著者
田代 香澄 大園 恵梨子 大西 愛 佐々木 理代 柴田 富美子 橋本 邦生 坂本 綾子
出版者
一般社団法人日本小児アレルギー学会
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.236-240, 2018 (Released:2018-06-30)
参考文献数
9

ダイエット用食品としてのエリスリトール使用量は近年増加傾向にあり, 小児における即時型アレルギー症状の報告例も散見されるようになった. 今回, 食品のみならず抗インフルエンザ薬タミフル®ドライシロップにも過敏症状を呈した症例を経験したので報告する. 症例は, 9歳女児, 2年前より, 低カロリーゼリー, ガム, 抹茶アイスクリームなどを摂取後に, 眼瞼浮腫, 蕁麻疹, 呼吸困難などの即時型のアレルギー症状を経験していた. また, タミフル®ドライシロップを内服した際にも, 同様の症状が出現していた. 症状誘発した製品に共通にエリスリトールが含まれていることから, 原因物資である可能性を疑い, 99%エリスリトール含有甘味料を用いて, プリックテストを行うも陰性だった. しかし, 経口負荷試験にて総量1g摂取したところ, 眼瞼浮腫と顔, 体幹の蕁麻疹が出現し, エリスリトールアレルギーであると診断した. エリスリトールが, 一般の菓子類や, 医薬品にも含まれていることを考慮し, 小児においても, 注意喚起を続けていく必要があると思われる.
著者
坂本 光太
出版者
国立音楽大学大学院
雑誌
音楽研究 : 大学院研究年報 = Ongaku Kenkyu : Journal of Graduate School, Kunitachi College of Music (ISSN:02894807)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.177-193, 2019-03-29

ヴィンコ・グロボカール Vinko Globokar(b.1934)はフランス生まれのスロベニア人作曲家、トロンボーン奏者、即興演奏家である。彼の代表作と目される事も多い金管楽器ソロ作品、《レス・アス・エクス・アンス・ピレ Res/As/Ex/Ins-pirer》(1973)は、「身体性」というイメージで漠然と語られこそすれ、今まで詳細に分析・検討されることはほとんどなかった。本稿は、グロボカールの作曲の師であり、《セクエンツァ第5番 Sequenza V》(1966)を共同で作ったルチアーノ・ベリオ Luciano Berio(1925-2003)の影響を指摘しながらこの楽曲の作品を詳細に分析し、その数的な構造性と美学を明らかにすることを目的とする。まずグロボカールと、ベリオの《セクエンツァ第5番》の関係について触れた後に、その影響を踏まえながら、6つの観点(1.特殊奏法の使用法と2.楽曲を構成する10のセクションの「小節」数の枠組み、3.奏法のモード的な配置方法、4.音列、5.ダイナミクス、6.音声学的な要素)から、それぞれの数的な構造性を分析した。その結果、《レス・アス・エクス・アンス・ピレ》においてグロボカールは、ベリオの《セクエンツァ第5番》から、音声学的要素、音色の拡大(種々の特殊奏法の使用)、身体性の導入などの点において大いに影響を受けながらも、それらを徹底的に拡大し、さらに体系化・組織化したこと、そしてその体系化・組織化には、意図的とも言える欠落を伴っているということが明らかになった。ベリオの楽曲では数回用いられるに過ぎなかった吸気による奏法を、楽曲の根幹に関わるコンセプトとして用い、演奏者に限界までの身体的負担を強いる事によって、楽曲を、演奏そのものが崩壊していくというプロセスに変えてしまったことは、Beck(2014)やグリフィス(1981)も指摘しているように、この楽曲に独自の意味を持たせている。すなわち、「演奏者の身体と楽器は、正確に音を出すための装置である」という規範を反転させ、生身の人間の身体が関わる時の、システムの否応なしの崩壊を現出しているのである。そして、楽曲中の各パラメーターに現れる数的な構造の中の意図された欠落は、自壊に至る身体のプロセスと共に、「完全な数的構造」=「体系化・組織化」という規範から、音楽そして身体の逸脱(解放)を重要な美的契機として呈示している。
著者
坂本 稔
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.137, pp.305-315, 2007-03-30

