著者
坂野 純子 菊澤 佐江子 的場 智子 山崎 喜比古 杉山 克己 八巻 知香子 望月 美栄子 笠原 麻美
出版者
岡山県立大学
雑誌
岡山県立大学保健福祉学部紀要 (ISSN:13412531)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.19-25, 2010

本研究では、大学生の精神障害者への否定的な態度をスティグマ的反応尺度により把握し、その因子構造と関連要因を明らかにすることを目的とする。青森県、大阪府、岡山県、東京都、奈良県の大学生を対象にビニエット方式で質問紙調査を実施した。ビニエットの事例疾患はうつ病、統合失調症、ぜんそくの3種類を用意し、それらを無作為に対象者に振り分けた。分析項目はビニエットの人物に対するスティグマ的反応、疾患事例、回答者の性別、専攻分野とした。大学生のスティグマ的反応を検討するために最尤法を用いたプロマックス回転による探索的因子分析を行った。その結果、「精神障害者と接することへの不安」「精神障害者の責任能力への不信」「精神科医療を受けていることへの抵抗感」「精神障害者の知的能力や生産性への期待」「精神疾患への恥辱」の5因子が抽出された。一元配置分散分析と多重比較の結果、「精神障害者の責任能力への不信」「精神障害者への恥意識」因子は、ぜんそく群よりもうつ病群および統合失調症群にスティグマ的反応が強い傾向がみられたが、両者の間には差はみられなかった。専攻分野別では「精神障害者の責任能力への不信」「精神障害者の知的能力や生産性への期待」「精神疾患への恥意識」3因子では、看護系が社会福祉系、人文社会系理工系に比べてスティグマ的反応が小さい傾向がみられた。そのうち「精神疾患への意識」因子は社会福祉系が理工系に比べてスティグマ的反応が小さい傾向がみられた。
著者
森下 慎一郎 眞渕 敏 山崎 允 笹沼 直樹 花田 恵介 安東 直之 道免 和久 岡山 カナ子
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.B0232-B0232, 2006

【目的】<BR> AHCPR(健康ケア政策局・研究局)のガイドラインにおいて、褥瘡は自分自身で体位交換することのできないベッド上や車椅子上の患者に発生のリスクが高いとされている。今回我々は、仙骨部に褥瘡を伴った症例と伴わなかった症例、対麻痺2例を対象に栄養状態、ADL、骨突出部圧の状態を調査し比較検討した。<BR>【方法】<BR>(対象)対麻痺2例。症例1:61歳。男性。診断名:肝細胞癌。硬膜外血腫。現病歴:某年12月、肝細胞癌摘出術施行。術後硬膜外血腫発症し、両下肢不全麻痺が出現。入院期間中、誤嚥性肺炎の為、2週間ICUに入室。症例2:58歳。男性。診断名:脊髄炎。現病歴:某年4月、当院神経内科に入院し、脊髄炎と診断される。脊髄炎由来の両下肢不全麻痺を呈していた。<BR>(調査項目)褥瘡評価はDESIGNを使用。栄養状態は総蛋白(TP)、血清アルブミン(Alb)、ヘモグロビン(Hb)を測定。ADL評価はFIMを使用。褥瘡部の圧測定は簡易体圧計セロ(ケープ社製)を用いて背臥位、ベッドアップ肢位、側臥位、車椅子坐位で測定。<BR>【結果】<BR>褥瘡(DESIGNの合計点数):症例1は入院から5週後、仙骨部に褥瘡が発生した。14週時で8点、25週時には22点と悪化を辿った。症例2は入院期間中、褥瘡は発生しなかった。<BR>栄養状態:症例1は14週時からAlb、Hbは低値を示し、25週まで変化は無かった。症例2は8週時でTP、Alb、Hb全てにおいて低値を示していたが、13週ではTP、Hb共に改善を示した。<BR>ADL(FIM):症例1は14週時で合計点数が60点であったが、全身状態悪化に伴い18週以降は48点と低値を示し続けた。症例2は訓練開始時は61点であったが、13週の時点で80点となった。<BR>仙骨部体圧:症例1は背臥位の圧は高く、ベッドアップの上昇に伴い圧が高くなる傾向があった。症例2は背臥位や車椅子坐位での圧は高いものの症例1と比べると低かった。<BR>【考察】<BR>症例1は入院から5週後、仙骨部の褥瘡が発生した。栄養状態をみると、低カロリー状態や鉄分欠乏による貧血状態が継続していた。また、ADLは経過と共に低下し、褥瘡も悪化する傾向を辿った。逆に症例2は経過と共にADLの向上を示した。ADL向上は離床を促し、同一肢位予防にも繋がる。従って、褥瘡予防や治療の点でADL向上は重大だといえる。一方、骨突出部圧をみると症例1は背臥位やベッドアップ肢位での仙骨部圧は高かった。ベッド上の同一肢位により軟部組織が虚血性変化を起こし、褥瘡が悪化したのではないかと考えられた。<BR>今回の2症例をみると症例1のようにADLが低下し、褥瘡形成部に過度の圧がかかる場合には積極的に離床を進めていかなければならない。ポジショニングや除圧方法の指導だけでなく、離床やADL向上は褥瘡予防や治療に重大であると考えられる。
著者
山崎博子 大原隆明 堂囿いくみ
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.75-88, 2004-03 (Released:2009-12-19)

