著者
浦部 弘章 塚本 淳 佐藤 和基 梅津 高朗 東野 輝夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.260, pp.13-18, 2005-08-30

災害発生に対して, 被災者の迅速な救助・安否確認が求められる.一方で, 既存の連絡方法はインフラの破壊により利用不可能となる可能性が高く, インフラに依存しない救助支援システムが求められる.そこで本稿では, 災害時において被災者の位置情報を収集・追跡するためのMANETシステムを提案・評価する.提案手法では, 被災者は無線LAN機能などの近距離無線通信機能を有する端末を保持し, それらや自動車に搭載される端末がアドホック通信を用い, 避難所に設置される基地局に被災者情報を収集する.システムの評価は被災者情報の登録数と通信量を対象とし, 車両の導入による影響を比較した上で, システムの有用性を示す.
著者
吉井 暢彦 和田 隆広 塚本 一義 田中 聡
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.397-404, 2004
被引用文献数
5

Appropriate exercises are important to maintain the health. In this paper, we develop the virtual reality snowboard system for whole body exercise and rehabilitation. Users can continue exercises pleasantly since the virtual reality snowboard system has amusement. In addition, we propose a methodology to provide the appropriate exercise corresponding to the personal condition by using the proposed virtual snowboard system. In the training, the longitudinal and lateral distances of sets of the flags and torque exerted on the board are controlled based on the user's conditions. Finally, we will show the effectiveness of our proposed method by measuring the heart rates, oxygen uptake and EMG signal of upper and lower limbs. It is shown that the exercise strength is enough for the training and the strength can be controlled by changing the positions of flags and torque by measuring the heart rates, oxygen uptake and EMG signals of upper and lower limbs while playing snowboard.
著者
塚本 定三 河合 高生
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.72, no.7, pp.738-741, 1998-07-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

大腸菌O157はいくつかの大腸菌および他の菌種とO抗原の一部が共通であるため, それらとの問で血清学的に類属反応が認められる. そこでO157抗原の特異性を決定しているrfbE(Ec O157: H7) 遺伝子に注目し, PCR法によりO157抗原を同定することを試みた. その結果, 供試した志賀毒素産生性大腸菌 (STEC), O157: H7, O157: H-およびSTECでない大腸菌O157のすべての株に大腸菌O157 rfbE遺伝子の存在が認められた. 一方, 大腸菌O157以外の血清型のSTEC, 腸管病原性大腸菌 (EPEC) およびO157を除く大腸菌O血清型別用標準株はすべて陰性であった. また, Salmonella O30, Citrobacter freundiiは大腸菌O157検出キットで陽性を示したにもかかわらず, rfbE遺伝子の検出はなかった. このことから, 今回報告したPCR法を用いることにより, 野外から分離された菌株が大腸菌O157か, 共通のO抗原を持つ菌種かの鑑別に有効な手段となると思われる.
著者
塚本 修 佐橋 謙 王 介民
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
Journal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.925-935, 1995-10-25
被引用文献数
8

周囲を砂漠に囲まれた張掖(Zhangye)オアシスで放射量と乱流フラックスの観測を行ない、地表面熱収支と蒸発散量の季節変化を明らかにした。ここはHEIFEの基本観測点の一つで、オアシスを代表するものである。オアシスは砂漠に比べて植生が豊かなため上向きの短波・長波放射量が小さく結果的に純放射量が大きくなる。また、地表面での熱フラックスは潜熱フラックスが支配的で平均的なボーエン比は0.2程度である。放射フラックスと顕熱潜熱フラックスから地表面熱収支を評価すると地中熱フラックスを考慮しても年間を通じて大きな残差項があり、今後、水平方向の移流を考慮した熱収支を考える必要がある。渦相関法による水蒸気フラックスの値から季節毎に行われた強化観測期間(IOP)期間中の日蒸発散量は3.4mm(8月),1.7mm(10月),0.2mm(12月),2.8mm(5月),3.9mm(6月)という結果が得られた。一方、IOP以外の期間についても蒸発散量を評価するために、2年間の連続した鉛直プロファイルのデータを用いての推定を試みた。安定度の効果と零面変位の変化を導入することによって、渦相関法による値とほぼ一致する結果を得ることができた。これをもとにして張掖オアシスにおける通年の蒸発散量を評価した結果、535mmという値が得られた。これは気象台で蒸発計を用いて得られている年間蒸発量の約4分の1になる。
著者
塚本 眞幸
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

バクテリアの二次情報伝達物質として注目されている環状ジアデニル酸 (c-di-AMP) の効率的な化学合成法を確立した。この手法を基盤として生理活性探索を行ったところ、 c-di-AMP が淡水域に生息する緑藻類の一種であるクラミドモナスの細胞分裂を促進することがわかった。さらに、2'位に種々の置換基を有する c-di-AMP 誘導体も同様の生理活性を示すことが明らかとなった。
著者
塚本 泰司 三熊 直人 舛森 直哉 宮尾 則臣 伊藤 直樹
出版者
札幌医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1996

