著者
石澤 孝 小林 博
出版者
THE TOHOKU GEOGRAPHICAL ASSOCIATION
雑誌
東北地理 (ISSN:03872777)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.30-40, 1991
被引用文献数
2 3

わが国においては, 1970年代に宿泊施設の数が急増している。これをホテルと旅館に分けてみると, 1972年頃に旅館数が頭打ちになり, 代わってホテル数が急増した。長野においても同様の傾向が認められる。長野における旅館とホテルの分布は大きく異なっている。旅館が善光寺の門前やその周辺を中心に立地しているのに対して, ホテルは長野駅周辺地域を中心として立地している。また, ホテルはそのほとんどが都心地域に立地しているのに対して, 旅館は都心地域外に立地しているものも多い。規模は, 旅館よりもホテルのほうが大きい。また, ホテルが立地しているところの路線価格は, 旅館が立地しているところに較べて高く, 価格の上昇率も高い。さらに, 路線価格の高いところに立地しているホテルのなかには, 旅館がその営業形態を変更したものも認められる。<br>以上のように, 都心の拡大と核心地域の移動がみられる都市においては, かつての核心地域には旅館, 新しい核心地域にはホテルという宿泊施設分布の差異が生じている。すなわち, 都市地域における宿泊施設は都心のメルクマールとなるものであり, 旅館が集中して立地している地域は高度経済成長期以前の核心地域, ホテルが集中して立地している地域はそれ以降に形成された核心地域と考えることができる。
著者
小林 麟也
出版者
熊本大学
雑誌
熊本史学 (ISSN:03868990)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.54-57, 1958-11-25
著者
小林 敬一
出版者
The Japanese Association of Educational Psychology
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.199-210, 2012
被引用文献数
3

本論文では, 大学生による紙上討議(論述文の中に産出された, 複数テキスト間の論駁的関係に対する応答), それとテキスト間関係の理解との関係, そしてこの2つの過程に及ぼす読解目標の効果を検討した。大学1年生95名に, 論争の構図を理解する読解目標(論争理解目標)条件か争点に関する自分の意見を生成する読解目標(意見生成目標)条件かのいずれかの条件で4つの論争的なテキストを読んでもらい, それから争点に関する自分の意見を論述してもらった。主な結果は次の通りである。(a) 論述文の中でどの論駁的関係にも応答していなかった者や論駁された論者の議論をその論駁に対する反論なしに利用した者が半数以上いた。一方, 全ての論駁的関係を踏まえてそれらに応答した者はほとんどいなかった。(b) テキスト間関係の理解は論駁的関係に対する応答を予測した。(c) 論争理解目標群は意見生成目標群よりもテキスト間関係の理解が優れており, この効果は論駁的関係に対する応答にまで及んだ。
著者
宮島 郁夫 Mata Diego 小林 伸雄 Facciuto Gabriela Soto Silvina Hagiwara Juan Carlos Serpa Juan Cruz Escandon Alejandro
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.137-139, 2004-03-15
被引用文献数
3

ジャカランダ(Jacaranda mimosifolia)の簡便で実用的な挿し木方法を検討した.生育がほぼ停止した熟技を挿し穂にした場合には発根しなかったのに対し,伸長開始後まもない緑技を挿し穂にすると高い発根率が認められた.緑技挿しではIBAの有無にかかわらず挿し木の成功率は86%以上であった.緑技挿しの根は健全で挿し木の開始から2ヶ月後には5 10cm程度に伸長した.このことから,伸長開始後間もない緑技を用いた挿し木はジャカランダの増殖にきわめて有用な技術となることが示唆された.
著者
宮島 郁夫 尾崎 行生 小林 伸雄
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

南米原産の花木であるジャカランダ(Jacaranda mimosifolia)の北部九州における形態的花芽分化の開始期は4月初旬であることがわかった.ジャカランダの花芽形成には低温(15℃)に1ヶ月以上遭遇することが必要であり,正常な開花には2ヶ月以上の低温期間が必要であると思われた.ジャカランダ花弁の主要アントシアニンはマルビジンに複数のグルコースと脂肪族有機酸が結合したアシル化アントシアニンであると推定された.
著者
小林 資正 田中 淳一 香取 岳人 北川 勲
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical & pharmaceutical bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.38, no.11, pp.2960-2966, 1990-11-25

