著者
新美 亮輔 山田 真也
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.91, no.2, pp.94-104, 2020
被引用文献数
2

<p>Faces and clothing are clues to interpersonal perception. However, it is not known whether perceptions of faces and clothing are interacting with each other. We examined the effects of facial attractiveness on subjective ratings of clothing attractiveness. Participants were shown pictures of a person wearing a T-shirt in which the faces and shirt designs were manipulated. The faces were either male or female, attractive or unattractive. Participants were instructed to rate the attractiveness of the shirts, not the faces. Nevertheless, attractive female faces increased shirt attractiveness ratings, irrespective of the participant's gender. Attractive male faces only slightly increased shirt attractiveness ratings. Gender differences and individual variability in visual attention were not responsible for these effects. The current results more likely reflect social or cultural factors, such as the higher priority placed on female facial attractiveness than male facial attractiveness in today's society.</p>
著者
因田 恭也 坪井 直哉 伊藤 昭男 辻 幸臣 山田 功 七里 守 吉田 幸彦 山田 健二 三輪 田悟 平山 治雄 前田 聰 栗山 康介
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.27, no.Supplement6, pp.54-60, 1995-10-25 (Released:2013-05-24)
参考文献数
6

症例は69歳男性.約2週間の便秘があり,その後1~2分の意識消失発作を頻回に繰り返すため当院に入院した.入院後,咳嗽や嘔吐の後に,意識消失発作を繰り返した.ホルター心電図で発作の時間に一致して洞停止を認めた.洞停止は,時に補充調律を伴わず,最高40秒の心休止を呈した.VVIペースメーカーを植え込んだ.この洞停止の発作は一過性であり,1週間の間に頻回に発作がみられたが,その後は全くみられなくなり,ペースメーカーが作動することもなかった.冠動脈造影では有意狭窄を認めず,スパズムも誘発されなかった.心臓電気生理学的検査では洞機能に異常を認めなかった.頸動脈洞マッサージ,チルトテストにても心拍,血圧に異常な変化を示さなかった.洞停止が頻回にみられた時期の心拍変動は日内リズムが消失しており,高周波成分,低周波成分ともパワーの不規則な乱れを示した.長い洞停止の発作直前の心拍変動は高周波成分,低周波成分ともに徐々にパワーの増大を示した.洞停止の原因として自律神経の異常が関与していたことが推察された.本症例では数週間の経過で一過性に自律神経の異常をきたし,それが補充収縮を伴わない長い洞停止を引き起こしたと考えられた.いわゆる洞機能不全症候群とは異なり,補充調律の抑制されるこのような症例では突然死に至る危険性が高いと考えられた.
著者
後藤 昌弘 橋本 和弘 山田 喜八
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.50-54, 1995-01-15
参考文献数
5
被引用文献数
4 10

フランスから導入された新しい調理法である真空調理についてその特性を明らかにするため,野菜,果実,肉類などを用いて調理を行い,従来の調理法(普通調理)とアスコルビン酸残存率,テクスチャー,食味のちがいなどを比較した.<BR>1)野菜類では真空調理は普通調理に比べ,アスコルビン酸の流出が少なかった.また,キウイのフルーツソースでは,緑色が保たれた.<BR>2) 肉類の調理では歩どまりがよく,軟らかく仕上がった.<BR>3)香ばしさを出したり,生臭さをなくしたりする必要のある料理は官能検査の評価が低く,適さなかった.<BR>4)肉じゃがや果実のコンポートのように調味液をしみ込ませる料理では官能検査の評価が非常に高く,最も適していると思われた.
著者
青木 義彦 岩清水 隆 山田 佳博 永野 浩一
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.50, no.8, pp.683-688, 2012 (Released:2012-09-01)
参考文献数
6
被引用文献数
9 8

高さ300mと日本で最も高いビルとなる「あべのハルカス」では,設計基準強度(Fc)が150 N/mm2の高強度コンクートと降伏応力度が440N/mm2の高強度鋼材を組合せた超高強度CFT柱を採用している。地上22階,高さ112 mまでの圧入が必要であったFc=150 N/mm2の超高強度コンクリートについては,圧送性向上のためにセメントとして低熱ポルトランドセメントをベースにシリカフュームをプレミックスしたセメント(SFCS)1)を使用した。本稿では先立って実施した実大施工実験と実施工の結果について報告する。
著者
山田 佐知 明石 行生 安倍 博 高橋 さえり
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会 全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.43, pp.58, 2010

