著者
三好 崇夫 吉田 大唯 土田 隼之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.414-424, 2023 (Released:2023-11-14)
参考文献数
17

全国の河川に存在するとされる管理者不明橋では,その不具合により利用者を巻き込む事故が発生しており,老朽化や災害による損壊も懸念されている.河川の総延長は膨大であるため,人員,予算面から管理者不明橋の実態把握に難色を示す自治体もある.近年,高解像度の航空写真や地理空間情報の入手が容易となっていることから,それらを用いて深層学習により直接的に橋梁を検出することや,道路や河川を検出し,互いの交差部や河川を分断する地物として橋梁位置を推定し,その位置情報をデータベースと照合することによって,管理者不明橋を自動的に特定することが考えられる.本研究ではそれに向けて,航空写真や地理空間情報,それらの重ね合わせ画像から河川や道路,橋梁の深層学習による検出精度について検討した.
著者
井隼 ミキ 山下 厚 溝本 朋子 香本 頴利 吉田 正明 佐野 文子
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.136-138, 2008-02-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

漢方生薬配合薬の抗真菌活性を検討したところ, 本剤は多くの真菌に対して発育を抑制した. 管内肥育牧場で発生した牛白癬3例に応用した結果, 本剤の1週間経口投与と漢方生薬10%煎じ液の4日間体表噴霧の併用治療は著効を示した.
著者
進士 誠一 横堀 將司 清水 哲也 神田 知洋 林 光希 安康 勝喜 吉田 寛
出版者
日本医科大学医学会
雑誌
日本医科大学医学会雑誌 (ISSN:13498975)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.98-104, 2022-02-20 (Released:2022-03-15)
参考文献数
11
被引用文献数
2

During their clinical clerkships (CCs) in surgery, medical students are generally introduced to such areas as surgical indications, surgical techniques, and perioperative management through rounds and practical skills training on wards and in operating rooms. Given the technological advances made in virtual reality (VR) over recent years and its increasing use in education and corporate training, we decided to try using VR for the benefit of students on surgical CCs. To this end, we developed what we termed a "VR surgery tour" in the field of gastrointestinal surgery, which involved students using VR goggles to view edited 3D images. We then asked 26 fifth- and sixth-year medical students at Nippon Medical School assigned to CCs in gastrointestinal surgery between November 2020 and September 2021 to evaluate the VR surgery tour via a questionnaire survey. The questionnaire included questions using a five-point Likert scale and space for free comments. Our results showed that all respondents felt satisfied with the VR surgery tour, with 96% of them indicating it was a viable alternative to clinical training; moreover, about 90% of the students found it useful as a teaching aid for pre-learning and requested that VR teaching materials be made available in other fields as well. We concluded that our VR surgery tour is a valuable supplement to practical training in gastrointestinal surgery and that it increases medical students' motivation to learn. We believe VR is an effective teaching aid and that there will be increasing demand for its use in various education and training programs.
著者
高橋 敦子 松田 康子 駒場 千佳子 奥嶋 佐知子 吉田 企世子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.122-131, 2006-04-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
10
被引用文献数
4

Sensory tests and textural measurements were made of komatsuna grown in normal soil, soil enriched with chemical fertilizers and soil enriched with organic fertilizers. Uncooked komatsuna grown in normal soil achieved the highest overall score, while komatsuna grown in soil enriched with chemical fertilizers and soil enriched with organic fertilizers achieved lower scores because of the grassy smell and harsh taste. Significantly more energy was required for chewing komatsuna grown in soil enriched with chemical fertilizers (p<0.05), suggesting high consistency. Uncooked komatsuna grown in normal soil was most favored. No difference was apparent among the komatsuna samples grown in different soil types after cooking by hitashi (parboiling and pressing). Ni-bitashi (boiled and seasoned) komatsuna grown in soil enriched with organic fertilizers was significantly favored (p<0.05)in its overall evaluation. Stir-fried komatsuna grown in soil enriched with chemical fertilizers was slightly more favored than the samples grown in the other two types of soil according to the overall evaluation and results of tests on tastiness and texture.
著者
吉田 早悠里
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究は、エチオピア南西部カファ地方の民族学的研究の第一人者であるF.J.ビーバーが残した資料群を学術研究に利用するための基盤を整えることを目的とし、F.J.ビーバーの人物詳細の解明と、資料群の整理、デジタル化、目録作成を実施し、複数の場所に分散しているF.J.ビーバー資料群の全貌解明に取り組んだ。特に、資料の内容と詳細が明らかになっていなかったヒーツィンク区博物館所蔵資料と、K.ビーバー個人蔵資料の資料整理を行い、それらを学術研究に活用するための素地を整えた。これにより、F.J.ビーバーの資料群を後世に継承し、広く世の中に資するものとして活用していくための基盤を形成した。
著者
小山 新一郎 川北 大介 近藤 雅幸 吉岡 正展 村上 信五 吉田 梨帆
出版者
日本喉頭科学会
雑誌
喉頭 (ISSN:09156127)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.146-148, 2006-12-01 (Released:2012-09-24)
参考文献数
5
被引用文献数
1

