著者
平野 淳一
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.9, pp.1-8, 2011-03-21

本論では,エジプトを中心とするアラブ世界やイラン,トルコにおいて,新聞や雑誌といったプリント・メディアがどのような歴史的経緯のもとに普及・発達していったのか,ヨーロッパとの国際関係,支配者の政治社会政策,知識人の文化活動などに着目しつつ明らかにする.This paper aims to reconsider a historical and theoretical process of development of the print media in the Arab world, Iran and Turkey, with special reference to their international relationships with the West and the governors' social politics and the intellectuals' cultural activities from the latter half of the 19th century to the beginning of the 20th century.
著者
平野 智子 藤 桂
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.90.18031, (Released:2020-01-20)
参考文献数
30
被引用文献数
1

In this study, we aimed to determine whether cognitive reevaluation of psychological distress in visiting nurses promotes the development of their professional identities and elicits feelings of mutuality of caring. In study 1, we administered a questionnaire survey to 371 visiting nurses. A covariance structural analysis showed that, although most of the visiting nurses suffered more psychological distress from caring for clients, their professional identities were further developed through feelings of mutuality of caring caused by the successive reevaluation of future care for clients. In study 2, we intervened visiting nurses via e-mail. The results showed that, in experimental conditions in which visiting nurses successively reevaluated their psychological distress while considering future care for clients, the nurses had higher scores for measures of professional identity. These results supported our hypothesis and demonstrated the effectiveness of successively evaluating patient care, to elicit feelings of mutuality, in developing the professional identities of visiting nurses, who experience various kinds of psychological distress.
著者
奥田 佑子 平野 隆之
出版者
日本福祉大学社会福祉学部
雑誌
日本福祉大学社会福祉論集 = Journal social Welfare, Nihon Fukushi University (ISSN:1345174X)
巻号頁・発行日
vol.137, pp.101-116, 2017-09-30

本論文は,地域福祉権利擁護事業の再評価が生活困窮者自立支援事業や社会福祉協議会における総合相談体制の充実につながるのではないかという仮説から出発している.本論文の目的は,1)地域福祉権利擁護事業が本来持っていた地域福祉的要素の再確認,2)総合相談体制の形成のプロセスとその中での地域福祉権利擁護事業の役割の明確化,3)生活困窮者自立支援事業との関係から,今日的に地域福祉権利擁護事業が果たす機能の明確化の3 点である.方法として,文献研究,滋賀県内3 市社協を対象とした体制整備に関する事例研究,相談実績分析を行っている.研究の結果,幅広い相談を受け止め制度利用につなげる「前さばき」の機能を地域福祉権利擁護事業が持っており,それが総合相談や生活困窮者自立相談の基盤となっていることが明らかとなった.また,社会的孤立や権利侵害の状態に置かれた人への相談への対応が,地域や他機関・多職種との連携・ネットワークづくりにつながっていることが分かった.
著者
平野 俊介
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.457-475, 2002

バルトークの初期の作品である〈14のバガテルOp.6〉は,バルトークの純粋な創作から民謡に基づく作品まで実に多様な様式の曲が含まれている。従って,この作品を分析することにより,若いバルトークがどれくらい独自の音楽語法を駆使し得たかを知ることができる。本研究では,各曲の考察を通して,初期のバルトークの変化に富んだ創作過程や音素材の多様な扱いに光を当て,それを明確にすることができた。Fourteen bagatelles are one of Bartok's early works. These pieces are made of various original works and pieces based on Hungarian peasant songs. Therefore, through the analysis of these pieces we can find out Bartok's original methods of composition. As a consequence of this research, through the study of each piece I hav revealed various usage of sound materials and varied creative processes in Bartok's early years.
著者
ティン ティン ウィン シュイ 山元 昭二 藤谷 雄二 平野 靖史郎 藤巻 秀和
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本トキシコロジー学会学術年会 第36回日本トキシコロジー学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.4113, 2009 (Released:2009-07-17)