季節性感情障害(SAD)は、主に高緯度の地域で、冬に日照時間が減少することが原因となってうつ症状を発症する病気である。福井をはじめとする日本海側の地方は冬に日照時間が他の地域に比べて減少する気候特性を持っている。福井大学工学部の学生には、冬の日照時間が福井よりも長い地域を出身市に持つものが大きな割合を占めている。このため、冬の日照時間の減少が原因となって、体調に影響を受けている学生がいるのではないかと考えられる。学生の睡眠とうつの状態を把握し、それが季節や出身地から影響を受けているかを調べることを目的として、夏と冬の2回、アンケートを行った。内容は、睡眠時間とうつの状態で、うつ評価にはSDS(Self-rating Depression Scale)スコアを用いた。また、調査用紙には、学生の出身地、学年、氏名を記入させた。夏と冬両方で回答を得た117名について、うつ状態であると判断されたのは夏21名、冬20名であり、季節による差はなかった。そのうち、10名は夏冬の両方でうつ状態を示していた。また、睡眠時間も夏と冬で差はなかった。また、冬にのみうつ状態と判定された学生10名のうち、7名は北陸地方の出身であり、出身地域と冬のうつとの明確な関係性を見出すことができなかった。しかし、夏冬両方でうつ状態を示した10名のうち8名は1年生であった。学生のうつ状態には日照時間や季節以外の原因が考えられる。
著者
髙橋 徹 熊谷 昌則 髙山 裕子 大野 智子 山田 節子 三森 一司 逸見 洋子 駒場 千佳子 長沼 誠子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.31, 2019

<p>【目的】日本調理科学会特別研究平成24〜25年度『次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理』の聞き書き調査を通して,秋田県における次世代に伝えるべき家庭料理を抽出し,「副菜」に着目してその特徴と調理特性について明らかにすることを目的とした。</p><p>【方法】秋田県内8調査地域(鹿角・北秋田・山本・秋田・由利・仙北・平鹿・雄勝)において,昭和35〜45年頃に調理を担当していた対象者19名(女性,74.2±7.8歳)に聞き書き調査を実施した。調査から得られた110の料理のうち,副菜に該当した料理の特徴および調理特性について検討した。</p><p>【結果および考察】副菜に該当した36の料理のうち,漬物が13と約1/3を占めていた。有名となった「いぶりがっこ」の他に,「ふかしなす漬け」や「平良かぶの漬物」等,米麹を使用する漬物も見られた。漬物の原料となるダイコン,カブ,ナスには伝統野菜も用いられている。また,山菜やキノコ料理も豊富で,「ぜんまいの一本煮」,「カタクリの花のクルミ和え」,「ばっけみそ」,「なめこと大根おろしの酢の物」,「なっつ」などが挙げられた。「なっつ」は,漬物の原型ともいわれ,野菜やキノコをだし汁や塩辛で和えたものである。「てん(ところてん)」,「えご」,「寒天料理」に代表される,寒天(海藻)を利用した料理は県内全域で食されており,その種類も豊富であった。他県では日常的に食されている「煮しめ」が,正月(年越し)や行事の料理として継承されている地域もあった。</p>
著者
山田忠雄 [ほか] 編
出版者
三省堂
巻号頁・発行日
2020
著者
山田忠雄 [ほか] 編
出版者
三省堂
巻号頁・発行日
2012
著者
山田 文雄
出版者
The Mammal Society of Japan
雑誌
哺乳類科学 = Mammalian Science (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.99-102, 2006-06-30
被引用文献数
3
著者
岩下 佳弘 渡 孝輔 前田 曙 杉本 和樹 山田 しょうこ 飯山 準一
出版者
The Japanese Society of Balneology, Climatology and Physical Medicine
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
pp.2345, (Released:2021-10-14)
参考文献数
40

温熱治療によって増加する熱ショックタンパク質(heat shock protein, Hsp)は,アポトーシスを阻害し,尿細管の生存能力を維持し,腎保護に作用する.その一方で,近年,嚢胞性腎疾患においてHspが治療ターゲットとなり得ることが示された.そこで,我々は,多発性嚢胞腎(autosomal dominant polycystic kidney disease, ADPKD)モデル動物を用いて,サウナ介入を反復させたときのADPKDへの影響について調査した.我々は,DBA/2FG-pcy(pcy)マウスを用い,サウナ介入を実施し,脱水予防のために4%スクロース水を摂水させた(TS)群,4%スクロース水のみを摂水させた(SW)群,および,サウナ介入を行わないコントロール群の3群(各n = 3)で実験を行った.熱負荷には遠赤外線サウナ装置を用い,マウス直腸温を約39°Cに上昇させ30分程度維持した.1週間に2回のサウナ介入を4週間実施した.  実験終了時のクレアチニンやBUN値に有意差は認められなかったが,TS群は他よりもわずかに高い値を示した.しかしながら,TS群とSW群の嚢胞の成長はcontrolに比して軽減しており,Hsp90の発現は有意な減少を示した(p < 0.01 or p < 0.001, vs. control).またTS群では,嚢胞形成や増殖に関与するErkの有意な減少が認められた(p < 0.05, vs. control).Hsp27の発現およびリン酸化はTS群で増加し,caspase-3の発現は減少傾向であったが,活性化に差は認められなかった.  4週間のサウナ介入は,一時的な脱水とそれに伴う腎機能低下のリスクや熱負荷に伴うHsp27の発現増加による嚢胞形成や増殖を刺激するリスクを示唆するものであった.その一方で,熱負荷直後に適切な水分多量摂取を実施すれば,脱水予防と同時に嚢胞成長の抑制が期待できると考えられた.
著者
宮木 稜司 吉田 行宏 中村 剛士 加納 政芳 山田 晃嗣
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 (ISSN:18820212)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.288-291, 2018

