著者
小橋 京子 平野 勉
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.661-668, 2014 (Released:2015-08-04)
参考文献数
28

糖尿病治療の根幹は食事,運動療法であるが, 目標の血糖コントロールが達成されない場合には薬物療法が開始される.欧米ではビグアナイド(以下BG)薬が第1選択薬となっているが,日本では特に治療ガイドラインがないため第1選択薬は実地診療医に一任されている.このような現状の中,われわれは東京都内における医師を対象に,症例に則した糖尿病治療薬の処方動向を専門医,一般医に分けて調査した.2013年1月~6月にかけて,東京都内で勤務する医師に対して以下の1)~3)の項目についてアンケート調査を行った.1)現在の糖尿病診療の状態:診療人数と治療内容の割合,食事・運動療法中の2型糖尿病患者さんに対して薬物投与開始を考えるHbA1c(NGSP値)の目安について.2)患者の状況別治療方法の選択; 4症例に対しての第1,第2,第3選択薬について<症例1>56歳,女性,BMI 23.9kg/m2,HbA1c 7.2%<症例2>56歳男性,BMI 26.0 kg/m2,HbA1c 7.2%<症例3>56歳,男性,BMI 22.9kg/m2,HbA1c 8.5%<症例4>67歳男性,BMI 23.9kg/m2,HbA1c 8.5%.3)DPP-4阻害薬の処方状況について; DPP-4阻害薬処方後にHbA1c悪化症例に対する対処方法について.各質問項目について専門医,一般医に分けて解析した.回答した1086名の(回収率85.5%)医師の内訳は専門医290名,一般医796名であった.アンケート1)専門医でインスリン治療の使用率が高かった.薬物治療を開始するHbA1cの目安は専門医,一般医とも7%であった.アンケート2)BMI<25m2/kg未満の症例で血糖コントロールが比較的良好例に対する第1選択は専門医ではBG薬,一般医ではDPP-4阻害薬であった.少量のスルホニル尿素(以下SU)薬は,一般医,専門医とも第3選択薬であった.症例3,4のHbA1c 8%以上のコントロール不良糖尿病例に関しては専門医,一般医ともDPP-4阻害薬が第1選択薬であった.少量のSU薬に関しては,専門医では血糖コントロール不良例に対しても選択しない傾向が判明した.アンケート3)第1選択は「食事・運動療法を再徹底する」が最も多く,第2選択としては「BG薬を追加する」が多かった.専門医では非肥満例に関してもBG薬の処方が選択される傾向があり,少量のSU薬は血糖コントロール不良例に対しても選択順位が低下することが判明した.DPP-4阻害薬の処方選択順位は様々な症例に対して高まっており,その傾向は専門医より一般医に強く認められた.
著者
金子 真美 杉山 庸一郎 平野 滋
出版者
日本喉頭科学会
雑誌
喉頭 (ISSN:09156127)
巻号頁・発行日
vol.32, no.01, pp.52-57, 2020-06-01 (Released:2020-09-04)
参考文献数
20

Medialization procedures, such as type I thyroplasty, arytenoid adduction, and vocal fold injection, are currently popular treatments for hoarseness due to unilateral vocal fold paralysis. However, hoarseness occasionally remains after medialization procedures due to tension imbalance. This tension imbalance causes diplophonia, asymmetry and aperiodic vibrational flutter in travelling wave motion. This is mostly due to incomplete glottic closure, imbalance in muscular tension, and increased air flow through an incompetent glottis. There is no established treatment for tension imbalance. We herein report two cases with remaining hoarseness post-medialization for chronic unilateral vocal fold paralysis. These patients underwent voice therapy using flow phonation to establish respiratory support and a resonant voice to facilitate vocal fold vibration. As a result, the functional vocal fold vibration, aerodynamic assessments, acoustic analysis findings and self-rated condition improved in both cases after therapy. These results suggest that voice therapy involving flow phonation and resonant voice may help improve the vocal function in cases of tension imbalance with dysphonia. Further studies with a larger number of participants or a prospective randomized controlled trial are warranted.
著者
久保田 尚之 塚原 東吾 平野 淳平 松本 淳 財城 真寿美 三上 岳彦 ALLAN Rob WILKINSON Clive WILKINSON Sally DE JONG Alice
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.412-422, 2023-11-21 (Released:2023-11-25)
参考文献数
23
被引用文献数
1