土器の使用に伴って付着した物質は,その炭素14年代が土器の使用年代を示すものと考えられる。その起源物質の推定を目的として,土器付着物の炭素・窒素分析を行った。多くの試料は陸上生物に特徴的な値を示し,炭素14年代について海洋リザーバー効果の影響が少ないことが分かった。一方,東北や北海道では海洋生物に特徴的な値を示す試料の割合が増え,その影響は無視できない。炭素の安定同位体比からは,土器付着物に雑穀類などのC4植物の存在が確認され,また窒素の安定同位体比との相関では,食材を反映する内面と燃料材を反映する外面とに違いが見られた。
著者
脇坂 真美 宋 一大 田ヶ谷 浩邦 藤田 朋恵 前田 実花 野村 今日子 小林 真美 山本 明子 坂本 泰理 田中 理英子 熊谷 雄治
出版者
一般社団法人 日本臨床薬理学会
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.243-248, 2015-09-30 (Released:2016-01-15)
参考文献数
15

The aim of the present trial was to compare the sedative effects of second generation antihistamines in healthy adult male volunteers. This randomized, double-blind, cross-over clinical trial compared the effects of single doses of olopatadine 5 mg, ketotifen fumarate 1.38 mg, fexofenadine 60 mg, and placebo on psychomotor function in 15 healthy male subjects who gave written informed consent for participation in the study. For each sedative, sleep latency time was measured using the multiple sleep latency test (MSLT); and psychomotor function was measured by thresholds of critical flicker fusion (CFF), the digit symbol substitution test (DSST), and a Straight line Analog Rating Scale (LARS). Measurements were performed before and 2, 5, and 8h after drug administration. The differences between the drugs and placebo were analyzed by repeated analysis of variance (ANOVA) and paired t-tests as appropriate. Intergroup differences in baseline values of all parameters were not significant. Ketotifen induced the shortest sleep latency at 2h (p=0.03 vs. fexofenadine, p=0.03 vs. olopatadine) and 5h (p=0.04 vs. fexofenadine) after administration. Ketotifen also showed the most prolonged recognition (CFF down) at 2h (p<0.001 vs. fexofenadine, p=0.03 vs. olopatadine) and 8h (p=0.01 vs. fexofenadine). Olopatadine showed a more prolonged recognition than fexofenadine at 2h (p=0.03). Ketotifen induced the greatest decline in concentration and cognitive function at 8h (p=0.03) according to DSST. The drugs affected objective psychomotor function without causing subjective symptoms as shown by no significant differences in LARS score. The study indicates that the extent of impaired performance, an important adverse drug reaction, may differ even among second generation antihistamines.
著者
坂本 薫 森井 沙衣子 井崎 栞奈 小川 麻衣 白杉(片岡) 直子 鈴木 道隆 岸原 士郎
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成27年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.143, 2015 (Released:2015-08-24)

