著者
小島 ゆみこ アンナ 小林 修一 トマス ジャビエル アコスタ アヤラ 工藤 眞樹子 宮本 明夫 高木 光博 宮澤 清志 佐藤 邦忠
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.119-122, 2002-02-25
被引用文献数
1

Microdialysisシステム(MDS)は, 異なる細胞間の内分泌学的解析を分子レベルで行う方法である.今回, 馬の排卵前卵胞液中プロジェステロン(P_4), エストラジオール17β(E_2), アンドロステンジオン(A_4)とプロスラグランジンF_<2α>(PGF_<2α>)濃度を調べた.卵巣から卵胞を取り出し, ホルモン測定のため卵胞液を採取した.卵胞の大きさを大(30mm<), 中(29〜16mm)および小(15mm>)に区分けして, 各々の卵胞液中のホルモン濃度をEIA法により測定した.卵胞の大きさの違いで, P_4とPGF_<2α>濃度に有意差はなく, (A_4)濃度は大と中の卵胞間で差異を認めた.E_2濃度は, 中卵胞より大卵胞が高値であった.卵胞膜の小片にMDS操作を行い, LHを感作した時にP_4,A_4とPGF_<2α>分泌は増加した.PGF_<2α>を感作した時, P_4とA_4分泌の増加は認められたが, E_2の変動は小さかった.今回の結果から, 排卵前卵胞はLH感作により卵胞膜での黄体化とステロイドホルモン分泌を促進した.さらに, 発情周期のホルモン動態は, 他の動物種と大きく異なることが明らかとなったが, 主席卵胞が選択される機序は十分説明できなかった.
著者
清水 敏行 建部修見 工藤 知宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.23-34, 2004-05-15

最近のクラスタ向け計算機,とりわけラックマウント型では,限られた容積に多くの機器が実装されているため,それを冷却するファンの振動によってHDD等のデータ転送性能が低下する問題が生じていることが分かった.従来より外部からの振動によってHDD の転送性能が影響を受けることは知られていたが,我々の実験によりHDD の仕様以下の強さの振動であっても特定の周波数の振動が連続的に加わると20?90%の転送速度の低下が見られ,ときにはHDD が回復不能なダメージを被る場合があることが明らかとなった.本稿ではこの問題について紹介し,HDD の転送速度の周波数特性を詳細に調べることで原因の推定を試みる.またその結果をふまえて,解決の一手法について述べる.Performance of latest HDDs can be affected by the mechanical vibration of the cooling fan. This phenomenon is often observed in recent low height rack-mounted type computers, which have number of components in its limited capacity of the enclosure. The head positioning servo of latest HDD's are designed considering the effect of vibration. However, we found that the transfer rate of HDD is sometimes degraded by the continuous vibration even when the magnitude of the vibration is smaller than the specified allowance. Moreover, such vibration cause an unrecoverable damage in some cases. This paper introduces such phenomena, and tries to investigate the cause of the phenomena by analyzing frequency response characteristics of the HDD transfer rate in detail. This paper also discusses ways to avoid these problems.
著者
本村 猛能 森山 潤 山本 利一 角 和博 工藤 雄司
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.29, pp.310-311, 2013-11-09

本研究は諸外国の中学校,高等学校学習過程における生徒の「自己評価による意識調査」の診断を通して,情報教育の体系化とその学習内容を検討することを目的とする。対象国は,日本と中国,韓国,他の調査により比較検討した。このとき,文科相の評価の観点と併せてブルームの「認知・精神運動・情意」領域の評価の観点とペレグリーノの評価理論も取り入れた。その結果,情報教育の体系化についての認知度や「情報の科学的理解」について韓国が最も有意に高く,イメージは技能習得から知識へと推移している。我が国の情報教育のカリキュラムは,生徒の発達段階に応じた基礎的・基本的な知識の習得をはかる教授法と実習(技能)を取り入れたカリキュラムを検討する必要性があることが示唆された
著者
工藤 喜作
雑誌
目白大学人文学研究 = Mejiro journal of humanities (ISSN:13495186)
巻号頁・発行日
no.3, pp.1-13, 2006

ホッブズの『市民論』第15章、「自然による神の国について」(De Regno Dei per naturam)は、第3部「宗教」の最初の章であり、ここで彼は自然宗教について論じている。彼によれば、神の掟は二つのことば、一つは理性のことば、他は預言的なことばによって伝えられる。この二つのことばの相違によって、神の掟を通じて神の支配する国が、二つの国、自然的な国と預言的な国の二つに分かれる。このホッブズの二つの神の国に相当するものがスピノザにもある。つまり、神の掟が自然的光明によって啓示される国と預言的光明によって啓示される国であり、前者は自然的な神の法によって、また後者は預言的な神の法によって支配される国である。このかぎり理性や自然的光明によって神の掟が啓示される国は、外面的に見れば、ホッブズとスピノザにおいて全く同じであったといえる。しかしその内実に立ち入って、両者の二つの国を詳細に検討するならば、ホッブズとスピノザの自然的な神の国はまったく異なった性格をもつ国であることが判明する。以下この点について述べていこうと思う。先ずホッブズから始めよう。
著者
坂井 威彦 藤田 知之 草間 啓 熊木 俊成 青木 孝學 工藤 道也 春日 好雄
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.1155-1158, 2000-05-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
17

