著者
浜田 重遠 小林 和義
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
栄養と食糧 (ISSN:18838863)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.64-66, 1968 (Released:2009-11-16)
参考文献数
20

非芳香族化合物であるところのMethane arsonic acidのdisodium塩を飼料に混じてブロイラー雄雛の初生から微量を給与し, その量を順増して8週令まで飼育した。1) Methane arsonic acid disodium塩をAs2O5として5ppm添加の飼料を初生雛から与え数週間後に10ppm, 15ppmと順増して8週令まで飼育すると, 雛の発育がよく, その増体量は無添加の対照雛に比して有意的に大であった。2) このヒ素剤をAs2O5として10ppm添加して初生雛から与えたところ初期の成長に効果がなかった。3) このヒ素剤を添加して飼育した場合, 飼料要求率を改善した。4) このヒ素剤を添加して飼育した場合, 増体量の標準偏差が小さく, すなわちブロイラー雛のつぶがそろった。
著者
小林 和幸 コバヤシ カズユキ Kobayashi Kazuyuki
出版者
駒沢史学会
雑誌
駒澤史学 (ISSN:04506928)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.309-324, 2005-02
著者
長門 正貢 小林 和人 阿部 仁 安高 史郎 平塚 三好
雑誌
研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:21888647)
巻号頁・発行日
vol.2015-EIP-69, no.18, pp.1-7, 2015-09-03

人工知能の研究が加速しており,人類の暮らしを革新的に変化させる日が近づいている.今後多くの企業が,人工知能を用いた事業展開を図るのではないかと考える.ソフトフェアがソフトフェアを,機械が機械を製造・発明する時代となっていくと予測する.世間では 「シンギュラリティ (技術的特異点)」 と呼ばれており,未来学者であるレイ・カーツワイルさん等が,コンピュータ技術や生命科学などの進歩・発展により 2045 年頃に,これまでの世界とは全く異なる世界がやってくると予測している.反対に,理論物理学者のスティーブン・ホーキング博士等はやがて全ての人間の雇用を奪うのではないかと警鐘を鳴らしている.そのような時代になった際,現在の知的財産権法では対処しきれない問題が浮かびあがる.過去の事例と未来の予測を軸にし,自然人以外が発明を行なったら知的財産権はどこに帰属されるのかなどに焦点をあて,研究を進めている.
著者
鈴木 三男 能城 修一 田中 孝尚 小林 和貴 王 勇 劉 建全 鄭 雲飛
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.187, pp.49-71, 2014-07

