著者
岸本 千佳司
雑誌
AGI Working Paper Series
巻号頁・発行日
vol.2020-14, pp.1-47, 2020-06

本稿は、公表された統計データや資料を用いて中国半導体産業の発展状況を分析し、その全体像を俯瞰することを目的とする。主な内容は次の通りである。第1節では、中国IC産業の売上高、国内市場、国際貿易に関する統計データを用い、その基本的な発展概況を明らかにする。売上高は2011~17年に約3倍、成長率は2013年以降年率20%前後と高水準を維持している。部門別には、労働集約的なパッケージ&テスト業の比重が減じ、設計業の比重が増加した。国際貿易では、一貫して大幅入超であり、しかも輸入品は相対的に高単価チップが多いことが窺われる。第2節では、国内地域別の発展状況に目を向けている。売上高の地域別比率の推移では、当初、長江デルタが圧倒的なシェアを持ちながらも次第に減少し、それに代わって、珠江デルタと中西部・その他が増加している。北京・天津・環渤海は一定の比重を維持している。部門別には、製造業(含ファウンドリ)とパッケージ&テスト業では長江デルタが過半を占め、設計業では長江デルタの他、北京・天津・環渤海、珠江デルタがある程度拮抗している(2017年データ)。加えて、代表的都市として、上海、北京、深圳の概況も解説される。第3節は、各部門(設計業、製造業、パッケージ&テスト業)の発展状況、具体的には、売上高上位企業の構成や市場集中度などについて検討する。設計業では、中国内資企業の存在感が大きく、参入企業が多いせいか、売上高上位10社の市場集中度は比較的低い。製造業(含ファウンドリ)では、近年、上位企業の中では、内資企業と外資(および合資)企業の数がほぼ拮抗し、上位10社の市場集中度は非常に高い。パッケージ&テスト業は、長らく中国IC産業の主力部門であったが、同時に外資(および合資)企業の存在感が非常に大きいのも特徴である(ただし、過去数年は、内資企業の江蘇新潮科技集団がTopの座を保持している)。上位10社の市場集中度は、かつては製造業に次いで高かったが、近年はやや低下して設計業と同程度となっている。第4節は主要企業の事例分析であり、海思半導体(HiSilicon)と中芯国際集成電路製造(SMIC)の2社を取り上げた。Huaweiの半導体子会社であるHiSiliconは、近年成長著しい中国ファブレス業界のTop企業であり、同時に、世界ファブレス売上高Top 10の中にもランクインしている。技術開発力でも、既に世界の最先端グループの中に入っており、そのことが、スマートフォン用ICチップの開発を例として示される。他方、SMICは、中国IC製造業で内資としては最大の企業で国内主力ファウンドリでもあるが、データに基づいてその経営内容を分析すると、世界の上位企業、とりわけファウンドリTopのTSMCとは依然、大きな距離があることが判明した。ただし、近年、国内ファブレスの急成長と半導体国産化を推進する政府の支援により、今後発展が加速すると予想される。
著者
伊藤 直人 森川 将行 飯田 順三 平尾 文雄 東浦 直人 岸本 年史 橋野 健一 南 尚希 中井 貴 中村 恒子 南 公俊 山田 英二
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.983-985, 1998-09-15

高血圧を伴った神経ベーチェット病で,剖検によって死因がクモ膜下出血と診断された,まれな1例を経験したので報告する。クモ膜下出血の出血部は神経ベーチェット病の病変の中心である橋底側の動脈で,経過中に高血圧を併発していることもあり,神経ベーチェット病と高血圧およびクモ膜下出血との関連が示唆された。
著者
浅岡 裕史 小川 りえ 林 秀考 岸本 昭
出版者
公益社団法人日本セラミックス協会
雑誌
Journal of the Ceramic Society of Japan (日本セラミックス協会学術論文誌) (ISSN:09145400)
巻号頁・発行日
vol.114, no.1332, pp.719-721, 2006
被引用文献数
8

Na&beta;-alumina is a two-dimensional ionic conductor in which insulating spinel layers separate conducting planes of Na<sup>+</sup> ions. Na&beta;-alumina ceramics is expected to be used as solid electrolytes because it is strong ionic conductor and mechanically reliable. Therefore, we prepared <i>c</i>-plane-oriented Na&beta;-alumina ceramics from three aluminum sources using a hot-pressing method and evaluated their ionic conductivity and mechanical strength. In all samples, the ionic conductivity perpendicular to the pressing direction was ten times greater than in the parallel direction. The mechanical strength parallel to the pressing direction was 1.5 times larger than that in the perpendicular direction. The samples made from a mixture of 50 mol% platelike gibbsite and 50 mol% spherical alumina showed the maximum preferential orientation with favorable relative density.<br>
著者
岸本 章宏
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.139-145, 2012-01-15

