著者
小田 将史 松尾 佳菜子 山口 博志 原 豪紀 罇 五郎
雑誌
研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2010-CG-140, no.1, pp.1-5, 2010-09-01

商業施設,交通施設などに設置されるデジタルサイネージの課題として閲覧者の接触率の低さが挙げられる.そこで,閲覧者のアテンションの強化,接触率の向上が期待されるデジタルサイネージシステムを提案する.実空間の撮影映像から人物 (閲覧者) を検出してリアルタイムに描画効果,合成処理を付加した映像と,商品訴求映像 (commercial film; CF) を連携させて表示するシステムを開発した.このシステムは,閲覧者に “閲覧者自身が CF に巻き込まれる” という映像を体験させることで強い印象を与え,接触率の向上を実現するデジタルサイネージである.
著者
池津 善郎 池部 敏市 小倉 英郎 小田嶋 博 黒坂 文武 佐瀬 くらら 杉内 政巳 杉山 朝美 勝呂 宏 鈴木 慎一郎 藤沢 重樹 北條 徹 松井 猛彦 松田 三千雄 山本 淳 四本 秀昭
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.633-642, 1991
被引用文献数
8

米アレルギーの関与が考えられるアトピー性皮膚炎(AD)患者に対する通常米の厳格除去効果を臨床的に検討することを目的として, 低アレルゲン米(HRS-1)の代替食療法を多施設共同で実施した. その際, 米と小麦との交叉反応性を考慮し小麦も厳格除去した. このHRS-1は, 抗原蛋白を除去するため蛋白分解酵素処理した米である. 総実施例49例のうち除外・脱落などを除いた43例を解析対象とした. 多くの症例でHRS-1摂取直後から4週にかけてAD病変の範囲・重症度指数(ADASI)の急速な低下が観察され, 2週後, 4週後, 最終判定日(平均5.6週)のADASIは, それぞれ開始時と比較して有意に低下した. 全般改善度において「改善」以上の改善率は, 2週後では39%, 4週後では67%, 最終判定日では74%であった. また, 併用ステロイド外用剤の減量効果においても「軽減」以上の症例は, 最終判定日で約半数に認められた. 3例の悪化のほかに特記すべき副作用は認められなかった. 有用性の成績は, 43例中「非常に有用」が17例(40%),「有用」が13例(30%),「やや有用」が9例(21%)であり,「有用」以上の有用率は70%であった. HRS-1は, 米アレルギーに悩む難治性重症AD患者の代替食として高い有用性のあることが認められた.
著者
小田 竜也 柳原 英人
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

磁性ナノ粒子を腫瘍に集積させ、外部から照射する交流磁場による誘導加熱で癌を焼灼する新規治療の実現を目的にした。コバルトなどの生体に有害な金属を添加せずに高効率に発熱する、棒状の磁性ナノ粒子(DINP)の開発に成功し、国際特許出願した。血管内投与する磁性ナノ粒子のステルス化、iRGDペプチドの同時投与による腫瘍集積増強は十分な効果を得られなかった。DINPを腫瘍に直接注入し、交流磁場照射により腫瘍を完全に焼灼する事には成功し、新たな電磁誘導癌焼灼治療性の可能性を示せた。
著者
小田 利通 田村 知巳 垣花 泰之 田村 知己
出版者
鹿児島大学
雑誌
試験研究(B)
巻号頁・発行日
1993