ウルシToxicodendron vernicifluum(ウルシ科)は東アジアに固有の落葉高木で,幹からとれる漆液は古くから接着材及び塗料として利用されてきた。日本及び中国の新石器時代遺跡から様々な漆製品が出土しており,新石器時代における植物利用文化を明らかにする上で重要な植物の一つであるとともに日本の縄文文化を特徴づけるものの一つでもある。本研究では現在におけるウルシの分布を明らかにし,ウルシ種内の遺伝的変異を解析した。そして化石証拠に基づいてウルシの最終氷期以降の時空分布について検討した。その結果,ウルシは日本,韓国,中国に分布するが,日本及び韓国のウルシは栽培されているものかあるいはそれが野生化したものであり,中国には野生のものと栽培のものの両方があることが明らかとなった。それらの葉緑体DNAには遺伝的変異があり,中国黄河~揚子江の中流域の湖北型(V),浙江省と山東省に見られる浙江型(VII),日本,韓国,中国遼寧省と山東省に見られる日本型(VI)の3つのハプロタイプ(遺伝子型)が検出された。中国大陸に日本と同じハプロタイプの野生のウルシが存在することは,日本のウルシが中国大陸から渡来したものだとすれば山東省がその由来地として可能性があることを示唆していると考えられた。一方,化石証拠からは日本列島には縄文時代早期末以降,東日本を中心にウルシが生育していたことが明らかとなった。さらに福井県鳥浜貝塚遺跡からは縄文時代草創期(約12600年前)にウルシがあったことが確かめられた。このような日本列島に縄文時代草創期に既にウルシが存在していたことは,ウルシが大陸からの渡来なのか,元々日本列島に自生していたものなのかについての再検討を促していると考えられた。The lacquer tree, Toxicodendron vernicifluum (Anacaradiaceae) is an endemic tree in East Asia and is called urushi in Japanese. The urushi lacquer is collected from the tree trunk of this species and has been utilized as an adhesive and/or a painting material from very ancient ages. Many kinds of lacquer ware have been recovered from Neolithic archeological sites in Japan and China, and the urushi lacquer ware especially characterizes the Jomon culture in Japan. To elucidate the origin of the Japanese urushi culture, we examined the distribution of urushi trees in East Asia, analyzed their chloroplast DNA, and re-examined the fossil record of the urushi plant.Although the urushi plant is now distributed in China, Korea, and Japan, all of the trees in Korea and Japan are not native, but are cultivated. Thus the urushi trees in Japan is considered as an introduction from somewhere in China. We detected three haplotypes in the chloroplast DNA (trnL intron and trnL-F intergenic spacer regions) in of the urushi plant. The first one haplotype (haplotype V) is widely distributed in central China between Hwang Ho and Yangtze Jiang of China. The second haplotype (haplotype VI) is found in Japan, Korea, and Liaoning and Shandong provinces of China. The last one haplotype (haplotype VII) is found only in Shandong and Zhejiang provinces of China. The presence of wild urushi plant with the haplotype VI in certain areas of China may suggest the possibility that the urushi trees in Japan seem to have originated and introduced from those areas, if it was introduced. Fossil records of pollen, fruits, and wood of the urushi plant have been recovered from the early Jomon period in Japan, especially in eastern and northeastern Japan. One exception is the oldest record of the incipient Jomon period of ca. 12600 cal BP of a urushi fossil wood from the Torihama shell midden of Fukui prefecture. This fact is pressing us to re-consider whether what the urushi plant was brought over from China, or it is native to Japan originally.
著者
岩並 恵一 石原 正隆 坪田 有史 小林 和弘 松山 喜昭 小久保 裕司 福島 俊士
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.109-113, 1995-02-01
被引用文献数
17 1

日常の臨床における支台築造方法や築造材料の種類について,1977年(昭和52年)と1986年(昭和61年)に実施した調査報告に続く第3報である.特にレジン築造を含む成形材料による築造の頻度に注目したが,前回の28%から8%に減少していた.大学附属病院での調査であるため特殊な環境におけるものとの解釈もあろうが,意外の感は否めない.その他,鋳造体としての銀合金の使用頻度の減少や,合着用セメントとしてのリン酸亜鉛セメントの激減などのデータも得られている.
著者
間島 隆博 高玉 圭樹 渡部 大輔 小林 和博
出版者
国立研究開発法人 海上技術安全研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

大規模災害に憂慮される帰宅困難者の輸送システムとして、路線網を自動構築する手法を研究した。ネットワーク成長法により初期路線集合を生成し、1つの路線を1つのエージェントと見立てたマルチエージェントシステムにより路線網を構成する手法を開発した。本手法はベンチマーク問題で最良の解を出力することに成功した。さらに、首都圏を対象とした大規模な問題に対し、複数の輸送モード(バス、水上バス)が混在した路線網を実用的な計算時間で出力できることが確認できた。また、コミュニティー抽出法を応用した初期路線集合の生成法、ハブスポークネットワークのハブとなる停留所の最適位置を求める手法も開発し、その特性を把握した。
著者
小林 和彦
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.1-16, 2001-03-05
被引用文献数
8 5