チェス,オセロ,チェッカー,シャンチーなど,二人零和完全情報ゲームは世界に多い.この手のゲームは両者が最善を尽くすと「先手必勝,後手必勝,または引き分け」という解が求まる.本稿では,すでに必勝法が求められたゲームをいくつか取り上げ,必勝法計算に利用した手法について概観する.
著者
吉井 美奈子 大本 久美子 岸本(重信) 妙子 田中 洋子 藤川 順子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, 2012

【目的】<br> 近年、消費者庁の設立などの機会によって、消費者教育の重要性が改めて認識されつつあるものの、今なお教育現場では消費者教育に関わる問題が山積している。消費者教育はこれまで必ずしも体系的に実施されてきたとは言えず、日本消費者教育学会も消費者基本計画に関する提言の中で、「系統的・計画的な消費者教育の欠如」を指摘している<sup>1)</sup>。消費者教育は、主に家庭科や社会科で行われているが、特に家庭科では衣食住などの各分野における体系立てた消費者教育が必要であると言える<sup>2)</sup>。これまで、本研究メンバーの一部で、食生活分野での教材を作成し、その効果を検証してきた<sup>3)4)</sup>。本研究では、体系立てた消費者教育を目指し、「安全」「契約・取引・家計」「生活情報」「環境・責任・倫理」の各領域の目標を設定し、その目標が達成できるような消費者を目指す消費者教育教材作りを衣生活分野において行う。<br>【方法】<br> 消費者教育を体系的に行うための領域別目標を掲げ、その各目標を達成できるような教材作りを「衣生活分野」において行った。具体的には、衣生活の流れに沿ったスゴロクを作成し、カードなどを使うことで購入、使用、管理、廃棄(環境への配慮)などが一連で学べるようにした。小・中・高全ての校種で活用できることを目的としているが、今回はまず中学・高校で活用できる教材作りを行い、改良を重ねながら小学校等でも活用できるようにしていく予定である。<br>【結果と考察】<br> スタートからゴールまでの間にあるイベントマスで「商品カード」「表示カード」「エコカード」を引きながら、自立した消費者を示す星マークを多く集めてゴールを目指す教材を作成した。スタート近くでは、衣服を購入するための金銭的なイベントマスを用意し、目標を立てて貯蓄することの大切さなどを感じられるようにした。「商品カード」では、様々な視点から商品を捉えられるように工夫した。「表示カード」では、商品についている表示をクイズ形式で答えるようにし、知識を確認できるようにした。「エコカード」では、環境に配慮した廃棄や再活用について考えられるようにした。また、全員がゴールした後、講師が「お知らせ」を発表することで、知的財産への配慮などの必要性を感じることができるようにした。 本教材の特長は、消費者教育を体系立てて学べるということの他に、ゲームを援用したことで、生徒が自ら学ぼうという意欲が高まるようにしたことである。加えて、ゲームを活用することで、単に「楽しかった」で終わらせず、知識を付けながらコマを進められるように工夫した。また、ゲーム終了後の振り返りを利用して、既にゲームを通して獲得したポイントの数を変動させて意外性を持たせることで、より強い印象を付けることができる。<br>&nbsp;1)日本消費者教育学会「消費者計画に関する提言」(2004年12月13日)内閣府へ提出した意見書<br>2)「消費者教育体系化シートの領域別目標の達成と課題-大学生の消費行動に関する意識調査を手がかりにして―」吉井美奈子、他(2010)消費者教育第30冊、日本消費者教育学会<br>3)「食生活における消費行動に関する領域別達成度と課題」岸本(重信)妙子、他(2011)消費者教育第31冊、日本消費者教育学会<br>4)「食生活分野における消費者教育教材の検討-教材開発の成果と課題-」吉井美奈子、他、日本消費者教育学会第31回全国大会、2011.10.23
著者
岸本 宗和 山本 哲楠
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.112, no.11, pp.758-764, 2017 (Released:2018-03-23)

