著者
工藤 雅仁 品川 知広 松原 渉 引地 勝義
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.307-312, 2016 (Released:2018-01-29)
参考文献数
4
被引用文献数
2

新型1.2L直列4気筒エンジンを開発.技術的な特徴は,集合エキゾーストマニホールド一体シリンダヘッドとターボ,ファンスプレー直噴システムと超高タンブルによる高速燃焼,中間止め機構付きセンタースプール方式VVT,ヒートマネジメントシステムなどであり,豊かなトルクをレスポンス良く発揮し,高熱効率化を実現した.
著者
岸本 泰士郎 リョウ コクケイ 工藤 弘毅 吉村 道孝 田澤 雄基 吉田 和生
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.574-582, 2017-11-01 (Released:2017-11-01)
参考文献数
24

すべての医学領域において,疾患の重症度の評価は重要である。しかし,精神科領域では疾患の重症度を反映するようなバイオマーカーが不足しており,診断,治療,さらに新薬の開発などで問題が生じている。近年,情報通信技術(ICT)の発展が目覚ましく,こういった問題の解決にICTを活用する試みが行われている。その一つにテレビ電話を用いた中央評価があり,評価者によるバイアスを取り除くには有効な手段である。しかし,評価尺度そのものにも妥当性,信頼性などの問題が含まれている。一歩先のアプローチとして,ウエアラブルデバイス等を用いた診断支援技術の開発が複数報告されている。PROMPT(Project for Objective Measures Using Computational Psychiatry Technology)は日本医療研究開発機構(AMED)の委託研究として始まった。慶應義塾大学を中心に7社が参画し,それぞれの会社の技術を持ち寄り,複数のデバイスから得られる情報を基に精神症状を定量することを目指している。また,UNDERPIN(Understanding Psychiatric Illness through Natural Language Processing)では科学技術振興機構(JST)CRESTの援助の下,静岡大学とのコラボレーションによって自然言語処理を利用した言葉(話し言葉や書き言葉)に現れる精神症状の特徴量の抽出を行い,精神疾患の予防・早期介入が可能になるような技術開発を目指している。
著者
工藤 正子
出版者
日本文化人類学会
雑誌
文化人類学 (ISSN:13490648)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.116-135, 2009-06-30 (Released:2017-08-18)

本稿の主な目的は、1980年代後期にその来日が急増したパキスタン人男性と日本人女性の国際結婚を事例として、在日ムスリムとしての差異の生成とそれにともなう主流社会との関係のあり方を明らかにし、それが日本社会の多文化共生の課題に示唆するところを考察することである。最初に、これらの夫婦が日本でおかれた社会・経済的布置について、結婚数の増加と自営業への移行という2点から示す。つぎに、関東郊外のモスクに焦点をあて、そうした場に集うことが夫と妻にいかなる意味をもってきたかを検討する。つづいて、子の就学で居住地域の非ムスリムとの関係が形成されるにともない、そこでムスリムとしての差異がいかに包摂/排除されているのかを検討する。最後に、こうした主流社会との関係を、夫と妻それぞれの立場から個別に考察し、さらにこれらの家族形成の過程が日本の地域社会からトランスナショナルな空間につながっていることを指摘する。まとめと考察では、本稿が日本の多文化共生の議論に示唆するところとして次の3点を提起する。第一に、これまでの議論がしばしば「日本人」と「外国人」という単純な差異を想定しがちであったのに対して、そうした二項対立的な図式には回収されない、複雑な多文化化のプロセスと多面的な差異のあり方を明らかにすることがもとめられている。第二に、非ムスリムの主流社会の人々と同じ地域空間を共有しているにもかかわらず、在日ムスリムの微細な日常は見えにくい。その不可視性の背景にある諸要因を検討するとともに、見えにくいマイノリティの声を多文化共生の構築プロセスに反映させていく必要がある。第三に、多文化共生が一時滞在あるいは定着しつつある外国人を主な対象として議論されがちであるのに対して、そのいずれでもない、トランスナショナルな空間を循環移動する人々をも議論の視野に収めていく必要がある。
著者
望月 祐志 中村 昇太 山中 正浩 山田 康之 工藤 光子 常盤 広明 川上 勝 北本 俊二
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.66-67, 2016 (Released:2016-10-08)
参考文献数
9
被引用文献数
1

Recently, technologies and applications of 3D-printers have attracted practical interests in the contexts of manufacturing and research developments. In contrast, the educational usages have still been underway. In this Letter, we report a variety of demonstrative 3D-printed molecular models used for education of chemistry and biology in our faculty of Science.
著者
志村 茂 井上 潔 工藤 真弘 江草 周三
出版者
日本魚病学会
雑誌
魚病研究 (ISSN:0388788X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.37-40, 1983-06-30 (Released:2009-10-26)
参考文献数
7
被引用文献数
4 9

