著者
廣重 優二 山本 敏充 吉本 高士 石井 晃
出版者
日本法科学技術学会
雑誌
日本法科学技術学会誌 (ISSN:18801323)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.97-111, 2013 (Released:2013-07-30)
参考文献数
26

In general, the attachment of human hair sheath is considered as one of the most important factors in detecting STR genotypes from single hair samples. Thus, it is difficult to genotype STRs from naturally shed human hair samples using AmpFℓSTR Identifiler PCR Amplification Kit. In this study, we examined the conditions involved in determining STR genotypes from a single hair root of naturally shed human hair focusing on two kinds of commercially available DNA extraction kits; a QIAamp DNA Micro kit (Micro kit) and an ISOHAIR kit (ISOHAIR kit), and the relationship between the concentration of extracted DNA and the numbers of STR loci genotyped.   As a result, based on the protocol of DNA quantification adopted in the police labs in Japan, the DNA amounts were sufficient to quantify in approximately 28% or 36% of 72 naturally shed human hair samples using a Micro or an ISOHAIR kit, respectively. There was no significant difference in genotyping STRs between the two extraction methods. If a quantitative value was estimated based on a Ct (cycle threshold)-value, the extracted DNA was duplicated to amplify by 28 PCR cycles. Alternatively, if a quantitative value showed “ND (not detected)”, the extracted DNA was performed by duplicate PCR amplification for 32 cycles.   Consequently, in the case of a 28 cycle-amplification, when a quantitative value was more than 0.04 ng/μl, the genotyping result was obtained accurately at almost all loci by both extraction methods. On the other hand, in the case of a 32 cycle-amplification, there was a tendency that more accurate genotypes are obtained by a smaller size of an amplicon except a few loci. It indicated that the accurate genotyping rate should not depend only on the size of PCR products.   Therefore, when a DNA sample shows “ND” as an estimated value, more careful interpretation should be necessary to genotype by increasing PCR cycles to 32, or more strict making decision not to proceed to any PCR amplification should be performed.
著者
高山 哲治 五十嵐 正広 大住 省三 岡 志郎 角田 文彦 久保 宜明 熊谷 秀規 佐々木 美香 菅井 有 菅野 康吉 武田 祐子 土山 寿志 阪埜 浩司 深堀 優 古川 洋一 堀松 高博 六車 直樹 石川 秀樹 岩間 毅夫 岡﨑 康司 斎藤 豊 松浦 成昭 武藤 倫弘 冨田 尚裕 秋山 卓士 山本 敏樹 石田 秀行 中山 佳子
出版者
一般社団法人 日本遺伝性腫瘍学会
雑誌
遺伝性腫瘍 (ISSN:24356808)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.93-114, 2020 (Released:2020-09-25)
参考文献数
62

Cowden症候群/PTEN過誤腫症候群は,PTEN遺伝子の生殖細胞系列の病的バリアントを原因とする常染色体優性遺伝性の希少疾患である.消化管,皮膚,粘膜,乳房,甲状腺,子宮内膜,脳などに過誤腫性病変の多発を特徴とする.巨頭症および20歳代後半までに多発性皮膚粘膜病変を発症することが多い.ときに小児期に多発する消化管病変,自閉スペクトラム症,知的障害が診断の契機となる.また,がん遺伝子パネル検査によって診断される可能性がある.乳癌,甲状腺癌,子宮内膜癌,大腸癌,腎細胞癌などの悪性腫瘍を合併するリスクが高く,適切なサーベイランスが必要である. 本診療ガイドラインでは,小児から成人にかけてシームレスに,正確な診断と適切な治療・サーベイランスが行われるよう,基本的事項を解説し,4個のクリニカルクエスチョンと推奨を作成した.
著者
松本 主之 新井 正美 岩間 達 樫田 博史 工藤 孝広 小泉 浩一 佐藤 康史 関根 茂樹 田中 信治 田中屋 宏爾 田村 和朗 平田 敬治 深堀 優 江﨑 幹宏 石川 秀樹 岩間 毅夫 岡﨑 康司 斎藤 豊 松浦 成昭 武藤 倫弘 冨田 尚裕 秋山 卓士 山本 敏樹 石田 秀行 中山 佳子
出版者
一般社団法人 日本遺伝性腫瘍学会
雑誌
遺伝性腫瘍 (ISSN:24356808)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.79-92, 2020 (Released:2020-09-25)
参考文献数
52

