著者
熊崎 祐介 多木 俊裕 小谷 淳二 尾崎 史朗 新井田 佳孝 美濃浦 優一 西森 理人 岡本 直哉 佐藤 優 中村 哲一 渡部 慶二
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J104-C, no.12, pp.352-359, 2021-12-01

本論文では,高効率なGaN基板上GaN HEMTのデバイス開発と動作実証を行った.GaN基板の利用により結晶欠陥を大幅に低減し,電流コラプス現象が抑制できることを確認した.また,結晶成長前にウェットケミカル処理を施すことで,基板表面のコンタミを除去し,結晶成長後の基板/エピ界面のSi不純物を低減することに成功した.Si不純物の低減により寄生損失を抑制し,2.45 GHzにおいて効率82.8%と極めて高い値を達成した.これは,同周波数帯にて報告されている異種基板上GaN HEMTの効率と比較して高い値であり,GaN基板上GaN HEMTの優れたポテンシャルを示す結果であるといえる.
著者
本多 達也 馬場 哲晃 岡本 誠
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.254-265, 2021-12-24 (Released:2021-12-24)
参考文献数
32

The manufacturing domain based on digital fabrication has attracted significant attention to create a diverse society. It has made it possible to realize “manufacturing for each individual and products for people close to them, ” which has been difficult toachieve with conventional mass products. Ontenna is an accessorydevice that provides a tactile and visual feedback of various sound information to the user. A condenser microphone mounted on the main body of Ontenna acquires the sound pressure and drives the vibration motor and light emitting diode in real-time according to the input signal. At present, 88 out of 102 schools belonging to the National Association of School Principals for the Deaf have installed the system. It is currently used for speech and rhythm education. We have developed a system that can change the color of the LEDs and the strength of the motor in Ontenna through programming. Additionally, we have made the system freely available to schools for the deaf and other educational institutions. We created an environment where children with hearing-impairment can overcome the obstacles they face at school by programming Ontenna themselves. In this study, we describe the development of the Ontenna programming function and our instructional plan created with teachers at a school for the deaf. We report the educational content (such as class slides and worksheets) that weredeveloped based on the plan. Finally, we present the results of the questionnaire survey and the experience diary conducted for schools that have implemented the Ontenna programming education environment. The results of the survey confirmed the advantages of Ontenna programming for education and its potential application to various other educational institutions.
著者
岡本 平 村上 健児
出版者
社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会会報 (ISSN:00214426)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.42-50, 1986-01-20 (Released:2011-08-10)
参考文献数
66
被引用文献数
4 3
著者
岡本 仁
出版者
金原一郎記念医学医療振興財団
巻号頁・発行日
pp.43-47, 2019-02-15

脳は経験に基づき内部モデルを構築し,外界の現状と未来を予測する(予測符号化)。認知が脳内の階層的回路を可塑的に変化させて,トップダウンな予測をボトムアップな外部感覚入力と一致させる過程であるのに対して,目的達成行動は自身が行為を加えて外界を変化させることによって,ボトムアップな感覚入力を人為的に変化させ,トップダウンな予測情報に一致させる過程である(能動的推論)。内部モデルの構築とその役割を解明することは,多岐にわたる高次脳機能の作動原理を解明するうえで最も重要な課題である。 この総説は,筆者が執筆に加わった「日本学術会議提言,脳科学における国際連携体制の構築—国際脳科学フロンティア計画と国際脳科学ステーションの創設—」1)のなかで筆者が執筆した内容と一部重複する。本総説が,読者の皆さんがこの提言の全体を広く読んでいただく契機ともなれば幸いである。
著者
岡本 隆一 小貫 明
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.210-214, 2019-04-05 (Released:2019-09-05)
参考文献数
26