近赤外分光法による非侵襲的かつ連続的な心筋内酸素・代謝モニタリングの可能性を確かめるため、次の3項目の検討を行った。(1)心筋内ヘモグロビン(Hb)、ミオグロビン(Mb)、チトクロムオキシダーゼ(Cyt.aa3)解析法の検討。(2)ラット拍動心での測定の検討。(3)ブタ心筋での測定、特に経食道的測定法の検討。方法および結果(1)解析法の検討:ラット潅流心に赤血球やMb溶液を潅流させ、Beer-Lambert則よりHb、Mb、Cyt.aa3を求める演算式を検討した。その結果、血液量や心筋内酸素化状態の変化を行ったところ、Hb、Mb、Cyt.aa3の変化を分離測定するが可能で、解析に要する演算式を確定した。(2)ラット拍動心での測定。(a)直接測定法:人工呼吸下に開胸し近赤外分光装置のプローブを心筋表面に直接装着した後、FlO2を変化させ心筋内酸素化状態を検出した。(b)間接測定法:人工呼吸下に胸壁上に近赤外分光装置のプローブを装着した後、FlO2を変化させ心筋内の変化を検出した。結果:HbはFlO2の低下とともに脱酸素化を受けたが、Mbは12%、Cyt.aa3は8%以下で脱酸素化または還元がはじまり、直接法および間接法ともに心筋内酸素化状態の変化を検出できた。(3)ブタ心筋での測定、特に経食道的測定法の検討。(a)直接測定法:人工呼吸下に開胸し近赤外分光装置のプローブを心筋表面に装着した後、FlO2の変化や冠動脈閉塞時の心筋内酸素化状態を検出した。(b)間接測定法:人工呼吸下に経口的に経食道用プローブを挿入し、FlO2変化時の心筋内の変化を検出した。結果:直接法および間接法ともに心筋内酸素化状態の変化を検出できたが、食道の筋肉からのシグナルの影響を取り除くことが今後の課題であると考えられた。以上の結果より、近赤外分光法により非侵襲的な心筋内酸素化状態モニタリングは可能であると結論できた。また経食道的測定も可能であると思われ、臨床的な応用への展開が期待できると考えられた。
著者
山本 直人 小田 寛貴
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書
巻号頁・発行日
vol.13, pp.167-169, 2002-03
被引用文献数
1

これまで5年間にわたって,土器型式が明確な縄文土器に付着した炭化物を試料に,タンデトロン加速器質量分析計による炭素14年代測定をおこなってきている(山本1997;1998;1999,山本・小田2000;2001)。これまでの研究を継続して今年度(2001年度)も測定を実施してきており,その結果を報告するものである。今年度に測定したのは2遺跡9点で,採取した試料の詳細は表1に,測定の結果は表2にしめすとおりである。今年度の測定にあたりましては,野々市町教育委員会の吉田淳氏,國學院大學栃木短期大学の小林青樹氏にお世話になりました。明記して謝意を表する次第です。
著者
山本 直人 小田 寛貴
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書
巻号頁・発行日
vol.12, pp.215-219, 2001-03
被引用文献数
2

これまで4年間にわたって,石川県内の縄文時代の遺跡を対象にして,土器型式が明確な縄文土器に付着した炭化物を試料に,タンデトロン加速器質量分析計で放射性炭素年代測定をおこなってきている(山本1997;1998;1999,山本・小田2000)。今年度(2000年度)もこれまでの研究を継続して測定を実施してきており,その結果を報告するものである。今年度に測定したのは2遺跡11点で,珠洲市野々江(NNE)遺跡については遺漏があったので,ここで報告するものである。採取した試料の詳細は表1に,測定の結果は表2にしめすとおりである。今年度の測定にあたりましては,珠洲市教育委員会の平田天秋氏,野々市町教育委員会の吉田淳氏と布尾和史氏にお世話になりました。明記して謝意を表する次第です。また,これまでに測定をおこなってきたなかで,信頼性の高い測定値をぬきだして作製したのが,表3と表4である。なお,表4も表2同様,括弧内の数値はAMS^<14>C年代の平均値を較正した値であり,括弧外の数値は較正後の誤差範囲をしめている。井口II式の後半と八日市新保式の古いところは時間的にかさなって,並存するのではないかと一部では考えられてきたが,測定値はその可能性を示唆しており,今後類例を増加させて考察していきたい。
著者
高橋 義行 高田 正司 小田中 芳次 井園 佳文 長岡 広行 沼田 京太 藤田 俊一
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.378-382, 2002-11-20
参考文献数
11
被引用文献数
1