1) ヤマメを供試魚として,せっそう病の発症およびそれによる斃死に関するチョウモドキの寄生の影響を,感染実験(菌浴法)を行なって調べた。2) チョウモドキ寄生区での斃死率は非寄生区のそれよりも明らかに高かった。3) せっそう病患部と寄生部位との相関関係は特に認められなかった。4) 斃死魚1尾あたりのせっそう病患部の面積は,寄生区の斃死魚の方が著しく大きかった。
著者
工藤 豊 小野 良平 伊藤 弘 下村 彰男
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.369-372, 2007-03-30 (Released:2009-03-31)
参考文献数
35
被引用文献数
3

Kaki is one of the most familiar fruit trees in Japan and a landscape with kaki tend to be connected with a nostalgic image of an autumn rural landscape. In this respect, a landscape with kaki can be seen as a Japanese “prototype-landscape.” The point we have to focus on here is that common image and feeling about kaki are shared among the Japanese. It is due to our “landscape viewpoints”, a common “way of seeing” shared in a specific social group. This study considers how our landscape viewpoints have been changed by analyzing the representation (waka, haiku and painting) of kaki as an expression of landscape. Kaki might have been one of the most familiar fruits in Japan throughout the history. It was, however, after the latter half of the 17th century, when haiku had been established and spread, that a landscape with kaki started to be expressed positively. This can be explained that our “landscape viewpoints” had been turned from the traditional one, in which waka played the most important part, into the modernized one, through some new cultural activities which began in the Edo era. New landscape discovered by new culture in the Edo era had been combined with rural landscape, and have been regarded as Japanese prototype-landscape.
著者
山下 直美 葛岡 英明 平田 圭二 工藤 喬 荒牧 英治 服部 一樹
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.981-993, 2017-05-15

本論文では,2つの調査に基づいて,うつ病患者の家族介護者を支援するための知見を述べる.1つ目の調査では,患者の気分の上下や予期せぬ振舞いなどに対処する家族介護者の介護活動の現状とニーズを把握する.その調査結果をふまえて介護記録Webアプリケーション「みまもメイト」を開発する.2つ目の調査では,家族介護者がみまもメイトを6週間にわたって利用することによって,家族介護者のうつ病患者に対する関わり方や患者との人間関係がどのような影響を受けたかを調べる.利用後のインタビュー調査から,家族介護者がみまもメイトを利用することによって,自身の介護活動を客観的に見つめ直す効果がある(第三者視点の導入)ことが分かった.さらに興味深いことに,みまもメイトは患者,病気,家族介護者の間の関係を変化させ,これによって,家族介護者とうつ病患者間のコミュニケーションを改善する効果があることも分かった.具体的には,みまもメイトを用いることによって,家族介護者単独で病気をかかえる患者に対処するという構図(家族介護者vs.患者+病気)から,患者と家族介護者が協調しながら病気に立ち向かうという構図(家族介護者+患者vs.病気)へと変化した.
著者
三品 拓也 勝野 恭治 吉濱 佐知子 工藤 道治
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.9, pp.3062-3073, 2008-09-15

提携・合併・買収・アウトソーシングといったビジネス環境の変化と,インターネットのような組織間通信経路の発達により,オフィス文書が組織や会社をまたいでやりとりされる機会が増えている.これにともない悪意のないユーザの誤操作による情報漏洩の可能性が増しており,実際に情報漏洩事故の報告が後を絶たない.このような事故を防ぐために,ユーザの注意力に頼ることなく機密性を確保することが求められている.既存技術であるマルチレベルセキュリティは厳密な情報フロー制御を実現可能であるが,メタ情報欠落問題・機密解除問題という2つの実用上の問題があり,オフィス文書管理システムに適用することは困難であった.そこで本論文ではメタ情報欠落問題を解決するため,オフィス文書の来歴を記録して文書に安全な形で添付する来歴封入と,そのデータ構造を提案する.またオフィス文書の機密解除問題を解決するため,文書よりも細かい文書要素の粒度でセキュリティラベルを付与し,セキュリティラベルに基づいて情報フロー制御を行う細粒度情報フロー制御機構を提案する.その際,ラベル付与は来歴に基づいて可能な限り自動化し,ラベル付与のコストを削減する.さらに,来歴封入と細粒度情報フロー制御機構のプロトタイプをそれぞれODF(Open Document Format)とOpenOffice.orgに実装してその実現可能性を示す.Current business situations require improved confidentiality and integrity for office documents. The Multi-level Security (MLS) model can provide an information flow control feature to content management systems, however, the meta-information lost problem and the declassification problem prohibit the use of the MLS. In this paper we propose a meta-data format called <i>sticky provenance</i> and a fine-grained information flow control system using the sticky provenance. The sticky provenance contains the change history and the labels of an office document in a secure form, and it ensures the confidentiality of the change history of the documents in distributed environments. The fine-grained information flow control system reduces the label creep problem of the information flow control models with the sticky provenance. In other words, the sticky provenance and the fine-grained information flow control system can introduce a practical fine-grained information flow control capability to office applications so that we can ensure the confidentiality of office documents.
著者
野間口 眞太郎 工藤 慎一
出版者
佐賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

