著者
石田 岳史 松田 昌三 小山 隆司 栗栖 茂 大藪 久則 柴田 正樹
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.362-365, 1995-08-10
被引用文献数
4 1

We report an unusual case of a 63-year-old man supposedly bitten by a mamushi, who developed shock, bleeding diathesis and serious hematemesis at an early stage. About 10 minutes after the mamushi bite, he fell into shock transiently, and 2 hours later, continious bleeding from the bite wound and an injection site was observed. This platelet count decreased markedly to 1.3×10<sup>4</sup>/mm<sup>3</sup> resulting in serious hematemesis. Four hours after the bite, we injected Agkistrodon halys antivenin (6, 000U) with methylpredonisolone sodium succinate 500mg and the bleeding from the bite wound and hematemesis improved remarkably. Twelve hours after the bite, the platelet count had increased to 27.1×10<sup>4</sup>/mm<sup>3</sup>, and the patient had recovered from the bleeding diathesis. Mamushi bites are sometimes complicated by DIC (disseminated intravascular coagulation) as a result of massive tissue necrosis, however, there was severe thrombocytopenia and bleeding diathesis in this case, even though the local swelling and muscle necrosis were not serious. It is very important to closely monitor patients after mamushi bites, and mamushi antivenin should be used early without hesitation when these complications are observed.
著者
小山 謙二 宮地 充子 内山 成憲
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J82-A, no.8, pp.1212-1222, 1999-08

楕円暗号の数理について,その主要なトピックスについて解説する.
著者
大住 克博 横川 昌史 小椋 純一 佐久間 大輔 増井 大樹 小山 泰弘
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

里山景観は二十世紀初頭という比較的新しい時代に草山から里山林へと転換したことを、現象と仕組みの両面から明らかにした。広島県北西部では、大正初期から第二次世界大戦後の間に草地は1/5に減少した。一方、行政資料により復元された大阪府下の里山の資源利用は時間空間的に多様であり、草山から里山林への移行経過も単純では無いことが示唆された。火入れ停止後の草山は、前生樹の萌芽と風散布樹種の進入により森林化し、その後鳥散布樹種が進入して多様度の高い里山林へと移行することを明らかにした。一方草原性植物は、草地管理放棄後、短期間で消失しやすいものと消失しにくいものに分かれていた。
著者
小山 耕平 福森 香代子 八木 光晴 森 茂太
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.91-101, 2013-03-30
被引用文献数
4

スケーリング関係とは、生物の体または器官のサイズと、それらのサイズに伴って変化する構造や機能との関係のことである。スケーリング関係は「べき乗則」で表されることが多い。本稿では、動植物の体サイズと表面積および代謝速度(個体呼吸速度または個体光合成速度)のべき乗則で表されるスケーリング関係について述べる。とくに、動物や植物の個体呼吸が個体重の3/4乗に比例するという「クライバーの法則」を中心に解説する。次に、これらのスケーリング関係を定量的に説明するための基本となる考え方として、相対成長(アロメトリー)、相似則およびフラクタル成長の3点について述べる。最後に、フラクタル成長に基づいたモデルの先駆例として代謝スケーリング理論(WBE理論)を解説し、スケーリング研究の今後の展望を述べる。
著者
安原 宏 小山 法孝
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.1449-1455, 1995-06-15

近年、計算機を用いた文書整形技術は格段に進歩してきた。TEXと呼ばれる自動組版システムやPOSTSCRIPTと呼ばれる文字図形の記述言語の出現で電子出版が容易にできるようになった。これらの技術を利用すると従来の日本語行組版を変えるような新しい試みが可能となる。本論文では、日本語のべた詰め表記に対して欧米言語で取られているような単語分かち書きに近い手法の文書整形を提案し、実験システムの概要を述べる。整形処理は整形規則に基づいて実行しており、文書の種類によって異なる整形を施すことが可能となる。整形規則は単語や文字のサイズ、単語や文字の間隔を単語の見出しや品詞、構文構造などを用いて記述するため自然言語処理技術が必須となる。これらの規則を組み合わせると特定の単語を大きくしたり、助詞を小さくしたり、平仮名の続く文節の間には少し隙間を入れたりすることが可能になる。実験の結果、従来のモノスペース組版と比較してプロポーショナル組版の持つ読みやすさや自然さを出すことが可能になった。
著者
小山 洋司
出版者
比較経済体制学会
雑誌
比較経済研究 (ISSN:18805647)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.2_39-2_49, 2010 (Released:2011-02-18)
参考文献数
32