宮崎県佐土原町の圃場において, キャベツを定植した灰色低地土の緩斜面圃場(A1 : 1.7°, 5a)で1997年5&acd;7月の梅雨期に地表水の流出が計13回観察された.この圃場にダイアジノン粒剤の定植時処理(a.i. 300 g/10 a), その55日後にTPN (400 mg/l)とジメトエート(430 mg/l)の混用液(239 l/10 a), その8日後にTPN, ダイアジノン(400 mg/l)とジメトエートの混用液(224 l/10 a)を散布した.表流水によって流出したTPNの96%(流出直後)から47%(終了直前)は, 浮遊物質(SS)とともに流出した.一方, ダイアジノンとジメトエートはそれぞれ33&acd;44%および1%とほぼ一定の割合でSSとともに流出した.また, 同年9&acd;10月の台風時期にはA1圃場の傾斜を1.15°に調整した圃場(A2)と黒ボク土の圃場(B, 5 a, 傾斜1.15°)にダイコンを播種して地表水の流出頻度を比較した.その結果, 灰色低地土では4回, 黒ボク土では台風時の降雨によって2回の地表流出が認められた.灰色低地土のA1圃場では平均降雨強度5 mm/hr前後以上で, A2圃場では10 mm/hr以上の降雨によって, また黒ボク土のB圃場では20 mm/hr以上の降雨によって地表水の流出が生じた.さらに, 人工降雨装置を用いた屋内小規模地表流出試験系でも灰色低地土からは黒ボク土よりも容易に表流水が発生した.
著者
ウィワッタナカンタン ユパナ 浅子 和美 北村 行伸 小田切 宏之 岡室 博之 伊藤 秀史 福田 慎一 小幡 績 寺西 重郎 伊藤 秀史 福田 慎一 小幡 績 久保 克行
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究プロジェクトは、東アジアにおける企業の大株主のさまざまな役割について明らかにした。企業を支配している大株主は、ファミリー、銀行、政府であり、モニタリング、企業・グループの組織構造、所有・経営権の構造、政界進出等の大株主の行動が、企業パフォーマンスに与える影響を動学的に分析した。これらの企業レベルの行動は、経済政策、経済危機といったマクロ経済レベルにまで影響を与えていることがわかった。
著者
太田 安彦 清水 淳三 小田 誠 林 義信 OSARI Ayumi 梶田 剛司 渡辺 洋宇
出版者
The Journal of the Japanese Association for Chest Surgery = 日本呼吸器外科学会雑誌
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 = The journal of the Japanese Association for Chest Surgery (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.539-544, 1996-05-15
参考文献数
16
被引用文献数
5

最近われわれは, 稀な胸腺腫瘍の2例を経験した.症例1は72歳, 女性の胸腺に発生した悪性黒色腫であった.悪性黒色腫の胸腺発生例は本邦報告史上2例を認めるのみであり, 本例は第3例目に相当した.腫瘍は6.5×5.5×3.5cm大の被包化された充実性腫瘍であった.周囲組織への浸潤はなく, 周囲のリンパ節に転移はなかった.原発巣不明黒色腫の転移の可能性は否定しきれないが, 胸腺原発を最も疑った.正常胸腺を含めて腫瘍を摘出した。術後5ヵ月を経て再発なく生存中である.症例2は21歳男性に発生した胸腺脂肪腫であり, 周囲の脂肪組織を含めて腫瘍を摘出した.摘出腫瘍の重量は390gであり, 重症筋無力症の合併はなかった.
著者
安達 修一 大山 正幸 辻野 喜夫 小田 美光 亀田 貴之
出版者
相模女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

日本へ-来する黄砂粒子について、成分の化学分析、肺に-着した-の生物学的影響などを調べた。その結果、大阪と韓国ソウルで集めた黄砂粒子から大気汚染物質が検出され、-来する過程で都市や工業地帯の汚染物質を付着したと考えられる。肺に入った-の影響は、汚染のない黄砂粒子に比べて強く、付着した成分が健康影響を及ぼすことを予測させる結果である。黄砂粒子に含まれる発がん物質の量は、これだけで肺がんを発生するとは考えにくい量であるものの、要因の一つになることが考えられ、今後検討すべき課題である。
著者
小田 賢幸
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

