著者
山岸 明浩 堀越 哲美 石井 仁
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.23-34, 1997-07
被引用文献数
1

本研究は連続した上下気温分布が,人体の皮膚温および温冷感に与える影響について明らかにすることを目的とし,裸体・椅座・安静状態で実験を行い検討した。実験は,床上0.7mの気温25℃,28℃と床上0.1mと1.1mの上下気温差0℃, 4℃, 8℃との組合せ条件下で,青年男子5名を用いて行った。人体各部位の皮膚温は,前額から足背へと部位の位置が低くなるにつれ低い値となり,上下の気温差とともに気温条件との組合せにより人体各部位の皮膚温への影響が変化する。各部位の温冷感申告は,他の部位に比べ頭部は暑い側,足部は寒い側の申告を示した。上下気温差は,人体の上半身よりも下半身に与える影響が大きい。人体の上下方向の皮膚温と温冷感申告の差は,上下気温差が大きくなるに従い増加する傾向であった。実験条件暴露60分間の皮膚温の変化は,気温28℃の実験条件では下腿,気温25℃条件では平均皮膚温,下腿,足背の皮膚温が低下する傾向にあった。
著者
堀 誠
出版者
早稻田大學中國文學會
雑誌
中國文學研究 (ISSN:03850919)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.61-72, 2002-12-31
著者
牧之段 恵里 佐々木 祥人 倉田 晴子 田中 将貴 堀 啓一郎
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.3, no.6, pp.567-571, 2004 (Released:2011-11-07)
参考文献数
22

81歳,女性。1947年から1年間美白のために,砒素(詳細不明)を1年間内服していた。1990年頃より鱗屑を伴う紅褐色皮疹の増加を認めていた。2001年8月1日,当科紹介受診となった。計30ヵ所切除行い、組織学的に,右手掌の砒素性角化症以外は,すべてBowen病と診断した。また,過去10年間の砒素が誘因と考えられる多発性Bowen病の13症例の発病までの期間は,平均39年であった。
著者
大野 善之 堀 敦史 石川 裕
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2011-HPC-132, no.34, pp.1-6, 2011-11-21

並列ジョブにおける多数ファイルに対する I/O をひとつのファイルに対する I/O に集約することによりファイル I/O を高速化する方式を提案する.各プロセスごとにファイルを作成し,データを書き出すというファイル I/O パターンをとるアプリケーションが多くある.しかし,現在普及している並列ファイルシステムは,少数の大きなデータ I/O で高い性能がでるように設計されており,プロセスごとにファイルを作成するという I/O パターンでは高い性能がでない.そこで,並列ジョブにおけるファイル I/O をひとつのファイルに集約し,少数の大きなデータ I/O にする方式を提案する.Lustre 上で予備評価を行った結果,並列プロセスがそれぞれ 1MB のファイルを 128 個 I/O する場合,2-3 倍の性能向上を確認した.
著者
加藤 典子 河本 慶子 橋本 洋子 為政 大幾 岡本 祐之 堀尾 武
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.244-248, 2005 (Released:2011-05-17)
参考文献数
41

64歳,女性。合併症として橋本病があり,平成14年3月より両手掌に鱗屑を伴う紅斑が出現した。尋常性乾癬と診断されエトレトナート内服,マキサカシトール軟膏の外用を開始したが,皮疹は拡大し、5月末には頭部に脱毛斑が出現した為,当科を受診した。入院の上,PUVA療法を開始し,内服PUVA療法を計28回,計130.5J/cm2照射し,終了時には乾癬,円形脱毛症ともに略治状態となった。尋常性乾癬の病態形成にT細胞性自己免疫が関与することが注目されており,他の自己免疫疾患との合併例が報告されている。本症例は橋本病と円形脱毛症を合併しており,異なる自己抗原に対する細胞性免疫が惹起された結果,3疾患を発症した可能性が考えられた。
著者
深堀 建二郎
出版者
熊本大学
雑誌
文学部論叢 (ISSN:03887073)
巻号頁・発行日
vol.98, pp.97-120, 2008-03-07

Elisabeth Langgasser, die als Halbjudin in der genzen Zeit des Dritten Reichs in Berlin lebte und mit ihrem arischen Mann und drei Tochtern unter wiederholten Luftangriffen sehr litt, gab kurz nach dem Weltkrieg 18 Kurzegschichten als "Der Torso" heraus, die von zwei Gedichten eingerahmt sind. In disem Kuzgeschichtenband "Der Torso" ist "alles drin: der Schrecken, das Entsetzen, der Wahnsinn und die Groteske, aber auch die Unschuld ... und die Treue und Zartlichkeit ..." Im vorliegenden Aufsatz habe ich diese 18 Geschichten und zwei Gedichte zunachst genau interpretiert. Und dann habe ich die Frage untersucht, ob dieser Band als Ganzes eine musikalische Komposition hat oder nicht, weil Langgasser in einem ihrer Briefe seinen "Aufbau musikalisch, nicht logisch, geschweige chronologisch" auffasst. Als Ergebnis hat sich ergeben, dass man diesen Band nicht genau als musikalisch bezeichnen kann, er jedoch als Ganzes unter einem einheitlichen Gesichtspunkt beschreiben werden kann, d.h. mit christlichem Glauben durchdrungen ist, zu dem sich Elisabeth Langgasser lebenslang bekannt hat.
著者
中堀 泰賢 廣瀬 智也 塩崎 忠彦 小川 新史 大西 光雄 藤見 聡 嶋津 岳士
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.9, pp.774-780, 2013-09-15 (Released:2013-12-30)
参考文献数
20
被引用文献数
2 6