亜社会性ミツボシツチカメムシおいて、2つの家族が混ざり合い、2匹の雌親が共同で給餌などの子の世話をする「家族融合」という現象が最近発見された.本研究では,野外調査や室内実験を通して,家族融合の形成プロセス、家族融合を起こさせる主要な要因,雌親同士の個体間相互作用を調べ,この家族融合が亜社会性から真社会性に至る昆虫の社会性進化の次の段階である擬似社会性への移行につながるか否かを検討した.その結果、融合雌の中に給餌をやめて次の繁殖の準備を始める「抜け駆け」雌が現れるため、集団としてより高度な社会性への移行は困難であることが分かった.
著者
橘川 宗彦 大場 基夫 工藤 盛徳
出版者
日本水産増殖学会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.231-236, 2006-06-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
13

ワカサギ卵を水生菌の発生を抑え効率よく孵化させるため, 陶土を用いて不粘着処理した受精卵を高密度で収容できる孵化器を用いる方法と従来の屋外飼育池に敷設した着卵基質に付着孵化させる方法とで孵化管理の比較試験を試みた。孵化器では屋外飼育池に比較し今回の試験では約5分の1省スペース化され, 使用水量も約3分の1に節水された。発眼率では有意差は認められなかったが, 飼育池で観察された卵の脱落による減耗も孵化器では防止できたことや, 受精卵の収容から孵化までの死卵の分離除去が容易であり, 薬剤等を使用せずに水生菌の抑制ができる等の利点があった。一度に多量の受精卵収容作業では不粘着処理に多少時間を要するが, 不粘着処理した受精卵を孵化器に収容する新たなワカサギ受精卵の効率的な孵化管理法を紹介した。
著者
工藤 力男
出版者
中央図書出版社
雑誌
国語国文 (ISSN:09107509)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.35-52, 1997-04
著者
近藤 匡慶 菅谷 量俊 長野 槙彦 磐井 佑輔 金子 純也 諸江 雄太 工藤 小織 久野 将宗 畝本 恭子 村田 和也
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.571-577, 2016-08-31 (Released:2016-08-31)
参考文献数
18

目的:バンコマイシン(以下,VCM)負荷投与は,抗菌薬TDMガイドラインに記載されているが,有用性を示す報告は少なく,今回,救命救急センターでの有用性を検討した。方法:トラフ値,治療効果,投与日数等を負荷投与群,通常投与群(以下,対照群)で比較検討した。負荷投与は初日1〜2g投与し,維持投与はトラフ値10〜20μg/mLを目標に薬剤師が投与設計した。結果:負荷投与群7例,対照群21例を認め,トラフ値は,対照群9.4±5.4μg/mLと比較して負荷投与群15.8±6.8μg/mLと有意な増加を認め(p<0.05),トラフ値10μg/mL以下の症例が対照群62%から負荷投与群29%と減少傾向を示した。治療効果は有意差を認めなかったが,投与日数では,負荷投与群で有意な短縮を認めた(p<0.05)。結論:VCM負荷投与は,早期に血中濃度を上昇させ,治療効果に寄与する可能性が示唆された。
著者
工藤 与志文
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.41-50, 1997-03

College students numbering 206 were examined on their beliefs of the movement of sunflowers, and 112 students who had the false belief participated also in the experiment. The subjects were asked to read the science text which explained the facts that contradicted their beliefs in the following three conditions : (a) the photosynthetic rule was instructed, and the contradictory facts were referred to as examples of the rule ; (b) the photosynthetic rule was instructed, but the facts were referred independently from the rule ; and (c) only the facts were presented. The subjects were then put to some reading comprehension tests. The frequencies in the occurrence of belief-dependent misreading (BDM) on the tests were analysed. The following results were obtained : (1) There were less BDMs in the condition of the rule and example than in the other two conditions ; (2) there were no less BDMs in the condition of the rule and facts than in the condition of the facts only. There findings suggested that the instruction in the relation of the rule and example was useful in order to avoid BDM.