FACE(Free-Air CO_2 Enrichment = 開放系大気CO_2増加)は,何の囲いもしない圃場の空気中に直接CO_2を吹き込んで,植生の周りのCO_2濃度を高める実験手法である.FACEにより,大気CO_2濃度が上昇した時の植物や生態系の変化を,現実の圃場で観察できる.1987年にアメリカで始まったFACEは,今ではアメリカとヨーロッパを中心に世界中で,農作物,牧草,樹木,自然植生を対象にした研究に用いられており,日本でもイネのFACE実験が1998年から行われている.大気CO_2濃度の上昇が植物に及ぼす影響については数多くの研究があり,初期の温室や環境制御チャンバーでのポット実験から,近年のオープントップチャンバー等のフィールドチャンバー実験に至っているが,いずれもチャンバー自体が植物の生長を変化させ(チャンバー効果),それがCO_2濃度上昇に対する植物の応答を変化させている可能性がある.これに対してFACEは,チャンバー効果が無い上に,大面積の圃場を高CO_2濃度にできる特長があり,今や実用的な実験手法として確立しつつある.FACE実験の結果は,農作物の収量増加率については従来の実験結果をほぼ支持しているが,さらに収量増加に至る生長プロセスの変化やメカニズム,生態系の変化について,多くの新しい研究成果を生み出しつつある.今後は,FACE実験結果のモデリングへの利用,複数地点でのFACE実験実施と実験結果の比較解析,そして特に発展途上国でのFACE実験の展開が期待される.
著者
小林 和裕
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

入手容易な出発原料から合成できる、オルト位(ベンゼン環の隣り合った位置)に官能基(化学的反応し易い置換基)を有するフェニルイソチオシアナート(ベンゼン環にイソチオシアナート基:-N=C=Sがついた化合物)誘導体を用いて、従来の方法では構築が困難であり、かつ医薬や農薬などの創製に役立つ可能性の高いヘテロ環(環の構成元素として、窒素,酸素、硫黄などのヘテロ原素を含む環状有機化合物)誘導体や新規へテロ環骨格の簡便かつ一般的な合成法を23方法開発した。
著者
深田 秀実 小林 和恵 佐藤 賢二 川名 英之 増田 智弘
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.3_1-3_20, 2012 (Released:2012-08-13)
参考文献数
22
被引用文献数
1

地方自治体の災害対策本部を対象とした従来の防災情報システムは、キーボードやマウスといった入力デバイスを用いるものがほとんどであり、災害発生時の緊迫した状況下で、正確かつ迅速にシステム操作を行なうためには、情報リテラシーの高い専門職員を配置する必要があった。しかし、自治体における現在の防災体制の中で、情報システムに精通した専門職員の配置を必須とすることは、行財政改革を進める必要がある自治体にとって、容易なことではない。そこで、本研究では、自治体の防災担当職員が災害発生直後の混乱した状況でも、容易に操作することが可能な災害情報管理システムを提案する。本提案システムでは、テーブル型ユーザインタフェースとデジタルペンを用いることにより、被害情報を容易に入力できる操作性を実現している。実装したプロトタイプを用いて想定利用者によるシステム評価を行った結果、デジタルペンでアイコンを入力する操作性や対応履歴閲覧機能について、良好な評価を得た。
著者
小林 和則 穂刈 治英 島田 正治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.193-200, 1999-02-25
被引用文献数
13 6

話者位置推定技術は, 音声信号と話者位置情報を同時に送信し音場を再現する臨場感ある遠隔地会議システムや, 音源位置に自動的にテレビカメラの照準を合わせる監視システムなどに応用することができる. 本論文では, 新しい複数話者位置推定方法として, 同期乗算を用いた方法を提案する. 提案方法の特徴は, 同時に音を発する複数話者の位置を検出可能であること, 実時間処理に適していることである. また, 実験により2次元的に配置された複数話者の位置推定を行い, 複数話者位置推定に提案方法が有用であることを確認した. 更に, 同期加算法との比較を行い, 本方法が位置推定精度, 複数話者の分離の面で優れていることを示した.
著者
古賀 義之 吉田 教明 三牧 尚史 小林 和英
出版者
日本矯正歯科学会
雑誌
Orthodontic waves : journal of the Japanese Orthodontic Society : 日本矯正歯科学会雑誌 (ISSN:13440241)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.318-324, 1999
被引用文献数
4