【背景】rSO2(regional saturation of oxygen)とは,動脈・静脈・毛細血管を含む酸素飽和度のことで,「局所混合血酸素飽和度」もしくは「組織酸素飽和度」とも呼ばれる。この値を測定することで,局所の酸素需給のバランスの変化をとらえることができるとされている。心肺停止患者の脳保護の重要性は強調されているが,蘇生処置中の脳の酸素化を検討した研究はない。【目的】病院外心肺停止患者の蘇生処置中の脳内酸素飽和度(rSO2)の継時的変化を明らかにすること。【方法と対象】2008年3月から2010年3月まで我々の施設に搬送された病院外心肺停止患者で蘇生処置中に脳内rSO2値を測定した患者を対象とし,自己心拍の再開の有無別,PCPS施行時のrSO2値を後ろ向きに解析した。また健常人15人から正常範囲を決定した。【結果】Room air条件下でのrSO2値の正常範囲は71.2±3.9%であった。自己心拍再開を認めない例は25例(71.0±15.9歳),自己心拍再開例は13例(72.1±9.6歳),PCPS施行症例は5例(54.4±15.8 歳)であった。自己心拍再開を認めない症例は胸骨圧迫を施行してもrSO2値の上昇は認めなかった。一方,自己心拍再開例では再開により著明に上昇し,自己心拍再開時はrSO2値43.2±14.1%であったが,10分後55.7±12.3%,15分後59.7±8.5%と有意に上昇した(それぞれp<0.05,p<0.01)。PCPS施行例において,開始時rSO2値48.4±8.9%であったが,施行5分後63.0±8.8%,10分後66.2±5.7%,15分後68.1±4.6%と有意に上昇した(ともにp<0.0001)。【結語】脳内rSO2値は胸骨圧迫のみでは上昇せず,自己心拍再開とともに上昇する。PCPS導入により速やかに脳内rSO2値は上昇する。
著者
堀 雅博 岩本 光一郎
出版者
岩波書店
雑誌
経済研究 (ISSN:00229733)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.132-146, 2013-04

本稿では,大相撲興行におけるいわゆる「八百長」の経済学的誘因構造を明らかにすることを目的に,簡単な理論モデルを提示し,Duggan and Levitt(2002)に倣った幾つかの実証分析を行った.「星の買取り」,及び「星交換」の成立要件を考察した理論分析からは,「八百長」行為には力士が置かれた環境下での誘因構造が大きく影響しており,上位看板力士が「八百長」を行うとすれば星の買取りを,平幕/十両の力士は星交換を,それぞれ選択する可能性が大きいと考えられる一方,幕下以下の力士養成員には「八百長」の誘因があまりないことが示された.一方,Duggan and Levitt(2002)のデータ期間を約2倍に延長し,また力士養成員も含めて行った実証分析の結果,①勝越しの可能性が懸かった力士の勝率が不自然に高いという意味での「八百長」は,2000年代に入り減少していたものの,近年迄一貫して続いていたこと,②力士養成員レベルでは,統計的に検出できる程の「八百長」は行われていないこと,③2011年2月の携帯メール八百長スキャンダル以降では,関取レベルでも,統計的に検出可能な形での「八百長」は無くなっていること,④「八百長」問題で処分対象となった力士とその他の力士を比較すると,すくなくとも平均的レベルにおいて,処分対象力士の方が「八百長」に強く関与していた可能性が高いこと,等が明らかになった.本稿の分析結果は,大相撲興行の取組結果から読み取れる力士の選択(「八百長」)が経済学的な誘因構造と極めて整合的であること,また,その誘因構造の設計次第で,力士の選択は全く異なったものになり得る可能性を示唆している.This paper first develops a simple model to show that incentives for match-rigging in professional sumo differ depending on the rank to which a wrestler belongs. While incentives for match-rigging can arise for wrestlers in the top divisions (sekitori), few incentives arise for wrestlers-in-training (makushita and below). We then report the results of our empirical analysis, which show that match-rigging in the top divisions has declined in the post-Duggan and Levitt (2002) period, and that at the wrestler-in-training level there was no statistically detectable match-rigging during any period. We find further that match-rigging in professional sumo has stabilized at statistically undetectable levels following the mobile phone text message match-rigging scandal, and that on average the wrestlers selected for sanctions following the scandal were in fact those most involved in match-rigging.
著者
堀 優子
出版者
九州大学附属図書館
雑誌
九州大学附属図書館研究開発室年報 (ISSN:18813542)
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.45-55, 2009