跡見学園女子大学構内に植栽されているサクラの分布および同定調査を行った結果, 2003年10月現在, 全域にわたり合計166個体のサクラが植栽されていることが明らかになった。そのうち, 145個体30種類を同定することができたが, その主なものはサトザクラ類 (70個体, 全個体数に占める割合は42.2%), 野生型のヤマザクラ (32個体, 同19.3%), ソメイヨシノ (15個体, 同9.0%), 野生型のエドヒガン (8個体, 同4.8%) であった。最も一般的に植栽されるソメイヨシノの個体数が比較的少なく, 野生型のヤマザクラやエドヒガンが高頻度で見られるのは本調査地の特徴のひとつであると考えられる。サトザクラ類は計18品種を同定することができたが, このうち個体数が多かったものは 'イチョウ' (24個体) および 'カンザン' (17個体) の2品種のみであった。ヤマザクラやサトザクラの園芸品種中には 'コウダイジ' や 'ベニナンデン' といった栽培されることが稀なものが含まれていることも特徴的であった。なお, 今回同定できなかったものは21個体あったが, その内訳はサトザクラの一品種と思われるもの (2種類2個体) と品種名がない交雑品 (19個体) であった。

2 0 0 0 性霊集注

著者
阿部泰郎 山崎誠編集責任
出版者
臨川書店
巻号頁・発行日
2007
著者
山崎 豊彦
出版者
THE JAPAN INSTITUTE OF ENERGY
雑誌
燃料協会誌 (ISSN:03693775)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.265-271, 1968

In this paper it was introduced to peacefully utilize underground atomic nuclear explosions which had been started in New Mexico, 1967. Now, the five projects have been developed in U. S. A. However, those projections are highly speculative and open to serious questions for practice.<BR>World Oil informed to discuss the such speculations and questions.<BR>Journal of Petroleum and Quarterly of Colorado School of Mines had reported about recovering oil from nuclear chimney retort and current Coal Age published a Thunderbird Project which was a nuclear trigger for coal gasification.
著者
杵淵 美倭子 関谷 美由紀 山崎 彬 山元 皓二
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.323-328, 1999-05-15
被引用文献数
8 36

1. コシヒカリの原料玄米中の遊離アミノ酸<BR>コシヒカリの原料玄米からは6.4mgのGABAが抽出された.特に多く含まれていた遊離アミノ酸はアスパラギン,アスパラギン酸,グルタミン酸であった.<BR>2. 圧力処理による玄米の水分変化<BR>400MPaの圧力処理によって玄米中の水分の吸収が早まった.700MPaの場合は圧力処理直後の水分吸収が顕著であった.しかしそれ以降の吸水は無処理のものと比較して大きな差が認められなかった.<BR>3. 圧力処理および浸潰時間による玄米中へのGABAの蓄積<BR>(1) 400 MPaで圧力処理を施し,25℃で浸漬した玄米からは10時間で13.0mg,18時間で18,3mgのGABAが抽出された.200MPa,700MPaでは400MPaよりGABAの蓄積量が少なく,無処理では更に少なかった.<BR>(2) 玄米と水が1:1(w/w),1:0.3(w/w)の場合とも10時間後に玄米中へ蓄積されたGABAの量に違いは認められなかった.<BR>4. その他の遊離アミノ酸の変化(1) 玄米を浸漬することによって多くの遊離アミノ酸が増加したが,400MPaで圧力処理を施した後に浸漬をした場合にはそれが顕著であった.GABAの基質であるグルタミン酸も増加した.しかし圧力処理の有無にかかわらず浸漬中にアスパラギンとアスパラギン酸は減少した.<BR>(2) 圧力処理後浸漬を施した玄米中には無処理に比較して制限アミノ酸であるリジンの増加が認められた.
著者
肥田 典子 手塚 美紀 熊坂 光香 三邉 武彦 鈴木 立紀 龍 家圭 山崎 太義 廣澤 槙子 田中 明彦 大田 進 相良 博典 小林 真一 内田 直樹
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.542-550, 2015

