著者
原田 一敏 松原 茂 神庭 信幸 澤田 むつ代 沖松 健次郎 和田 浩 小山 弓弦葉 行徳 真一郎 三浦 定俊 早川 康弘 若杉 準治 谷口 耕生 村重 寧 田沢 裕賀 小林 達朗 原田 一敏
出版者
独立行政法人国立博物館東京国立博物館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

国宝・法隆寺献納宝物聖徳太子絵伝、全10面について場面内容の同定と描写内容の精査、当初の地である綾地の精査を行った。また高精細デジタル写真の撮影、1面ごとの合成を行い、あわせてX線フィルムをデジタル化し、同様に合成することにより、両者を対照可能なデータとする基本資料の作成を行った。
著者
和田 浩一郎
出版者
一般社団法人 日本オリエント学会
雑誌
オリエント (ISSN:00305219)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.87-109, 2008-09-30 (Released:2014-03-30)
参考文献数
35
被引用文献数
1 1

It is generally stated that in the Egyptian New Kingdom burials the bodies were placed with their heads pointing toward the West because of the Egyptians’ funerary belief that the deceased needed to face the rising sun for their resurrection. However, this statement does not fully reflect the actual archaeological data. A survey of the plans of New Kingdom royal tombs shows that some changes in the head orientation took place during this period. Before the New Kingdom Period, bodies were normally placed with their heads pointed to the north. However, the tombs of the 20th Dynasty have a symbolic east-west axis that causes the westward head orientation of royal mummies, whereas in the 18th Dynasty tombs some of the decoration scheme and sarcophagus placements show compromising orientations between the north and west. Non-elite burials in the Memphite and Heracleopolitan regions show a tendency different from the royal tombs in that there is more diversity of head orientation. Although about fifty percent of the burials in a given cemetery have the western head orientation, the considerable number of bodies are directed to the north, east and south. Since the burials of the previous periods in these regions do not show such diversity, it seems to be a noticeable feature of non-elite burial customs in the New Kingdom Period. A seriation analysis shows that the diversity of head orientation in non-elite tombs is not the result of a historical transition as seen in the royal tombs since it is found among burials of the same period. B. J. Kemp suggests that lower-class people did not ignore the formal concepts of funerary belief, even though they often chose “unsuitable” head orientations. Instead they followed their own sense to decide what was appropriate for them. It might be fair to assume that the diverse head orientations in the New Kingdom burials reflect the ancient Egyptians’ trait of accepting the existence of alternative concepts.
著者
佐野 友彦 和田 浩史
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.74, no.12, pp.822-829, 2019-12-05 (Released:2020-05-15)
参考文献数
35