【目的】日本の市販グラニュ糖やザラメ糖のスクロース純度は,99.9%以上と大変高くスクロース結晶とみなすことができるため,製品間で品質に差はないと考えられてきた。しかし,グラニュ糖の融点にはメーカーによって異なるものがあり,融点の異なるグラニュ糖は加熱熔融状況が異なり,示差走査熱量分析(DSC 分析)において異なる波形を示すこと,さらに,スクロース結晶を粉砕することにより,その加熱特性が変化することをすでに明らかにした。焼き菓子の中には,マカロンや焼きメレンゲなど粉砂糖の使用が通常とされるものがある。そこで,グラニュ糖と粉砂糖を使用して焼きメレンゲを調製し,焼き菓子における砂糖の粒度の違いによる影響を検討した。【方法】3社のグラニュ糖(W,X,Z)およびそれぞれを粉砕した粉砂糖(Wp,Xp,Zp)を用いた。砂糖のみについて,焼きメレンゲと同条件で加熱し,色差測定,HPLC分析を行った。また,焼きメレンゲを調製し,外観観察および重量減少率測定,密度測定,色差測定,破断強度測定を行った。【結果】砂糖のみの加熱では,グラニュ糖のほうが色づきやすく,粉砂糖のほうが着色の度合いは小さかった。また,加熱により,W,Xでは顕著に還元糖が生成していた。砂糖のみと焼メレンゲでは,加熱後の色づき方の逆転現象が認められ,粉砂糖メレンゲのほうが色が濃い結果となった。外観では,粉砂糖メレンゲでは表面はなめらかであったが表面が硬い傾向が認められ,表面に亀裂や気泡が見られた。グラニュ糖メレンゲは,色が白くきめが粗かった。本研究により,砂糖の粒度の違いにより,焼き上がりの外観,色調やきめ,テクスチャーが大きく左右されることが明らかとなった。
著者
坂本 裕 一門 惠子
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.261-267, 2013 (Released:2015-02-18)
参考文献数
34
被引用文献数
1

特別支援学校教員のバーンアウトへの関与要因を明らかにするため、MBI尺度が特別支援学校教員829名に実施され、735名から有効回答が得られた。MBI尺度の因子構造を明らかにするため、カテゴリカル主成分分析を適用したところ、質問項目17項目が〈就業意義・意欲の低下〉〈個人的達成感の低下〉の2成分に合成された。そして、各成分に関与する要因を明らかにするため、カテゴリカル回帰分析を適用した。「学校の悩み」「所属学部」は〈就業意義・意欲の低下〉〈個人的達成感の低下〉双方への、そして、「個人の悩み」「校種」「職名」は〈就業意義・意欲の低下〉のみへの関与が示唆された。なお、「年代」「性別」はいずれにも関与していなかった。
著者
反田 實 赤繁 悟 有山 啓之 山野井 英夫 木村 博 團 昭紀 坂本 久 佐伯 康明 石田 祐幸 壽 久文 山田 卓郎
出版者
水産総合研究センター
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.37-46, 2014 (Released:2014-10-29)

瀬戸内海の水質改善は進んだ。しかし,溶存無機態窒素(DIN)濃度の低下によって養殖ノリの色落ちが発生するとともに,漁獲量の減少が続いており,海域の生産力の低下が懸念されている。このような状況を踏まえ,瀬戸内海の今後の環境保全の在り方について環境省から意見募集が行われた。これに対応するため瀬戸内海ブロック水産試験場長会はモニタリングデータを収集分析するとともに,会員の意見を集約した。その結果,全ての府県でDIN濃度が低下していることが明らかとなった。また,ノリの生産量や漁獲量の減少が続いていることが確認された。
著者
坂本 真樹 小野 正理 清水 祐一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第26回全国大会(2012)
巻号頁・発行日
pp.2N1OS8c2, 2012 (Released:2018-07-30)

病気の症状はしばしば「ずきずき」といったオノマトペで直感的に表現される.痛みの強さに比べ,痛みの質は定量化が難しいとされてきた.痛みの量と質の両者を表現できるオノマトペは,電子化されてきた医療への導入が期待される.本研究では,オノマトペの音韻特性と医療用尺度の印象評価値の関係を特定する被験者実験によりデータベースを作成し,オノマトペによって表される症状を定量的に推定し出力するシステムを作成した.
著者
坂本 祐二 桒原 聡文 藤田 伸哉
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2019年大会
巻号頁・発行日
2019-05-17

