著者
亀田 隆夫 高橋 辰宏 小山 清人
出版者
The Japan Society of Polymer Processing
雑誌
成形加工 (ISSN:09154027)
巻号頁・発行日
vol.17, no.5, pp.342-348, 2005-05-20
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

The size of the dependence of the shrinkage anisotropy in different locations of injection molded parts is not frequently reported (shrinkage calculated by comparing the actual plastic parts to the metal mold, while anisotropy refers to differences in the melt flow (MD) and the transverse (TD) directions). In this study, the effects of packing pressure (from 20 to 100MPa) in the injection molding process on the shrinkage anisotropy at two positions in a molded part were investigated in two ABS resins. The shrinkage anisotropy decreased as a function of packing pressure at both locations, although at different rates. It was found that the shrinkage anisotropy at these two positions was quite similar at around 60MPa. It was also found that the screw head moved forward (backward) at pressures higher (lower) than 60MPa. At a packing pressure of 60MPa the screw head position was almost constant during the packing process in a plunger type injection molding machine where the polymer melt can hardly flow backwards.<br>In order to get further insight into the causes of the shrinkage anisotropy, birefringence measurements were performed with a transparent ABS resin. The measured birefringence at the two locations of the injection molded part were in good agreement with the respective shrinkage anisotropy values. Moreover, the packing pressure dependence seen in the shrinkage anisotropy was found to be similar for that of birefringence. It was demonstrated that a difference in molecular orientation in the two directions (MD and TD), caused the shrinkage anisotropy, and that the ratio of molecular orientation difference becomes almost identical at the two locations at around 60MPa of packing pressure.
著者
小山内 康人 中野 伸彦
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2012年度日本地球化学会第59回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.202, 2012 (Released:2012-09-01)

アジア大陸形成・成長過程は,シベリアクラトンから南方に向かい,約500 Maから約200 Maの間に起こった微小大陸の多重衝突に起因する.この過程は,衝突帯変成作用と変成年代の解析から明らかになる.
著者
小山 友介
出版者
芝浦工業大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