平成21(2009)年,九州大学統合移転第Ⅱステージにおける六本松地区移転に伴い,附属図書館のⅡ期移転を実施した.本稿では,第Ⅱステージの図書館移転における計画策定と実施,移転の実際,各種課題への対応について記録し,第Ⅲステージにおける移転,及び29年度に控える新中央(文系)図書館(仮称)建設に向けての参考とする.
著者
太田 浩 芦沢 真五 渡部 由紀 野田 文香 新田 功 横田 雅弘 堀田 泰司 上別府 隆男 杉本 和弘
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

欧州で進行中の大学評価プロジェクトであるNufficのMINT、CHRのIMPI、IAUのISAS、ACAのAIMの開発者と利用した大学に聞き取り調査を行うと共に文献調査を行い、プロジェクト間の相違点、課題、利点などを明らかにした。そのうち、IMPIが開発した国際化評価の489指標を翻訳し、日本の文脈に照らして妥当と判断される152の指標を使い、質問紙調査を日本の228大学に対して行った。調査で収集したデータの分析結果に基づき、日本の大学国際化の評価に関する現状と今後の評価のあり方、及び日本の大学にとって最も有効性が高いと考えられる指標群、また有効性が高くないと考えられる指標群を明らかにした。
著者
堀江 和磨
巻号頁・発行日
2013

筑波大学修士 (情報学) 学位論文・平成25年3月25日授与 (30968号)
著者
香川 考司 富永 浩之 白岩 真一 堀井 達也 池田 秀聴 横山 裕一 韓 根鎖 吉崎 翔 平川 裕弥 長江 明彦 白神 佑典 尾崎 陽一 末友 貴大 鳥原 悠平 藤沢 尚樹 森田 昌樹
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

Webベースプログラミング学習支援環境のサーバー側プログラムに、Scalaスクリプトによる柔軟なカスタマイズ機能を提供できるプラットフォームを構築することを目的として、教師用システムと学習者用システムの間のファイルシステムを利用した疎結合インターフェイスの設計と、プロトタイプによる基本機能の確認を行った。教師用サーバー側プラットフォームにScalaインタプリターとのインターフェイスを実装した。また、プログラム可視化ツール、スクリプト入力支援ツールなどのクライアント側の補助的なツールを設計・実装した。
著者
高井 良樹 飯野 佑一 堀口 淳
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.255-258, 2009-08-01 (Released:2009-09-11)
参考文献数
6
被引用文献数
1

Mondor病は乳房およびその周囲の前胸壁に多く認められる浅在性の血栓性静脈炎で, 比較的まれな良性疾患である. 当院で3年10ヶ月の間に経験した41例のMondor病症例について検討した. 男女比は1 : 40. 年齢は26~73歳 (平均43.5歳) であった. 発生部位は右 : 左=14 : 27で左に多く, 上腹部から乳房部を経て腋窩に至る部に分布していた. 原因は35例 (85.4%) が特発性であった. 4例は乳癌手術の既往 (術後2ヶ月~ 2年4ヶ月) があり, 1例は乳腺生検後20日, 1例は授乳中であった. 症状は前胸壁皮膚の有痛性の索状物や皮膚陥凹である. ほとんどの症例は経過観察のみで1 ~ 2ヶ月で自然治癒した. Mondor病の診療で大切なのはこの病気について正しい知識を持ち, 他の乳腺疾患を否定することである.
著者
堀井 洋 林 正治 堀井 美里 沢田 史子 吉田 武稔
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.16, pp.1-7, 2009-07-18

地域歴史観光分野において歴史資料を題材とした商品の企画を行う際には,「その歴史資料がどのような観光的特徴を,どの程度含んでいるのか?」を具体的に企画者が把握することが必要である.しかし,歴史資料の記述内容を歴史学専門家以外が正確かつ客観的に把握・評価することは,歴史学的な知識や経験などの問題から非常に困難であり,この「歴史資料の難解さ」が歴史資料の活用促進を阻害する一要因となっていた.そこで本論文では,歴史資料に含まれている観光的特徴・要素の客観的な評価について論じる.観光的特徴評価に際しては,現代の観光事情を反映した観光分類を定義して歴史資料中に出現する単語の定義分類を行い,それらがどのように歴史資料中に含まれているか明らかにする.Recently, some history tourism products are proposed and developed in Japan. In development process of history tourism, understanding of historical records by developers themselves in local region is important. In this paper, we proposed an analysis method of historical and touristic characteristics for history tourism.