水溶液における溶質添加効果は古くから研究されてきた.単純な分子構造を持った溶質は疎水性のものと親水性のものに分類される.酸素分子,メタン分子などの小さな分子は比較的弱く疎水的であり水に僅かに溶ける.C60やC8H18O(オクタノール)のような大きい分子は周囲の水の水素結合を変形するため強く疎水的になり水には殆ど溶けない.一方Na+やCl-のような小さなイオンは周囲の水双極子を配向させるため強く親水的になる.タンパク質や界面活性剤などの複雑な分子は,疎水部分(疎水基)と親水部分(親水基)から構成される.そのため水との相互作用は拮抗的かつ集団的であり,凝集・相分離・ミセル形成などの興味ある現象が出現する.疎水相互作用の引き起こす現象の事例としてまず1つは,水中の疎水性固体表面に形成される数十–数百nmサイズの微小バブルが挙げられる.ここでは水に溶解している酸素や窒素などが壁へ追い出されている.また疎水性ガスを水に混入し攪拌するとバルクにナノバブル(またはマイクロバブル)が生成され塩の添加でほぼ安定となる.この現象は工学・医学などで応用されているが,安定性の原因(=疎水相互作用)については殆ど意識されていない.またさらなる現象として水にヒドロトロープ(hydrotrope)を加えた場合の特異な効果も際立っている.ヒドロトロープは低分子アルコール(エタノールなど)を代表例とする小さいながら疎水基と親水基を持つ低分子共溶媒の総称である.水+ヒドロトロープ混合溶媒では濃度揺らぎが亢進する.ここに疎水性溶質が僅かでもあれば組成に応じてマクロな相分離とともに102–103 nmサイズのマイクロエマルジョンが生じる.後者に起因する白濁現象は,蒸留酒Ouzo(強疎水性アニスで香りをつけたエタノール)に水を注ぐと観測される.このような溶液の相転移を理解する上で重要な量として,第一に溶質分子の溶媒への溶けやすさを表す溶媒和化学ポテンシャルがある.これは,純溶媒に溶質分子1個を入れた時の自由エネルギー変化のことであり,溶媒分子と溶質分子,そして溶媒分子同士の相互作用を反映している.加えて重要な量として,溶質による浸透圧を溶質密度で展開したときの2次の係数,浸透第2ビリアル係数が挙げられる.これは溶媒中における(溶媒効果を繰り込んだ)溶質分子間相互作用を特徴づける.我々はこれらの溶液の振る舞いを記述するために,まず2成分溶媒+溶質の3成分系における浸透第2ビリアル係数の新しい表式を導出した.この量は溶質誘起不安定性が起こる溶質濃度の下限と関係づけられる.これらは純粋に熱力学的な表式である.そこでMansoori-Carnahan-Starling-Leland(MCSL)モデルを用いて,水–低分子アルコールのように全組成で混合するような溶媒を想定したパラメタ値を設定し,溶媒和化学ポテンシャルや浸透第2ビリアル係数などを具体的に計算した.その結果,浸透第2ビリアル係数が溶媒組成に関して極小を持つこと,そしてそれは溶媒組成揺らぎと溶質の溶媒和化学ポテンシャルの組成依存性が要因となっていることがわかった.以上の表式はミクロな理論,分子シミュレーションや実験との対応を考える際に重要なKirkwood-Buff積分とも関係づけられる.さらに,微小バブルの安定性において過飽和と疎水性溶質の存在が重要であることがわかった.加えて溶質誘起の液液相分離の相図をMCSLモデルを用いて計算し,実験で得られる水–低分子アルコール–疎水性溶質系で得られるマクロ相分離の様相と類似することが示された.
著者
佐々木 汐 岡本 航昇 大里 虹平 川本 一彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回 (2021)
巻号頁・発行日
pp.2Yin509, 2021 (Released:2021-06-14)

強化学習によるロボット制御では,シミュレーション環境で方策を獲得し,それを現実環境に適用することが一般的になりつつある.シミュレーション環境と現実環境にはギャップがあるため,それを埋めるために,さまざまなシミュレーション環境で学習させておく方法が提案されている.本研究では,歩行ロボットのために,シミュレーション環境の地形形状を徐々に複雑にしていくカリキュラム強化学習を提案する.提案方法では,地形形状をイジングモデルで表現し,その相互作用パラメータを地形形状の複雑さの決定に用いる.イジングモデルの性質から,相互作用パラメータが大きいとき地形は平らになり,小さくしていくと凹凸が発生する.評価実験では,この地形パラメータ化によるカリキュラム強化学習の有効性を示している.
著者
林 友直 岡本 良夫 横山 幸嗣 細川 繁 冨田 秀穂 升本 喜就
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.102, pp.13-20, 2005-05-20

鯨生態観測衛星(WEOS, 観太くん)は2002年12月14日に種子島宇宙センターからH-IIA-4号機により、高度800kmの太陽同期軌道に打ち上げられ、それ以来千葉工業大学津田沼キャンパスに設けられた地上管制装置によりデータ取得が順調に続けられている。鯨に対する生態観測プローブの取り付けはいまだ成功していないが、数多くの試行により装着の見通しが得られつつある。ここでは衛星、地上系、プローブとその装着について、その開発方針と其の成果について述べ、さらに本システムの応用として展開している計画とその結果を示す。
著者
岡本 五郎 大森 直樹
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.521-529, 1991
被引用文献数
3 7