若年性ポリポーシス症候群は全消化管に過誤腫性ポリープである若年性ポリープが多発する,希少疾患である.SMAD4あるいはBMPR1A遺伝子の生殖細胞系列バリアントが原因として報告されている.約75%は常染色体優性遺伝形式を示すが,約25%は家族歴のない孤発例である.また,がん遺伝子パネル検査によって診断される可能性がある. ポリープの発生部位により全消化管型,大腸限局型,胃限局型に分けられ,胃限局型ではSMAD4の病的バリアントを原因とすることが多く,胃癌のリスクが高い.また,SMAD4の病的バリアントを有する症例では,遺伝性出血性毛細血管拡張症を高率に合併し,心大血管病変の定期検査も考慮する. 本診療ガイドラインでは,小児から成人にかけてシームレスに,正確な診断と適切な治療・サーベイランスが行われるよう, 基本的事項を解説し,3個のクリニカルクエスチョンと推奨を作成した.
著者
山本 博徳 阿部 孝 石黒 信吾 内田 恵一 川崎 優子 熊谷 秀規 斉田 芳久 佐野 寧 竹内 洋司 田近 正洋 中島 健 阪埜 浩司 船坂 陽子 堀 伸一郎 山口 達郎 吉田 輝彦 坂本 博次 石川 秀樹 岩間 毅夫 岡﨑 康司 斎藤 豊 松浦 成昭 武藤 倫弘 冨田 尚裕 秋山 卓士 山本 敏樹 石田 秀行 中山 佳子
出版者
一般社団法人 日本遺伝性腫瘍学会
雑誌
遺伝性腫瘍 (ISSN:24356808)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.59-78, 2020 (Released:2020-09-25)
参考文献数
88

Peutz-Jeghers症候群は,食道を除く全消化管の過誤腫性ポリポーシスと皮膚・粘膜の色素斑を特徴とする希少疾患である.STK11遺伝子の生殖細胞系列の病的バリアントを原因とし,常染色体優性遺伝形式をとる.また,がん遺伝子パネル検査によって診断される可能性がある. 本症候群でみられる過誤腫性ポリープは小腸に好発し,ポリープが大きくなると出血,腸閉塞,腸重積の原因となる.初回の消化管サーベイランスは症状がなくても8歳頃を目安に行い,10〜15mm以上の小腸ポリープは内視鏡的ポリープ切除術を行う.消化管,乳房,膵,子宮,卵巣,肺,精巣などに悪性腫瘍の発生が認められ,適切なサーベイランスが必要である. 本診療ガイドラインでは,小児から成人にかけてシームレスに,正確な診断と適切な治療・サーベイランスが行われるよう, 基本的事項を解説し,4個のクリニカルクエスチョンと推奨を作成した.
著者
山本 敏夫
出版者
日本鳥類標識協会
雑誌
日本鳥類標識協会誌 (ISSN:09144307)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.1-4, 1994 (Released:2015-08-20)
参考文献数
1
被引用文献数
1