われわれの身のまわりには,大小さまざまな棒(rod)や板(plate)状のものがあふれている.これらは薄い構造または細長い構造と総称される.ロープ,植物のつる,パスタ,海底ケーブル,リボン,ピンポン球,卵の殻などはその一例である.薄い構造の特徴は,その「しなやかさ」にある.薄い板は小さな力によって容易に大きく曲がりねじれる.ここでは,幾何学と力学が密接に結びついている.力学分野はG. Galileiの材料力学の研究にはじまり,今日では完成された学問分野という印象がある.しかし,デジタル加工技術の急速な発展と普及によって,力学は魅力的な最先端分野として現代に甦った.今日,力学の研究では,負のポアソン比をもつメタマテリアルをはじめとして,新しい概念が次々に生み出されている.とくに,座屈不安定性のように,構造のもつ対称性が破れる過程を「機能の発現」とみなす考え方が浸透しつつある.薄い構造はお互いに力を及ぼしあうことで新たな機能を生み出す.植物のつるは風に飛ばされないように棒に巻きつき,外科医は糸を結んで傷を縫合する.これらの過程では摩擦が重要な役割を果たすため,従来の境界値問題とは異なる趣きがある.曲がった板のかたちは境界条件によって決まるが,摩擦の作用のもとでの安定性を考えるには,かたちをあらかじめ決めておく必要がある.つまり,通常の境界値問題とは異なり,「かたちと境界条件が同時に決まる」問題を扱わねばならない.われわれは理論,実験,数値計算を総合的に駆使してこの問題にアプローチし,摩擦によるかたちの安定性を議論する枠組みを提案している.薄い構造が示す動力学の代表例は「飛び移り座屈」(スナップ座屈)とよばれる転移現象である.飛び移り座屈は,食虫植物であるハエトリグサがすばやく虫を捕らえるときのような,植物が俊敏に動くための仕組みとしても注目を集めている.スナップは,薄板を両手でたわませ,そのたわんだ方向を逆転させることで容易に再現することができる.われわれは,板やリボンをあらかじめ幾何学的に拘束し,境界条件を変化させることで起こる飛び移り座屈の性質を明らかにした.細長いリボンを手にとり,これをその長軸が半円を描くように拘束する.両端を同じ向きにねじると,あるねじり角度でリボンの表と裏が反転しスナップする.さまざまな硬さや厚さのリボンを使ってこの現象を再現してみると,操作の単純さに反して,じつに豊かな現象が内在していることがわかる.薄い構造が示すしなやかなふるまいは,フックの法則(線形弾性論)と剛体回転(幾何学)によって記述される.しかし,同じ材質と寸法でも境界条件によってとりうる形は全く異なる.さらに,棒状のものは結んだり編んだりすることで,板状のものは折ったり切ったりすることで,それらの単純な構造に驚くべき多彩な機能をもたせることができる.身近なかたちのしなやかさについて考察することは,いっけん複雑にみえる生物力学現象をよりよく理解したり,それらにインスパイアされた生体規範材料をデザインすることにも繋がる.手元にあるケーブルや紙切れを曲げたりねじったりしてみると,まだ見ぬ構造のしなやかさに出会うことができるかもしれない.
著者
和田 浩志 村上 孝夫 田中 信壽 中村 昌司 斎木 保久 陳 秋明
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.106, no.11, pp.989-994, 1986-11-25 (Released:2008-05-30)
参考文献数
23
被引用文献数
5 8

From the fronds of Pseudocyclosorus subochthodes CHING and P. esquirolii CHING, a new flavanone glycoside (2S)-eriodictyol 7-O-methylether 3'-O-β-D-glucopyranoside (I) and maltol 3-O-β-D-glucopyranoside (V) were isolated. Besides them, from the former a new glycoside 5-hydroxymaltol 5-O-α-L-rhamnopyranoside (II) and (2E, 6E)-(10S)-2, 6, 10-trimethyl-2, 6-11-dodecatriene-1, 10-diol (12-hydroxynerolidol) (III) were isolated and from the latter astragalin and shikimic acid were isolated. Their structures were elucidated by chemical and spectroscopic methods.
著者
安永 満 松田 彰史 村田 誠 荻野 昌昭 門 祐二 新開 泰司 名和田 浩 半田 哲郎 野田 健一 福本 陽平 沖田 極 竹本 忠良
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.493-499, 1985-04-25 (Released:2010-01-19)
参考文献数
19
被引用文献数
2 2

アセトアミノフェンの大量服用により,急性肝障害の発症をみることは,よく知られた事実である.最近,教室では,少量のアセトアミノフェンの服用にもかかわらず,重症肝障害を生じた2例を経験したので報告した.患者は38歳の男性と31歳の女性である.アセトアミノフェン服用量は,それぞれ,3.7gと6.4gで,いずれも嘔吐,腹痛,全身倦怠感を訴えて入院した.本剤服用時,前者はアルコールを摂取し,後者は絶食状態であった.検査上,前者は著明な血清トランスアミナーゼの上昇,軽度の黄疸を認め,心内膜炎,腎障害,急性膵炎を併発し,肝組織では小葉内に巣状壊死が散在し,中心静脈周囲にも壊死が認められた.後者でも重篤な肝障害と血小板減少がみられ,肝組織像はbridging necrosisを示していた.アルコール摂取と絶食のために,少量のアセトアミノフェン服用にもかかわらず,予想以上に肝障害が重症化したと考えられ,本剤の使用にあたり,注意が必要である.
著者
広瀬 直人 前田 剛希 和田 浩二 高橋 誠
出版者
一般社団法人 日本食品保蔵科学会
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.143-148, 2013 (Released:2022-03-19)
参考文献数
24