We reported on a rare case of morning glory seeds as bronchial foreign bodies. The patient was a five-month-old male infant. He accidentally inhaled morning glory seeds after placing them in his mouth and coughing. The consulting doctor diagnosed that he had caught a cold after examining a chest x-ray image and observing normal sounding respiration. Three days later, his body temperature was 40 degrees and his cough was persisting. Medical consultation was sought again. His chest x-ray revealed that the mediastinum had moved to the right side and the left pulmonary field had inflated abnormally. CT imaging clearly indicated foreign bodies in the left bronchus. We performed a ventilation bronchoscopy. His left bronchus was obstructed by morning glory sprouts. After we removed the sprouts, the child's respiratory sound and chest x-ray results improved. We determined that the morning glory seeds had germinated in the warm and wet bronchus and the enlarged seeds had obstructed his left bronchus.
著者
山田 星利奈 田村 賢太郎 長岡 貢秀 猪又 智実 川﨑 裕香子 牧本 優美 吉田 丈俊
出版者
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
雑誌
日本周産期・新生児医学会雑誌 (ISSN:1348964X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.343-347, 2021 (Released:2021-09-06)
参考文献数
8

先天性皮膚カンジダ症(congenital cutaneous candidiasis:CCC)は,超早産児では血流感染をきたし重症化するが,late preterm以降の児では皮膚症状のみで軽快する例があり,治療の適応や方法は議論を要する.症例は在胎34週6日,体重2, 358g,経腟分娩で出生し,軽度の呼吸障害があった.出生時より全身に紅斑性丘疹がみられたが次第に消退した.日齢3から呼吸状態は悪化し,右上肺野に浸潤影が出現した.入院時の胃液・胎脂培養と母体の頸管培養からCandida albicansを検出し真菌感染症を疑った.臍帯は肉眼的に黄白色斑がみられた.皮疹部のKOH検鏡で仮性菌糸を確認しCCCと診断した.血液・尿培養は陰性で,菌が直接肺に伝播したカンジダ肺炎と判断した.抗真菌薬全身投与後より呼吸状態は改善した.出生時に皮疹があれば真菌感染症を鑑別すること,CCCと診断されればlate preterm以降の児でも治療を考慮することが重要である.
著者
丸山 祐哉 吉田 拓允 丸山 格
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
pp.22161, (Released:2023-07-15)
参考文献数
38

抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎(AAV)は全身の臓器病変を伴う壊死性の血管炎である.グルココルチコイド(GC)と免疫抑制薬を組み合わせた標準療法によりAAVの予後は大きく改善されているものの,GC使用に伴う副作用など対処すべき問題が残されている.アバコパン(タブネオス®カプセル)はAAVのうち,顕微鏡的多発血管炎(MPA)及び多発血管炎性肉芽腫症(GPA)を効能または効果として,本邦で2021年9月に製造販売承認された経口投与可能な選択的C5a受容体(C5aR)拮抗薬である.補体成分C5aによって引き起こされる好中球の機能亢進(プライミング)はAAVの病態形成に深く関与するが,アバコパンはC5aRの拮抗阻害を通じてこれを抑制する.非臨床試験においてアバコパンはC5a-C5aRシグナルの活性化によって引き起こされる好中球の細胞走化性やプライミングに対して抑制作用を示した.また,ANCAによって誘発される糸球体腎炎モデルマウスの腎炎及び腎障害の発症を有意に抑制した.MPA及びGPAを対象とした日本を含む国際共同第Ⅲ相臨床試験(ADVOCATE試験)において,アバコパン群はプレドニゾン群と比較し,26週時の寛解について非劣性を,また52週時の寛解維持について優越性を示し,主要評価項目を達成した.同時に,Glucocorticoid Toxicity Indexによってスコア化されたGC毒性はアバコパン群で有意に低く,また,GCとの関連が否定できない有害事象の発現も少なかった.さらに,推算糸球体ろ過量(eGFR)による腎機能評価についても,アバコパン群はプレドニゾン群と比較して良好な改善作用を示した.以上,補体系を標的とする新規作用機序を有するアバコパンは,GCによる副作用の軽減や腎機能の改善を可能とするAAVの新たな治療選択肢になると期待される.
著者
吉田 友彦
出版者
公益社団法人 都市住宅学会
雑誌
都市住宅学 (ISSN:13418157)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.80, pp.4-7, 2013 (Released:2017-06-29)
参考文献数
4
被引用文献数
1
著者
山本 浩之 吉田 正人 松尾 美幸 安藤 幸世 粟野 達也 鳥羽 景介
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

裸子植物でありながら被子植物のような二次木部を持つグネツム科の高木について、傾斜樹幹における負重力屈性発現のメカニズムを調査した。傾斜樹幹では、上側で二次木部の肥大成長が促進されると同時に、特異的に大きな引張の成長応力が発生することがわかった。その微視的メカニズムは、原始的なタイプの引張あて材をつくるモクレン科の樹種に類似していることがわかった。このことから、グネモンノキの負重力屈性挙動は、他の裸子植物に見られるような圧縮あて材型ではなく、被子植物に見られるような引張あて材型であると結論した。さらに二次師部においても、傾斜の上側で著しい肥厚が見られ、そこには大きな引張応力の発生が認められた。
著者
吉田 美穂 川崎 弘作
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.675-685, 2020-03-30 (Released:2020-04-15)
参考文献数
15
被引用文献数
4

本研究は小学校理科の問題設定場面における,「なぜ」という探究の見通しを持たない疑問を「何が」や「どのように」といった探究の見通しを含む問いに変換する際の思考力に着目し,その育成を目指している。このような疑問から問いへの変換における思考力を育成するにあたり,その変換過程は「疑問を認識した後に仮説を形成し,形成された仮説を踏まえて問いを設定する」(「疑問の認識→仮説の形成→問いの生成」)というように先行研究により整理されているが,これを基にした小学生を対象とする実態調査は行われていない。このため,本研究は疑問から問いへの変換過程の中でもとりわけ「仮説から問いへの変換」(「仮説の形成→問いの生成」)に着目して評価問題及び質問紙を作成し,小学生の実態調査を行った。その結果,小学生は仮説から問いへ変換することができないということ,また,その原因として,問いの形式に関する知識や問いへの変換に関する知識が不足しているということが実態として明らかになった。
著者
岩澤 佳太 桝谷 奎太 吉田 栄介
出版者
日本管理会計学会
雑誌
管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 (ISSN:09187863)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.37-53, 2022-03-30 (Released:2022-03-30)
参考文献数
36

本研究の目的は,近年の日本の製造業におけるコストマネジメントの変容について,コンティンジェンシー要因との関係およびコストマネジメント活動と効果の関係に着目して解明することである.とりわけ原価企画に注目した上で,2009年,2014年,2019年と郵送質問票調査を実施した.多母集団同時分析の結果,原価企画活動,効果・逆機能の平均値および原価企画活動と効果の関係性は,概ね一貫していたのに対し,原価企画活動と逆機能の関係性および組織コンテクストと原価企画活動の関係性については,調査時点間で統計的に有意な差を確認した.このことは,日本企業の原価企画について,従来の活動の一貫した有用性を示す一方で,経営環境やビジネスモデルの変化に対応する新たな仕組みの必要性を示唆していた.
著者
下條 信弘 山内 博 熊谷 嘉人 吉田 貴彦 相川 浩幸 石井 祐次
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