【目 的】 近年、ディーゼルエンジン由来ナノ粒子の毒性影響研究の必要性が、社会的に認知されるようになった。本研究では、ナノ粒子(粒径50 nm以下)を多く含んだディーゼル排気(NRDE)をマウスに曝露し、細菌細胞壁成分リポタイコ酸(LTA)投与との併用下で海馬における空間認識記憶学習と記憶関連遺伝子発現や嗅球での神経伝達物質レベルおよび記憶関連遺伝子発現について検討した。 【材料および方法】 動物はBALB/c 雄マウスを用い、NRDEの全身吸入曝露チャンバーで4週間(5時間/日, 5日/週)曝露した(モード粒径26.21 nm、重量濃度148.86μg/m3)。また、曝露期間中、計4回(1回/週)LTAを腹腔内に投与した。NRDE曝露後におけるマウスの空間認識記憶学習を調べるためにモリスの水迷路試験を行った。また、嗅球での細胞外アミノ酸神経伝達物質(グルタミン酸)レベル測定のために脳マイクロダイアリシス法との組み合わせでHPLC分析をおこなった。さらに、海馬および嗅球における記憶関連遺伝子のmRNA発現レベルをリアルタイムRT-PCR法によって解析した。 【結果および考察】 モリス水迷路試験において、NRDE+LTA群では、対照群(清浄空気のみ;LTA非投与)に比べて水面下に隠れたプラットフォームへの到着に長い時間を要した。NRDEのみの曝露群ではそれらに影響はみられなかった。また、海馬でのNMDA受容体サブユニットNR1, NR2A, NR2BのmRNA発現レベルは、対照群に比べてNRDE+LTA群で有意に高かった。嗅球において、NRDE曝露のみやLTAとの併用、もしくはLTA投与のみは、グルタミン酸レベルの有意な増加を引き起こした。又、NR1, NR2A, NR2BやプロテインキナーゼCaMKIV, 転写因子CREB1等のmRNA発現のアップレギュレーションがNRDE+LTA群において観察された。
著者
癸生川 義浩 郷右近 歩 野口 和人 平野 幹雄
出版者
東北文化学園大学
雑誌
保健福祉学研究 (ISSN:13484567)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.83-94, 2004-03-31

本稿では、知的障害養護学校小学部で行われている"遊びの指導"について、実態と課題について明らかにすることを目的とした。教師を対象としたアンケート調査の結果から、1)知的障害養護学校の教員の多くは"遊びの指導"について必要性を感じていたこと、2)授業の計画立案時には昨年度の活動案を重視していたことが示された。知的障害養護学校における"遊びの指導"の授業内容と、就学前施設における調査結果との比較より、養護学校において就学前施設で行われている遊びとほぼ同じ内容の遊びが行われていたことが明らかにされた。加えて、養護学校においては、就学前に受けてきた指導についての把握が十分に行われないままに指導が行われていることが指摘された。これらの問題の背景として、就学前施設と養護学校間の情報の共有が十分ではないということが考えられた。
著者
中尾 茂 八木原 寛 平野 舟一郎 後藤 和彦 内田 和也 清水 洋
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

The earthquake (JMA Magnitude 7.1) occurred on November 14, 2015 in the area of west off Satsuma peninsula. The epicenter is located in Okinawa Trough where is in about 160 km west from Makurazaki City in Kagoshima Prefecture. This earthquake is one of the largest earthquakes in this area. Seismicity in this area is low in last twenty years. Two continuous GNSS sites are operated by Kagoshima University, one is UJIS site in Uji island which is 84 km to east from the epicenter and the other is MESM site in Meshima island which is 121 km north from the epicenter. At UJIS seismic observation is also operated by Kagoshima University and it is operated by Kyushu University at MESM. We went to those sites in order to get GNSS and seismic data because GNSS and seismic data are not telemetered at those sites. In this research, co-seismic crustal deformation and activity of aftershocks are reported.We relocated the main shock and aftershock until 10:00 on November 16. Length of aftershock area is about 60 km. Its Strike is the same of Okinawa Trough. The epicenter of the main shock is located at the south-west end of the aftershock area and maximum aftershock, which is occurred on November 15, is at north-east end. Activity of aftershock in northern part of aftershock area is high. However, in southern part it is low except aftermath of occurrence of the main shock.GNSS data analysis is by Bernese GNSS software Ver. 5.2 with CODE precise ephemeris. Daily site coordinates of UJIS and MESM are calculated with GEONET sites. Coseismic deformation is estimated by the difference between two days averages before and after the main shock. Displacement at UJIS and MESM is 0.82 cm and 0.65 cm, respectively. The theoretical coseismic deformation is estimated by a strike slip fault model (Okada, 1992). Fault length, strike, dip angle and fault position are estimated by the length of aftershock area. Fault width is assumed a half of the fault length. Amount of fault slip is estimated by the relationship between earthquake magnitude and moment (Sato, 1979). JMA moment magnitude 6.7 is used (JMA, 2015). Theoretical displacement at UJIS and MESM is 1.3 cm and 1.1 cm. Direction of observed displacement is coincident with that of theoretical displacement. However, amount of observed displacement is smaller than theoretical one.
著者
平野 敏明
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.A1-A9, 2015 (Released:2015-02-08)
参考文献数
16

