著者
工藤 保則
出版者
仁愛大学
雑誌
仁愛大学研究紀要 (ISSN:13477765)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.55-68, 2005-03-31

本稿は,都市と地方の中学生の姿を,ネットワーク論を手がかりとして,とらえようとしたものである.論文では,まず,ネットワークの構造の地域別の特徴を示した上で,ネットワークの違いによる意識(特に社会化に関係する意識)の違いについて,M・グラノヴェターの「弱い紐帯の強さ」理論を応用しながら計量的に考察している.それらを受けて,最後に,「中学生の社会化」について,それを10代という文脈の中でとらえる試みを行っている.
著者
中川 哲治 工藤 拓 松本 裕治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.9, pp.77-82, 2001-01-25
被引用文献数
2

品詞タグ付けにおいて,辞書に存在する語と比較して未知語に対する解析精度は低く,品詞タグ付けの全体の性能を左右する要因となる。本稿では,英語における未知語の品詞をSupport Vector Machineを用いて推定する手法を提案する。単語の部分文字列やコンテキストを素性として,高い精度で品詞を推定することができた。さらに同じ枠組みで,SVMを用いて品詞のタグ付けを行ったところ,100 000トークンの訓練データによる学習の結果,95.9%という従来手法以上の精度が得られた。In part-of-speech tagging, the accuracy for unknown words is lower than for known words. In consideration of high accuracy rate of up-to-date statistical POS taggers, unknown words account for non-negligible cause of errors. This paper describes POS estimation for unknown words using Support Vector Machines. We achieved high accuracy of POS tag estimation using substrings and surrounding contexts as feature. Furthermore, we apply this method to a practical POS tagger, and achieved the accuracy of 95.9%, higher than conventional approaches.
著者
森 磨美 工藤 彰 望月 祐希 Adam Degenhardt 安藤 英由樹 清川 清
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.58-60, 2014-09-12

新たな恐怖感の提示手法として本研究では重量変化を用いたキャラクタとのインタラクションシステムを提案する.体験者が背負っている人形に取り付けられたゴムロープの長さを変化させて下向きへの力を生じさせることで重量の変化を実現し,人間におぶさり押しつぶしてしまう妖怪“こなき爺”を,視覚,聴覚に加えて重量変化という触覚に関しても再現する.
著者
工藤 伸一 長澤 栄史
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会大会講演要旨集 日本菌学会第53回大会
巻号頁・発行日
pp.51, 2009 (Released:2009-10-30)

青森県内のブナ林および草地で採集された2種類のきのこを調査した結果, いずれもヌメリガサ科アカヤマタケ属(Hygrocybe)に所属する新種と分かったのでここに報告する. 1)Hygrocybe aurantiaca (sp. nov., nom. prov.)-ダイダイヤマタケ(新種,新称):子実体はブナの樹下に少数群生する. 全体橙色をし, 傘は中央が深くくぼみ, 表面は湿っているとき多少粘性あるが乾くとフェルト状. 胞子は楕円形~涙滴形, 9-11×6.5-7μm, 平滑, 非アミロイド. 担子器は棍棒形, 51-67×7-10μm, 2胞子性. ひだ実質は錯綜型で, 菌糸はクランプを欠き, 幅約5μm. 傘表皮は毛状被, 菌糸は幅4-5μm. 本種は森林生で, 生態的にブナとの関係が推察される. Arnolds(1990)らの分類ではCuphohyllus亜属に所属し, 子実体が全体に橙色, 担子器が2胞子性, 胞子が大形などの特徴をもつ. 色彩的にはハダイロガサHygrocybe pratensis(= Camarophyllus pratensis)に類似するが, 同種は草原生で子実体がより淡色である. また, 担子器が4胞子性で, 胞子が小形である. 2)Hygrocybe violaceolamellata (sp. nov., nom. prov.)-ウラムラサキヤマタケ(新種,新称):子実体は草地に多数群生する. 傘は中央が深くくぼみ, はじめ橙赤色であるが成熟すると退色して黄土褐色となり, 表面は微細な毛に被われる. ひだは紫色を帯びる. 胞子は卵形~楕円形, 8.5-11(-12.5)×5.2-6.5(-7)μm. 担子器は棍棒形, 35-60×6-10μm, 4胞子性. ひだ実質は類並列型, 菌糸は短い細胞(30-90×6-35μm)からなり, クランプをもつ. 傘表皮の菌糸は匍匐状, 褐色, 幅10-18μm. Arnolds(1990)らの分類ではPseudohygrocybe亜属に所属する. 傘が中央で深くくぼみ, 橙赤色から退色して黄土褐色となり, ひだが紫色を帯びることが特徴. 北アメリカのHygrocybe purpureofolia(= Hygrophorus purpureofolius)に類似するが, 同種では傘が中央で深くくぼまず, 退色しても黄土褐色にならない. また, 胞子の大きさが7-11×4-4.5μmとより狭幅である.
著者
工藤 文
出版者
日本メディア学会
雑誌
メディア研究 (ISSN:27581047)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.193-214, 2023-07-31 (Released:2023-10-24)
参考文献数
26