1993年の5月から7月にかけて富山県黒部市黒部川河口中州のコアジサシのコロニーにおいてアジサシの日本初記録である繁殖を観察した。観察結果から抱卵を開始したのは5月18日,孵化したのは6月10日と考えられた。7月10日には活発に飛び回る幼鳥が観察され、7月15日から17日の間に飛去した。この場所でアジサシが繁殖したのは、外敵の接近しにくい地形と外敵の侵入をコアジサシが発見してくれる事による安全の確保や、コアジサシの餌を横取りする事による餌の確保が容易であったためと考えられる。
著者
松本 才絵 淡路 雅彦 日向野 純也 長谷川 夏樹 山本 敏博 柴田 玲奈 秦 安史 櫻井 泉 宮脇 大 平井 玲 程川 和宏 羽生 和弘 生嶋 登 内川 純一 張 成年
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.548-560, 2014 (Released:2014-08-01)
参考文献数
14
被引用文献数
4 10

組織観察によるアサリの生殖腺の発達状況及び肥満度の季節変化に関する調査を北海道,関東,中部,九州の 6 地点で 2010 年 4 月から 2012 年 11 月に行った。アサリは 1 個体中に 2 つ以上の発達段階が観察される場合が多かったので,生殖腺の発達段階は観察された各段階の頻度で評価した。組織観察の結果北海道では産卵期は夏であり,一方他の地点では春に産卵が始まり秋まで続き,盛期は春と秋の 2 回であった。肥満度の最大と最小は北海道でそれぞれ 2010 年 8 月と 10 月,その他の地点ではそれぞれ 2011 年 4 月と 12 月であった。
著者
山本 敏幸 渡邉 正樹 館 宜伸 林 康弘
出版者
関西大学教育開発支援センター
雑誌
関西大学高等教育研究 (ISSN:21856389)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.1-9, 2019-03-31

現在の大学ではシラバスに基づいて展開されるLMSが一般的に使われている。受講生はパソコンやスマートフォンを活用して、授業内外で卒業単位を取得できる科目領域について学べる仕組みが普及している。これは、これまでの教育パラダイムの中で、ICTが付加的に利用されている学びの形態で、依然として、大人数クラスであれ、少人数クラスであれ、直接面接型の教育が主体的であり、その補完的役割を担っている。このような形態の教育を継続するだけでは、2045年のシンギュラリティの年には、Oxford大学が予測するように市場の47%の業務がAIやロボットに奪われてしまうことになってしまう。この状況を打開すべく、ここでは、21世紀スキルの必須項目である、協働型学習やグローバルなチームでのAGILEな学びをも包含する学習環境のデザイン・設計を研究領域としてクリティカル・シンキング&クリエイティブ・シンキングを展開し、未来型学習環境の提案をおこなう。学習環境の開発はすでにCOILの授業でAGILEラーニングの実装および検証をおこなっている。
著者
山本 敏久 杉村 健
出版者
奈良教育大学教育研究所
雑誌
奈良教育大学教育研究所紀要 (ISSN:13404415)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.119-124, 1996-03-01

宿題を忘れた級友が叱責されるという仮想場面で、小学2、4、6年生の反省の程度を調べた。すべての場面で学年とともに反省の程度が減少した。4、6年生では、叱責に対して反発する子どもよりも萎縮する子どもの方が反省するが、宿題を忘れた理由を聞くと、前者の子どもの反省が促された。教師の機嫌が悪いからと認知する子どもよりも、励ますためと認知する子どもの方が反省するが、理由を聞くと前者の子どもの反省が促された。反発感情と機嫌認知、萎縮感情と励まし認知はそれぞれ反省に対し類似した効果があった。
著者
山本 敏雄
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.56, pp.79-88, 1987-08-20