Cabernet SauvignonおよびMerlotの新梢伸長期に摘心と花穂の切除を行って得られる副梢果房について,果実品質および副梢果房を用いた赤ワインの成分組成について検討した。Cabernet SauvignonおよびMerlotの摘心摘房処理区の開花,着色開始,収穫の時期は対照区と比較して1ヶ月以上遅くなった。摘心摘房処理区の着色開始から収穫までの最高および最低気温の平均は対照区と比較して5.2-8.0℃低くなり,冷涼な秋にブドウの成熟を移行できることが示された。摘心摘房処理区の副梢果房は,対照区と比較して果皮アントシアニン含有量が2倍以上多く含まれ,醸造されたワインの色調が濃かった。副梢果房を用いる本栽培方法は,温暖化が進む我が国のブドウ栽培にとって温暖化対応技術の一つとして期待される。
著者
井野 千代徳 稲村 達哉 岸本 麻子 岸本 由里 久保 伸夫 山下 敏夫
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.840-843, 1997-11-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
11

食事に関連し耳下腺腫脹, 顔面紅潮, 喘鳴などを主訴とする症例を報告した. 患者は35歳女性で医師. CTでは異常所見なく, 耳下腺造影でも大きな異常は認めなかつたが造影後に著しい耳下腺腫脹と顔面紅潮, 呼吸困難が出現した. 初診時の耳下腺唾液は混濁などなく清明であり, その塗沫にて多数の好酸球をみとめた. アレルギー性耳下腺炎と診断したが, その原因としてヨードを疑つた. 報告されている類似疾患のなかでもヨードが疑われた例があり, ヨードと唾液腺との関係についても考察を加えた.
著者
岸本 久太郎 中山 真義 八木 雅史 小野崎 隆 大久保 直美
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
Journal of the Japanese Society for Horticultural Science (ISSN:18823351)
巻号頁・発行日
vol.80, no.2, pp.175-181, 2011 (Released:2011-04-22)
参考文献数
16
被引用文献数
10 22

現在栽培されている多くのカーネーション(Dianthus caryophyllus L.)品種では,芳香性が低下傾向にある.強い芳香や特徴的な芳香をもつ Dianthus 野生種は,非芳香性品種に香りを導入するための有望な遺伝資源であると考えられる.我々は,花き研究所に遺伝資源として保持されている Dianthus 野生種の中から,芳香性の 10 種と,それらとの比較のためにほぼ無香の 1 種を選び,嗅覚的評価に基づいて 4 つにグループ分けした.GC-MS を用いた解析の結果,Dianthus 野生種の花の香りは,主に芳香族化合物,テルペノイド,脂肪酸誘導体に属する 18 種類の化合物によって構成されていた.最も強い芳香をもつグループ 1 の甘い薬品臭は,芳香族化合物のサリチル酸メチルに由来した.グループ 2 の柑橘様の香りは,テルペノイドの β-オシメンや β-カリオフィレンに由来した.グループ 3 の青臭さは,脂肪酸誘導体の (Z)-3-ヘキセニルアセテートに由来した.ほぼ無香のグループ 4 では,香気成分がほとんど検出されなかった.これらの花における放出香気成分の組成と内生的な香気成分の組成は異なっており,蒸気圧が高く沸点の低い香気成分が効率的に放出される傾向が認められた.また,グループ 1 の D. hungaricus の主要な芳香族化合物は花弁の縁に分布し,グループ 2 の D. superbus の主要なテルペノイドやグループ 3 の D. sp. 2 の主要な脂肪酸誘導体は,花弁の基部や雄ずい・雌ずいに分布した.この結果は芳香性に寄与する花器官が,Dianthus 種によって異なることを示している.本研究において,嗅覚的に良い香りで,芳香性に対する寄与が大きいサリチル酸メチルや β-オシメンや β-カリオフィレンを豊富にもつグループ 1 やグループ 2 の Dianthus 野生種が,カーネーションの芳香性育種に重要な遺伝資源であることが示唆された.
著者
川上 貴代 岸本 (重信) 妙子 平松 智子 佐藤 ゆかり 田淵 真愉美 我如古 菜月 吉本 優子 久野 一恵 沖田 千代
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.196-203, 2021-08-01 (Released:2021-10-02)
参考文献数
20

【目的】様々な文化・宗教背景をもつ対象への栄養支援活動や対応のための知識習得や態度をもつことは重要である。本研究では管理栄養士養成課程学生での国際活動への志向の把握と管理栄養士のコンピテンシーとの関連により,国際活動への志向が高い学生の特徴を検討した。【方法】関東・関西・中国・九州の5大学の管理栄養士養成課程学生489名を対象に自記式質問調査票を配布し,399名から有効回答を得た(有効回答率81.6%)。国際活動への志向は10項目4段階で測定し,下位の因子合計得点を算出して用いた。コンピテンシー得点,国際交流経験等との関連を検討した。【結果】国際活動への志向について探索的因子分析を行ったところ,7項目2因子が抽出され因子寄与率は62.3%となり,「基本的知識への志向」と「実践への志向」と命名した。同じ学習段階である3年生を対象にクラスター解析を行ったところ,国際活動への志向は4つのクラスターに類型され,2つの因子得点の高低により特徴を示した。基本的知識への志向および専門実践への志向のいずれも高い群では他の群よりコンピテンシー得点,外国語の学習意欲や外国人への態度は有意に高値だった。【結論】国際活動に関する知識および実践への志向得点の高い管理栄養士養成課程の3年生は,コンピテンシー得点も高く国際交流経験や外国人に接する態度も肯定的であった。
著者
岸本歩 宮地修平 西村真美 中村友美
出版者
医薬ジャーナル社
巻号頁・発行日
pp.857-861, 2019-03-01

