著者
伊藤 寛 小川 幸恵 清野 浩昭 川合 宏仁 山崎 信也 奥秋 晟
出版者
The Japanese Society of Reanimatology
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.82-87, 2005-07-20
被引用文献数
17

歯科治療における死亡事故報告は後をたたない。我々は, 各種メディアから知り得た歯科治療に関連した重篤なショック, 心肺停止報告200例について分析した。その結果, ショック45例, 心肺停止155例, 死亡126例であった。これらの多くは局所麻酔や観血処置に起因し, 何らかの全身的合併症を有していたものが全200例中75例 (38%) であった。また小児, 障害児者に多く行われる抑制治療が起因と思われる死亡は19例で, 全死亡例の15%であった。このような事故を回避するために, 歯科医師の医学知識全身管理能力の向上が必要であり, 特に, 最低限のリスクマネージメントとしてBLS, ACLSの習得は必須であると思われた。
著者
小川光暘著
出版者
雄山閣出版
巻号頁・発行日
1984
著者
小川 宏高 中田 秀基 工藤 知宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.15, pp.1-6, 2013-05-22

我々は,オンライン機械学習向け分散処理フレームワーク Jubatus を基盤として用いた,大量センサデータに対するリアルタイムかつ複雑な解析を実現する処理エンジンの構築を目指している.特にさまざまな応用分野へのシステムの適用を想定した場合,多種多様なリアルタイムデータを処理対象として取り扱えることが重要である.そのなかでも映像や音声に代表されるメディアデータは,汎用性が高く,実世界へのセンサー装置の浸透が顕著に進んでおり,内包している情報量の多さから高い利用価値が期待される.本稿では,Jubatus を基盤として実際に多数の動画像を対象としたリアルタイム異常値検出を行うシステムを構築し,その構成概要を示した.また,性能特性の調査を行い,その結果を示した.その結果,学習データに基づいた異常値検知はリアルタイムに実現できたが,学習フェーズは学習データの増加とともにリアルタイムに処理することが困難になった.レスポンス時間についてより詳細な調査を行い,LSH から取得した擬似近傍点の個数が多い場合に著しい性能劣化が見られることが判明した.We aim to build a real-time and complex data analisys engine for large-scale sensor data, based on a distributed online machine-learing framework, Jubatus. In order to adapt this engine to various application areas, it is crucial that we can handle a wide variety of real-time data. Especially, multimedia data, including video and audio, are general-purpose and feature rich, and their sensors have already been penerated into the real world deeply and widely. Hence, we expect that they are quite valuable for various applications. In this paper, we realize an actual system that provides real-time anomaly detection for multiple video streams and describe the overview of our system. And, we also investigate the performance characteristics of the system. As a result, anomaly dectection based on learnt video frames can be performed at real-time, but learning phase can hardly be processed at real-time according to the growth of learnt video frames. We conduct more detailed investigation into the response time of the system, and clarify that peformance degradation is observed mostly when the amount of pseudo-neighbors extracted from LSH is relatively large.
著者
枝村 一弥 那須 広子 岩見 有紀子 西村 亮平 小川 博之 佐々木 伸雄 大河原 久子
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.129-135, 2004-02-25
被引用文献数
2

日本の各品種の豚における豚内在性レトロウイルス(PERV) proviral DNAの感染状況をPCRにて調査した.また,豚膵内分泌細胞(PE-cell)を含むバイオ人工膵島(Bio-AEP)を異種移植された実験的糖尿病犬の末梢血および脾臓を用いて,その感染の可能性をPCRおよびRT-PCRを用いて確認した.その結果,日本にいる各豚品種のすべてにPERV Oroviral DNAが検出され,今回用いた培養PE-cellにもPERV Oroviral DNAとmRNAの発現を認めた.しかし,PE-cellを異種移植したいずれの犬おいてもPERVのマイクロキメリズム,感染およびウイルス血症は認められなかった.したがって,免疫抑制剤を用いずにPE-cellの入った拡散チャンバー型Bio-AEPを移植した場合,PERV感染の可能性は極めて低いことが示唆された.
著者
大前 清嗣 小川 哲也 吉川 昌男 佐倉 宏 新田 孝作
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.287-294, 2015 (Released:2015-05-28)
参考文献数
30

