著者
橋本 公雄 丸野 俊一 徳永 幹雄 西村 秀樹 山本 教人 中島 俊介 杉山 佳生 藤永 博
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、運動・スポーツで経験されるドラマチックな体験が、青少年の生きる力にどのような影響を及ぼしているのかについて、質的および量的側面から検討することを目的とした。ここでは、ドラマチック体験を「練習や試合を通して体験した心に残るよい出来事や悪い出来事を含むエピソード」と定義し、試合場面における、たとえば逆転勝利などの劇的な瞬間だけでなく、普段の練習の過程でもみられる様々なエピソードも含めて捉えることとした。また、生きる力は、ライフスキルの概念と類似しているため、量的側面の分析では、スポーツドラマチック体験の学校生活におけるライフスキルに及ぼす影響を分析した。質的研究は、大学生(一般学生と体育部学生)を対象に、自由記述およびインタビューによって、どのような場面でドラマチックな体験が生じているのか、またその体験が心理、社会、身体、および生活上にどのような影響をもたらしたかを分析した。その結果、ドラマチック体験として、成功体験、失敗体験、試合体験、出会い体験、克服体験、課題遂行体験、役割遂行体験などが抽出され、心理的(自信や意欲)、身体的(技能向上)、社会的(協力や他者への思い)、人生・生活観(将来の見通しや人生観)にポジティブな影響を及ぼし、ドラマチック体験が生きる力に寄与していることが明らかにされた。また、ドラマチック体験尺度(Inventory of Dramatic Experience for Sport : IDES)の開発を試み、「努力の積み重ねへの気づき」「技術向上への気づき」「対人トラブルによる自己反省」の3因子、13項目からなる尺度を作成した。ドラマチック体験(独立変数)と学校生活スキル(従属変数)との関連では、時間的展望、QOL,自己効力感を媒介変数とする共分散構造分析を行い、モデルの検証をした。さらに、本研究では運動・スポーツ活動ばかりではなく、自然体験なども生きる力には関連するものと思われ、グリーンツーリズムや野外キャンプにおけるコミュニケーションに関しての考察を行った。
著者
山本 茂弘 山田 晋也 袴田 哲司
出版者
静岡県農林技術研究所
雑誌
静岡県農林技術研究所研究報告 森林・林業編 (ISSN:18828264)
巻号頁・発行日
no.4, pp.87-94, 2011-03

絶滅危惧種であるナガボナツハゼの個体消失に備え,保護・保全に資するため,腋芽を用いた組織培養による個体増殖条件を調べた.伸長に適した培地のpH,植物ホルモンの種類,各個体の継代培養の可能性・シュート増加数の違いを調べた.発根については,培地に添加する糖の種類と濃度,植物ホルモンの添加効果,培地支持体の種類及び個体による発根率の違いを調べた.また,幼植物体の野外への順化条件を調べた.その結果次のことがうかがわれた. 1 腋芽からのシュー卜伸長には培地酸度としてpH5.3が適する可能性がうかがわれた. 2 シュート伸長にはゼアチン0.5又は1.0mg/Lの添加が適する可能性がうかがわれた. 3 ゼアチン0.5mg/Lを添加した培地で多くの個体の継代培養が可能であった. シュートの増加数には個体による違いが見られた. 4 シュー卜の発根期間を早めるには卜レハロースが,発根率を高めるにはショ糖が適する可能性がうかがわれた. また,トレハロースの濃度により発根率が異なることが示唆された.5 IBA O.5mg/LとNAA O.02mg/Lの添加により発根率が高まり、植物ホルモンを含まない発根培地では、発根期間が早まる可能性がうかがわれた. 6 発根培地の支持体としてはバーミキュライト又は鹿沼土が適すると思われた. 鹿沼土では発根期間が短縮されるものの,基部にカルスが形成され,順化効率の低下に繋がる傾向がうかがわれた. 7 幼植物体の順化は,湿度の調整などにより2週間で容易に行えた. 8 本試験で供試した16個体のうち,14個体で継代培養が可能で, 12個体で幼植物体が再生でき,組織培養による個体の確保・保存に役立つことが示された.
著者
山本 秋子 寺島 通子
出版者
日本幼稚園協會
雑誌
幼兒の教育
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.24-34, 1941-04
著者
山本 覚 松尾 豊
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

ウェブマーケィングにおいてコンテンツの最適化の試みが行われている。ユーザ属性データと商品購入有無等のクラスで構成されるデータを分類機にかけ最適化は行われる。しかしながら既存の手法では予め定義された静的な属性空間の中で分類が行われているため、データの性質によっては有効な結果を得ることができない。そこで本研究では学習に最も有効な属性を動的に生成・選択する手法の提案とその検証を行いその有用性を示した。
著者
小川 祐樹 山本 仁志 和崎 宏 後藤 真太郎
出版者
一般社団法人社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会学会誌 (ISSN:09151249)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.45-56, 2011-09-30

