著者
神尾 幸則 稲葉 行男 渡部 修一 小山 基 大江 信哉 林 健一 千葉 昌和
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.35, no.10, pp.1634-1638, 2002 (Released:2011-06-08)
参考文献数
15
被引用文献数
3 2

症例は84歳の女性. 脳梗塞の既往があり, 心房細動, うっ血性心不全で近医通院中. 腹痛, 嘔気が出現し, イレウスの診断で入院となった. 大腸内視鏡検査でイレウスの原因が直腸S状部の2型腫瘍のためであると判明したため, 経肛門的に腫瘍口側にイレウスチューブを留置した. 肝機能異常のため手術を延期していたが, 入院20日目, 腹痛出現, 翌日には腹膜刺激症状を認め, 緊急手術を施行した. 開腹すると膿性腹水が骨盤内を中心に貯留しており, 腹膜炎の原因は腫瘍直上の口側腸管の穿孔と判明した. 手術はハルトマン手術を施行した. 標本を切開したところ, 癌腫の口側腸管に線状潰瘍とPTP包装薬剤を認めた. 最近, PTP (press through package)誤飲による消化管損傷が増加しているが, 大腸穿孔の例は本邦では5例と少なく, 直腸穿孔は本症例が本邦初の報告である.
著者
小山 貴之 中丸 宏二 相澤 純也 新田 収
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2016, 2017

<p>【はじめに,目的】近年,アスリートに対する動作スクリーニングとしてFunctional Movement Screen(FMS)が用いられている。FMSは7つの動作(ディープスクワット;DS,ハードルステップ;HS,インラインランジ;IL,ショルダーモビリティリーチング;SMR,アクティブストレートレッグレイジング;SLR,トランクスタビリティプッシュアップ;TSP,ロータリースタビリティ;RS)からなり,定義された動作指示のもとに各動作を行い,0~3点(21点満点)で点数付けされる。FMSが14点以下の場合に重症外傷の頻度が有意に高くなるとの報告から,外傷予防の観点でシーズン前にFMSを実施する意義は高い。加えて,FMSの各動作のスコアから課題を探り,修正のためのエクササイズを重点的に実施することで,外傷を予防できる可能性がある。本研究は,可動性に焦点を当てたコレクティブエクササイズの実施がFMSのスコアに及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。</p><p></p><p>【方法】対象は大学アメリカンフットボール選手95名とした。学年は1年生が39名,2年生が23名,3年生が18名,4年生が15名,ポジションはOLが13名,QBが3名,WRが23名,RBが10,DLが12名,LBが14名,DBが20名だった。オフシーズン期である2016年2~3月にベースラインのFMSを測定し,4月から12週間,コレクティブエクササイズを週3回実施した後,終了時のFMSを再測定した。この間,怪我等で練習を一定期間中止した選手は除外した。FMSの点数付けは,FMS level 1のライセンスを持つ理学療法士から十分な指導を受けたスタッフが理学療法士の監視のもと行った。ベースライン測定の結果から,可動性の改善に焦点を当てたコレクティブエクササイズのプログラムを作成し,選手への点数のフィードバックとともに実技指導した。統計学的分析は,FMSの総合スコアと各動作スコアについてベースライン時と終了時の差を比較するため,Wilcoxonの符号付順位検定を行った。有意水準は5%とした。</p><p></p><p>【結果】各スコアの中央値(四分位範囲)は,ベースライン時・終了時の順に総合スコアが15(14-16)・16(15-17),DSが2(2-2)・2(2-3),HSが2(2-2)・2(2-2),ILが2(2-3)・2(2-3),SMRが3(2-3)・3(2-3),SLRが3(2-3)・3(2-3),TSPが2(2-3)・2(2-3),RSが2(2-2)・2(2-2)だった。検定の結果,総合スコアとDS,SMR,SLR,TSPにおいてベースライン時よりも終了時のスコアが有意に高かった。</p><p></p><p>【結論】コレクティブエクササイズの実施により,12週間でFMSスコアの改善が認められた。FMSの各動作は相互の影響があり,可動性の低下はDSやHSのスコア低下につながることが多い。本研究では可動性の改善に焦点を当てたコレクティブエクササイズを実施したことで,可動性を主な要素とするSMRやSLRだけでなく,DSやTSPの改善にもつながったと考えられる。</p>
著者
小山 明男 松村 順也 西下 孝夫 菊池 雅史
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.11, no.22, pp.43-48, 2005-12-20 (Released:2017-04-14)
参考文献数
4
被引用文献数
2