【目的】砒素は自然界に存在し、地下水等への浸入に由来する生体影響が懸念されている。特にアジア諸国のうち、中国やバングラディシュ等では高濃度の砒素を含む地下水汚染が頻発している。砒素を高濃度含んだ井戸水の慢性飲水により手足の角化症や皮膚の色素沈着、脱失等の砒素中毒症状を呈する。そこで我々は、中国内モンゴル自治区の飲水型慢性砒素汚染地域において、飲料水の改善による慢性砒素暴露住民の砒素中毒症状の回復等について調べた。【方法】中国内モンゴル自治区包頭市の慢性砒素汚染地域住民50名(男性22名,女性28名)を対象とした。これらの住民に対して中国の環境基準以下の砒素を含んだ井戸水を1年間供給した。【結果・考察】飲料水改善前の砒素暴露住民の8割程度が手足の角化症や皮膚の色素沈着、脱失等の典型的な慢性砒素中毒症状を呈していた。尿中無機砒素濃度は39±53μg/g of Cr.だった。しかし介入研究1年後に対象住民の尿中無機砒素濃度を測定した結果、介入前のそれの19%まで低下した。一方、無機砒素の代謝物であるメチル化体の生体内濃度は改水前と後では、有意な差は認められなかった。砒素中毒患者の約半数以上が角化症や皮膚の色素沈着、脱失の改善が観察された。また、慢性砒素暴露により、低下した生体内一酸化窒素濃度も改水により約2倍上昇することも明らかとなった。以上から、飲料水改善により慢性砒素暴露による砒素中毒症状は回復することが示唆された。
著者
原田 紹臣 永井 雅章 櫻井 崇光 吉田 恭平 石原 孝雄 家戸 敬太郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.233-244, 2023 (Released:2023-11-14)
参考文献数
47

藍子の皿ねぶりとして知られている藻食魚類のアイゴは,美味として珍重されている未利用魚の一種である.一方,モクライ(藻食らい)としても知られており,磯枯れの原因の一つとして考えられている.本稿では,徳島県美波町における地域活性化及び沿岸域の磯焼け対策の一つとしてのアイゴを用いた地場商品の開発と,その際にChatGPTを実践的に活用して考察されたChatGPTの適用性等について報告している.なお,アイゴ料理の試食を通じた官能検査の結果,燻製,リゾット等が高評価であった.一方,被験者の属性によって,料理の嗜好が異なる傾向であることが分かった.また,一般的に課題であったアンケート調査における自由記述文(意見)の分析に対してChatGPTを活用したところ,妥当性のある分析結果を簡易に得られる可能性が示唆された.
著者
岡本 洋子 多山 賢二 古田 歩 吉田 惠子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.229-235, 2018 (Released:2018-08-17)
参考文献数
14

ミラクルフルーツは味変革物質として知られている。健康な女子学生23~27名を評価者に選び,甘味,酸味,塩味,苦味,うま味を含む代表的な食品12種類(グラニュー糖,グレープフルーツ,レモン,穀物酢,食塩,コーヒー,かつお削り節等)と日本宮崎県産ミラクルフルーツを試料として官能評価を行った。食品→ミラクルフルーツ→食品という順序で味わい,両極7点評点法を用いて呈味強度やおいしさを調べ,対応のあるサンプルのt検定を行った。酸味食品5試料では,味わった後は,味わう前に比べ,酸味強度の低下および甘味強度の上昇とともに,苦味強度の低下およびうま味強度の上昇が確認された(いずれもp<0.01)。さらに,酸味を含まない食品においても甘味強度のさらなる上昇を認めた (p<0.01)。酸味食品8試料では,「おいしさ評価」が上昇したが,甘味・塩味・苦味・うま味食品では,「おいしさ評価」には変化がみられなかった。ミラクルフルーツを味わう前と後では,我々の感じる甘味・酸味強度とともに,苦味・うま味強度にも変化がみられた。