地域SNSは,地域コミュニティの活性化のための新たなサービスとして期待が集まっているが,災害時などの緊急事態に対応するためのネットワーク基盤としても重要な役割を果たす。近年,SNSのネットワーク構造やコミュニケーション構造の特徴分析は多くの研究でなされているが,災害時の情報共有や復興支援にSNSのどのようなコミュニケーションがなされ,活用されたのかの分析はなされていない。本研究では,佐用町(兵庫県)で発生した大規模水害において,地域SNSがどのような使われ方をしたのかをSNS上のネットワーク分析をおこなうことで明らかにする。具体的には,災害発生以前のコミュニケーション構造と災害発生時のコミュニケーション構造の変化に着目し,日常のどのようなコミュニティが災害時の中心的なコミュニティであったのかを明らかにする。分析の結果,災害直後において災害支援を志向するコミュニティが現れること,また,地域への関心が初期から高いコミュニティは将来への災害対策を志向したコミュニティへと推移すること,さらに,災害発生後に行政への意見を志向するコミュニティが現れることが分かった。
著者
山本 直輝
出版者
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科附属イスラーム地域研究センター
雑誌
イスラーム世界研究 : Kyoto Bulletin of Islamic Area Studies (ISSN:18818323)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.362-368, 2014-03-14

This paper examines previous studies about ʻAbd al-Ghanī ibn Ismā‘īl al-Nābulusī (d. 1143/1731) and clarifies how research on him has progressed so far. Al-Nābulusī was one of the most distinguished mystical scholars in 18th century Ottoman Syria. He belonged to the School of Ibn al-‘Arabī and was known worldwide for his writings on waḥdat al-wujūd (the Unity of Existence). Nābulusī was a traveler, and his works on his travels give us a rounded understanding of the history and cultural conditions of the Ottoman Empire in the 18th century. From the mystical aspect, Nābulusī is remembered as the scholar who untangled the complicated thoughts of Ibn al-‘Arabī into a simpler form. Despite his caliber in the world of Islamic philosophy, studies on the characteristics of his mystical thought remain limited. Recent studies have revealed that Nābulusī may not have been merely an annotator of Ibn al-‘Arabī for the following reasons; first, He emphasized the human's sin (dhanb) against Allah in the doctrine of his waḥdat al-wujūd. This may be a new approach in the history of the School of Ibn al-‘Arabi. Second, he focused on using the word denoting Allah's command (amr) in his Sharḥ on Ibn al-Fāriḍ's poems, even though Ibn al-Fāriḍ himself didn't use this term himself. By focusing on these specific terms, it is believed that studying Nābulusī's waḥdat al-wujūd can present us with a new perspective towards the understanding of both inherited and developed thoughts in the School of Ibn al-‘Arabī in the Ottoman Empire.
著者
山本 愛佑子 渡辺 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.6, pp.1-2, 2014-02-14

HTML5 では,ビットマップ形式のデータを扱う Canvas,ベクター形式のデータを扱う Inline SVG がサポートされ,JavaScript ベースで HTML 内に図形や画像を直接記述できる.しかし,Flash,Java などのプラグインを使用した場合と比べ,描画パフォーマンスが劣るという問題点がある.本研究では,Canvas および SVG における従来の描画パフォーマンス高速化手法の比較を行った.さらに,描画する要素に対して最適な手法を自動選択し,適切な手法で描画するアルゴリズムを提案する.In HTML5, Canvas dealing with data of the bitmap and Inline SVG dealing with Data for vector are supported. Thus we can directly describe image or graphic in HTML, by the JavaScript. However, drawing performance is not good compared with the plugins such as Flash or Java. In this paper, we sinvestigate the performance of traditional approaches to increase drawing speed. Finally, we propose an algorithm to select the best approach automatically.
著者
橋口 浩之 山本 真之 森 修一 高橋 幸弘
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

降水メカニズムの解明には、降水量だけでなく、雨滴粒径分布(DSD)の計測による降水物理量の定量的把握が重要である。東西5000kmにわたり多様な地形を持つインドネシア海洋大陸では、インドネシア全体に跨る観測網が不可欠である。本研究では、コトタバン(スマトラ島)・ポンティアナ(カリマンタン島)・マナド(スラウェシ島)・ビアク(ニューギニア島近傍の小島)にディスドロメータを整備し、DSDの連続観測を実施した。経度・降水雲タイプ・MJO・雷活動などとDSD特性との関連について明らかにした。
著者
山本 恵子
出版者
筑波大学大学研究センター
雑誌
大学研究 (ISSN:09160264)
巻号頁・発行日
no.32, pp.99-124, 2005-03