東北大学が主として開発または協力した3衛星、DIWATA-2、RISESAT、ALE-1が2018年10月からの3か月間で、立て続けに打ち上げられた。東北大学構内に設置している2.4m口径パラボラアンテナを有する地上局を用いて、3衛星を日々観測している。本講演では、2009年より継続・発展してきた運用システムをハード・ソフトの両面で解説する。また、フィリピン、スウェーデン、函館、福井など、連携中または準備中の地上局ネットワークについても紹介する。 本地上局は、東北大学の1号機衛星SPRITE-SATのために整備され、超小型衛星を対象として使用を開始した。基本的に低高度地球周回衛星が対象であり、約10~12分のパスにおいて、アンテナ指向方向を制御し、送受信機の周波数を制御して、通信を確立する。衛星追尾は対象衛星を登録するだけで、自動的に最新の軌道を収集し、上空通過時に自動追跡を開始・終了する。運用者は、衛星との通信に集中し、地上局の管理に気を払う必要はない。 現在、前期の最新3衛星に加え、DIWATA-1、RISING-2、SPRITE-SATとの通信も不定期に実施している。本地上局が対応できる通信仕様は、ITU国際通信連合にJCUBES-Bの群衛星として登録されており、今後も兄弟衛星が打ち上げられる予定である。国際機関への電波申請には申請準備も含めて、1年以上の時間を要する。企画から打上まで1年半以内で実現できる現状において、電波申請作業はプロジェクトにおいてトラブル要因となりうる。本地上局を使用する衛星ネットワークの輪が広がることで、衛星開発者に大きなメリットをもたらすと考えている。
著者
関野 有紀 濵上 陽平 田中 陽理 坂本 淳哉 中野 治郎 沖田 実
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Ae0045, 2012 (Released:2012-08-10)

【はじめに、目的】 不動によって痛みが発生することはヒトおよび実験動物モデルを用いた報告等により周知の事実となりつつある.また,慢性痛の病態のひとつである複合性局所疼痛症候群(CRPS)に関する国際疼痛学会(IASP)の診断基準には患肢の不動の有無が掲げられている.所属研究室の先行研究により,ラット足関節不動化モデルにおいて不動期間が8週間におよんだ場合,中枢神経系の感作を含む慢性痛を呈するが,不動期間が4週間の場合は痛覚過敏のみで,中枢神経系の感作は認められないことが明らかとなっている.このことから,不動に伴う初期の痛みの原因は皮膚,末梢神経を含む末梢組織にあると推測され,実際に,ラット足関節不動化モデルの足底において表皮の菲薄化や末梢神経密度の増加が認められたことをこれまでに報告した.しかし,これらの皮膚組織の変化と不動に伴う痛み発生との関連性は未だ明らかにできていない.よって,本研究の目的は皮膚組織に着目し,その変調をさらに詳細に解析することにより,不動に伴う痛み発生メカニズムを探索することである.【方法】 実験動物には8週齢のWistar系雄性ラット20匹を用い,4週間通常飼育する対照群(n=10),右側足関節を最大底屈位にて4週間ギプス固定する不動群(n=10)に振り分けた.実験期間中、機械的刺激に対する痛みの指標としてvon Frey filament testを実施し,足底部にfilamentで刺激(4,15g ;各10回)を加えた際の逃避反応をカウントした.また,熱刺激に対する痛みの指標として足背部の熱痛覚閾値温度を測定した.すべての測定とも週1回の頻度で経時的に行い,測定は覚醒下でギプスを除去して行った.実験期間終了後,ラットを4%パラホルムアルデヒドで灌流固定し,足底部中央の皮膚組織を採取した.組織試料は急速凍結させた後に凍結切片とし,以下の検索に供した.まず,HE染色を施した切片を用いて表皮厚を計測した.次に,免疫組織化学的染色により末梢神経(A線維,C線維)を可視化し,表皮層下におけるそれぞれの末梢神経密度を半定量化した.さらに,Nerve growth factor(NGF)に対する蛍光免疫染色を行い,表皮層の染色輝度を測定することにより表皮におけるNGF産生を半定量化した.【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は長崎大学動物実験委員会が定める動物実験指針に基づき,長崎大学先導生命体研究支援センター・動物実験施設において実施した.【結果】 不動を開始して1~2週目から,不動群において4g,15gのvon Frey filament刺激に対する逃避反応回数は増加し,また,足背部の熱痛覚閾値温度は低下した.そして,これらの変化は不動期間に準拠して顕著になり,不動2週目以降のすべての測定において対照群との有意差を認めた.次に,不動4週目の足底皮膚を組織学的に観察した結果,不動群において表皮の菲薄化,角質層の乱れが観察され,表皮厚は対照群のそれより有意に低値を示した.また,不動群の末梢神経密度はA線維,C線維ともに対照群のそれより有意に高値を示し,神経線維が表皮層へ進入する所見が観察された.さらに,不動群の表皮におけるNGF産生は対照群のそれより有意に高値を示した.【考察】 本研究では,4週間の不動に伴い機械的刺激に対する痛覚過敏および熱痛覚閾値の低下が観察され,この結果は先行研究とほぼ一致する.また,足底皮膚においては表皮の菲薄化や角質層の乱れ,表皮に分布する末梢神経の増加が観察された.先行研究によれば,末梢神経の増加は痛覚閾値に関与するとされており,不動に伴う痛覚閾値の低下の一因となっている可能性が高い.一方,皮膚組織の末梢神経の分布や密度に対しては,表皮の主要構成細胞であるケラチノサイトから産生されるNGFが関与するとされている.よって,不動群に認められた末梢神経密度の増加は,ケラチノサイト由来のNGF産生の増加に起因する変化であると推察される.加えて,NGFは痛みの内因性メディエーターとしての機能も知られており,NGF産生の増加自体が痛みの直接的な原因になっていることも十分に考えられる.以上のことから,不動に伴う痛みの発生には皮膚の組織学的変化が深く関与していると推測でき,今後さらに検討を進める必要がある.【理学療法学研究としての意義】 本研究は,不動に伴う痛み発生メカニズムに皮膚組織がその責任組織の一端を担っている可能性を提示している.われわれ理学療法士は皮膚組織を含む末梢組織に対して直接的に介入可能であることから,本研究の進展は,不動に伴う痛みに対する理学療法学的な介入方法の開発につながると期待できる.したがって,本研究は理学療法学研究として十分な意義があると考える.