吃逆(しゃっくり)は横隔膜の不随意のけいれん性収縮によって生じ,吸気が閉鎖している声門を急激に通過するために特有の音が発生する。通常反復して発生するが,一過性のことが多い。しかし長時間持続し,食物摂取困難,不眠,精神的疲労をきたすこともあるため,その治療法を十分に知っておく必要があると言われている。薬物治療においては,クロルプロマジンを除き適応外使用であるため,エビデンスに乏しい。独立行政法人国立病院機構姫路医療センターでは,吃逆の治療薬として院内製剤の柿蔕(シテイ)の煎じ薬が使用されている。我々は薬剤師として,とりわけがん化学療法中の患者に使われる事例を多く経験したので,それらの事例解析をとおして,柿蔕の位置づけを考察した。
著者
山元 得江 清野 紘典 岸本 康誉 西垣 正男 美馬 純一
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.29, 2013

&nbsp;ニホンザルの保護管理計画を策定・運用するにあたり,群れの生息状況は基礎的な情報として必要である.限られた予算のなかで費用対効果が高い群れ生息分布調査を実現するため,サル出没カレンダー調査(日誌形式アンケート調査)から,低コストで広域的に群れの生息分布を推定するプログラムを開発し,その実用性が検証されている(清野 他,2011).サル出没カレンダー調査は,既存の分布のみを把握するアンケート等と比較し,行動圏・個体数・加害レベル等が群れごとに推定できるため,群れ管理が必要とされるサルのモニタリングとしては得られる情報が多く,広域に群れが生息している地域では汎用性が高い方法と考えられる.<br>&nbsp;福井県は,特定計画の策定に向け,サルの生息状況をモニタリングするため嶺南地域においてサル出没カレンダー調査を実施した.嶺南地域の 2市 5町約 850名に 1ヶ月間一斉にサルの出没を記録してもらい 1825件のサル出没情報を収集した.サル出没情報のうち,群れ情報のみを群れ判別プログラムで分析した後,一部の群れで実施したテレメトリー調査の結果で補正し, 36群の行動圏を推定した.推定された各群れの情報から,群れごとの加害レベルと個体数を推定した.加害レベルを 10段階で評価したところ,大半の群れは 6~ 8レベルにおさまり,個体数は約 1200~ 1600頭と推定された.<br>&nbsp;福井県嶺南地域は,連続的な群れの生息分布が確認されている地域ではあったが,群れごとの行動圏と特性がはじめて体系的に明らかにされ,本法が管理計画に資する基礎情報の収集に適していることが示された.また,サル出没カレンダー調査から得られた情報を各地域スケールで GIS解析し,サルの出没や被害状況を可視化した.これらの情報は,被害対策を優先的・重点的に取り組む際の意思決定を支援する資料して活用されることが期待される.
著者
岸本 真弓
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
Japanese journal of zoo and wildlife medicine (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.31-37, 2002-03
被引用文献数
6

生態系を構成する野生動物に対しての畏敬の念を持つことがフィールドでの野生動物捕獲の心構えの基本である。野生動物の捕獲はそれによってもたらされるマイナス影響につりあうだけの結果が得られる場合にのみ認められるものであり,明確な目的のないまま行われてはならない。先人達の経験を生かし,対象動物の生理・生態のみならず地域生態系の特性をも踏まえ,研究計画を立てなくてはならない。方法を選択する場合には,個体の安全,作業員の安全,周辺環境への最低限の影響を念頭におき,目的を達成するために最小の危険性で最大の効果が得られるよう手段と時期と場所を選ぶことが重要である。捕獲作業における責任の所在と役割分担を明確にし,作業工程のシミュレーションをし,最低限必要な道具や薬品,人手の準備だけでなく予測されるトラブルに対応できる準備をして捕獲に臨むべきである。
著者
岸本 有生 本多 佑希 漆原 宏丞 兼宗 進
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.159-163, 2021-08-21