日本で気象台が開設される以前の江戸時代末期に,外国船が日本近海に気象測器を搭載して往来していたことに着目し,気象観測記録が掲載された航海日誌を収集し,気象データを復元した.18世紀末には探検航海する外国船が日本近海に現れ,19世紀に入ると米国海軍の軍艦等が日本に開国を求めるために日本近海を航行するようになった.これらの航海日誌に記録された日本近海の気象データの概要を示し,江戸時代末期に外国船が日本近海で遭遇した台風事例について,経路等の解析を行った.1853年7月21~25日にペリー艦隊6隻が観測した東シナ海を通過した台風の解析事例,1856年9月23~24日に蘭国海軍メデューサ号が観測した安政江戸台風の解析事例,1863年8月15~16日の薩英戦争中に英国海軍11隻が観測した東シナ海における台風の解析事例について報告する.
著者
濱田 裕子 笠 ゆりな 平野 由似 宇野 裕和 大歳 晋平 中田 土起丈 末木 博彦
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和学士会雑誌 (ISSN:2187719X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.636-641, 2019 (Released:2020-02-06)
参考文献数
20

フラジオマイシン,ゲンタマイシン等のアミノグリコシド系抗菌剤を含有する外用薬は熱傷を含む創傷や感染性皮膚疾患の治療,術後創傷処置などに汎用されている.このうち硫酸フラジオマイシンは感作能を有しているため,アレルギー性接触皮膚炎の代表的な原因物質を網羅しているジャパニーズスタンダードアレルゲンにも含まれている.この硫酸フラジオマイシンの感作率および感作原を検討する目的で10年間のパッチテスト結果を検討した.対象は2009年5月より2018年5月までに昭和大学病院附属東病院,横浜市北部病院,藤が丘病院の皮膚科外来を受診し,硫酸フラジオマイシンのパッチテストを施行された242名(男49名,女193名,16〜92歳,平均年齢52.4,SD±18.7歳)である.パッチテストは試薬を背部の健常皮膚に貼布し,2日後に除去した.判定は貼布2,3,7日後にICDRG(International Contact Dermatitis Research Group)基準に基づいて行い,7日後に+〜+++と判定された者を陽性とした.陽性反応が認められたのは14名(陽性率 5.8%)で,男性に比して女性で高値であった(4.1% versus 6.2%).陽性者の平均年齢は61.8歳で,年代別では60〜69歳の陽性率が最も高く(9.8%),以下,50〜59歳(8.6%),40〜49歳(7.0%),70〜79歳(6.5%)の順で,40歳未満には陽性反応は認められなかった.陽性者14例中10例(71.4%)が接触皮膚炎の患者で,全例で顔面に皮疹が認められた.そのうち眼囲に皮疹が認められた8例は,いずれもステロイドと硫酸フラジオマイシンを含有する眼軟膏による治療歴を有していた.硫酸フラジオマイシンの感作者が高齢者に多いのは医療行為,特に眼軟膏によって感作が成立した可能性が高い.本邦の陽性率は米国(11.4%)よりは低いものの,ヨーロッパ諸国(2.6%)と比較すると高値で,フラジオマイシンを含有する外用薬を減少させたカナダでは感作率も著明に低下している.また,硫酸フラジオマイシン感作者では,硫酸ゲンタマイシンなど他のアミノグリコシド系抗菌剤にも交叉感作を生じうることが知られている.フラジオマイシン系抗菌剤は抗菌作用が期待されて創傷等に多用されているが,第一選択薬になる必然性は認められない.長期間の使用による耐性菌の発生に加え,外用による感作の成立にも注意が必要であり,その使用法について再考を要すると考える.
著者
江原 英治 村上 洋介 佐々木 赳 藤野 光洋 平野 恭悠 小澤 有希 吉田 修一朗 吉田 葉子 鈴木 嗣敏 金谷 知潤 石丸 和彦 前畠 慶人 西垣 恭一
出版者
特定非営利活動法人 日本小児循環器学会
雑誌
日本小児循環器学会雑誌 (ISSN:09111794)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.39-46, 2014-01-01 (Released:2014-01-31)
参考文献数
15