Following the characterization of swinholide A (1), the major cytotoxic dimeric macrolide, three new congeneric dimeric macrolides, named swinholide B (2), swinholide C (3), and isoswinholide A (10), have been isolated from the Okinawa marine sponge Theonella swinhoei. The structures of these dimeric macrolides have been elucidated on the basis of chemical and physiocochemical evidence. These dimeric macrolides were shown to exhiit potent cytotoxicities toward KB cell lines.
著者
近藤 一郎 小林 哲夫 若林 裕之 山内 恒治 岩附 慧二 吉江 弘正
出版者
特定非営利活動法人日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.281-291, 2008-06-30
被引用文献数
3

母乳に含まれるラクトフェリン(LF)は鉄結合性糖タンパク質であり,抗菌作用などの生理活性を有することが知られている.本研究では,ウシLF配合錠菓(森永乳業)を3カ月間摂取した場合の歯周炎患者に及ぼす影響を,臨床的,細菌学的,および生化学的に検討した.同意が得られた軽度慢性歯周炎患者18名を無作為に,ウシLF含有錠菓摂取群(実験群:8名)およびプラセボ錠菓摂取群(コントロール群:10名)に分けて,ともに錠菓を1日3回(1回2錠)3カ月間摂取し続けてもらった.錠菓摂取直前(ベースライン),摂取1週後,1カ月後,および3カ月後の来院時に,1)歯周組織検査,2)定量性PCRによる歯肉縁下プラークおよび唾液細菌検査(総菌数,Porphyromonas gingivalis数,Prevotella intermedia数,3)サンドイッチELISA法による歯肉溝滲出液(GCF)および唾液ヒト・ウシLF濃度検査,4)リムルステストによるGCFおよび唾液エンドトキシン濃度検査,を二重盲検法にてそれぞれ行った.各来院時での検査結果の群間差をMann-Whitney U testにて統計解析した.本実験期間中でウシLF錠菓摂取に伴う副作用は一切認められず,同錠菓の安全性が再確認された.実験群ではコントロール群と比べてベースラインに対する歯肉緑下プラーク細菌数変化量の有意な低下が,総菌数(1カ月後),P.gingivalis数(1,3カ月後),P.intermedia数(1週後)においてそれぞれ認められた.唾液細菌数および臨床所見における群間差はみられなかった.ウシLF濃度は,コントロール群と比べて実験群で有意に高いレベルが維持された.ヒトLFおよびエンドトキシンの濃度変化量には群間差はみられなかったが,実験群のGCFでは低レベルで推移する傾向が認められた.以上から,ウシLF配合錠菓の継続的な経口投与により,歯周病原細菌が減少することが臨床レベルで初めて確認された.ウシLFのレベルがGCFである程度維持され,歯肉縁下プラーク細菌を抑制した可能性が考えられる.食品成分であるウシLFを配合した錠菓の経口投与は,より安全な歯周病の予防法として有望であることが示唆された.
著者
福嶋 祐介 木本 二郎 原 正栄 小林 敏夫 酒井 隆市 石丸 民之永 八戸 剛志
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.399-403, 2003-07-15
被引用文献数
2

長岡市よりの委託を受けて,新しい地下水節水型の消雪パイプの有効性を確認し実用化を図るために,長岡市道にて消雪パイプの実証試験を行なった.このプロジェクトは産・官・学の協力の下でおこなわれ,現場実験は実質的に平成15年1月15日に始まった.消雪パイプは極めて有効な除排雪システムではあるが,地下水を用いることで地盤低下,地下水位減少に伴うくみ上げの困難,歩行者に対する散水など,さらに消雪パイプを普及させるためには困難も多い.本実証試験は,降雪強度計を用いて降雪量を測るとともに,インバータで揚水ポンプを制御して,必要最小限の散水を行なおうとする新型の消雪パイプである.この消雪パイプの有効性を確認するため,流量計,水位計,圧力計などを取り付け,これらからの出力をADSLを介してサーバーにデータを蓄積し,いつでもデータを利用可能なシステムとした.また,現地にはデジタルカメラを3台取り付け,画像データもインターネットを介して閲覧可能にした.このことで,1月15日から3月31日まで1分間隔(画像データは10分間隔)で保存するようにした.それ以外にADSLを介して制御パラメータの変更もできる.データはまだ十分な解析を行なっていないが,ここに2003年冬季分の成果を示すことにした.
著者
遠藤 典男 小林 勇人 中島 星矢 松岡 保正
出版者
長野工業高等専門学校
雑誌
長野工業高等専門学校紀要 (ISSN:02861909)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.37-40, 2004-06-30