1 0 0 0 俗信と仏教

著者
宮田登 坂本要編
出版者
名著出版
巻号頁・発行日
1992
著者
山岸 聡 坂本 登 佐藤 昌之
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.1-8, 2013 (Released:2013-10-25)
参考文献数
18
被引用文献数
2 1

In this paper, we propose a design method of a nonlinear optimal controller for systems with rate limited actuators which are known to cause PIO of an aircraft. The PIO prevention problem is solved as a robust stabilization problem of a servo system for pilot commands. Simulation results demonstrate that the nonlinear controller achieves faster tracking performance with less oscillation and smaller input compared with an anti-windup compensator using the H∞ method. Robustness against parameter error, observation noise and time-delay is also confirmed.
著者
坂本 将樹 小田切 久恵 三澤 顕次 有澤 準二 清水 孝一
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.20, no.72, pp.29-36, 1996-12-21 (Released:2017-10-13)

ELF電界の生体影響を定量的に評価するため、安全基準の中心となる電界感知閾値について、実際の人体を対象に基礎的検討を行った。まず電界の生体作用の機序を理論的・実験的に調べ、電界の交流・直流の違いによる感知閾値の変化を解析した。その結果、ヒトの電界感知の機序としては、体毛の動きによる体表刺激が支配的であること、また交流電界の方が直流電界に比べ感知閾値が低くなることなどが確かめられた。これらの結果に基づき、電界感知閾値の個人差の原因について詳しい解析を行った。これまで電界感知については、電流刺激の場合とは逆に男性の方が女性より閾値が低いと思われてきた。実験的解析の結果、この個人差は男女差というよりは体毛状態の違いに起因することがわかった。また体毛状態が同じ場合には、女性の閾値の方が低くなる可能性も認められた。次に別の個人差の要因として、被験者の心理状態の影響について検討を行った。その結果、電界感知の経験の有無や電界の体表刺激についての知識・情報の有無によっても、感知閾値が変化することが明らかとなった。ただしこれらの変化の幅は、以前に明らかにした相対湿度変化に伴う感知閾値変化の幅に比べると、はるかに小さいものであった。
著者
横山 遼 坂本 龍一 中村 宏
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2020-OS-148, no.9, pp.1-9, 2020-02-20