<p>近年、家庭やオフィスにRoombaに代表されるような掃除ロボットが普及されている。掃除ロボットは掃除作業を実行するロボットであるが、作業の妨げになるような障害物がある場合は人からの支援が必要となる。このとき、ロボットから人に対して支援を必要とする旨の意図伝達を行い、支援行動を喚起することができれば、タスクがよりスムーズに遂行できる。ロボットからの意図伝達を試みた研究に聴導犬ロボットAcToRの研究があり、接触を行うことで緊急性に関する意図を人に伝えられることが報告されている。本研究では、接触を行う対象を人だけでなく第3の物体にも適用することを提案する。ペットの犬はドアを開けてほしいときにドアを引っかくなどの動作を行うことがある。ロボットも同様の動作を行うことで意図伝達と行動喚起に効果があるのではないかと推測する。本実験では、実験室の外に出たいという意図の伝達と実験室のドアを開けてもらう行動の喚起の方法として「接触有り」と「接触無し」の2条件でそれぞれ実験を行い比較する。</p>
著者
中野 孝教 荒矢 大輔 飯田 史哉 石本 達成 伊戸 康清 猪嶋 清文 今村 智子 江川 勇飛 小澤 弘幸 帰山 寿章 片瀬 靖規 酒井 元哉 佐藤 実 澤田 誠司 下島 浩平 野田 博幸 松田 智幸 松本 高志 山田 明弘 山田 佳裕 山下 勝行 岡野 修 岸本 圭祐 勝見 尚也 山中 勝 城間 吉貴 大河内 博
出版者
日本地学教育学会
雑誌
みんなの地学 (ISSN:24356441)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.10-15, 2020-06-30 (Released:2021-12-02)
参考文献数
10

人間社会は岩石や水,生物,大気などの様々な自然資源を開発し利用することで発展してきたが,それに伴い環境は変化し時に汚染や災害など生存にかかわる問題を引き起こしてきた.地学は持続可能な社会を支える必須な学問であるにもかかわらず,高校地学の履修者は少なく,教師も研究者も減少している.人間と自然の関係は複雑だがシームレスにつながっており,共に地域的な多様性に富むという特徴がある.地球環境研究は社会変革につながる学際研究,大学は地域貢献,自治体は地域創生が求められるようになってきた.ここでは健全な水循環の実現に向けて,大学と小学校が連携しながら,地域性が強い水資源を観測・調査している福井県大野市の例を紹介し,生徒の環境リテラシーの向上と地学研究を協働して推進する地学教育の可能性を考えてみたい.
著者
岩田 具治 斉藤 和巳 山田 武士
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.65-74, 2007-03-15
参考文献数
19

定額制サービスを提供しているオンラインストアが収益をあげるためには,ユーザの契約期間をできるだけ延ばすことが必要である.従来レコメンド法では,購入される確率を最大化するためにユーザの嗜好に合致する商品を提示する.しかしながら,従来法により必ずしも契約期間が延びるとは限らない.本研究では,定額制サービスを想定し,契約期間が延びる確率を最大にするレコメンド法を提案する.提案法では,まず契約期間の長いユーザに特徴的な購買パターンを抽出する.そして,抽出されたパターンと同じような購買行動になるように商品をレコメンドする.生存時間解析を応用し,ログデータから効率的に購買パターンの抽出を行う.また,効果的なレコメンドにするため,最大エントロピーモデルを用いてユーザの嗜好を推定する.契約期間が延びることはユーザがサービスに満足した結果であるため,提案法はオンラインストアだけでなく,ユーザにとっても好ましいレコメンドである.携帯電話用漫画配信サイトのログを用い,提案法の有効性を示す.Online stores providing subscription services need to extend user subscription periods as long as possible to increase their profits. Conventional recommendation methods recommend items that best coincide with user's interests to maximize the purchase probability, which does not necessarily contribute to extend subscription periods. We present a novel recommendation method for subscription services that maximizes the probability of the subscription period being extended. Our method finds frequent purchase patterns in the long subscription period users, and recommends items for a new user to simulate the found patterns. Using survival analysis techniques, we efficiently extract information from the log data for finding the patterns. Furthermore, we infer user's interests from purchase histories based on maximum entropy models, and use the interests to improve the recommendations. Since a longer subscription period is the result of greater user satisfaction, our method benefits users as well as online stores. We evaluate our method using the real log data of an online cartoon distribution service for cell-phone.