリンクの物理帯域からそこを流れるクロストラヒックの平均レートを減じた値であり,トラヒックの相互作用が考慮されていないため,グッドプットと一致しない.本稿では,トラヒックの相互作用によるグッドプットの動特性が粘弾性特性を有することを指摘し,粘弾性体モデルを用いてグッドプットの動特性を解析する手法を提案する.そして,ns-2を用いたシミュレーションによって,粘弾性体モデルがその動特性を適合率約80%で高精度に解析できることを示す.
著者
森田 哲夫 吉田 朗 杉田 浩 小島 浩 馬場 剛
出版者
群馬工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

交通、土地利用、民生等の分野における多様な施策が都市活動に与える影響を予測し、都市活動の変化が環境、生活の質、経済に与える効果を多面的に定量評価する統合型のモデルシステムを開発した。本研究では、全体モデルシステムの要素モデルである水環境評価モデルと生活の質評価モデルを改良し、全体システムに組み込むことにより、都市環境施策が水環境、生活の質に与える影響についてケーススタディを行った。
著者
西野 浩明 宇津宮 孝一 吉田 和幸 賀川 経夫
出版者
大分大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本課題では,「仮想と現実を継ぎ目なくつなげる仮想環境」を構成するために,「現実と仮想の間に人間が違和感を覚える境界」を明確化し,それに基づいて,利用者に違和感を与えないリアルな仮想環境を描出する手法に関して研究開発を行った。このために,人間の感性を利用してシステムの最適化を行う対話型進化計算法に,認知科学や免疫学等の知見を融合した仮想環境の構成法とソフトウエアを設計・開発した。また,仮想物体の質感表現,技能の記録と伝習など,利用者の違和感がシステムの機能・性能に大きく影響するような応用分野に提案手法を適用し,その有効性を実証的に評価・検証した。
著者
吉田 暁史
出版者
大手前大学・大手前短期大学
雑誌
大手前大学人文科学部論集 (ISSN:13462105)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.A113-A134, 2006

ネットワーク環境における主題検索研究に関しては、あまり顕著な進展はない。その中で、FASTという主題検索システムが登場した。LC件名標目表の豊富な語彙をほぼそのまま借用し、統語論的結合については簡略化したシステムである。LC件名標目表は、意味論的側面、統語論的側面の両方で、大きな問題を抱えている。本論ではLC件名標目表において、名辞の形、意味論的関係性、統語論的結号の各側面について検討する。次にFASTがどのような目的で、どのような経緯で出現したかを論じる。さらに上記それぞれの側面で、LC件名標目表をどのように継承し、LC件名標目表とどのように異なるかを調べる。最後にネットワーク情報資源の検索にとってあるべき姿を論じる。結論としては、(1)もはや事前結合索引にこだわるべきではなく、事後結合索引の方向に向かうべきである、(2)件名典拠ファイルは、語彙管理の部分と統語論的結合部分とに分離し、FASTはそのうちの語彙管理部分をLC件名標目表と共有すべきである、と指摘する。