近年、アイコンを採用したシステム機器が増えている。しかし、アイコンはユーザーインターフェースの一部であり、単にアイコンを採用したからといって全体のユーザーインターフェースが向上するとは限らない。他の方法と適切に組み合わすことによって全体のユーザーインターフェースを向上させることができるからである。アイコンのパターンも画面デザインあるいは手順デザインの一部として、あるルールで統一的にデザインされなくては逆にユーザーインターフェースを低下させることにもなりかねない。アイコンの最終グラフィックパターンを決めるまでのプロセスと各プロセスにおける留意点を述べる。Iconic interface is becoming increasingly common as a major component of computer systems, ranging from word processors to personal computers. Graphic design of icons is a mere part of the screen design as same as iconic interface is a mere part of the user interface. If icons are designed without a certain rule, its systems appear complex and is difficult to understand to the user, especially to the novice or casual user who is unfamiliar with computers. In this paper, design process and rule of icons for an office workstation are described. (in Japanese)
著者
水本 篤 染谷 泰正 山本 敏幸 浜谷 佐和子 小山 由紀江 近藤 悠介 今尾 康裕 大野 真澄 濱地 亮太 名部井 敏代 山西 博之
出版者
金星堂
巻号頁・発行日
pp.1-122, 2017-03

平成27-28年度関西大学研究拠点形成支援「国際的な研究拠点としての関西大学英語ライティング・ハブの設立および英語論文ライティング支援ツールの開発」
著者
山本 敏弘 大田 霙三
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.249-254, 1989
被引用文献数
2

1987年5月29日, 茨城県内で23群を飼育する養蜂家の定期腐蛆病検査を実施したところ, そのうち3群で無蓋巣房内の蛆が多数死亡しているのが発見され, ミルクテストの結果, 8例中5例の蛆が4~8時間で陽性を示した. 11例の蛆について菌分離を試みたところ, ヨーロッペ腐蛆病の原因菌とされる<I>Melissococccus pluton</I>が11例中3例から, 二次感染菌とされる<I>Bacillus alvei</I>が7例から,<I>Enterococcus faecalis</I>が8例の蛆からそれぞれ分離された. 分離された.<I>Melissococcus pluton</I>は好気的には発育せず, 嫌気条件でのみ発育がみられた. しかも, 培地中のNa: Kの比が1未満でなければ発育しないといった特徴を持ち, その他の性状でも参照株およびBAILEYの記載とほぼ一致した. 検査成績からこの3群をヨーロッパ腐蛆病と診断し, 感染のおそれがあった8群を含めて計11群について焼却処分を実施した.
著者
有間 俊彦 吉田 伸二 鈴木 一人 長谷川 浩 山本 敏克 中川 善博 石井 謙二 伊坪 徳宏
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集 第7回日本LCA学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.38, 2011 (Released:2012-02-16)

紙製ヨーグルト・カップは本体には紙、蓋にはアルミニウムが主に使用されている。本研究では、こうした紙製ヨーグルト・カップのLCAをLIME2を使用して実施した(ヨーグルトの充填及び封緘プロセスは除く)。アルミの環境負荷は相対的に大きく、木材が環境(一次生産及び生物多様性)に与える影響がゼロであるとした場合、容器1個が環境に与える影響(統合化)の50%強が蓋に由来し、その殆どが素材製造に由来している。
著者
田上 正範 山本 敏幸 奥貫 麻紀
出版者
追手門学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

学生が大学卒業後も社会で活躍するために、学生と社会人とのコミュニケーション・ギャップを乗り越える、より実践的な育成モデルが必要である。本研究は、ギャップを乗り越える方法論として、「交渉学」に着目し、学生の現実的側面の向上を図るための動画教材の開発と、学生及び社会人のコミュニティ形成に取り組み、両者が学び合う実践モデルを研究した。これらの研究プロセスから得た知見を報告するものである。
著者
山本 敏夫
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.277-295, 1958-01

小林澄兄先生古稀記念論文集法制の吟味序列的な格づけガウス曲線の問題試験的な予行職階制との関連格づけ序列による教育の破壊上下支配の系列法律に定めてあるから、というのに対して自己評価と相互評定昇給昇格との関係条件の整備が先決1. Definition, meaning, methods and requirements mentioned in the Law. 2. Approach from technical side. 3. Troubles in the present condition. 4 Ways and means for the improvement of teachers.