気管支喘息 (喘息) は気道の慢性炎症,可逆性のある気流制限,気道過敏性亢進と繰り返し起こる咳,喘鳴,呼吸困難で特徴づけられる閉塞性呼吸器疾患である.喘息予防・管理ガイドライン2012では吸入ステロイドが長期管理薬の中心に位置づけられ,治療目標として健常人と変わらない日常生活が送れること,喘息発作が起こらないこと,非可逆的な気道リモデリングへの進展を防ぐこと等が掲げられており,ガイドライン導入後の喘息死は確実に減少している.しかし,アドヒアランス不良による喘息発作による救急外来受診は少なからず存在し,入院治療を要する例もある.これまでに長期間の喘息治療薬の休薬が呼吸機能検査に及ぼす影響を検討した報告は多くあるが,短期間休薬の影響については検討が不十分である.今回,症状安定期の喘息患者において喘息治療薬を短期間休薬し,休薬前後での呼吸機能の変化を検討したので報告する.健康成人15名および喘息患者20名についての呼吸機能検査 (forced vital capacity; FVC,forced expiratory volume in one second; FEV1.0,forced expiratory volume % in one second;FEV1.0%,percent predicted forced expiratory volume in one second; %FEV1.0,V25,V50,peak expiratory flow; PEF) 結果を,2014年4月から7月に昭和大学臨床薬理研究所にて実施した治験のデータより抜粋して解析を行った.喘息患者では吸入ステロイドのみ継続し,治療薬の種類によって中止期間を指示した.長時間作用性β2刺激薬は48時間前から,ロイコトリエン受容体拮抗薬は24時間前から,抗アレルギー薬は72時間前からの休薬とした.各呼吸機能検査値について比較検討した.健康成人では2回目来院時ではFEV1.0%,V50,V25値の有意な増加を認めた.一方喘息患者では2回目の来院時のPEFが有意に低下した.特に喘息治療薬として吸入ステロイド/長時間作用性β2刺激薬配合剤を使用している症例では休薬によるPEF低下率が大きかった.喘息患者では,短期間の治療薬休薬によって自覚症状の増悪がなくてもPEF低下がみられることが確認された.短期休薬によるPEF低下と長期休薬による喘息コントロールの悪化との関連について今後の検討が必要であり,喘息コントロール良好を維持するためには,アドヒアランス向上を目的とした患者教育が重要と考えられた.
著者
山崎 清男 K. Yamasaki
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.16, pp.9-16, 1979-03-31
著者
二瓶 信男 佐々木 亨 山崎 慎一
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.94-100, 1967-12-25
被引用文献数
5 2

(1) スギナの生態について調査した。<br>(2) 胞子の発芽試験を5月の室温で試みた。接種後7日目に一斉に発芽し, 43日後には栄養茎の発生がみられる。<br>(3) 地下茎の発根伸長は4月上旬より始まる。栄養茎の最も繁殖するのは地下30cm以内の地下茎からである。<br>(4) 栄養茎は一節さえあれば発根可能である。スギナの生育はNによつて左右される。pHは7前後がよかつた。発生深度は5~10cmがよい。土性は壌土がよかつたが, 土壌中の養分, pHなども関係すると考えられる。<br>(5) 地下茎の繁殖力は旺盛で, 1年で総重は33~37倍, 長さは165~182倍となる。<br>(6) スギナの防除は, 麦畑の場合, 跡作のない時はスギナ発生期から麦刈取り15日前の間に, a当りリニュロン 10g+2,4-D20g の混合液をスギナの草体に散布すればよい。間作や跡作に大豆, 陸稲がある場合は, 残効の問題から, スギナの発生最盛期頃に散布することが必要である。
著者
白橋宏一郎 山崎晃資編
出版者
星和書店
巻号頁・発行日
1985
著者
山崎 裕子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.11, pp.531-535, 2006-11-01

ブログは管理が容易なウェブサイトの一種で,現在国内ユーザ数が急速に増加しているが,国内の大学図書館でブログを運営している所はまだわずかである。本稿ではその一例として,2005年9月から2006年6月まで運営されたブログ「東大薬学図書館にっき」を紹介する。東京大学薬学図書館職員(筆者・当時)がブログを開始した意図,学内業務の一環として開始した経緯,ブログッールの選定方法,図書館内外の出来事を取り上げた記事の内容,ドメイン別・月別などに分類したアクセス状況,リンクやトラックバックなどのブログ機能の活用状況について概説し,大学図書館におけるブログの意義について考察する。
著者
山崎 統道
出版者
福岡国際大学・福岡女子短期大学
雑誌
福岡女子短大紀要 (ISSN:02860546)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.65-77, 1997-01-11

女子短大生(189名)を対象として, 疲労, 身体活動(運動状況調査), 休養状況についてアンケート調査を実施した。結果は, 以下のとおりである。1) 疲労感について : 疲れてもすぐ回復する者36.0%, 疲れが残る・いつも疲れている者64.0%であった。2) 疲労の内容 : ねむい91.0%, あくびがでる84.6%, 横になりたい64.0%, 肩がこる50.8%, 目がつかれる49.7%, 足がだるい40.7%であった。一方, 精神的症状の訴えとして, 話をするのがいやになる24.3%と訴える者は少なかった。3) 疲労の徴候 : 急性疲労11.6%, 亜急性疲労19.1%, 日周性疲労47.1%, 慢性疲労22.2%であった。4) 日常生活における身体活動 : 対象者の81.0%の者が運動不足がち, 運動不足であった。5) 疲労, 身体活動と休養とのかかわり : 対象者は健康増進のため疲労の解消, 食事に対する食意識の高揚, 日常, 健康のためには運動の必要性, 休養については消極的な休養に留まりがちな現在から, 生活の質を向上させるための休養として積極的な休養を推進することが必要である。