植物プランクトンであるクラミドモナスから鞭毛を回収し、その運動を司るタンパク質である鞭毛ダイニンの構造解析を行っている。鞭毛ダイニンは微小管を構成するタンパク質であるチューブリンと共重合する性質があり、それにより生成されたダイニン-微小管複合体が私の研究の主要な試料である。ダイニンは2MDaある巨大なATPaseであり、我々の研究によりATP依存的な構造変化を起こすことが明らかになっている(Oda et al.2007)。この構造変化をさらに詳細に解析することが本年度の研究テーマである。1.ATPase活性部位のマッピング電子顕微鏡の実験において、ラベルされた部位が本当に想定されているドメインであることを生化学的に検証するため、アジド化されたATPおよびADPを用いてダイニンとヌクレオチドを紫外線により共有結合させた。そのダイニンをトリプシンで分解し、固相化されたストレプトアビジンを用いてビオチン化ペプチドを精製した。TOF-Mass解析により二つのシグナルを得た。このシグナルは再現性があり、ATPおよびADP両方から同様に検出されている。これにより電顕像でラベルされている部位はATPとADPでは同じであると確認できた。現在、ラベル部位の正確な同定をfinger printingによって試みている。2.電子トモグラフィーネガティブステイニング法を用いてストークドメインのATP依存的構造変化を観察している。モリブデンを染色剤に使用し、サンプルをトレハロースアモルファス膜に包埋することにより高いコントラストを得ること成功した。国立神経精神センターの諸根室長との共同研究により、高傾斜かつ多サンプルのトモグラムを撮影した。通常のback-projection法からある程度ストーク像を観察することができた。
著者
猿渡 俊介 司 化 森川 博之 ヨハンイェルム 小田 稔周
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2010-MBL-52, no.9, pp.1-8, 2010-01-21

DLNA デバイスの操作履歴から抽出可能な,ユーザがいつ,どのように,どのようなコンテンツを閲覧したかなどの情報は,新商品の開発やユーザの状況にあわせた推薦サービスなどに役立てることができる.本稿では,DLNA デバイス間の通信を ARP スプーフィングを用いてモニタリングすることで DLNA デバイスの操作履歴を取得するシステム 「DLNA Probe」 の設計について述べる.DLNA Probe を用いることで,既存の DLNA の枠組みを壊すことなく,ホームネットワークに DLNA Probe を接続するだけで DLNA デバイスの操作履歴を収集することができる.
著者
小田 慶喜
出版者
姫路獨協大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1993