ただいまご紹介にあずかりました山本恵子と申します。現在、NHKの社会部で文部科学省の担当をしております。山本先生とは、高等教育の勉強会に参加させていただいた時に知り合いました。その後、いろいろなことで、ご指導をいただいているところです。私は1969年生まれの34歳です。大先輩の ...
著者
Oko Bernard Flannan Daniel SHIYAM John Okokoh ENEJI Anthony Egrinya 本名 俊正 山本 定博
出版者
日本熱帯農業学会
雑誌
熱帯農業 (ISSN:00215260)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.167-170, 2000-09-01
被引用文献数
1

本研究は, ナイジェリア南東部の湿潤熱帯地域(年間降雨量2,000mm, 気温23〜33℃)に位置するカラバー大学内の農場で3種類の低木樹種(Enterolobium cyclocarpum, Dialium guianense, Sesbania macrantha ; 0.5×3m間隔)の違いが.間作した調理用バナナ(Musa spp.), ササゲ(Vigna unguiculata)およびトウモロコシ(Zea mays)の生長と収量に及ぼす影響を評価した.間作物の生育量と収量および低木樹種の生長率とバイオマス量を測定した.繁茂性の低木樹種であるE.cyclocarpumのバイオマス量は17.3t/haで最も高かった.一方, 生長が早いマメ科のS.macranthaのバイオマス量は11.9t/ha, 生長が遅いマメ科のD.guianenseのバイオマス量は7.4t/haであった.低木樹種による間作物の収量を比較すると, E.cyclocarpumを低木樹種とした時, 調理用バナナの生長が促進され, 収量が高くなった.一方, S.macranthaを低木樹種とした時, 調理用バナナの収量が9%低下した.また, ササゲの収量は低木樹下で高くなった.それに対してトウモロコシの収量は低下した.生育初期の低木樹種との効果的な間作は調理用バナナおよびササゲとの間作組み合わせであった.
著者
山本 建郎
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

アリスティデス・クィンテリアヌスの『音楽論』全三巻を翻訳し、詳しい注釈を付した。それによって、これまで不明として不問に伏せられていたいくつかの点に決着をつけ、古代ギリシアの音階理論のほぼ全容を明らかにした。
著者
加藤 徹 山本 麻未 笠間 周平 伊藤 善啓 池田 ゆうき 坂根 理矢 鍔本 浩志 芳川 浩男 澤井 英明
出版者
近畿産科婦人科学会
雑誌
産婦人科の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.161-167, 2013

抗NMDA受容体脳炎は,若年女性に好発する非ヘルペス性辺縁系脳炎の1つで,卵巣奇形腫関連傍腫瘍性脳炎である.今回われわれは卵巣成熟嚢胞性奇形腫を有する抗NMDA受容体脳炎の再発症例を経験した.症例は35歳で,20歳のときに原因不明の脳炎を発症し,約2カ月間の入院の既往歴があった.その後26歳で妊娠した際に卵巣成熟嚢胞性奇形腫と診断され,妊娠中に腹式左卵巣嚢腫摘出術が施行された.それ以降は健常に過ごしていたが,今回突然の発熱と精神症状を発症した.その後,意識障害を認め脳炎が疑われたため,当院へ紹介となった.当院神経内科へ入院後にけいれん重積発作を起こし,気管内挿管されICU入室となった.入院時に施行したCTで骨盤内に卵巣腫瘍が指摘された.抗NMDA受容体脳炎が疑われ当科へ紹介となり,緊急で腹式両側付属器切除術を施行した.摘出標本の病理診断は成熟嚢胞性奇形腫であった.手術後は昏睡状態が続いたが約1カ月後に開眼し,その後徐々に意識状態は改善し,入院から116日目に独歩で退院となった.入院時に採取した血液と髄液の検体より抗NMDA受容体抗体を検出し,診断確定に至った.退院後は外来において経過観察中で脳炎の再発は認めていない.卵巣成熟嚢胞性奇形腫は頻度の高い疾患であるが,このような疾患を引き起こすこともあり,卵巣奇形腫の症例では詳細な既往歴の聴取で過去の脳炎や,中枢神経に関した既往歴の有無を確認することが重要である.〔産婦の進歩65(2):161-167,2013(平成25年5月)〕
著者
石井 良幸 渡辺 昌彦 山本 聖一郎 千葉 洋平 石原 雅巳 奈良井 慎 寺本 龍生 北島 政樹
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.30, no.12, pp.2307-2311, 1997-12-01
参考文献数
10
被引用文献数
11