Recently, increasing amount of waste, recycling society has been desired. Recycling fine aggregate are crashed in waste concrete, so involving a lot of various (small or micro) cracks. When mixing recycling fine aggregate in standard concrete, they make compressive strength deterioration. The other hand, porous concrete (POC) are applied to low strength fields. For example, concrete coastal revetment in which plants and small animals are able to alive, permeable pavement, soundproof wall on road, and so on. In this research, mixing recycling fine aggregate to POC, and evaluating mechanical properties for that POC.
著者
犬飼 敏彦 萩原 修 今 陽一 藤原 隆 吉江 康正 冨澤 貴 柁原 昭夫 小林 節雄 森松 光紀
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.423-429, 1983
被引用文献数
5 2

我々は, Adie症候群,分節性無汗症,起立性低血圧を伴つた皮膚筋炎の1例を経験し,類推例を見ない極めて希な症例と思われたので報告する.症例. 30才,女性.主訴:発熱,咳嗽.現病歴: 1979年8月上旬より両側下肢に関節痛,筋肉痛および筋力低下を自覚, 9月15日より約38°Cの発熱,咳嗽をきたし, 17日当科受診.四肢近位筋の萎縮およびGOT, GPT, LDH, CPKなどの高値と間質性肺炎像が認められ26日入院.筋電図,皮膚および筋生検組織より皮膚筋炎と確診. steroidの投与により皮膚筋炎に基づく臨床症状および検査所見は改善した.一方,初診時より両側性瞳孔緊張,深部反射消失を認め,またmecholyl点眼により両側に著明な縮瞳を確認し,両側性Adie症候群の完全型であると診断.また自律神経機能検査より分節姓無汗症,起立性低血圧の存在も明らかとなつた. Adie症候群と自律神経異常との合併はよく知られており, acute pandysautonomiaの概念で把えられ病態生理学的な検討がなされている.特に無汗症との因果関係については,報告者により見解の不一致を見るが,本例においてはその臨床所見より交感神経節性障害,あるいは広範な節後障害が推測される.一方,他の疾患に伴う"症候性Adie症候群"の報告は蓄積されているが,本例の如く皮膚筋炎との合併例は,我々の検索した範囲では報告されておらず,貴重な症例と考えられ,その病態解明には今後の慎重な経過観察が必要であろう.
著者
小林 弘明 井上 欣三 新井 康夫 藤井 照久 遠藤 真 松浦 由次 遠藤 政利 阪口 泰弘
出版者
公益社団法人 日本航海学会
雑誌
日本航海学会論文集 (ISSN:03887405)
巻号頁・発行日
vol.96, pp.119-125, 1997
被引用文献数
20

When the training of shiphandling techniques is provided, we always have the problems that the objective of the training is ambiguous and that the effect of the training is not clear. To imporve the above problems, authors make a proposal of a new concept that the shiphandling techniques consist of elemental techniques and verify the concept by experiments. As a result, the reasonability of the proposed concept is confirmed. Consequently, the proposed concept is found to be contribution to the efficiency and the evaluation of effectiveness of the future training.
著者
小林 實
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1129, pp.109-112, 2002-02-18

山梨県上九一色村にあるテーマパーク「富士ガリバー王国」は、昨年10月28日に閉園しました。私は村長として、この施設に大きな夢を抱いてきました。1995年の地下鉄サリン事件以来、上九一色村はオウム真理教(アレフに改称)の施設サティアンがあることで、一躍有名になりました。それも、「サリン村」という悪いイメージです。
著者
小林 貞一
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.167-171, 1953