近年,オオセッカが新たに繁殖期に生息するようになった渡良瀬遊水地で,繁殖期の個体数の変化と生息環境について2007年から2014年の繁殖期に調査を実施した.調査地のオオセッカは,2007年から2009年は1-2羽が生息していただけだったが,2010年に8羽,2012年には15羽と,2010年以降急激に増加した.増加の要因は,日本の主要な繁殖地での個体数の増加と調査地における春先の良好なヨシ原の存在が考えられた.渡良瀬遊水地では毎年3月中旬にヨシ焼きが実施されるが,個体数が増加した2010年から2012年はヨシ焼きが中止されたか,または降雨によって良好なヨシ原が残った.調査地におけるオオセッカの生息地点の植生は,青森県仏沼などの高密度生息地と酷似していた.すなわち,ヨシなどの単子葉高径植物の密度が16.2±9.1本/m2,高さが209.2±32.7cmで下層にスゲ類が密生している環境であった.渡良瀬遊水地では,オオセッカは調査地の特定の場所に集中してなわばりを占有する傾向があった.これは,本調査地での本種の生息密度が低いためと推測された.
著者
平野 聖
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.481-493, 2011

昭和後期は我が国扇風機の成熟期に相当し,普及率が伸び悩む状態となった時代である.三菱電機において市場を喚起する役割を担ったのが,「扇風機のコンパクト化」に関する提案であった.扇風機を分解梱包し,使用しない時にはコンパクトに保管できるアイデアを「コンパック」とネーミングし消費者に大いにアピールした.扇風機本体の形状を変化させる工夫を施しさらにコンパクトにするアイデアは継続的に研究され,「オレオレ」として花開く.他社がスイッチ部の電子コントロール等の開発に血道を上げている間に,同社はダイナミックな外観の変化を優先することにより差異化を図った.昭和末期には頭部後半部に突出部を持たない「バックレスファン」を登場させ,それまでの扇風機の概念を覆すスマートな外観を実現した.ただし,それ以降は扇風機製造の拠点をタイに移し,技術開発及びドラスチックな新規デザイン開発が段々と行われなくなる.
著者
平野 綾子 椎名 達雄 本田 捷夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.413, pp.19-22, 2003-11-05
参考文献数
4

DVDの急速な普及や高精細なデジタルテレビ放送のスタートもありホームシアター市場が拡大している。これにより家庭で迫力のある映像が楽しめる時代がきた。最近では多くの企業が次世代映像システムとして立体表示装置の開発に取り組んでおり、より迫力のある映像の普及が見込まれている。これに伴い、立体映像用コンテンツの増加が不可欠となる。このような立体表示装置は少なくとも左服用と右服用の2視点からのシーンが要求される。新しく作る3D(立体)コンテンツは立体撮影装置で制作し、CGの場合にはクリエータが制作する。しかし既に存在する2D(平面)コンテンツを擬似的な立体映像用コンテンツに変換するのはオペレータにより手作業で行われている。これはとても骨の折れる作業である。本論文では2Dコンテンツから擬似的な3Dコンテンツを容易に半自動的にする方法を示す。