‘老化'と前立腺肥大症の発生との関係の一端を解明するために、1)ヒト前立腺の加齢による形態変化、2)前立腺平滑筋の機能、3)前立腺上皮、間質細胞の増殖と抑制、について臨床的、生理学的および分子生物学的検討を行った。その結果以下の知見を得た。1) Community-based studyにおける検討により、加齢にともなう経直腸的超音波断層上の前立腺の形態は、一部の男子では50歳前後にかけて、それまで均一であった前立腺が結節を呈するようになり、これらのうちの一部の男子でさらに肥大結節が増大するという経過を辿ると推測された。したがって、臨床的な前立腺肥大出現のtumingpointは50歳にあると考えられた。2) 前立腺平滑筋細胞の培養細胞株をguinea-pig前立腺より確立した。この細胞は形態学的および機能的所見からも平滑筋細胞であり、今後のin vitroの実験モデルとして有用と考えられた。3) 前立腺平滑筋の加齢による機能的変化の検討から、8週齢の若年guinea-pigと比較すると12か月の高齢guinea-pigでは収縮張力の低下が認められ、加齢が前立腺平滑筋の機能に影響を及ぼす可能性が示唆された。4) 前立腺肥大症の一部には下部尿路閉塞に対する治療のみでは排尿障害を改善できないことがあり、膀胱平滑筋の機能を改善させる治療が必要であることが示された。5) 前立腺の上皮および間質細胞はandrogenおよび各種の成長因子regulationを受けているが、TGF-betaを中心とするこれらの間のネットワークの解明を試みた。今回の結果とこれまでの知見を総合すると、androgen存在下では増殖に作用する成長因子により上皮および間質の恒常性が保たれ、androgen低下時にはTGF-beta発現が亢進し上皮細胞はapoptosisにより減少する。一方、TGF-beta発現増加によりFGF産生が刺激され間質の増殖が起こる。これが加齢にともなう前立腺肥大の発生機序の一つと推測された。
著者
塚本 尚久
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.50, no.459, pp.2156-2164, 1984-11-25

無潤滑運転における防せい(錆)の意味で炭素鋼歯車の代用にステンレス歯車、黄銅歯車、鋳鉄歯車の使用を考えたがこれらの歯車とのかみ合いでナイロン歯車が使用された実績が少ないためその磨耗などの実態がわかっていない。このことから本報では上記3種類の金属歯車でナイロン歯車の磨耗実験を行いこれらの結果とすでに報告した炭素鋼歯車とかみ合うナイロン歯車の磨耗などを比較検討し相手金属歯車の材料の違いに伴うナイロン歯車の磨耗などを明らかにした。
著者
堀田 浩平 坂本 眞一 塚本 大地 渡辺 好章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.411, pp.85-90, 2009-01-22

本研究では,熱音響冷却システムの小型化について検討を行った.熱音響冷却システムの一つであるループ管では,管内に発生する音波の周波数が全長と逆比例の関係を成すため,小型化すると周波数が高くなる.周波数が高くなると,ヒートポンプで効率良く冷却を行うための最適条件が変わる.本研究では,ヒートポンプの冷却効率に関係するパラメータであるωτと設置位置に着目し,これらのパラメータに関する冷却温度特性の測定を行った.実験結果から,ヒートポンプスタックのωτや設置位置を調整することで,100mm程度まで小型化したとき,わずかではあるが温度低下が確認された.また,スタックのωτによって,冷却温度が最大となる設置位置が異なる結果が得られた.この結果から,ωτや管内の音場は,ヒートポンプの設計指針として適用できると考えられる.
著者
竹田 真理 サギャムウォン ジャトゥロン 塚本 勝俊 小牧 省三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.185, pp.13-18, 2004-07-08

メッシュ形ミリ波無線エントランスネットワークのアプリケーションとしてはインターネットアクセス,VoD配信,ホットスポット基地局エントランス等が考えられ,マルチメディアが混在するネットワークである.このネットワークに各アプリケーションのQoSを満たしつつ,ネットワーク全体のリソース利用効率を向上させるルーティングを導入する.本研究ではネットワーク内で主要なアプリケーションとなるテキストデータとストリーミングデータに注目し,各アプリケーションのQoSに基づくルーティングコストを用いた経路選択により,それぞれのトラヒックのQoSを満たしつつ,ネットワーク全体の資源利用効率を上げる,アプリケーションベース無線ルーティング方式を提案する.
著者
古屋 聖児 小椋 啓 田中 吉則 桝森 直哉 塚本 泰司
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.407-410, 1997-06