To examine the possibility of using guava fruits as an ingredient in daily-use ketchup with food functionality, we prepared purees of eight pink guavas that were obtained from different areas in Okinawa and their chemical and physical compositions by measuring the Brix, pH, and color. The eight kinds of guava purees showed little difference in their compositions, Brix, pH, and color values. In addition, the purees maintained their color values after heating at 80℃ for 5 min. The guava puree was then treated with pectinase to decrease the puree viscosity. The viscosity of the puree treated with pectinase (0.24 Pa・s) was lower than that of the untreated puree (0.6 Pa・s). The guava ketchup was prepared using the untreated guava puree. In the sensory evaluation, the guava ketchup scored low for sourness because the citric acid content was lower than that in the commercial tomato ketchups. To evaluate the antioxidant activity, guava ketchups prepared using guava purees with and without pectinase treatment (GK-P and GK, respectively) were examined for total polyphenol contents and DPPH radical-scavenging activities. The total polyphenol content and DPPH radical-scavenging activities were higher in guava ketchups than in the commercial tomato ketchups. Interestingly, GK-P showed significantly higher radical-scavenging activity than GK. These results suggest that guava fruits have the potential to be used in the manufacturing of ketchup, which could serve as an antioxidant food.
著者
佐藤 枝里 渡邉 素子 北岡 智子 鈴木 雅子 谷口 洋子 和合 香織 和田 浩平 稲山 かおり 願興寺 礼子
出版者
中部大学, 大学企画室高等教育推進部
雑誌
中部大学教育研究 (ISSN:13497316)
巻号頁・発行日
no.21, pp.41-49, 2021-12

新型コロナウイルスの蔓延により、学生達の生活様式は大きな影響を受けた。大学生活が従来包摂してきたフェース・トゥ・フェースで対面することの豊かさ、直接性や身体性が有していた価値、身体移動に伴う距離や時間が封印されることとなった。これまで学生相談・学生支援は、対面相談を基本とした個人カウンセリングと予防的心理教育を行ってきたが、コロナ禍を機に、対面と遠隔のハイブリッドによる支援が必要とされるようになった。本論文では、パンデミック発生後18か月間の取組を主に予防的心理教育の視点から概観し、今後の学生支援の可能性と留意点について取り上げた。初年次科目の出前授業では、授業形態の切換えに関わる適応支援や学部・学科への帰属意識を高める工夫が望ましいこと、新入生アンケートは、宿泊研修中のウェブ実施が学生への迅速な支援につながること、心理教育的グループ活動については対象学生により開催方法を選択することが重要であることが考察された。
著者
鈴木 崇士 小山 崇 山守 一雄 植松 裕太 平野 聡伺 石崎 超矢 和田 浩太朗
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.1285-1291, 2021 (Released:2021-11-25)
参考文献数
12

エンジンオイルの基油低粘度化は省燃費に大きく寄与する.一方,軽質な基油が増加するため蒸発起因のオイル消費増加が懸念されるが,蒸発性指標NOACKでは予測が困難な場合がある.本研究では蒸発速度を示す物性値に着目しボア壁温付近における飽和蒸気圧と蒸発起因のオイル消費の相関が高いことを明らかにした。
著者
荒井 朋子 川勝 康弘 中村 圭子 小松 睦美 千秋 博紀 和田 浩二 亀田 真吾 大野 宗佑 石橋 高 石丸 亮 中宮 賢樹 春日 敏測 大塚 勝仁 中村 智樹 中藤 亜衣子 中村 良介 伊藤 孝士 渡部 潤一 小林 正規
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.239-246, 2012
参考文献数
54