高等学校の新学習指導要領では,目的に応じた適切なデータ収集や整理,整形について理解し技能を身につけるデータ活用の分野が注目されている.実現のために ICT の活用が期待されているが,その環境はあまり整備されていない.そこで本研究では,身近なスマートフォンの内蔵センサを利用したデータ分析の授業を提案する.実際に工学部の大学 2,3 年生に対して,オンデマンドの動画配信により授業を行った.さらに,高校生に対しても,同様の授業内容が適用できるかを対面授業にて調べた.
著者
岸本健治
出版者
三菱重工業
雑誌
三菱重工技報
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, 1996-05
著者
小澤 哲也 大澤 貴子 大山 由廉 中村 彩菜 霜田 直史 守田 誠司 澤本 徹 石塚 久美子 白石 尚子 村山 ゆかり 岸本 美保 川口 留佳 佐藤 隆一
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.121, 2017

<p>【背景】</p><p>近年、人工呼吸器装着(MV)患者に対する離床の開始基準や実施基準が明確化されているが、離床時のリスクの層別化に関する報告は少ない。そこで本研究は離床時のリスクを層別化した離床プログラムの安全性を検討することを目的とした。</p><p>【方法】</p><p>当院救命救急センターに入院となり、離床プログラムに基づいてベッドアップ、端座位および車椅子乗車を実施したMV 患者5 例(男性5 例、年齢77 ± 11 歳、肺炎4 例、多発外傷1 例、APACHE2 スコア25.8 ± 1.5 点)、28 回の離床を対象とした。離床時のリスクの層別化として、人工呼吸器の設定(FiO<sub>2 </sub><0.6、PEEP <10cmH<sub>2</sub>O、PaO<sub>2</sub>/FiO<sub>2</sub> ratio >150)、高用量の強心薬を使用していないこと、バイタルサイン(SpO<sub>2 </sub>>88%、HR40-130bpm、sBP80-180mmHg、RR10-40bpm、体温<</p><p>38.5℃)の3 つの大項目を指標とし、基準を満たした大項目の数によって、3 項目をlow risk(LR)、1 ~2 項目をmoderate risk(MR)、0 項目をhigh risk と分類した。なお、high risk の場合は離床は実施しなかった。アウトカムは離床実施前後の血圧、心拍数、酸素飽和度、呼吸回数およびそれぞれの変化量と20 分の離床が完遂できたか否かとした。解析方法は各離床をLR とMR に分類し、アウトカムを対応のないt 検定とχ2 乗検定で比較した。なお、有意確率は5% 未満とした。本研究は当院倫理委員会の承認を得て実施した。</p><p>【結果】</p><p>離床のリスク分類はLR 18 回、MR10 回であった。LR はMR の離床に比較して20 分の離床完遂率(LR vs. MR: 50% vs.</p><p>10%)、PF ratio(171 ± 17 vs. 131 ± 17)、体温(37.1 ± 0.5 vs. 37.7 ± 0.7℃)、離床後のSpO<sub>2</sub>(97 ± 3 vs. 95 ± 3 %)に有意差を認めた(p <0.05)。それ以外の項目に有意差は認めなかった(p >0.05)。</p><p>【結論】</p><p>LR とMR のMV 装着下の離床は著しい呼吸循環動態の悪化を招くことはないが、MR の離床は離床時間の調整などが必要である。</p>
著者
岸本 秀弘 上野 明 河本 洋 浦 幸雄
出版者
社団法人日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.38, no.424, pp.32-38, 1989
被引用文献数
1 7

Tensile tests were carried out on sintered Si<sub>3</sub>N<sub>4</sub> at room temperature under the ambient condition, and the influence of defects upon the fracture stress was discussed. As the surface of specimens was prepared carefully, fracture of 57 specimens out of 60 originated from the defects such as voids or inclusions which resulted from the sintering process. As a parameter to describe the size of the defect, &radic;<i>area</i> was used which is the square root of the area of a 3-dimensional defect projected to the direction of the maximum principal stress. The results obtained are as follows.<br>(1) &radic;<i>area</i> of defects which caused fracture nearly conforms to the first asymptotic distribution of the largest value and the fracture strength conforms to Weibull distribution.<br>(2) &radic;<i>area</i> is a good parameter to describe the size of the defect from the standpoint of fracture.<br>(3) Defects such as voids and inclusions act exactly as cracks of the same size.<br>(4) The fracture strength can be estimated by using the distribution of &radic;<i>area</i>, the fracture toughness and the mean grain size of Si<sub>3</sub>N<sub>4</sub>.