先天性 AT-III 欠乏症を伴う広範な静脈血栓症が誘因となり腸閉塞をきたし, 開腹手術および保存的治療によち軽快した症例を経験したので報告する. 症例は38歳の男性で, 平成7年1月2日に他院にて急性腹症の診断のもと開腹され, 特発性腸間膜静脈血栓症による腸膜壊死に対し空腸部分切除術が施行された. 退院後, 嘔吐が出現し, 近医にて腸閉塞と診断され保存的に治療されていたが軽快せず, さらに門脈血栓症が認められたため, 3月20日に当科に転院となった. 精査にて先天性 AT-III 欠乏症と診断, また小腸に強度の狭窄を認めたため保存的治療を行いつつ, 5月10日に腸閉塞解除術を施行したが血栓症の増悪なく, 7月30日に軽快退院した. 本症例は先天性 AT-III 欠乏症が基盤にあり, 腹部の広範な血栓症を伴っていたが, AT-III 製剤やヘパリン, ワーファリンの投与により術後血栓症を回避し救命しえた貴重な1例である.
著者
山本 和久
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.23-25, 1998
参考文献数
2
被引用文献数
1

大学新入生を対象に,「スペースシャトルと無重量状態」に関するアンケートを取ってみた。その結果,高校時代に物理学を履修していたか否かに関わらず,シャトルの中の「無重量状態」がなぜ起こるのか,多くの学生が誤った認識をしていることがわかった。彼らにとって,「宇宙」は依然として,地上とは別の不思議な現象が起こる世界なのである。
著者
廣安知之 福島亜梨花 山本詩子 横内久猛
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.18, pp.1-6, 2014-02-24

2 つの異なる fNIRS 装置の脳血流時系列データから類似部分を抽出するアルゴリズム "Multipleanalogy Parts extracting algorithm (MaPea)" を提案する.MaPea では,完全一致部分だけではなく微小な差異を考慮した類似部分も抽出する.また,サンプル数の異なる類似部分を抽出することも可能にしている.脳血流時系列データが様々な要因に影響されていると報告されており,実際のデータは脳血流の活性化モデルと異なることが考えられるからである.また,時間軸上で時間差を持った類似部分の組み合わせも抽出できる.MaPea では,異なる時系列データ毎にベクトル化を行い,それらのコサイン類似度により評価する.2 つのデータセットから類似部分を動的計画法の概念を使い抽出する.MaPea の有効性を fNIRS 時系列データを使った実験により検証した.実際の fNIRS 時系列データを用いて脳機能の検定を t 検定を用いた解析手法と MaPea を用いた解析手法で行い,結果を比較した.MaPea による解析手法のほうが神経血管カップリングの理論にそって脳活動を探索できていた.以上より,MaPea が脳血流時系列データに対して有用であることが示唆された.
著者
土屋 立 山本 淳一
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.33-49, 2001

Referential looking was defined as the behavior chain in which the child looked at the stimulus, then looked at the listener's face, and again looked at the stimulus. The purpose of this study was to examine in children with autism the conditions for establishing referential looking, pointing to the object, and a verbal and non-verbal response to direct the listener's attention to the object. The listener, sitting facing the child, replied to the children's communicative responses using a time-delay procedure. The stimulus was presented where the child could see it, but the listener could 'not'. The results showed that spontaneous referential looking with pointing was established by manipulating environmental conditions, such as use of a setting in which the listener did not 'know' the presented stimulus, and the time-delay procedure, which facilitated spontaneous responses from the child. The declarative verbal and non-verbal behavior, which might have a function for guiding the listener's face in a more accurate direction toward the stimuli, occurred without any instruction. These results were discussed in terms of the function of environmental stimuli and the behavioral mechanism of joint attention in children with autism.
著者
石原 寛治 田中 肖吾 橋場 亮弥 大畑 和則 上西 崇弘 山本 隆嗣
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.1223-1226, 2013-11-30 (Released:2014-02-05)
参考文献数
13

要旨:症例は30代の男性。3日前,左下腹部鼠径靭帯頭側を圧挫し出張先で近医受診,腹部所見・腹部X線検査で異常なく自宅安静となったが腹痛と発熱が増強し当院受診した。循環動態は安定し左下腹部の鈍的外傷痕も軽微であったが,腸蠕動音減弱と腹部全体の筋性防御を認めた。腹部単純X線・CT検査で両横隔膜下・S状結腸間膜側に遊離ガス像を認め下部消化管穿孔を疑い緊急開腹手術施行した。糞便による汚染はほとんどなく肉眼的にS状結腸間膜側の穿孔は1cm程度であったが,挫滅穿孔部を含めS状結腸部分切除し一期的端々吻合した。切除標本の検索で穿孔は間膜側半周におよんでいた。腹部鈍的外傷が軽微で受傷早期に消化管穿孔の所見がなくとも,腸間膜側損傷の場合は遅れて所見が出ることがあり,経時的腹部所見の観察が必要である。