地球近傍小惑星(3200)Phaethonは,ふたご座流星群の母天体であるが,彗星活動は乏しく,彗星と小惑星の中間的特徴を持つ活動的小惑星(あるいは枯渇彗星)と考えられている.また,ふたご座流星群のスペクトル観測から報告されているナトリウムの枯渇及び不均質は,太陽加熱の影響よりも局所的部分溶融を経た母天体の組成不均質を反映している可能性が高い.部分溶融の痕跡を残す原始的分化隕石中に見られる薄片規模(mm-cmスケール)でのナトリウム不均質は,上記の可能性を支持する.従って, Phaethonでは局所的な加熱溶融・分別を経験した物質と,始原的な彗星物質が共存することが期待される. Phaethonは,太陽系固体天体形成の最初期プロセスを解明するための貴重な探査標的である.また,天文学,天体力学,小惑星・彗星科学,隕石学,実験岩石学などの惑星科学の多分野に横断的な本質的課題解明の鍵を握る理想的な天体である.本稿では,小惑星Phaethon及び関連小惑星の科学的意義と探査提案について述べる.
著者
大橋 朋史 富丸 慶人 丸橋 繁 友國 晃 浅岡 忠史 和田 浩志 江口 英利 土岐 祐一郎 森 正樹 永野 浩昭
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.185-191, 2016-03-01 (Released:2016-03-18)
参考文献数
12

症例は44歳の女性で,24歳時にBudd-Chiari症候群と診断され,経過観察されていた.34歳時に肝硬変の進行のため,脳死肝移植登録(医学的緊急度:3点)を行った.その後,11年の移植待機後,44歳時に肝機能悪化に伴い医学的緊急度を3点から6点にランクアップし再登録した.その約1か月後に脳死ドナーが発生し,脳死肝移植術を施行しえた.手術から1年経過した現在,肝機能を含め全身状態良好で,外来経過観察中である.本症例では脳死肝移植を施行することが可能であったものの,欧米と比較して移植待機期間は極めて長いものであった.この長期待機期間は本邦における脳死ドナー不足によるものであり,脳死移植医療における現在の深刻な問題であると考えられた.
著者
和田 浩一
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.67_2, 2017

<p> 本研究の目的は、国際オリンピック委員会(IOC)会長を辞任した直後に立ち上げた万国教育連盟における教育改革の中で、オリンピック・ムーブメントの一要素として位置づけた芸術と美を、ピエール・ド・クーベルタン(1863-1937)がどのように展開していったのかを、連盟の具体的な活動内容とそこでの彼の問題意識とから明らかにすることである。芸術と美に関するクーベルタンの行動と問題意識の一端を明らかにすることは、2020年東京大会に向けて進められている文化プログラムの根源的な意味の問い直しにつなげられよう。本研究で用いた主な史料は、万国教育連盟が4年間に渡って発行した計4冊の機関誌『万国教育連盟報』(1926-1929)である。クーベルタンは「現代都市の教育学的役割」をテーマに開いた1926年の会議(ローザンヌ)では、民衆芸術をトピックの一つとして取り上げ、1928年には美を全体テーマにした会議をエクス・アン・プロヴァンスで開催した。『万国教育連盟報』ではこれらの会議の予告・報告がなされるとともに、ユーリトミー(eurythmie、調和・均衡)をキーワードとした芸術論・美学論が展開されていた。</p>
著者
和田 浩一
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.86_3, 2016

<p> オリンピズムへの無理解に危機意識を募らせつつ1925年にIOC会長を辞任したピエール・ド・クーベルタン(1863-1937)は、その直後に万国教育連盟を創設した。本研究では、4年間に渡って発行された計4冊の連盟報のうち、連盟の活動が総括されている第4号(1928-1929)を取り上げ、IOC会長辞任後にクーベルタンが示した問題意識を明らかにし、オリンピズムの内実を再検討する。連盟報第4号によれば、万国教育連盟の活動には2つの目的があった。1)中等教育や成人教育に対して、従来とは異なる原理に基づいた新しい教育改革プログラムを示すことと、2)「現代都市」が未来の教育学の中枢機関として機能するよう、特定の仕組みや取り組みを示唆することである。オリンピズムとの関連で特に注目すべきは、(1)一般教養はすべての人間が学べるように、そして人生を通した学びとなるようにしなければならない、(2)早期からの専門教育をやめ、「全体を考慮しながら学ぶ」必要がある、という2つの指摘である。IOC会長辞任後に示されたこれらの指摘は、当時のオリンピック・ムーブメントにおいて理解に至らなかったオリンピズムの内実を描くものであると解釈できる。</p>
著者
中島 基樹 小倉 昭弘 関口 宗男 和田 浩明
出版者
国士舘大学理工学部
雑誌
国士舘大学理工学部紀要 = TRANSACTIONS OF THE KOKUSHIKAN UNIVERSITY SCHOOL OF SCIENCE AND ENGINEERING (ISSN:18824013)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.77-80, 2017-11-30