複数の物理マシンにまたがって動作するマイクロサービスによるアプリケーションで,通信オーバーヘッドが問題となっている.物理マシン間通信削減のためマイクロサービスを少数マシンに集約配置すると,リソース使用量に偏りが生じ一部のマシンがボトルネックとなりスループットが低下しうる.本研究ではリソース使用量の複数マシンへの配分と物理マシン間通信の削減をアプリケーションに合わせたバランスで行う,マイクロサービスの物理マシンへの最適配置アルゴリズムを提案する.その後,既存のマイクロサービスアプリケーションにも容易に導入可能な最適化システムおよび評価環境を実装した.ベンチマークを用いた性能評価では,マイクロサービス動作環境のデファクトスタンダードである Kubernetes スケジューラと比較してより均一なリソース使用量配分および通信時間削減を果たし,スループット・レイテンシ共に改善を果たした.
著者
西森 克彦 東田 陽博 尾仲 達史 坂本 浩隆 黒田 久美 八尾 寛
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

脳内オキシトシン(OXT)と受容体は社会行動の制御機能を持ち、ヒト鼻腔投与OXTが社会性を高める事から自閉症への投与試験も開始された。本研究ではOXTR発現性神経の社会行動制御機構を解析した。まずOXTによる5-HT分泌制御の役割を解析した。そして、社会識別時にMeAのOXTR発現神経の多くでc-Fos活性化を検出した。5-HT神経特異的OXTR遺伝子KOマウスを作製、当該神経の機能解析を行ったが社会記憶の障害は見出せなかった。体温調節能に関わる淡蒼縫線核のOXTR発現性Glutaminergic神経を見出した。一方、OXTR発現性I型味細胞の解析を進め、その性質について新しい情報を得た。
著者
坂本 憲治 本多 千賀子 永山 由貴 木内 理恵 成田 奈緒子
出版者
大妻女子大学人間生活文化研究所
雑誌
人間生活文化研究
巻号頁・発行日
vol.2016, no.26, pp.595-609, 2016

<p>本研究の目的は,専任カウンセラー不在の学生相談機関の問題を明らかにし,今後の研究に示唆を得ることである.X大学保健センター相談室を対象に後向調査を行った.まず,保健センター年報や会議録をもとに年間延べ相談件数,学生の来談率,実質カウンセラー数等の推移を調べた.次に,学生相談機関充実イメージ表(福盛ら,2014)を用いて学生相談機関としての発展レベルの推移を評価した.最後に,学内関係者への面接調査を実施し,各時期の状況を把握した.X大学の学生相談室は開設以後10年間に「充実しつつある段階(充実度3)」まで発展し,相談機関としての要件を整えた(第Ⅰ期).年間相談件数は開設11~25年に「右肩上がり」の傾向を示したが(第Ⅱ期),開設27年,3年の任期付雇用導入を境に「短期増減」に転じた(第Ⅲ期).専任カウンセラーの先行研究では「右肩上がり」の後に学生相談機関の充実がみられたが,X大学では33年間を経てもなお「充実しつつある段階(充実度3)」にとどまった.その背景には,相談室内部における相談運営のありようや,学生相談室と学内他部署との関係性が関与していた.以上から,専任カウンセラー不在の学生相談機関に起こりやすい問題として(1)年間相談件数推移の不安定さ,(2)学生相談機関としての発展の停滞,(3)学生相談機関における密室性の高まりを指摘した.今後は,前向調査によってデータを蓄積し,問題の一般化を図る必要がある.</p>

1 0 0 0 OA 紙の寿命

著者
坂本 雅美
出版者
マテリアルライフ学会
雑誌
マテリアルライフ学会誌 (ISSN:13460633)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.18-21, 2002-01-31 (Released:2011-04-19)
参考文献数
6