北海道都市部及び東京在住の20歳代から50歳代の一般事務系サラリーマン2,839人よりえられた,自己記入方式のアンケート調査より,排尿後尿洩れの発症率,頻度,程度及び発現状況などを検討した.排尿後尿洩れの発症率は,17.1%であった.「殆ど毎日」尿洩れを経験している人は,排尿後尿洩れ経験者の14.0%を占めた.これは,全対象者の2.3%,約50人に1人の割合であった
著者
塚本 勝巳 西田 睦 竹井 祥郎 木暮 一啓 渡邊 良郎 小池 勲夫
出版者
東京大学
雑誌
学術創成研究費
巻号頁・発行日
2000

5年間の研究活動により,次の研究成果を得た.【総括班】海と陸の物理・化学的環境特性と生物の生活史特性を比較することにより,陸の生命について得られた従来の生命観とは異なる「海の生命観」を考察した.【生命史班】魚類全体の大規模分子系統樹を構築した.DNAデータの時間較正を行い,条鰭類の根幹を構成する主要な系統間の分岐年代を解明した.深海化学合成生物群集の主要な固有動物群について,生態学的調査と分子系統学的解析によって,それらの進化過程の全貌を明らかにした.【機能系班】心房性ナトリウム利尿ペプチドが新しいウナギの海水適応ホルモンであることを生理実験で証明すると共に,その分子進化を明らかにした.アコヤ貝の貝殻形成に関わる新規基質タンパク質を同定し、そのアミノ酸およびcDNA配列を決定すると共に,その発現部位を明らかにした.ワムシの個体数変動過程に密接に関わる遺伝子を同定し,高感度定量法を確立して個体数変動に伴う遺伝子発現パターンの変動を明らかにした.【連鎖系班】海洋生態系の生物・非生物粒子の分布,動態を定量的に解明するための高精度解析系を整備した.非生物態有機物と微小生物群集の鉛直分布を明らかにすると共に,それらの相互の動的平衡メカニズムを解明した.植物プランクトンの色素組成,動物プランクトンの微細構造,細菌群集の系統群別の増殖特性の解明を通じ,海洋生物のミク仁な連鎖過程を解明した.【変動系班】高緯度水域において海洋生物資源が大きく変動する理由は,初期生活史パラメタの変動がその後の大きな加入量変動を引き起こしているためと明らかになった.化学物質による海洋汚染は海洋動物の生理や繁殖機能に障害を与えており,汚染の国際監視体制を構築することが重要であると指摘した.非定常性,複雑性,不確実性という特性を持つ海洋生物資源は,MSY理論に代わって順応的理論で管理されるべきであると結論した.
著者
塚本 宏
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋國文研究 (ISSN:02865459)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.53-63, 2003-03
著者
上田 宏高 門林 理恵子 萩野 浩明 塚本 昌彦 西尾 章治郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.414-423, 1998-02-15
被引用文献数
2

本稿では,分散型知識ベースシステムを用いたメール配送システムの構築について述べる.筆者らの研究グループでは,グループ通信をサポートする従来のシステムでは不完全であった送受信双方の選別要求を満たすことを目的として,推論機構によるグループの動的構成手法を用いたメール配送システムMILD (MaIL Distribution system)を開発し,2年間にわたり運用を進めてきた.MILDは指定された条件を満たすユーザからなるグループを知識ベースシステムを用いて動的に構成し,電子メールを配送するシステムである.しかし,運用を進めるうちに,知識管理の困難化,配送遅延の増大等MILDが集中管理型システムであることに起因する問題点が明らかになってきた.今回,筆者らはこれらの問題点を解決するため,MILDの分散化を行った.システムおよび知識を分散化することによって,MILDは,広範囲にわたるユーザが柔軟なグループ通信を容易に利用できるシステムとなった.In this paper,we present the design and implementation of a decentralized mail distribution system using knowledge-base systems.In these two years,we have developed and maintained a system for distributing mails using a reasoning-based dynamic group construction method,called MILD(MaIL Distribution system).However,in a practical use,various problems have identified to be serious.One of them is the difficulty in managing large size of knowledge-base,and another is the increase of the delay time for mail distribution caused by the long reasoning time.We consider that the centralized management of MILD is the main reason for such problems.Therefore,we designed and implemented a new version of MILD,which we call MILD3,where servers and knowledge-bases are decentralized onto several hosts.In MILD3,each knowledge-base is managed independently by each organization,and it can be used in an integrated way for mail distribution.Furthermore,because of decrease of the reasoning time,it becomes possible to distribute mails in a shorter time than the previous MILDs.As the result,the new version of the MILD can provide a more flexible group communication for a large number of its users.