This article reports an attempt of a new experimental program of the quantum physics for a basic course in university. Our program does not require advanced knowledges and experimental skills for the students. We investigate a simple way for measurements of correct value of Plank's constant. We also hope our experimental program will be used in the advanced physics course in high school.
著者
山崎 健一朗 和田 浩卓 桜田 伊知郎 門之園 一明 佐伯 宏三 Kenichiro YAMAZAKI Hirotaka WADA Ichiro SAKURADA Kazuaki KADONOSONO Kozo SAEKI 佐伯眼科クリニック 佐伯眼科クリニック 佐伯眼科クリニック 横浜市立大学附属市民総合医療センター眼科 佐伯眼科クリニック Saeki Eye Clinic Saeki Eye Clinic Saeki Eye Clinic Yokohama City University Medical Center Department Of Ophthalmology Saeki Eye Clinic
雑誌
横濱醫學 = The Yokohama medical journal (ISSN:03727726)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.197-200, 2005-05-31

背景:脈絡膜破裂を伴った外傷性黄斑円孔に対し硝子体手術を行った一例を経験したので報告する.症例と所見:26歳女性,うちあげ花火が直接右眼にあたり鈍的外傷となった.初診時の矯正視力は0.01であり,白内障,前房出血,黄斑円孔,脈絡膜破裂に伴う黄斑下出血と網膜浮腫がみられた.3週間後黄斑円孔は拡大した.6週後の蛍光眼底造影にて黄斑部に及ぶ網膜循環障害を認めた.受傷6週間後にインドシアニングリーンを用いた内境界膜剥離術を行った.黄斑下手術は行わなかった.結果:術後黄斑円孔は閉鎖し,視力は0.5に改善した.重篤な術後合併症は見られなかった.結論:脈絡膜破裂のある外傷性黄斑円孔に対しても硝子体手術は有効であると考えられた.
著者
和田 浩二 上原 真希子 高良 健作 當銘 由博 矢野 昌充 石井 利直 太田 英明
出版者
Japan Association of Food Preservation Scientists
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.29-33, 2006-01-31 (Released:2011-05-20)
参考文献数
18
被引用文献数
2 4

シークヮーサー果汁中のノビレチンの定量法を設定するとともに, 果汁製造工程におけるノビレチン含量の変化について分析した。果汁試料を遠心エバポレータで濃縮し, 抽出溶媒にMeOHを用いることで高いノビレチンの抽出効率が得られた。さらにHPLC分析では定量下限0.1mg/100g, 変動係数1.8%と十分な正確さ, 精度を有することを明らかにし, 本法がカンキツ果汁全般のノビレチンの分析法として応用可能であることを示した。一方, ノビレチンはシークヮーサー果実の果肉部位にはほとんど含まれていないことから, 全果搾汁方式による果皮から果汁への移行成分であることを確認した。また, ノビレチンは果汁中では液体部分と含有するパルプなどの不溶性固形部分の両方に存在することから, その含量は果汁製造工程でのパルプ除去に関連する遠心分離処理の影響を大きく受けることが明らかになった。
著者
高橋 信行 松田 美代子 井上 たかみ 井川 剛 井川 緑 和田 浩一 松友 博史 村上 博 大西 キミ 鎌村 千秋 小田 由美 佐々木 美津代 中田 ひとみ 黒田 かつ子
出版者
日本ロービジョン学会
雑誌
日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
巻号頁・発行日
vol.6, pp.60, 2005

視覚障害と知的障害を併せ持つ盲学校の生徒について、1 保護者、2 教師、3 寄宿舎指導員がインターネットの掲示板システムを利用し生徒に関する情報を共有しようという取り組みをおこなった。我々は、これを「電子連絡帳」と呼んでいる。電子連絡帳により保護者、教師、寄宿舎指導員の連携が強化され、保護者に対するアカウンタビリティーの向上や生徒に対する教育サービスの向上が期待できると考えている。電子連絡帳の仕組みや実施方法、利点、今後改善すべき点などについて報告する。