近年アニメ聖地巡礼が話題となっている.本研究では4地域での来訪者調査および複数個所での関係者ヒアリングを元に,アニメ聖地巡礼が地域に与える影響を考察した.アニメ聖地巡礼者は当初は作品の舞台を見るためにその地域を訪問するが,一部の巡礼者は現地の人との交流や同行の士である聖地巡礼者の交流のために熱心なリピーター化する.熱心なリピーターは地域に利するように見えるが,排他的な雰囲気を醸成し,他の一見的な来訪者を寄せ付けなくするリスクを伴っている.また,多くの人が現地を訪ねる期間はそれほど長くなく,聖地となった街は最終的な着地点をどうするかについて対処が必要となる.
著者
岡棟 亮二 宮下 浩二 谷 祐輔 太田 憲一郎 小山 太郎 松下 廉
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0502, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに,目的】臨床において胸郭へのアプローチが肩関節機能の改善に奏功することは多い。実際,胸郭は肩複合体の構成要素であり,肩挙上に伴い胸郭の前後径,横径拡大が生じることが報告されている(花村ら1977)。しかし,その胸郭拡大が制限された際の肩関節運動の分析は十分になされていない。本研究の目的は,胸郭拡大制限が肩前方挙上運動に与える影響を三次元動作分析で明らかにすることである。【方法】対象は肩関節に疼痛のない男子大学生19名(20.0±1.3歳)とした。体表のランドマーク上に反射マーカを貼付した。その後,胸郭拡大制限の有無の2条件で立位両肩前方挙上運動を動画撮影した。胸郭拡大制限は,最大呼気状態の胸郭の肩甲骨下角直下と第12胸椎レベルに非伸縮性コットンテープを全周性に貼付するという方法で行った。撮影動画から動画解析ソフトにより各反射マーカの三次元座標値を得た後,宮下らの方法(2004)に準じて角度算出を行った。算出角度は肩屈曲角度(肩最大前方挙上時の体幹に対する上腕のなす角度),肩甲骨後傾角度,肩甲上腕関節(GH)屈曲角度とした。胸郭拡大制限の有無の2条件における各角度を,対応のあるt検定を用いて比較した。また,対象ごとに胸郭拡大制限の有無による肩甲骨後傾角度およびGH屈曲角度の増減を検討した。【結果】肩屈曲角度は制限なし148.9±16.3°,制限あり141.0±15.5°で有意差を認めた(p<0.01)。肩甲骨後傾角度は制限なし56.1±11.4°,制限あり53.3±11.6°で有意差を認めた(p<0.01)。GH屈曲角度は制限なし91.2±15.1°,制限あり89.7±14.5°で有意差はなかった(p=0.44)。対象ごとに胸郭拡大制限の有無による肩甲骨後傾角度およびGH屈曲角度の増減を検討すると,制限なしに比べ制限ありで(a)肩甲骨後傾角度が減少し,GH屈曲角度が増加(7例),(b)肩甲骨後傾角度が増加し,GH屈曲角度が減少(4例),(c)肩甲骨後傾角度,GH屈曲角度ともに減少(8例)の3パターンに分類された。【結論】肩甲骨の運動は胸郭の形状に影響を受けるといわれる。肩挙上時,胸郭には拡大運動が生じるため,胸郭の形状も変化すると考えられる。本研究においては,胸郭拡大制限により肩前方挙上に伴う胸郭の形状変化が妨げられたと推察される。その結果,肩甲骨運動が制限され,肩屈曲角度の減少につながったと考えた。しかし,肩甲骨,GHの動態を対象ごとに分析すると,胸郭拡大制限によりいずれかの動きを増加させ代償を行うパターン(a,b)と,いずれの動きも制限されるパターン(c)が存在し,その動態は対象により様々であった。肩関節障害発生の面から考えると,パターンaのような代償方法はGHへの負担を増加させるためリスクが高いことが推察される。不良姿勢,胸郭周囲筋群の作用,加齢による肋軟骨の骨化などにより胸郭拡大は制限されるが,その際の対象ごとの肩甲骨,GHの動態の違いが肩関節障害の発生リスクと関連する可能性がある。
著者
小山 鐵夫
出版者
The Botanical Society of Japan
雑誌
植物学雑誌 (ISSN:0006808X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.853, pp.298-308, 1959

ヒマラヤ•日本要素のスゲ類-いわゆるヒマラヤ•日本要素と考えられるスゲはビロードスゲ•ゴウソ•ミノボロスゲ•コジユズスゲ•サツマスゲ•ミヤマシラスゲ•ヤブスゲ及びそれらの変種や亜種である。この節ではこれらの分類学的な諸考察をまとめている。挿入した分布図が示す様に分布域の中心はヒマラヤ山地にあり, その腕が日本やスマトラ•ジヤバに伸び出していて, それらの間に著るしい不連続が見られる。中国本部は特に広い干渉地域であつて, 日本産の植物には本文でそれぞれ亜種や変種の扱いをした様な種々の程度の分化が見られる。この要素のスゲはマレーシアに分布する場合はスマトラ西部からジヤバに連なる山地帯以外にあらわれないのも一特微である。結論として得た関係事項は文末の学名変更によつてあらわされている。
著者
小山 雄三 飯ケ谷 知彦 斉藤 史郎
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp.954-957, 1986-10-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
24

われわれは陰茎折症の1例を経験したのでその症例を報告する. 患者は41才男性であり, 風呂場で転倒し陰茎を強打した. その直後より陰茎の腫膨冬痛を認めるようになつたため来院した. 陰茎は浮腫状で, 皮下出血, 屈曲変形を認めた. 陰茎折症の疑いのもとに手術を施行したところ, 右陰茎海綿体根部に白膜断裂部を認めこれを縫合した. 以上の症例を報告するとともに, 本邦で報告された陰茎折症283症例(自験例も含む)の年令分布, 陰茎折症の原因, 白膜断裂部位, 治療法について統計学的検討を加えた.
著者
小山田 日吉丸 河内 清光 石橋 弘義 中西 重昌 戸田 正義 丸岡 富実夫 野田 勇
出版者
Japan Radioisotope Association
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.23, no.9, pp.516-522, 1974