The first purpose of this paper is the development of recycled PVC sheets which is applied as floorcoverings, and second purpose is development of fiber reinforced plastic sheets which containing fiber of the waste carpet-tiles. In this research, we deal with three kinds of waste PVC floorcoverings (Homogenias-tail, PVC flooring sheets, and carpet-tile) as the recycling raw materials. Tension tests and dimensional stability (bathed in hot air at 80℃, 6hrs.) tests on recycled PVC sheets specimen were performed. As a result, the influence of proportioning and fiber mixing rate on the quality of the recycled PVC sheets was clarified.
著者
米川 直樹 鶴原 清志 坪田 暢允 吉村 篤司 吉里 秀雄 坂田 利弘 小山 哲 YONEKAWA Naoki TSURUHARA Kiyoshi TSUBOTA Nobumitu YOSHIMURA Atushi YOSHIZATO Hideo SAKATA Toshihiro KOYAMA Satoshi
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要, 自然科学・人文科学・社会科学・教育科学 (ISSN:18802419)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.315-325, 2014-03-31

本研究は、ゴルフ練習場に通うゴルフスクール生を対象にゴルフ歴、練習状況、経済面、人間関係、ゴルフの上達方法、ゴルフの効果といった側面について男女差について検討することであった。主な結果は、次のようである。ラウンドする相手やラウンドする曜日、コンペへの参加の有無、教わった相手等に男女の差が認められた。また、ゴルフの効果については余暇活動としてのゴルフが身体面、精神面への効果において女子の方が男子よりも高いといったことが特徴的であった。

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著者
小山朝弘 著
出版者
擁書城[ほか]
巻号頁・発行日
1878
著者
西山 ゆかり 小山 敦代 岡田 朱民 糀谷 康子 新田 利子 岩郷 しのぶ
出版者
四條畷学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

2014年の全国調査において、「看護におけるCAM/CAT 」とは、目の前で苦しむ対象者の痛みを緩和し・癒し・心とからだの安らぎを生み出し、その人らしさを維持し、人生を豊かなものにするために、対象者自らが意思決定し、自らの力でよりよく生きることを支えることが看護におけるCAM/CATの機能であることが明らかになった。この全国調査を元に、次の段階である、より具体な実践内容・現象から補完代替医療/療法を概念化するために、質的研究に取り組んでいる。本年度は、インタビューを2名行った。この2名から芋ずる式サンプリング法にて次の研究対象者をリクルートしている。現在7名の方が本研究に賛同し、同意を得て、日程調整中である。これら研究対象者の内訳は、臨床で補完代替医療/療法を実践者している看護職者3名、看護教育の場で、補完代替医療/療法を教育に取り入れている、研究している、大学教員7名である。データの偏りがないように、臨床での看護実践者と教育者が同数になるように現在リクルートしている段階である。その他の研究活動としては、日本看護科学学会学術集会で「自然の回復過程を調える看護の探究ー統合医療における看護の位置づけを求めて」の交流集会において、今まで明らかにしてきた、補完代替医療/療法の認知度や実践状況、補完代替医療/療法についての看護職者の考えを報告し、会場の方と「統合医療(補完代替医療/療法を含む)において看護が果たすべき中心課題である「自然の回復過程」を調える視点から、看護師の身体ツールと全人格的なアプローチの可能性に関して、討論した。
著者
臼井 陽一郎 市川 顕 小山 晶子 小林 正英 小松崎 利明 武田 健 東野 篤子 福海 さやか 松尾 秀哉 吉沢 晃
出版者
新潟国際情報大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

(1)先行研究のレビューを進めるとともに、海外学会(英国EU学会など)に参加、さらにブリュッセルなどヨーロッパ諸国で実務者および海外研究者にアクセス、インタビューを実施するなかで、本研究課題に関わる研究状況をサーベイし、<EUの規範パワーの持続性>という研究テーマの意義およびアクチュアリティについて再確認できた。規範パワー論はEU政治研究においていまだ<終わった>研究課題ではなかった。(2)研究会を3回実施(関学大・東海大・新潟国際情報大)、理論枠組と役割分担の微調整を行った。また4名の研究協力者に参加してもらい、理論枠組と実証事例の整合性について批判的視点を加えてもらった。この一連の研究会の結果、規範パワーたろうとする加盟国首脳の政治意思と、EUの対外関係にみられる4つの制度的特徴(マルチアクターシップ・シンクロナイゼーション・リーガライゼーション・メインストリーミング)の関係性をどう理論的に突き詰めていくかについて、メンバー間に意見の不一致があることが分かり、今後の理論的討究の課題が浮き彫りとなった。それは大きくは、合理主義アプローチに依拠した因果関係として仮説化していくべきか、それとも構成主義アプローチに依拠した構造化プロセスの把握を目指していくべきなのか、という二つのアプローチの対抗関係であり、次年度の研究会で詰めていくべき課題となった。なお4年後の研究成果発表のため、メンバーそれぞれの研究課題を仮題として章立てを作り、出版社を決め、出版へ向けた交渉に入った。
著者
水本 篤 染谷 泰正 山本 敏幸 浜谷 佐和子 小山 由紀江 近藤 悠介 今尾 康裕 大野 真澄 濱地 亮太 名部井 敏代 山西 博之
出版者
金星堂
巻号頁・発行日
pp.1-122, 2017-03