This study aimed to examine the transformation of a private-owned newspaper into a Party newspaper, focusing on the ownership conversion of Xinminbao in the 1950s, in Shanghai.    Xinminbao was first published in Shanghai on May 1, 1946 and underwent ownership transformation into joint public and private management in 1953. Previous studies have suggested that public capital investments served as bailout measures for private newspapers owing to the socialization process in the 1950s. However, this study used a mixed approach to the case study based on the archives and content analysis for the news coverage of Xinminbao, concluding that public capital investment transformed the private-owned newspaper into the Chinese Communist Party’s (CCP) newspaper.    The case study used secondary sources and the archives of the Shanghai Databank. When Xinminbao came under joint public-private management, CCP invested public capital and appointed Party-related people to crucial positions on the editorial board. Subsequently, in 1957, CCP decided to establish a Party group, and on April 1, 1958, Xinminbao became publicly owned. The content analysis in this study used 3,911 articles that were published biennially from 1946 to 1966. News articles were classified into three categories: news source, location, and genre. Findings revealed that the percentage of articles in the domestic political genre distributed by Xinhua News Agency increased in 1950. Moreover, Xinhua’s articles accounted for a high percentage of the articles on the domestic economic and social genre from 1954. The results confirmed that CCP influenced the article content in Xinminbao by investing public capital in it. Therefore, this study concludes that the CCP established control over newspapers through joint public and private management. Finally, the continuity with respect to newspaper control in China at present is discussed.
著者
工藤 広忠
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.102-106, 1967-04-25 (Released:2009-11-12)
参考文献数
9

The author describes the oil production, history and geology of the oil field in Szechuan which has been in progress recently. The interesting oil episode by Zhu-Ge-Kong-Ming, a famous politician, are also added.
著者
工藤 勲
出版者
北海道大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1997

ホタテガイの中腸腺は、肥料・飼料としての有効利用の可能性があるにもかかわらず、カドミウムが高濃度に含まれていることが問題となっている。そこで、本研究では、ホタテガイに濃縮されるカドミウムを例にとり、魚介類に濃縮される金属の濃縮機構を解明することを目的とした。調査は、前年に引き続き北海道噴火湾森沖のホタテ養殖施設内と養殖の行われていない湾中央部の定点において5月から11月にかけて計10回の調査を行った。毎回、水温、塩分、栄養塩、基礎生産量、懸濁態有機炭素・窒素、植物プランクトン量とカドミウム含量、それとホタテ一年貝の成長速度、中腸腺量とそのカドミウム含量を測定した。【結果】ホタテガイの餌となる植物プランクトン現存量は、5月から8月にかけて横ばいであったが、プランクトン中のカドミウム含量は、8月に他の3倍程度と高濃度を示し、その後減少した。ホタテ1年貝の成長速度は、平均で0.35g/月でほぼ直線的に重量は増加した。殻長もほぼ同様に増加した。中腸腺中のカドミウムは今回の測定値とこれまでの報告値を総合すると春から夏にかけ増加し、その後、冬にかけ減少する傾向がある。これらは、ホタテガイが餌として主に植物プランクトンなどの懸濁態有機物を摂取していることを考えあわせると調和的な結果である。植物プランクトン中のカドミウム含量の変化の原因について、これまでの知見より、噴火湾では、植物プランクトンの種組成が、春から夏にかけて珪藻類から渦べん毛藻類へ遷移することが知られており、この植物プランクトン種の変化がホタテ中腸腺中へのカドミウムの蓄積に影響を与えている可能性が示唆された。また、海水中のカドミウムの濃度は、他の海域と比較して特に汚染されているわけではなく、また春から夏にかけて減少傾向にあるため海水中の濃度がこの濃縮に与えている影響は少ないと考えられる。
著者
玉田 祐介 雫田 享佐 厚芝 源太郎 平田 健太郎 石川 博規 工藤 慎一
出版者
応用生態工学会
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
pp.22-00009, (Released:2023-07-07)
参考文献数
36