中東欧の経済危機の諸相を概観したうえで,バルト諸国,とりわけラトビアに焦点を当て,経済危機の原因を考察する.2004年の EU 加盟の前から賃金が急上昇した.金融面では北欧の銀行が進出し,シェア競争をし,消費ブームを煽った.すでに2005年には経済は過熱の兆候を見せていたが,政府の対応が遅れた.2007年春に引き締め政策に転じ,同年12月に経済は不況に陥ったうえに,2008年 9 月のリーマン・ショックが追い打ちをかけた.
著者
小山 裕久
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.325, pp.106-109, 2003-03

◆——徳島の料亭「青柳」の主人として伝統的な日本料理を手掛ける一方で、東京でモダンな日本料理店「basara(バサラ)」を展開したり、調理師学校(学校法人平成調理師専門学校)まで運営しておられる。料理人から次第に経営者の感覚に変わってきたということでしょうか。小山 いえいえ、いまだに自分は料理人だと思っていますし、その原点は実家の「青柳」にあります。
著者
Manalo Emmanuel 鈴木 雅之 田中 瑛津子 横山 悟 篠ヶ谷 圭太 Sheppard Chris 植阪 友理 子安 増生 市川 伸一 楠見 孝 深谷 達史 瀬尾 美紀子 小山 義徳 溝川 藍
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

3年目である本年は、21世紀型スキルの促進ということに焦点を当てて研究を行った。この結果、様々なワークショップや授業を開発した。具体的には、大学教員の質問スキルの向上を目指すワークショップの開発、小学校教員による効果的な学習法指導の開発、高校生の批判的思考と探究学習を促進する実践の提案などを含む。さらに、教育委員会と連携した実践なども行った。こうした研究の結果、研究代表者であるEmmanuel Manaloと分担研究者である植阪友理を編者に含む、英語の書籍を刊行した。この書籍は、自発的な方略を促進するためのあり方を具体的に提案するものであった。この本の論文はいずれも、査読付きであり、このうち9本は本プロジェクトに関わるメンバーが執筆している。のこり10本は海外の研究者が執筆している。海外の著者にはアメリカのUCLA (University of California Los Angeles) やPurdue University、スイスの ETH Zurich、ドイツの University of Munster (Germany) 、University of Hong Kongなどといった一流大学の研究者が含まれており、国際的な影響力も大きなものとなったと考えられる。さらに、日本心理学会、教育工学会などといった国内学会において発表を行った。さらに、EARLI (European Association for Research in Learning and Instruction) やSARMAC (Society for Applied Research in Memory and Cognition) といった国際学会においても発表した。
著者
小山 尚美 流石 ゆり子 河野 由乃 村松 照美 郷 洋子 林正 健二 小野 興子 横山 貴美子 伊藤 健次 城戸 裕子 波木井 昇
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨県立大学看護学部紀要 (ISSN:18806783)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.27-37, 2009-02-27
被引用文献数
1

過疎農山村地域の独居後期高齢者の現在・今後の生活への思いを明らかにすることを目的にA町の6名に半構成的面接を行った。【猿や猪が農作物を喰い荒らして困る】【欲を言えばもう少し交通の便を良くして欲しい】と山間部特有の問題【年々歳をとってこのまま元気でいられるかどうか先のことはわからず不安だ】【みんな歳をとり昔のようにいかなくなり悔しい】【災害や跡継ぎがないことが心配だ】等の加齢変化の実感と不安を抱えていた。これらに【みんなとの交流は楽しみだ】【みんなが支えてくれてるので安心して生活できる】と田舎ならではの良さが勝り【ここでの今の生活は幸せだ】【子供の所へ行くより住み慣れたここに最期までいたい】と自ら今の生活を選択し【今の生活を維持する為にいろんなことを心掛けている】と日々努力をしていた。鳥獣被害対策、交通サービスの充実、現存の住民支援ネットワークの活用、役割保持の支援の必要性が示唆された。
著者
小山 聡 石田 亨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.84, no.8, pp.1266-1274, 2001-08-01
被引用文献数
5

本論文では, モバイル環境におけるWeb情報の活用に適した新しいインタフェースとして, 情報ナビゲーションエージェントを提案する. これまでの情報検索システムは, 検索結果のユーザへの表示とそれに基づくクエリの変更を通して多くの情報をいかに絞り込んでいくかが中心的課題であり, デスクトップ環境での利用に適した方法であった. それに対して我々のエージェントは, 検索対象の属性の制約条件を用いて近似解を生成し, ユーザとの対話を通して情報を得ることにより, 漸近的により良い情報へとナビゲートしていくことができる. その際に, エージェントがキーワード間の連想ルールを用いて検索条件の解決と新たな検索条件の追加を行う手法を提案した. また, 連想ルールを不用意に用いるとナビゲーションの失敗を導くため, 統計的検定とグラフ構造の解析を用いた連想ルールの精錬を行うことを提案し, その有効性を確認した.
著者
草島 健二 村田 嘉彦 大石 不二雄 下出 久雄 木村 文平 杉田 博宣 小山 明 中野 裕康 河端 美則
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.30, no.9, pp.1673-1681, 1992-09-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
19