透析患者に広く使用されるRenin-Angiotensin系抑制薬 (RASI) のうちAngiotensin変換酵素阻害薬 (ACEI), AT1受容体拮抗薬 (ARB) と生命予後との関連を当院databaseにより検討した. 2006年4月以降databaseに登録された透析患者を対象とした. 対象の傾向スコア (PS) を算出し3群 (ACEI, ARB, 非RASI群) からPS近似例を抽出した. 疾患死をエンドポイントとした3群の生存曲線を作成し比較した. 対象の347例から31組93例が抽出, 3群間に有意差なく4.2年で全死亡30例, 心血管死19例であった. 全死亡はACEI群7例, ARB群14例, 非RASI群9例でACEI群が予後良好であったが心血管死は有意差を認めなかった. 透析患者においてACEIによる全死亡抑制を認めたがARBは予後に影響しなかった. 今後多施設での前向き研究が必要と考えられた.
著者
五島 史行 堤 知子 新井 基洋 小川 郁
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科學會會報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.113, no.9, pp.742-750, 2010-09-20
被引用文献数
2 9

めまい患者の身体症状とストレスに着目し調べることを目的とした. めまいの治療のため集団リハビリテーション治療を目的として入院した患者145例を対象とした. 今回作成した問診票を用いて調査した. 質問項目の内容は現在有している身体症状としてめまい, 頭痛, 不眠, 下痢, 便秘, 腹痛, 胸痛, 心臓がドキドキする, 息が切れやすい, 疲れやすいの項目, さらに現在感じているストレスの内容として仕事 (学業), 家庭内の問題, 社会に対して, 金銭面, 自分の健康, 生活環境, 近所づきあいの項目について数値評価尺度 (Numerical Rating Scale: NRS) によって回答するものである. また不安, 抑うつの程度, めまいによる障害度をHADS (hospital anxiety and depression scale), DHI (dizziness handicap inventory) にて評価を行った. 身体症状として疲れやすい, 不眠, 頭痛を多く認めた. これらの症状は抑うつや不安にしばしば認められる症状である. NRSにて数値化しためまいと頭痛症状の間には相関関係が認められた (R=0.48, P<0.0001). 今回の結果, めまい患者はめまい以外にもさまざまな身体愁訴を有していることが明らかになった. めまい患者の治療においてはめまい以外の身体症状に焦点をあて, 適切に症状聴取を行い対応していくことが必要である.
著者
唐 東豪 野波 健蔵 平田 光男 小川 秀明 谷口 義弘
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.66, no.649, pp.2981-2987, 2000-09-25
被引用文献数
2

This paper is concerned with a study of the high performance realization of electronic engrave technology. Using actual piezo actuator for ultra-high speed electronic engrave machine, we designed several control systems to realize a good performance, after the system identification and modeling. The designed control strategies consist of (i) LQI servo control, (ii) Two-degree-of-freedom control system, (iii) Sliding mode control with observer, (iv) Sliding mode control with output feedback. Incidentally, we also find out the compulational speed limit of DSP system via the experiments. We realized the good performance using the two-degree-of-freedom control and the sliding mode control with observer. The most important contribution of this study is that the experimental results can be directly used to commercial machine.
著者
小川 昭利
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.407-419, 2014-09-01 (Released:2015-05-12)
参考文献数
90