フクジュソウ Adonis ramosa は,主に落葉樹林に生育するキンポウゲ科の多年草で,北海道中央部から南部,本州,四国に分布し,多くの都道府県で絶滅危惧種となっている.フクジュソウの保全対策を効果的かつ効率的に実施するためには,生育環境について知見を蓄積することが重要な課題の一つである.フクジュソウの生育環境については,光条件による影響を報告した研究は存在するが,フクジュソウの生育に影響を与える局所スケールの環境要因及びその相対的重要性を明らかにした研究は見られない.そこで,本研究では,北海道中央部及び南部において,光条件,土壌条件,リター層,周辺植生といった環境要因に着目してフクジュソウの生育環境を調査した.北海道中央部及び南部のフクジュソウの開花結実期にあたる2021 年 4~ 5 月において,各調査地域(計 7 地域)のフクジュソウ生育地に方形区(1 m×1 m)を 5 個設置し,計 35 個の方形区でフクジュソウの個体数を記録した.また,フクジュソウの生育に関係し得る環境要因として,相対照度,土壌硬度,リター層の厚さ,林床被度,樹冠被度を計測した.その結果,相対照度が高く,リター層が薄く,かつ林床被度が低いほど,フクジュソウ個体数は多かった.そのため,フクジュソウの保全対策を実施する場合には,相対照度が高く,リター層が薄く,かつ林床植生が少ない環境に着目することが重要であり,開発事業によりフクジュソウ生育地を改変せざるを得ない場合は,そのような環境へ移植を実施する必要があると考えられる.また,フクジュソウ生育地のモニタリングや維持管理を実施する場合には,草刈りや落ち葉かきが有効と考えられる.
著者
工藤 大祐 徳重 あつ子 片山 恵 田丸 朋子 岩﨑 幸恵
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.95-104, 2022 (Released:2023-03-02)
参考文献数
14

本研究の目的は,高齢者の普段の点眼姿勢の実態および,点眼時の椅子の背もたれ使用の有無と点眼成否との関係性を明らかにすることである.研究方法は,高齢者の普段の点眼姿勢の実態調査に加え,高齢女性に背もたれの有無で点眼を行ってもらい,点眼動作の動作解析を行った.動画より,点眼時の頭部後傾角度,肘関節角度,体幹後傾角度,点眼容器角度を測定し,背もたれの有無と点眼の成否,点眼液滴下の位置ずれを比較した.背もたれ無しでは,失敗事例で有意に頭部後傾角度が小さく,背もたれを使用すると点眼時に体幹が後傾し頭部が後傾しやすくなり,点眼時における滴下の位置ずれや点眼容器先端との接触による失敗リスクの軽減が望めた .背もたれを使用した点眼姿勢は安全で実施しやすい方法であり,点眼指導に取り入れることが可能であると言える.
著者
高嶋 礼詩 和田 穣隆 星 博幸 新正 裕尚 工藤 崇 西 弘嗣
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
日本地質学会学術大会講演要旨 第125年学術大会(2018札幌-つくば) (ISSN:13483935)
巻号頁・発行日
pp.162, 2018 (Released:2019-08-16)

【災害のためプログラム中止】 平成30年北海道胆振東部地震により学術大会のプログラムが大幅に中止となりました.中止となったプログラムの講演要旨については,著者のプライオリティ保護の見地からJ-STAGEに公開し,引用可能とします.ただし,学術大会においては専門家による議論には供されていませんので「災害のためプログラム中止」との文言を付記します.(日本地質学会行事委員会)