1952年9月8日以降1週間に亘り, Algeriaの首都Algerで開催された第19回万国地質学会議に, 私は三土知芳・渡辺武男両氏とともに日本代表として列席する栄誉を得た。この会議前のGeneral Excursion には日本代表3名が参加した。会議後の地質巡検には3名の代表は, それぞれ別の班に加わつた。小林はモロッコの地質巡検C33に参加した。会議前のGeneral Excursion は会議前後約50班の地質巡検中最も大がかりなもので, その指揮者はM. Roubault教授で参加者約300名はChampolion号に便乗して, 8月24日にマルセイユを解纜してから9月7日朝アルゼールに投錨するまでの2週間の間, チュニス・アルゼリアの沿岸地帯を遍歴した。これは大体テルアトラスおよびカビレ海岸山脈に属する地帯で, 高アトラスはその背後に位している。<BR>Les Chaines Littorales Kabyles は主に古い地塊とその被覆層からなり Chaine Calcaire の称がある。Les Chaines telliennes は褶曲山脈である。われわれはまずこの褶曲山脈の北東端をチュニスにおいて見, それからアルゼリアにおいて海岸山脈の基盤変成岩類, その古第三紀被覆層, これを貫ぬく火成岩, 新第三紀以後の火山岩を, そしてアルゼリア西部でテルアトラスを見た。これらの巡検はTunis, Bizerte, Bone, Bougie, Oran などに寄港し, 8台の大型自動車に分乗し, 1日200~300哩を走り要所々々にはとまつて見聞する。連日の巡検は相当の体力を要するので, 老人婦人は分かれて名所見物に行くこともあつた。また時には汽車で山脈を横切り, Onenza鉄山や Constantine の旧都を訪れることもあつた。<BR>会議後のモロッコの地質巡検C33は, L. Neltzner, R. Ambroggi の両氏が指揮者で, 時にはM. Gigoux, R. Bourgin らの諸氏も案内に加わつた。参加者は英国からの3名, フランス本国からの1名, モロッコ地質調査所の婦人1名と小林を合して僅かに6名で, 一行約10数名が2台あるいは3台の自動車に分乗して, 高アトラスおよび後アトラス両山地西部地域層序と地質構造とを巡検した。万国地質学会議が終了すると翌朝早々アルゼールから汽車でオランまで, それから先きは飛行機でCasublancaに至り, 休養して9月18日からSafi, Magador, Agadirなどを経て太平洋岸を南下し, 後アトラス山地西端部を巡つてSous河中流のTaroudantにいで, 高アトラスを越えて旧都Marrakechで1日休養, 再度同山脈を越えてOuarzazateの盆地に行き, Marrakechを経て10月2日夜Rahatに帰つた。この間小林はモロッコ地質調査所および巡検班指揮者の好意によつて, Sout河の南岸後アトラス北方に位するl'Amouslek の下部寒武系層序の検討を行なうために, 案内者とともに2日間 Taroudant から族行團の一行とは別れて特別の地質調査を行つた。そして10月3日4日の両日に調査所所藏の寒武系下部三葉虫を見た。L'Amouslek丘陵地では最近, Redtichia様の三葉虫がOlenellidaeの三葉虫とともに産出するので, 極めて興味ある層序で世界の寒武系研究家間の注目の的となつている。この層序に対する私の所見は, A brief Note on the Lower Cambrian of Morocco としてモロッコ地質調査所から出版されるはずであるからここには省略し, 以下主にモロッコのアトラス山系の地質について述べる。
著者
鵤 心治 中園 眞人 柏野 慶子 小林 剛士
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 : journal of architecture and building science (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.275-278, 2004-06-20
被引用文献数
6

Because of depopulation and decline of central district in the local city, the extensive used lands have been increasing. This research aims to grasp the condition of extnsive used lands at the central district in the local city, we examined the condition of car parkings (764), intention of individual owners and visitor in Ube city. As a result of following points; 1) The narrow parkings lie scattered in the whole area. A lot of them is private parking or contract parking, and is few check parking which visitor uses. 2) Visitor knows check parking, but they don't use them. 3) The old owners are going to hold the lots, As they have no mind to use practically. 4) Some of owners think lots are too narrow for them to practice. It is a necessary to have the systems for applicable to narrow lots.