ワイヤー装着時に歯に作用する複雑な力系に関し, 臨床的な測定法の確立が望まれる.本研究では, 2つのブラケットとその間のワイヤーのような, 線材の両端の回転が, 二次元上で拘束されるような力系について解析した.その力系の理論的な算出には, 線材の曲げ剛性と曲げモーメントの比で表されるオイラーの微分方程式を解くことにより行った.また, 得られた理論式より, 線材両端の回転が拘束される複雑な力系と, 一端だけが拘束される単純な力系を比較することにより, 臨床上有効な矯正力の計測について検討した.その結果, 以下の結論が得られた.1. ブラケット等に加わるモーメントおよび力は, 線材が直線の場合, ブラケットの傾斜角の関数として表すことができる.モーメントに対するブラケットの傾斜角の影響は, 同側の傾斜角が反対側より2倍大きく, 力に対する傾斜角の影響は両側で等しい.2. 傾斜したブラケット等に直線のワイヤーを挿入した時の変形は, ワイヤーのサイズ, 断面形態, 材質によらず同じ形となり, その変形は三次曲線で表すことができる.3. ブラケットにワイヤーを挿入するような場合, 片側のみのブラケットが傾斜している条件では, ワイヤーの性状に関わらず臨床的に力系計測が可能で, 傾斜していない側のアタッチメントがブラケットの場合とリンガルボタンの場合では, 前者の垂直力が2倍大きくなる.
著者
溝口 勝 山路 永司 小林 和彦 登尾 浩助 荒木 徹也 吉田 貢士 土居 良一 鳥山 和伸 横山 繁樹 富田 晋介
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

SRI 農法が東南アジアの国々で爆発的に普及しつつあるが、その方法は国や農家ごとに異なり、適切な栽培管理技術は未だ確立できていないのが現状である。そこで本研究では、日本で気象や土壌・地下水位等の科学的なパラメータを測定するための最新のモニタリング技術を開発しつつ、主としてインドネシア、カンボジア、タイ、ラオスの東南アジア4 カ国にこのモニタリング技術を導入して、農業土木学的視点からSRI 農法の特徴を整理し、SRI栽培の標準的な方法について検討した。加えて、現在懸念されている気候変動に対する適応策として、各国の農家が取り得る最善策を水資源・農地管理に焦点を当てながら考察した。
著者
櫨山 寛章 金海 好彦 三宅 喬 山本 成一 長谷部 克幸 河合 栄治 小林 和真
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.208, pp.29-36, 2009-09-18

現在,情報通信研究機構テストベッド推進グループ(SPARC)では,超高速・高機能研究開発テストベッドネットワーク(JGN2plus)の物理ICTインフラストラクチャを構成する資源を仮想化し,仮想ICTインフラストラクチャとして実験利用者に提供するJGN2plus仮想化技術テストベッド(JGN2plus IaaS)の構築を進めている.平成20年度に実施したJGN2plus IaaSのテスト構築及び札幌雪まつりなどでのテスト実験を通し,JGN2までで実施してきた従来型の物理ICTインフラストラクチャスライス(Physical ICT Infrastructure Slice:PIIS)提供とその運用管理に比べ,仮想インフラストラクチャスライス(Virtual ICT Infrastructure Slice:VIIS)提供と運用管理は運用面での負荷が高いことが浮き彫りとなった.そこで,本稿ではJGN2plus IaaSでのVIISの資源割り当ての負荷を下げることに着目し,仮想資源割り当てメタシステムの設計に関し議論を行う.
著者
小林 和彦 園山 繁樹 戸村 成男 柳 久子
出版者
一般社団法人日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.93-105, 2003-09-30