原発性肺癌の手術例480例を対象として, 担癌肺での原因不明の慢性間質性肺炎 (UIP) の性状を検討した. UIPは30人 (6.3%) にみられ, 性別では男が26例で, 平均年齢は68歳であった. 肺癌の組織別では扁平上皮癌が17例と多く, 部位別では下葉は18例であった. 肺癌は全例末梢発生で, 間質性肺炎が存在する部位にみられ, 胸膜に近い部位から発生したと推測できる例が多かった. UIPの拡がりは胸膜下1cm 以下にとどまる限局性のものが27例と多くを占めた. UIPのタイプによりそれを, 壁在型, 気腫型 (線維化と構造破壊の混在), 気腔内滲出型に分けたところ, 壁在型8例, 気腫型22例であった. 壁在型はCT上胸膜下の濃度上昇のみを呈した場合があった. 気腫型の特徴は, 肺活量の減少がなく, CT上線維化部位に大小不揃いの嚢胞がみられる点であった. 肺癌の早期発見や術後の経過などの点で限局性UIP (特に気腫型) は重要な病変と考えた.
著者
小山 明 鈴木 明 藤山 哲朗 岡部 憲明 山﨑 均 大内 克哉 久冨 敏明 尹 智博 Akira KOYAMA Akira SUZUKI Tetsuro FUJIYAMA Noriaki OKABE Hitoshi YAMAZAKI Katsuya OUCHI Toshiaki HISATOMI Jibak YOON
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2013
巻号頁・発行日
2013-11-25

研究の目的は、インタラクションデザインに関するこれまでの学術的な交流や研究の基盤に立ち、日本における新しい教育領域・教育方法としてのインタラクションデザインの可能性もしくは問題点などを、実際の教育現場において確認し、導入のための基礎を構築することにある。本研究の中心となったのは、2012年12月17~21日に開催したスプツニ子!客員教授によるインタラクションデザインワークショップである。これは「Body Futures」をテーマとした、未来における身体の在り方を考えるワークショップであり、公開講評会をKIITOで行ない、提案された各グループのプロジェクトは2013年2月22~28日の期間、同じくKIITOにおいて開催された「Body Futures展」において展示された。このワークショップでは、大学院と学部の連携、大学と企業(アシックス)との連携が試みられた。異なる年齢層の参加者間の連携と、異なる組織領域間の連携が新たな発想を生み出し、「未来の身体」を様々な観点からとらえた科学的な提案が行なわれた。The objective of this study is to identify possibilities and problems related to interaction design within actual educational practice, and thus to construct a foundation for its introducation as a new field and methodology of study in Japan. The main part of this study derives from an interaction design workshop conducted 17-21 December 2012 by Visiting Professor Sputniko! (Hiromi Ozaki) entitled "Body Futures" that proposed to consider further dimensions of physicality. An open forum was subsequently held at KIITO and group projects developed from the workshop were exhibited 22-28 February 2013 under the same Body Futures title, again at KIITO. This workshop attempted to create linkages between the graduate school and university departments, as well as between the university and commercial enterprise (ASICS). It spawned connections between participants of different ages, fostered new thinking across diverse organisational sectors, and proposed various scientific ideas about the future of the body.
著者
石井 百葉 小山 美佳 小高 栄美 佐藤 千春 鈴木 剛紀 高橋 雅一 武内 八重子 立石 亜紀子 永峰 由梨 堀池 尚明 大学図書館職員研修ワーキング・グループ
出版者
国立大学図書館協議会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.86, pp.11-18, 2009-08

大学図書館職員研修「ad!ライブラリー~大学図書館効果的広報戦略~」は、平成20年度の国立大学図書館協会東京地区協会・関東甲信越地区協会の助成事業として開催された。異なる機関に所属する採用6~9年の職員をメンバーとするワーキング・グループが、この研修会を企画・運営した経緯を報告する。
著者
原田 志津男 松藤 泰典 小山 智幸 田中 恭一
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文報告集 (ISSN:13404741)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.883-888, 1999-06-21
被引用文献数
3

本研究は硫酸酸性地盤に5年間暴露した高品質コンクリートの物理性状に関して検討を行ったものである.暴露試験は霧島温泉郷硫黄谷温泉地帯のpH2。0〜4.5の強酸性地盤で実施した.試験体は,高炉スラグ微粉末,シリカフユームなどを用いた低水結合材比コンクリートである.:本論文では,5年間の暴露試験結果,高品質コンクリート試験体内部の物理性状は健全であると考えられるが,暴露試験体の表面はCa成分が溶出し粗くなっており,pH3程度の酸性濃度が大きい地盤に接したものは,重量減少率も比較的大きくなることを明らかにしている.