本研究の目的は車いす競技者の運動処方やトレーニング処方を呼吸循環器系の反応を中心に系統立てようとするものである。世界的に車いすマラソン競技は注目され、その競技者のレベルが年々向上している。しかも、競技スポーツ仕様の車いすに関する研究は、メカニカルな組み合わせや材質に集中するようになってきている。しかし、運動生理学的分析を用いたトレーニング処方が少ないことが、競技を安全に実施する時に大きな障害となっている。今回は初心者が参加することを想定し、車いすマラソン競技を希望する学生を被験者として測定を実施した。被験者は21歳学生(第12胸椎脱臼骨折脊髄損傷による両下肢の機能全廃)であり、普段は生活用車いすで移動をしている。次年度からのトレーニング効果に関する研究を考慮して、意図的に競技の為のトレーニングを負荷しない状況を設定した。車いすマラソン競技として抽出した10kmから42.195km(実際の競技時間は、30分48秒から2時間46分)までの10回の車いす競技に参加した結果、走行中の心拍数は平均173.2±2.9拍/分であった。この競技者の実験室でのピーク心拍数は201拍/分(トラックにおける12分間走トライアル中の心拍数は189.5拍/分)であったことから、走行中は86.2%HRmaxの運動強度で進退運動を実施していた。車いす運動を全身運動としてとして評価しているが、局所運動としての腕運動の評価も今後の課題となる。一般道路を使用して実施される競技は、高低差を分析条件として加えなければならないため、距離だけを単純に比較することは問題がある。しかし、同一競技会に2度目の参加をした場合、6.2%の記録の向上が認められたが、有意な差は認められずほぼ同程度の体力を維持し続けたことが推定される。同時に測定した皮膚温の変化を分析すると、高温環境下での運動においては、一般市民ランナーに対する注意と同じ方法で対処できるが、低温環境下においては、環境温に機能を失っている脚の温度が接近していき、今後の課題として、脚抹消循環の体温低下による全身運動への影響を検討する必要があろう。
著者
秋田 喜代美 小田 豊 芦田 宏 鈴木 正敏 門田 理世 野口 隆子 箕輪 潤子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は幼小移行を園文化から学校文化への移行という文化的観点から、3対象調査により検討を行った。第1は、描画と面接での短期縦断卒園前と入学後の日本と台湾の子どもの比較文化調査である。幼児の不安は仲間関係や生活全般であり、台湾が学業不安が高いのとは対照的であった。物理的差異から文化的規範の差異の認識に時間がかかることも明らかにした。第2の保護者縦断質問紙調査の日台比較からは、日本の保護者の方が基本的生活習慣・集団生活・情緒・人間関係への期待が高いことを明らにした。第3に幼小人事交流教師調査により使用語彙の相違、幼少人事交流での適応過程の相違を明らかにした。
著者
中村 僖良 山田 顕 小田川 裕之
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、高結合KNbO_3圧電結晶について、ECR酸素ビームとPLD(パルスレーザデポジション)を組み合わせた独自の方法により、高品質な単結晶膜をエピタキシャル成長させることを目指している。本年度の成果概要を以下に示す。1.Nd:YAGレーザ4倍波を用いるPLDにECR酸素ビームを組み合わせた膜成長法を採用して(110)MgOおよびSrTiO_3基板上に膜成長を行い、擬立方晶(001)配向のKNbO_3膜の成長に成功した。2.ECR酸素ビームを導入した場合と単なる酸素ガスを導入した場合について実験を行い、ECR酸素ビームが膜成長に有効であることを明らかにし、酸素圧力、ECRパワー、基板温度などの最適条件を求めた。また、膜の組成比をEDSにより調べた結果、ターゲット組成比K:Nbが1:1よりも2:1の場合の方がK/Nb【approximately equal】1.0の良い膜が得られることがわかった。3.X線ロッキングカーブ測定を行い、半値幅FWHMの膜厚依存性を明らかにした。4.ポールフィギュア測定により、膜がエピ成長していることを検証し、基板との面内方位関係を決定した。5.X線回折用高温アタッチメントを用いてKNbO_3結晶と基板の格子定数の温度による変化を調べるとともに、成長時および冷却する際の相転移点通過時における基板との格子定数の関係で決まる面方位との関係について考察した。6.参考のため、格子定数がほぼ同じBaTiO_3強誘電薄膜を同じ方法で作成・評価して比較検討した。7.膜の導電率を測定し、10^6Ωcmと比較的高いことがわかった。またD-Eヒステリシス曲線を測定し、強誘電性を確認した。8.薄膜の圧電性の評価を行い、超高周波厚み縦振動の電気機械結合係数k_tは約27%であることがわかった。9.相転移点付近でポーリングすることにより2種類の90°ドメインからなる有極性マルチドメインを形成し、その圧電特性などを調べて圧電性がエンハンスされることを明らかにした。
著者
杉森 裕樹 大神 英一 小田嶋 剛 丹波 泰子 高安 令子
出版者
大東文化大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

米国のREALM、TOFHLA 等に加え、国立国語研究所「病院の言葉を分かりやすくする提案」を参照して、日本語版ヘルスリテラシー評価ツールを開発した。この評価ツールを用いた疫学調査では、医療用語認知度(ヘルスリテラシー)と、主観的健康度を含む健康関連QOL との間に有意な関連性が認められた。わが国でもヘルスリテラシー向上が、保健医療分野における国民のエンパワーメントに繋がる可能性が示唆された。