本研究においては、行動分析学の枠組みとその基本的な技法を応用したベッドから車椅子へのトランスファー介助の方法を、老人保健施設に勤務する経験の浅い介護スタッフに指導し、指導効果の検証を行った。対象は、施設介護職員として勤務する女性2名で、両介護者が介助するのは脳梗塞左片麻痺で痴呆を有する78歳の女性であった。指導は机上での講義形式による行動分析の枠組み、およびそれに基づく対象者へのかかわり方に関する基本的な説明を行った後、実際場面において実践的な指導を行い、適切介助回数および身体接触時間を評価した。その結果、両介護者とも実践指導後において大幅な適切介助の増加および身体接触時間の減少が認められた。しかしながら、講義形式による説明のみではほとんど指導効果が得られなかったことから、実際場面における実践的な指導の重要性が示唆された。
著者
小林 和夫
出版者
大阪大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

昨年度に引き続き、ロンドンで在外研究を行った。国立公文書館と大英図書館、LSE図書館を研究の中心拠点として、大西洋貿易に関する統計資料やマニュスクリプト、二次文献調査を行い、ロンドン大学キングズ・カレッジのリチャード・ドレイトン教授らとの意見交換を行った。研究の目的は、18世紀大西洋経済を大きく支えていた黒人奴隷貿易を成り立たせていた対価となった商品(具体的には、インド産綿織物)とその流通過程を、私商人の史料をもとにして明らかにすることであった。とくに、18世紀末から19世紀初頭にかけて、インド産綿織物の卸商人として活躍していたトマス・ラムリー商会の販売記録簿や往復書簡を分析した結果、インドから輸入された綿織物が、ラムリーを介して、リヴァプールの奴隷商人の手に渡り、西アフリカに再輸出されていたのか解明することができた。それによって、イギリスの大西洋奴隷貿易の終盤においても、アジアと大西洋を結ぶ商業ネットワークが重要な役割を果たしていたことを明らかにすることができた。大西洋経済における金融制度の研究課題が残っていたが、ロンドン大学政治経済学院(LSE)の博士課程に進学することになったため、2011年9月をもって、日本学術振興会特別研究員を途中辞退することになった。研究成果としては、4月末にカナダ・モントリオールのマギル大学インド洋世界研究所で開催された国際会議で口頭発表を行った(報告題目:Indian Cotton Textiles as a Global Commodity:The Case of the British Atlantic Slave Trade)。他方、研究ノート「イギリスの大西洋奴隷貿易とインド産綿織物-トマス・ラムリー商会の事例を中心に-」が、『社会経済史学』第77巻3号に掲載された。本稿では、イギリスの大西洋奴隷貿易が大きく成長した理由を、黒人奴隷の対価となった商品の供給の面から分析し、とりわけインド産綿織物の流通に関わった商業ネットワークを論じたものである。
著者
神林 勲 石村 宣人 小林 和美 佐川 正人 武田 秀勝
出版者
北海道教育大学
雑誌
北海道教育大学紀要. 自然科学編 (ISSN:13442570)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.89-96, 2003-09-30

本研究では健康で活動的な成人男性6名と成人女性6名を被検者に,前腕の等尺性筋収縮を30%MVCの強度で維持させ,男女における筋持久力の差異を近赤外分光法(NIRS)によって測定された筋酸素動態[oxy(Hb+Mb)]の面から検討した.結果は以下の通りである.1)男性のMVC(55.1±8.7kg)は女性(34.2±2.5kg)よりも有意に高値を示した(p<0.05).2)運動継続時間は,男性で139.2±29.4秒,女性で175.8±23.7秒と女性の方が男性と比較して有意に長かった(p<0.05). 3)掌握運動中のoxy(Hb+Mb)の変化には明らかな男女差が認められ,男性では初期の直線的な低下後,20〜25%で疲労困憊まで推移したのに対して,女性では初期の直線的な低下後,漸増し,疲労困憊時には約75%にまで達した.4)初期脱酸素化速度には男女間に有意な差は認められず,また,運動継続時間との間にも有意な相関関係は認められなかった.以上のことから,30%MVC強度の筋持久力(運動継続時間)は女性の方が男性と比較し優れていた.この性差は筋の有酸素性代謝能の優劣ではなく,運動中の筋血流量の違いによってもたらされる有酸素性代謝の割合によることが示唆された.