The aim of functional magnetic resonance imaging (fMRI) studies of perception is to unravel the neural basis of the computational processing of the targeted perception. A standard fMRI study of perception generally uses simple stimuli, such as geometrical graphics in vision and pure tones in audition, and measures brain responses to such artificial stimuli, which are generated carefully. The target brain activity of percep-tual processing has been investigated using a contrast between stimulus conditions, to cancel out other processes. In contrast, the brain’s response to naturalistic stimuli is considered not to be a combination of responses to simple stimuli. The uncontrolled per-ceptual processes that are evoked in parallel hamper the analysis of the data in a simple factorial manner. In this article, I briefly reviewed fMRI studies that used naturalis-tic stimuli (e.g., photos and movies) and introduced nonstandard analytical methods. One was the computational model-based analysis of a hypothesis-driven study, and the other was the intersubject correlation of data-driven research. A model-based fMRI study can directly predict the brain responses to the processing of dynamic perception (e.g., motion perception in the middle temporal area). Intersubject correlation can be used to evaluate the reliability of fMRI signals in response to naturalistic stimuli. In addition, I introduced a decoding technique using pattern recognition, which has been used widely not only in the engineering but also in the neuroscience fields. Although the number of studies using naturalistic stimuli and novel analytical methods has in-creased, the standard fMRI study using simple stimuli and analysis remains the most effective approach to identify the neural bases of perception. I expect that these stan-dard and novel fMRI studies will contribute complementarily to the elucidation of the brain processes for naturalistic stimuli.
著者
鈴木 悦子 小川 貴英
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.42, pp.1-8, 1995-05-17
被引用文献数
2

計算機教育にプログラミング演習は欠かせないものである.しかし,演習授業では教師1人に対する学生の人数が多いため学生全員に目が届かない.以前我々は,学生のエディタへのキー入力の種類や,コンパイラのメッセージから,演習中にどの学生が行き詰まっているか,あるいは教師の助言を必要としているのは誰かということを抽出し,モニターすることを試みた.本研究では,キー入力の種類ではなくキーコードを収集,解析することで,学生がどのようにエディタを使い,プログラミング演習をしているかが把握できることがわかった.A programming writing class is indispensable to computer science education. However, it is hard to monitor all the students's progress on programming exercises in the class, when the number of students becomes large. We developed a system for monitoring the students's progress to assist a teacher. The system collects all inputs to a text editor, which students use for writing programs and invoking compiler. Our analysis of the collected data suggests that the data can indicate several behavior patterns, which suggests the type of the knowledge that students lack and the assistance that they need.
著者
朴 君 小川 貴弘 長谷山 美紀
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J98-D, no.5, pp.823-834, 2015-05-01

本論文では,走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscop,SEM)で撮像された画像を用いた生物の分類法を提案する.提案手法では,生物学者が構築した分類体系に注目し,各ノードにその下位のノードへの分類を行う分類器を割り当てることで,決定木を構築する.これにより,構築された決定木を用いて生物の分類が可能となる.このように,生物の分類に有用な分類体系の構造を導入することで,画像特徴のみに注目する生物の分類法と比較して,高精度な分類が期待できる.また,提案手法では,更なる精度向上のため,以下の二つの処理も導入する.まず,分類体系において,画像特徴が類似する異なるノードに注目した決定木の変更を行い,誤分類を抑制する.次に,同種の生物の異なる撮像倍率の画像に対し,モーフィングを施すことで学習データの充足を行う.以上によって,提案手法では,SEMで撮像された生物の高精度な分類が可能となる.本論文の最後では,提案手法の有効性を確認するための実験結果を示す.
著者
小川 禎一郎
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.201-207, 1993-04-05
参考文献数
25
被引用文献数
3 2

レーザー多光子イオン化法により吸光性分子を選択的にイオン化し, 電気電導度測定により高感度に検出することができる.溶液中や固体表面の吸光性試料にレーザーを集光照射して多光子イオン化の機構を調べ, それをもとに分析手法の最適化を行った.無極性溶媒中の吸光性分子の超高感度分析ではpptレベルの検出感度を得た.固体表面での光イオン化では単分子層の1%程度の検出感度を得た.液表面を利用すれば極性溶媒についてもpptレベルの検出感度が得られる.この手法は高速液体クロマトグラフ検出器としても利用できることを示した.これらの結果よりレーザー多光子イオン化法が有用な機器分析法であると結論した.