平成27-28年度関西大学研究拠点形成支援「国際的な研究拠点としての関西大学英語ライティング・ハブの設立および英語論文ライティング支援ツールの開発」
著者
小山 謙二 河野 泰人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.54, pp.43-55, 1993-06-23
被引用文献数
4

詰将棋データベースの統計解析結果について述べる。我々は実戦型問題を中心に12697問からなる詰将棋データベースを作った。データベースに格納された問題を、駒の個数、玉の位置、玉の回りの閉塞度 (静的側面)、着手の頻度、捨て駒と取り駒、着手選択率、評価関数の評価と先読みの有効性 (動的側面) の観点から分析する。これらの解析結果は詰将棋の感性評価に役立ち、またコンピュータプログラムが詰め将棋をより効率的に解くためにも有用である。This paper describes the results of analyzing the database of Tsume-shogi (mating problems of Japanese chess), which consists of 12697 Tsume-shogi problems with solutions. We analyze the problems from the viewpoint of static aspects (e.g. the number of pieces on the board, the position of Gyoku (King), and the closedness around Gyoku), and of dynamic aspects (e.g. the frequency of moves, sute-goma (sacrificed pieces for mating), the choice of moves, evaluations of scoring functions). These results are useful for evaluating of quantity of impression, and effective methods for solving Tsume-shogi problems are obtained.
著者
折本 善之 武井 昌秀 小山田 勉
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.203-206, 2003-04-05
被引用文献数
1

茨城県は日本ナシの栽培面積が1660 haと鳥取、千葉県に次ぐ主産県であり、品種別には'幸水'が全体の約6割と最も多い。茨城県の'幸水'成木に対する窒素施肥基準量は、黒ボク土における裸地栽培の場合、年間総量は250kg ha(-1)で基肥に8割、礼肥に2割の配分としている。従来の'長十郎'ではさらに、玉肥として果実肥大期に50 kg ha(-1)の窒素が加えられている。しかし、'二十世紀'での調査により玉肥は糖度低下や熟期遅延の原因となることが認められ、品質重視の'幸水'では玉肥を適用しない基肥主体の体系がとられている。しかし、本県における'幸水'の収量は近年低下傾向にあり、一部でこれを補うため施肥量や施肥回数が増加するなど施肥法に混乱が生じている。過剰な施肥は生産コストの増大を招くばかりでなく、地下水の硝酸汚染など環境にも悪影響を及ぼす危険性を有している。'幸水'は品質登録後約40年を経過するが、吸肥特性など栄養生理面の知見はそれほど多くない。そこで、効率的な施肥法開発の基礎資料を得るため、基肥を主体とする現行施肥基準のベースとなった'二十世紀'を対照象に、'幸水'の地上部新生器官(新梢、葉、果実)における窒素吸収特性を調査した。その結果、いくつかの知見を得たので報告する。
著者
山下 和彦 野本 洋平 梅沢 淳 高野 千尋 太田 裕治 井野 秀一 伊福部 達 小山 裕徳 川澄 正史
出版者
社団法人日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 : 日本エム・イー学会誌 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.121-128, 2007-03-10
被引用文献数
2

The aim of this study was to evaluate the postural control ability using stabilogram-diffusion analysis (SDA). Any parameters of SDA were compared with several parameters of body sway derived from recordings of the center of pressure (COP) with the aid of a static force platform. The subjects were 38 elderly healthy volunteers. They quietly stood on a static force plat form with open and closing eyes. As the results, there was a significant correlation between the diffusion constant derived from the parameters of SDA and the parameters of COP with eyes open and closed. The correlation was found to be greater in the closing eye condition than that in the open eye condition. The correlations between diffusion coefficients and the range and mean of anterior-posterior velocity were greater than the correlations between the diffusion coefficients and the range and mean of the lateral velocity. Thus, the muscle of the tibialis anterior and the planter muscles was suggested.