1家系, 3世代に, 5例の甲状腺乳頭癌を認めた家系を経験したので報告する.発端者は21歳の大学生であり,その母親が8年前に甲状腺乳頭癌で,他医にて外科治療をされていた.発端者と同時期に, 25歳の実兄が甲状腺乳頭癌にて当科を紹介されて受診したので,家系調査を行った.その結果,母親の妹と,母方の祖母の2人に甲状腺乳頭癌が認められた.発端者の母親は,甲状腺内再発と両側肺転移を認めた. 5人の患者のうち4人に当科で外科治療が施行された.外科治療は甲状腺全摘が望ましいとされているが,合併症を防ぐため,準全摘とした.今後は他の発症していない家族の検診を続けるとともに,手術患者の局所再発,遠隔転移に注意していく必要があると考えられた.
著者
工藤 伸一 長澤 栄史
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会大会講演要旨集 日本菌学会第55回大会
巻号頁・発行日
pp.4, 2011 (Released:2012-02-23)

青森県内のブナ林および草地で採集された3種類のきのこを調査した結果,それぞれヌメリガサ科のヌメリガサ属(Hygrophorus)およびアカヤマタケ属(Hygrocybe)に所属する新種と考えられたのでここに報告する. 1)Hygrophorus albovenustus (sp. nov., nom. prov.)-オシロイヌメリガサ(新称):子実体は10月にブナ林内に群生.やや小型で全体白色.傘および柄は粘液で覆われる.ひだは白色、古くなると褐変する.胞子は倒卵形~長楕円形,6.5-8.8(-9.5)×3.8-5.2(-6.5)μm,無色,平滑,非アミロイド. 担子器は4胞子性,26-35×6-7.5μm.ひだ実質は散開型.傘表皮は粘毛被.ヨーロッパのH. discoxanthus (Fr.) Rea に類似するが,同種は子実体がより大形で,古くなると傘の縁が赤褐色に変色すること,担子胞子が多少大形であることなどの特徴において異なる. 2)Hygrocybe pallidicarnea (sp. nov., nom. prov.)-ウスハダイロガサ(新称):子実体は10月に草地に群生.やや小型で,傘は中高の平たい丸山形,表面は粘性なく内生繊維状,肌色で乾燥すると淡紅色.ひだおよび柄は白色.胞子は広楕円形~楕円形,6-7.5×4-4.8μm,無色,平滑,非アミロイド.担子器は4胞子性,44-54×5.8-7μm.ひだ実質は錯綜型.傘表皮は平行菌糸被.Cuphohyllus亜属に所属する.H. pratensis (Pers.: Fr.) Murrill に類似するが,同種は傘の色がより濃色で淡紅色とならず,胞子がより大形であることで異なる. 3)Hygrocybe atroviridis (sp. nov., nom. prov.)-フカミドリヤマタケ(新称):子実体は8月に草地に少数群生.小型で,傘は平たい丸山形,表面は濃緑色,粘性はなく多少ささくれる.胞子は卵形~楕円形,7-10×(5-)5.5-6.8(-7.4)×(3.5-)4.5-6(-7)μm,無色,平滑,非アミロイド.担子器は4または2胞子性,30-52×6-12μm.ひだ実質は並列型,菌糸は長さ-500μm,幅10-35μm.傘表皮は平行菌糸被.Hygrocybe亜属に所属する.子実体が緑色で粘性がない特徴において,インドに分布するH. smaragdina Leelav., Manim. & Arnolds,ブラジルで発生が知られているH. viridis Capelari & Maziero およびカリブ海域の小アンチル諸島から報告のあるH. chloochlora Pegler & Fiardなどに類似するが,それらとは胞子の形状および大きさなどの点で異なる.
著者
冨沢 哲雄 村松 聡 平井 雅尊 佐藤 晶則 工藤 俊亮 末廣 尚士
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.280-286, 2012 (Released:2012-04-29)
参考文献数
16
被引用文献数
3 8

In this paper, we describe a robust and fast self position estimation technique for mobile robot in an environment where many unknown obstacles exist. The free-space observation model is the basis of the proposed technique. Although the free-space observation achieves robust self-position estimation, it has a complicated likelihood evaluation, and particles continue to spread to a direction where are no landmarks. In this research, we solve these problems with two likelihood evaluations based on the area of free space and occupied space. We evaluated the robustness and verify the validity of the proposed method by a simulation and an experiment in a real environment.
著者
工藤 龍太
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2011-01 (Released:2016-11-27)

制度:新 ; 報告番号:甲3204号 ; 学位の種類:博士(スポーツ科学) ; 授与年月日:2011/3/15 ; 早大学位記番号:新5500

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著者
工藤祐鎮 編
出版者
工藤祐鎮
巻号頁・発行日
1886
著者
工藤 彰 村井 源 徃住 彰文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.285-290, 2010-05-28 (Released:2011-06-25)

