著者
吉田 友英 長舩 宏隆 山本 昌彦 谷野 徹 小田 恂 蛭田 啓之
出版者
特定非営利活動法人 日本気管食道科学会
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.443-448, 1990-12-10 (Released:2010-10-20)
参考文献数
14
被引用文献数
1

Almost the entire malignant tumors arising in the larynx are the laryngeal carcinoma. Laryngeal carcinosarcoma, in which carcinoma (epithelial malignant tumor) coexists with sarcoma (interstitial malignant tumor) in the same organ, is rarely found.In this report, we described a recent case of carcinosarcoma arising in the epiglottis of a 74-year-old man who visited our hospital with a complaint of nocturnal dyspnea. We discussed the its clinical feature, pathological findings, and the treatment as well as a review of the literature of this disease.The carcinosarcoma in this case was extremely rare and it was comprised of squamous cell carcinoma, adenocarcinoma and sarcoma component which could be confirmed immunohistochemically.This carcinosarcoma was considered to be a true carcinosarcoma.
著者
加藤 浩 神宮司 誠也 高杉 紳一郎 岩本 幸英 吉村 理 新小田 幸一
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.178-184, 2002
参考文献数
24
被引用文献数
6

本研究の目的は,股関節疾患患者の中殿筋を対象に,従来の静的表面筋電図周波数解析に加え,新たに歩行時の動的表面筋電図周波数解析を行い,その結果を筋組織学的レベルから検証することである。当院で手術を受けた股関節疾患患者11症例を対象とした。手術直前に100・50%MVCにおける等尺性股関節外転運動を行わせ,中殿筋筋腹部を電極部位とした静的な表面筋電図測定を行った。又,10m自由歩行を行わせ,動的な表面筋電図測定を行った。そして,wavelet変換を用いた静的・動的表面筋電図周波数解析を行った。手術中に中殿筋筋生検を行いATPase染色による筋線維のタイプ分類(typeI及びtypeII)を行った。さらに画像解析ソフトによる筋線維横断面の形態計測を行った。50%MVC時のパワースペクトルとtypeII線維数の間には,正の相関が認められた。また,歩行時の立脚期初期のパワースペクトル変化は,typeII線維の線維径とtypeII線維横断面の総面積比率が関与していた。wavelet変換を用いた静的・動的周波数解析は,筋線維組成比やtypeII線維の萎縮といった組織学特徴を推測する有効な手段になりうるものと思われた。
著者
小田 佐智子 オダ サチコ Oda Sachiko
出版者
大阪大学大学院文学研究科社会言語学研究室
雑誌
阪大社会言語学研究ノート
巻号頁・発行日
vol.14, pp.67-75, 2016-03

本稿では岐阜方言における原因・理由表現にみられるモンデを取り上げ、その形式的特徴と意味的特徴を記述した。モンデの特徴をまとめると以下のようになる。(1)モンデは、従属節に推量や当然性判断など、話し手の確信の度合いが強いモダリティを取ることはできず(§2.2)、主節は叙述文または依頼とのみ共起することができる(§2.3)。(2)モンデの基本的意味は、「話し手の主観によって事態の判断や主張を述べるものではなく、話し手の主観から切り離した事態の因果関係を説明するもの」である。(§3.1)(3)モンデは、話し手の意識の外で生じた事態の原因・理由を述べる形式であるため、話し手の意識や意志が介在していないことを押し出したいような言い訳や弁明、偶発的な出来事に対する弁明の場面において使用されやすい(§3.2)。
著者
小田切 康彦 Yasuhiko Kotagiri
出版者
同志社大学政策学会
雑誌
同志社政策科学研究 = Doshisha policy and managemant review (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
pp.45-57, 2016-02

本稿では、地方議会において市民との協働という潮流がどのように捉えられてきたのか、議会会議録を手掛かりにその言説を分析した。テキストマイニング等の手法を用いて、第1に、協働言説のトレンドを分析した。結果、協働関連語句の頻出傾向は、新聞記事等における頻出傾向と類似していることが明らかになった。第2に、協働関連語句の共起ネットワーク分析を行った結果、協働の理念・実践は議会において肯定的に捉えられる傾向にあることがわかった。20周年記念特集号
著者
小田 民美 森 昭博 佐伯 香織 左向 敏紀
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.93-98, 2015-10-10 (Released:2016-04-11)
参考文献数
10