われわれは実用的な全身スキャナを開発し, すでに日常の診療にたいへん有益なデータを提供しているので, ここにその機構の概要と数例の具体的画像を報告する。<BR>基本構造は, 上下2対向の検出器をもち, 従来のものとほぼ同様であるが, 画像縮尺率は1/5, 3/11/1の3段階で, フォト・スキャンのスリットの大きさは縮尺率とスペーシングとの相関関係によって最適なものが自動的にセットされる。スキャンと同時にプロフィル像を描くことができるが, そのほかプログラム・スキャン装置をもち, 任意の区域のみをスキャンすることが可能で, その間のtotal countも表示される。また, コンビュータ用のoutput機構をもちoff-lineではあるがdigital imageも描出可能である。現在scalloping correctionも行なつている.得られた実際のシンチグラムもきわめて鮮明で, 臨床上の利用価値はたいへん大きい。
著者
小山内 孝夫
出版者
社会経済史学会
雑誌
社会経済史学 (ISSN:00380113)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.59-72, 2014

本稿は,デンマーク王室がエーアスン海峡を航行する船に課した税の記録を刊行した『エーアスン海峡通行税台帳』(STT)を用いて,イングランドのバルト海貿易におけるハル,ヨークシャの重要性を,16世紀後半と17世紀前半について明らかにする試みである。まず,船舶数の分析により,ハルがイングランド中第3位の船舶数をバルト海に送り込んだ有力港であったことを示す。貿易の分析では,ハル船が毛織物輸出,亜麻・鉄輸入において,イングランド内のみならず,全ヨーロッパ的にみても重要な存在であったことを実証し,これとハルの後背地の経済活動(ヨークシャ毛織物工業など)との関連を提起する。本稿の分析は,地域史的・国民経済史観的枠組みのもとで把握されがちであったヨークシャ経済に対する海外市場の重要性を提起し,同地域を北ヨーロッパ商業圏の一環として見直すよう迫るものである。また,ヨークシャがロンドンを介することなく,ハルを通して北ヨーロッパと結びつき,「ロンドンを頂点とするイングランド国民経済」とは別個に,ある程度自立的な経済圏を形成していた可能性も論じる。
著者
小山内 孝夫
出版者
社会経済史学会
雑誌
社会経済史学 (ISSN:00380113)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.59-72, 2014-05-25 (Released:2017-06-03)

本稿は,デンマーク王室がエーアスン海峡を航行する船に課した税の記録を刊行した『エーアスン海峡通行税台帳』(STT)を用いて,イングランドのバルト海貿易におけるハル,ヨークシャの重要性を,16世紀後半と17世紀前半について明らかにする試みである。まず,船舶数の分析により,ハルがイングランド中第3位の船舶数をバルト海に送り込んだ有力港であったことを示す。貿易の分析では,ハル船が毛織物輸出,亜麻・鉄輸入において,イングランド内のみならず,全ヨーロッパ的にみても重要な存在であったことを実証し,これとハルの後背地の経済活動(ヨークシャ毛織物工業など)との関連を提起する。本稿の分析は,地域史的・国民経済史観的枠組みのもとで把握されがちであったヨークシャ経済に対する海外市場の重要性を提起し,同地域を北ヨーロッパ商業圏の一環として見直すよう迫るものである。また,ヨークシャがロンドンを介することなく,ハルを通して北ヨーロッパと結びつき,「ロンドンを頂点とするイングランド国民経済」とは別個に,ある程度自立的な経済圏を形成していた可能性も論じる。
著者
小山 由紀江
出版者
名古屋工業大学共通教育・英語
雑誌
New directions (ISSN:18810349)
巻号頁・発行日
no.28, pp.13-25, 2010