小説が進行するに従って,様々な表現の性質は変化していくものである.本研究の目的は用いられた動詞の観点から小説展開を計量的に特徴づけることである.具体的には,異なる主人公と物語の奇数章と偶数章からなる村上春樹の並行形式小説『1Q84』を対象とし,キャラクターの行為の指標として動詞の出現頻度を分析する.二組のチャプター群をそれぞれ六つのパートに分割後,全ての文章をキャラクターに関連のあるアクションを示す動詞を特定するため機械的に構文解析し,統計分析によって体系的傾向を持つ五つの動詞を明らかにした.本研究では,特定のアクションを示す動詞の相対的頻度の推移は,奇数章(動から静)と偶数章(静から動)の対照的な傾向に影響されていると論じた.
著者
工藤 真由美
出版者
四條畷学園短期大学
雑誌
四條畷学園短期大学紀要 (ISSN:18811043)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.1-6, 2011-05

本稿はコンピテンシー概念、とりわけその中で重要な要素となるキー・コンピテンシーの定義について学び、そこから今日の社会の中でより豊かに生きる力、社会を豊かに形成していく力の育成に向けての端緒としての考察である。DeSeCoによると、コンピテンシーの高い人の特性は、異文化での対人関係の感受性が優れ、他の人に対しての前向きな期待を抱いて他者の人間性を尊重し、人とのつながりを作るのがうまい。それをキー・コンピテンシーとしてまとめると(1)自律的に活動する力、(2)異質な集団で交流する力、(3)道具を相互作用的に用いる力、である。自律的に活動するには、大きな展望を持って行動することや、人生計画や個人的なプロジェクトを設計し実行することや、自らの権利や利益、限界、ニーズを守ったり主張する力が必要になる。また、異質な集団で交流するには、他者とうまく関わったり協力したり、対立を処理解決する力が必要である。道具を相互作用的に活用するには、言語、シンボル、テクストや知識や情報、技術を相互作用的に活用する力が必要である。
著者
工藤 安代
出版者
環境芸術学会
雑誌
環境芸術 : 環境芸術学会論文集
巻号頁・発行日
no.1, pp.5-12, 2001-12-25

この小論は,現代パブリックアートにおけるメモリアルの担う役割が変容している事について論じる。最初に,ロダンがカレー市のために制作したメモリアルについて言及し,メモリアルにおける近代的思考の始まりをその作品を通して検証する。ロダンの『カレーの市民』は,政治的,そして権威的に歴史を賞賛し単一的価値を教化するものとして存在した中世におけるメモリアルのコンセプトを明確に否定した出発点として捉えられる。次に2人の現代若手アーティストによる重要なメモリアルについて,それをめぐる論争に焦点を絞り分析する。マヤ・リンによる『ベトナム・ベテランズ・メモリアル』とレイチェル・ホワイトリードのウィーン市における『ホロコースト・メモリアル』に関して,その立地場所やアーティストが選ばれた経緯,そして建設における一連の賛否両論の討議から検証する。最後に,両作品に纏わる論争を分析し,両者の共通点と相違点を考察する。さらにこの小論において,いかなるメモリアルが現代社会において可能であるか検討し,また社会的価値を持つことができるか検証することを試みる。
著者
近野 正 菅原 澄夫 工藤 すばる
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-I, エレクトロニクス, I-光・波動 (ISSN:09151893)
巻号頁・発行日
vol.78, no.11, pp.547-556, 1995-11-25
被引用文献数
17

本論文は,角速度センサとして使用される圧電形振動ジャイロスコープの設計指針の大綱について明らかにしたものである.まず,基本等価回路の提示とこれより導出した感度の近似式から,感度向上化のための設計指針や問題点などについて述べる.次いで,駆動側と検出側の共振周波数差と出力の関係を印加回転角速度が一定の場合と余弦的に変化する場合について考察し,双共振周波数設定に対する指針を示す.更に,不要な諸結合を考慮した総合等価回路について述べ,漏れ出力の影響を考慮した設計指針について示す.また,支持に関する設計指針についても述べる.最後に,各種ジャイロスコープの性能と利用分担範囲の一覧図を付記し,振動ジャイロスコープの角速度センサとしての位置づけを示す.
著者
伊藤 嘉奈子 工藤 吉猛
出版者
鎌倉女子大学
雑誌
鎌倉女子大学紀要 (ISSN:09199780)
巻号頁・発行日
no.18, pp.61-69, 2011-03-31

The purpose of this study is to investigate the effects of employing collages and a career matrix in career education for third graders in a junior high school. First, the teacher asked students to use a career matrix. Next, the students were divided into several groups and asked to make a collage about a job and then to talk about various jobs based on the collages. The Career Maturity Attitude Scale questionnaire was implemented before and after the learning process. The results show that the students awareness of the importance of a career choice changed positively after the lesson.