ヒトの研究において、血糖値、インスリンやインクレチン濃度には日周リズムが存在することが知られているが、犬においては明らかではない。したがって、本研究の目的は、朝夜での健常犬の血糖値、インスリン、インクレチン濃度を比較検討することとした。朝7時から夜7時の朝試験と、夜7時から朝7時までの夜試験を比較した。本研究では、4頭の健常犬を用い、朝夜7時の12時間ごとに同じフードを同じ量給与した。そして、食後の血糖値、インスリン、インクレチン濃度(glucose-dependent insulinotropic polypeptide〔GIP〕and glucagon-like peptide-1〔GLP-1〕)を測定した。血糖値は朝夜で有意な変化は認められなかった。一方、インスリン濃度は食後1時間目に夜試験で有意に上昇していた。GIP、GLP-1濃度は食後数時間で増加し、徐々に低下していく日内変動をとったが、朝夜で最高濃度が異なっていた。これらの結果より、健常犬においてもこれらのパラメーターに日周リズムが存在することが明らかとなった。
著者
小田切 敬子 片平 彩香 安江 健 鈴木 綾子
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.28-32, 2010-11-25 (Released:2016-04-01)
参考文献数
14

三点比較式臭袋法を用いたイヌの体臭測定について検討した.シャンプー後経過日数19日から105日までの5匹のイヌの匂いサンプルを用いて臭気指数,臭気強度および快・不快度について測定した.その結果,シャンプー後の経過日数と臭気指数の間に強い正の相関関係が認められた(r=0.89,p<0.05)が,臭気指数と臭気強度の間には統計学的に有意な相関関係(r=0.39,NS)は認められなかった.一方,臭気指数が高くなると快・不快度は低くなる傾向がみられたが,両者間には,有意な負の相関関係は認められなかった(r=−0.06,NS).以上より,三点比較式臭袋法を用いてイヌのにおいを測定および評価できることがわかった.
著者
小田原 悦子
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.286-291, 2013-10-25 (Released:2015-07-06)
参考文献数
15

作業療法は1917年に設立され,作業を使って障害,病気の人が社会に復帰するように援助する専門職としてアメリカで教育が始まった.作業療法の設立者が専門職を人間の健康は日常の作業によって形成されるという包括的な見方に基礎づけたことを反映し,学生教育は幅広いものであった.その始まりから,臨床家の教育に影響する健康の概念に関する2度の大きな転機があった.1.リハビリテーション医療との密接な連携によって保護されたが,伝統的な医学モデルに影響を受け,医療診断に基づいた臨床を発展させた.2.健康のより広い概念,参加モデルへ再度移行した.作業療法研究者,教育者の視点から,第2の転機における文化人類学の貢献を述べる.
著者
小田 仁
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.333-339, 1989-09-24 (Released:2010-03-11)
参考文献数
21

We have reexamined whether the velocity decrease of the seismic waves due to dilatancy can be detected or not. A numerical investigation was made to see the change of travel times by using synthetic seismograms of P-waves traveling through a dilatant region. In synthesizing the seismograms, the Brune's source model was used, and the P-wave velocity was assumed to increase with increasing frequency and to approach asymptotically an intrinsic velocity. This relation between P-wave velocity and frequency is based on the experimental result obtained by uniaxial compression test of a granitic rock sample; the velocity decrease is larger at low frequencies than at high frequencies. The dispersion curve is characterized by crack density ε, crack width 2a and intrinsic velocity α. A characteristic frequency fM=5α/πa, above which no velocity decrease is found, is defined. We investigated the change of the P-arrival times in the synthetic seismograms, changing both crack density and crack width. When the P-wave forms of earthquakes with the same magnitudes are recorded without off scale, the travel time anomaly can be detected in the case of fc<<fM, where fc is the corner frequency of seismic source spectrum. Therefore, for detecting the travel time anomaly, it is necessary to observe earthquakes in low frequency range of f<<fM, where the significant velocity decrease is expected. For this purpose, group arrival times of the P-wave at low frequencies may also be useful.
著者
土屋 雅春 島袋 嘉修 朝倉 均 水野 嘉夫 小田 義英 小野 明 森実 敏夫 山中 郁夫 辻 公美
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.71, no.10, pp.989-997, 1974-10-05 (Released:2011-06-17)
参考文献数
20
被引用文献数
4

潰瘍性大腸炎において免疫学的追及を行ない胸腺T-cell系異常及びHL-Aに関し以下の知見を得た.1. 胸腺は全例Pneumomediastinography上大きく, レ線密度が強い. 組織学的には10例中6例にリンパ濾胞が証明された.2. 胸腺内T-cellは全例末梢血に比し高値であり胸腺はT-cell poolの場と考えられる.3. 末梢血T-cellは一定の傾向をみないが, PHA刺激試験12例中9例, DNCB試験9例中5例に反応性の低下を認めた.4. ヒト胎児大腸粘膜を添加した白血球遊走阻止試験で9例中7例に遊走阻止が認められた.5. 日本人の潰瘍性大腸炎35例で追及したHL-A検索では, HL-A 9及びHL-A 5が統計学的有意差で高率に認められた.