This paper first describes the history of testing, especially that of language testing, in order to provide a background to Computer Based Testing and Computerized Adaptive Testing. Secondly, the paper introduces an implementation of CAT, whose content is English for general science and Technology,along with a description of its construction and results. The results indicate that the CAT is more efficient than TOEIC and final examinations at NIT in terms of time consumed and the number of items answered. The result has relatively high correlation coeffcients bothwith TOEIC and the final examination, which suggests that the CAT could be reliable and valid substitute for other tests. However, the termination condition and the difficulty level of items should be carefully considered in order to further increase to the validity and reliability of CAT. In addition, the quality and the quantity of the item-bank is crucial.
著者
岩﨑 理浩 福田 英輝 林田 秀明 北村 雅保 小山 善哉 介田 圭 川崎 浩二 前田 隆浩 齋藤 俊行
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.445-451, 2016 (Released:2016-12-08)
参考文献数
19

長崎県内には51の有人島があるが,離島は本土と比較して現在歯数が少ない.これは離島特有の歯科医院へのアクセスの悪さが関係していると考えられている.しかし,同じ離島であっても歯科医院の有無が現在歯数に与える影響や無歯科医離島住民の受療行動についての研究はなされていなかった.そこで,平成17年以降長崎大学が実施した五島市での口腔内診査と,平成22年に五島市が実施した無歯科医離島における歯科受療に関するアンケート調査を用いて,口腔内の現状と受療行動について分析した.その結果,無歯科医離島は,歯科医院のある離島と比較して平均現在歯数が有意(p<0.01)に少なく(無歯科医離島:10.8±10.5本,歯科医院のある離島:15.9±10.4本),無歯顎者の割合が有意(p<0.01)に高かった(無歯科医離島32.3%,歯科医院のある離島15.6%).また,住民の約半数の者が治療回数を減らすために抜歯を他の治療よりも優先した経験を有すること,約9割の者が島内での歯科受療を希望していることが明らかとなった.これより,無歯科医離島では,時間的,地理的制約から歯科医療機関への頻回のアクセスが困難であるため,治療回数を減らすために抜歯することが,当該地区の平均現在歯数が少なく,無歯顎者の割合が高い理由の一つと考えられた.本調査結果より,無歯科医離島における歯科医療サービスの提供体制の構築が急がれるとともに,予防対策の充実を図る必要性が示唆された.
著者
新光 穣 松石 邦隆 福武 将映 毛利 健太朗 井上 和音 小山 忠明 伊藤 聡子 北村 登
出版者
一般社団法人 日本総合病院精神医学会
雑誌
総合病院精神医学 (ISSN:09155872)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.49-54, 2013-01-15 (Released:2016-08-31)
参考文献数
35

せん妄は心臓血管外科での手術後にしばしばみられる。本研究では,術前のstatin内服が心臓手術および大血管手術後の患者におけるせん妄の発症と相関するか否かを検討した。2011年7月1日から2012年6月30日にかけて神戸市立医療センター中央市民病院心臓血管外科に入院し,心臓手術もしくは大血管手術を受けた324症例のカルテを後方視的に調査した。その結果,術前のstatin内服は術後せん妄のリスクを有意に低下させていた(OR=0.57,p=0.049)。その他の要因では,緊急手術,高齢,より長い手術時間において有意にせん妄のオッズが上昇した。本研究は,statinが中枢神経系への保護作用を通じて心臓手術,大血管手術後のせん妄を抑制することを示唆している。
著者
岡本 成司 山口 洋子 小山 寛喜 中谷 操子 米田 千恵 渡部 終五
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.444-453, 2012 (Released:2012-06-15)
参考文献数
27
被引用文献数
1 5

ヤマトシジミの食味に及ぼす塩分の影響を明らかにするため,涸沼および涸沼川下流域で採取した試料のエキス分および潮汁の食味を比較して,水質環境との関係を調べた。涸沼川下流の塩分は潮汐の影響を強く受けて涸沼に比べて高く,軟体組織中の D-, L-アラニン含量は涸沼川産の方が涸沼産よりも高い値を示した。一方,潮汁の遊離アミノ酸総量は涸沼産の方が涸沼川産に比べて高く,官能検査では涸沼産の方が涸沼川産より先味および後味で強い傾向が認められた。