ブドウ'ピオーネ'では,胚珠の受精率が低いために有核果が着生しにくい.この原因を探るために,開花約1週間前の小花を培養し,培地の無機塩,ホルモンおよび雌ずいの抽出物の添加濃度が胚珠の発育と受粉後の花粉管生長に及ぼす影響を調査した.有核果が多く着粒する'マスカット&bull;オブ&bull;アレキサンドリア'を比較の対照とした.<BR>NitschあるいはMS培地の無機塩濃度,Nitschの培地の窒素濃度を高めると,両品種とも子房の発育は促されたが,胚のうの発育と受粉後の花粉管伸長は抑制された.この傾向は特に'ピオーネ'で著しかった.1~10ppmのGA, BA, NAAを添加すると, 子房の発育は影響されなかったが,'ピオーネ'雌ずい内での胚のうの発育と花粉管伸長が抑制された.'ピオーネ'雌ずいの水抽出物を培地に加えると,両品種とも子房および胚のうの発育は影響されなかったが,花柱内への花粉管伸長が著しく抑制された.<BR>以上のことから,'ピオーネ'の小花は窒素栄養の供給が豊富であると,胚のうの発育と花粉管の生長が抑制される.'ピオーネ'の雌ずいに多く含まれる花粉管生長阻害物質は,無機物質やホルモン様物質とは異なるものと思われる.
著者
岡本 隆嗣 橋本 圭司 大橋 正洋 中地 照子 石井 明美 宮野 佐年
出版者
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.10, pp.678-685, 2004-10-18 (Released:2009-10-28)
参考文献数
16
被引用文献数
5 6

当院で入院の多数を占める脊髄損傷,脳外傷,変形性股関節症患者のHRQOLおよび費用対効果を,EuroQOLを用い調査した.対象は2003年7月~12月に30日以上入院し,質問が理解可能で,重度の合併症がない111名である.調査内容は(1)入退院時FIM,(2)入退院時EuroQOL,(1)5項目法(5 Dimension,以下5D),(2)視覚評価法(Visual Analogue Scale,以下VAS),(3)5Dで問題がある人の割合,(3)費用効用分析,とした.結果は,脳外傷・脊髄損傷はFIMが有意に改善し,5D・VASは,3疾患とも有意に改善した.5D各項目では,脳外傷・脊髄損傷は各項目とも全体的に問題を感じている人の割合が減少し,変形性股関節症では,特に痛み・不安の項目で減少がみられた.診療報酬より算出した入院中の医療費は,脳外傷146.2±50.4万円,脊髄損傷182.2±79.0万円,変形性股関節症138.9±40.7(手術料含むと285.6±71.1)万円であった.患者の状態が退院後も変化しないと仮定した場合の1質調整生存年(Quality adjusted Life Year;QALY)獲得のための医療費は,脳外傷43.1±12.4万円,脊髄損傷42.5±55.1万円,変形性股関節症47.8±48.7(手術料含むと93.2±84.7万円)であった.本調査で,リハビリテーション前後での効用値の有意な増加を確認することができ,3群とも費用効果ありと考えられた.
著者
大門 正幸 稲垣 勝巳 末武 信宏 岡本 聡
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.128-139, 2010

退行催眠中に生じる異言(本人が学んだことのない言語を使うことが出来る異言と呼ばれる現象が生まれ変わり仮説を支持する強い証拠になることはよく知られている。大門他(2009)では、おそらく日本で初めての事例として、当人の経歴から、知っているはずがないネパール語を退行催眠中に話す日本人の例について報告した。本橋では、この事例について2009年の時点では十分検討がなされていなかった点を補い、より完全な形で報告を行う。
著者
岡本 悦司
出版者
一般社団法人 日本医療経営学会
雑誌
日本医療経営学会誌 (ISSN:18837905)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.29-36, 2020

<p>The Administrative Reports on Hospital Bed Function (ARHBF) was started in 2014 to provide data for facilitating the Regional Medical Care Vision (RMCV) targeted to the year 2025. The RMCV aims at converting excessive acute care wards into less-costly chronic or rehabilitative wards. All general hospitals (excluding psychiatric hospitals) and clinics with inpatient beds are required by the Medical Care Act to report detailed data as of July each year and hospital-specific data are published on prefectural governments' website as a form of Excel files. The author compiled the five-year cumulative data into data warehouse and analyzed the progress of converting ward-specific clinical functions through ward-matching technique. Approximately 30% of acute care wards in 2014 have already converted as of July 2018, and the negative linear correlation between the actual converting rate and the realization rate of the self-proclaimed target suggested the unwillingness of most hospitals for conversion of their ward functions. ARHBF data can be used effectively by data-warehousing to facilitate RMCV.</p>
著者
岡本 ゆかり
出版者
日経BP
雑誌
日経パソコン = Nikkei personal computing (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.834, pp.54-57, 2020-01-27

2017年の流行語大賞にもなった「インスタ映え」。今回は、これからインスタデビューをしてみたいという人のために、Instagramの使い方とポイントを解説する。さっそく始めよう。
著者
岡本 和也 山口 健吾 丸 典明
出版者
The Japan Society of Mechanical Engineers
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.72, no.718, pp.1840-1847, 2006
被引用文献数
3

We propose a method for following motion control of the mobile robot by using Linear Visual Servoing (LVS). Following motion control is realized by the following motion of the body to the target object keeping a desired distance. Following motion control by using LVS is based on linear approximation of the transformation between binocular visual space and motion space of the mobile robot. Motion space is defined by translational velocity and rotational velocity of the robot coordinate system which is attached at the center of gravity of the mobile robot. Some experimental results are presented to demonstrate the effectiveness of the proposed method.