1 0 0 0 OA 朝鮮史大系

著者
小田省吾 等著
出版者
朝鮮史学会
巻号頁・発行日
vol.中世史, 1927
著者
左 久 小田 伸一 萩野 顕彦 大谷 昌之
出版者
帯広畜産大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

泌乳牛へのルーメンバイパス加工デンプン給与が血漿成長ホルモン濃度や乳量・乳成分などに及ぼす影響を検討する4つの実験を行い以下の結果を得た。1.泌乳牛のデンプン利用能を調べるために、泌乳初期牛に40日間、米粉デンプンを日量0.5-1.5kg給与し、乳量および第一胃内容物性状を調べた。デンプン1.0kg以上を摂取した牛の第一胃内プロピオン酸モル比は上昇、pHは低下し、日乳量は減少した。バイパス性デンプン給与日量は1.0kg以下が適切と判断された。2.泌乳初期牛に90日間、バイパスパルミチン酸、リノール酸Caおよび米粉をリノール酸Caで皮膜処理したバイパス性デンプンを1日4,000kcal相当量給与した。日乳量増加は給与熱量からの期待値にほぼ匹敵し、バイパス性デンプン給与が泌乳量をより高めることはなかった。3.泌乳中期牛に180日間、バイパス性デンプンを1日1kg給与すると、開始後約100日間は日乳量が泌乳進行に伴って低下せ、バイパス性デンプン給与が泌乳持続性を高める可能性が示唆された。試験期間中の血漿IGF-1濃度はバイパス性デンプン給与牛111.1ng/mlと材料給与牛が対照牛よりも有意に高く、グルコース濃度は給与前後とも定常値で推移し、NEFA濃度は試験開始より次第に低下し給与2ヶ月後からほぼ一定の値となった。4.泌乳中期牛15頭に60日間、バイパス性デンプンを給与し、血漿GH濃度、GH分泌刺激ペプチド(GHRP)負荷GH分泌反応を検討した。バイパス性デンプン給与牛の第一胃内pHとVFAs濃度は給与前後で変化せず血漿GHの日内平均濃度、GHパルス高、基礎濃度およびパルス数は増加する傾向が認められたが、GHRP負荷反応は対照牛と違いがなかった。これらの試験結果は、泌乳牛へのバイパス性デンプン給与が成長ホルモン分泌を高め、泌乳の持続性を高める可能性があることを示唆している。
著者
山田 哲也 塚本 敏夫 中村 俊夫 小田 寛貴
出版者
(財)元興寺仏教民族資料研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

加速器質量分析(AMS)法による古代鉄製品の放射性年代測定を確立し、鉄製品に直接的な年代値を付与することを目的として、鉄試料に内在する炭素を汚染させることなく効率よく高純度に抽出し、高精度の試料調整を行った上で、名古屋大学年代測定総合研究センターのタンデトロン加速器質量分析計で微量の炭素を含有する古代鉄製品の^<14>C年代測定の有効性の検証をおこなった。鍛錬鍛冶実験を通じて、そのときに使用した木炭および鍛錬工程で得られた鉄試料のAMS法による^<14>C年代測定を行い、その年代値の検討をおこなった。その結果、鉄中の炭素履歴は、鍛錬実験に用いる前の木炭とほぼ同一の年代を示し、鉄中の炭素履歴は、鍛錬の際に用いられた木炭に置き換えられることがわかった。これまでの一連の研究成果とあわせて、鉄製品中の炭素は、各製作工程ごとに用いた木炭の炭素に影響を受けて、鉄製品中の炭素履歴が置換されるため、鉄製品に内在する炭素を抽出して^<14>C年代測定をおこなうことにより、古代の鉄製品に直接的に年代を付与することが可能であり、その鉄製品の^<14>C年代測定を行うことの有効性を確認することができた。しかし、今回測定した試料の年代値の中には、測定年代に測定誤差を越えたばらつきや、測定試料に炭素同位体分別が生じたり、鍛錬に用いられた木炭と造られた鉄の^<14>C年代値に若干の時間差がみられることがあった。これらの事象を今後、解明してゆくことが古代の鉄製品の^<14>C年代を測定して行く上での課題として残った。
著者
三浦 敏弘 小田 慶喜
出版者
関西大学人間健康学部
雑誌
人間健康学研究 (ISSN:21854939)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.19-29, 2011-11-30

Individuals with disabilities have always participated in society, but for various reasons they have become more visible in the 21st century than in those previous. Naturally, the handicapped person has the same right as able-bodied people to play sports and live healthily. Especially, it is necessary to do sports to create a healthier lifestyle for all people, including the disabled, ranging from infants up to senior citizens. The students in the Department of Health and the Well-being at Kansai University have to learn the special techniques and mentality required to support challenged people in this cause. We are planning and executed "adapted" sports for challenged people. Specifically, Therapeutic Recreation, Project Adventure, Nature Game, Sitting Volley-ball, Flying Disc, Goal Ball, Sports Chanbara, Wheelchair Marathon and Blind Running are all contained within our program.