背景:無脾症患者は細菌感染,特に肺炎球菌に罹患しやすく,時に致死的となる.わが国では2010年より7価肺炎球菌結合型ワクチンが使用可能となり小児での予防効果が期待されている. 目的:7価肺炎球菌結合型ワクチン導入前の時期での,無脾症患者における重症細菌感染症の臨床像を明らかにし,新しいワクチンを含めた今後の対策について検討すること. 対象と方法:1988~2009年までに出生し,当院で治療を受けた無脾症患者のうち,外来経過観察中に重症細菌感染症(髄膜炎・敗血症)を起こした7例の臨床像を後方視的に検討した. 結果:無脾症患者44例中7例(16%)で,重症細菌感染症を認めた.感染症発症時の年齢は3ヵ月~4歳で,7例中5例は2歳未満であった.初発症状は全例が発熱,不機嫌,哺乳不良など非特異的な症状であった.短時間に急速な悪化を呈し,入院時には心肺停止,ショック状態,意識障害などの重篤な症状を認め,死亡率は57%であった.起因菌は肺炎球菌が7例中5例(71%)を占めた.7価肺炎球菌結合型ワクチンが使用可能であれば,予防できた可能性がある例が存在した. 結論:無脾症患者における重症細菌感染症(髄膜炎・敗血症)は,短時間に急速な悪化を呈し,死亡率が高い.早期診断が困難な例が存在し,小児循環器医のみならず,救急外来を含め無脾症患者の診療に関わる全てのスタッフへの啓発と体制作り,および患者家族への教育が重要である.無脾症患者には7価肺炎球菌結合型ワクチン等のワクチンを早期より積極的に接種すべきである.7価肺炎球菌結合型ワクチンの普及により侵襲性肺炎球菌感染症の減少が期待されるものの,ワクチン株以外の血清型の感染が存在し,完全には予防できないことも認識すべきである.
著者
平野 晋
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能 (ISSN:21882266)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.188-195, 2019-03-01 (Released:2020-09-29)
著者
平野 信一 中田 高 今泉 俊文
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.17-30, 1979-05-31 (Released:2009-08-21)
参考文献数
38
被引用文献数
3 8
著者
田中 法博 禹 在勇 住田 融 更科 友啓 平野 真菜実
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第55回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.182, 2008 (Released:2008-06-16)

本稿では,日本刀表面の表面粗さや反射モデルパラメータなどの反射特性を精密に推定するための手法を提案する.日本刀表面の反射特性を推定するために,日本刀表面の光反射を計測するシステムを開発する.このシステムは,光源システム,回転アーム,カメラシステムから構成されている.日本刀表面の反射特性を知ることは,反射光分布と反射モデルとのフィッティング問題に帰着する.つまり,反射光の計測データから光反射モデルの未知パラメータを推定することにより日本刀の反射特性を定量化する.
著者
平野 恭弘 南光 一樹 土居 龍成 西村 澪 杁山 哲矢 谷川 東子
出版者
根研究学会
雑誌
根の研究 (ISSN:09192182)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.65-75, 2021-09-20 (Released:2021-09-29)
参考文献数
25

令和2年7月豪雨中の7月11日夜,岐阜県瑞浪市大湫町の神明神社に生育し,町のシンボルである大杉が倒木化した.本研究は,大杉倒木化の要因解明に向けた基礎的な知見を得るため,倒木時の豪雨など気象状況とともに大杉倒木の根系状況を明らかにすることを目的とした.2020年7月11日の日降水量は137 mm day-1,時間最大雨量43 mm h-1の豪雨を記録したが,これは過去40年間に大杉が経験した雨量であった.2020年7月は特に日照時間が短く,樹体や土壌が乾きにくい状態であることが推察された.倒木化した大杉は,横方向に最大9.1 m, 縦方向に最大 6.6 mの直径, 最大厚さ2.3 mをもつ巨大な根鉢を地表面に露わにした.根鉢中心部には腐朽が広がり,倒木時に土壌に残存した根には剥ぎ取られたような形跡が認められた.レーザースキャナを用いて,倒木化した大杉の三次元構造をデジタル化して再現した結果,根系体積は43.2 m3と推定された.倒木化した大杉の地下部の広がりや地上部との体積比からも,スギとして大杉の根系は小さいことが示唆された.根系および気象の状況から倒木化の要因として,長年の生育中に根系に進んだ腐朽,および長期間の雨と日照不足に伴う土壌水分量増加による根の土壌支持力の低下,さらにこの気象下における樹体地上部の水分量増加によって,地下部・地上部バランスが崩れたことが推察された.
著者
平野 恭平 三井 泉 藤田 順也
出版者
日本経営学会
雑誌
日本経営学会誌 (ISSN:18820271)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.72-85, 2021 (Released:2022-12-16)
参考文献数
20

This article focuses on the foundation phase of the Faculty of Business Administration, which was established in 1949 at Kobe University. It concerns books written by Yasutaro Hirai housed in the Kobe University Library for Social Sciences and analyses the scribbles in those books, which have seemingly been read by many students. These students scribbled all over the books during the limited period from the late 1940s to the mid-1950s. It appears as though the voices of the students from that time are revived through the scribbles. These include support for and criticism of Hirai, who had advocated business administration at the university since the pre-war days, as well as criticism from the standpoint of commerce, which he often mentioned in contrast with business administration. The article attempts to approach the history of the mentalities, focusing on the students, by taking up their inner voices from the scribbles and discovering how they perceived the foundation of the new faculty and a new academic discipline (business administration) as well as the fact that the teachers had mixed feelings about this matter. In modern society, the spread of the SNS has facilitated simultaneous, two-way communication between people. However, for students at that time, library books were one of the few mediums in which they could anonymously express their opinions and ideas to members of the same organization. The books became a place for communication, where those who saw such opinions and ideas could support or argue against them. Thus, library books can be said to have functioned as an SNS. The teacher who wrote the books and the students that read his books talked to each other directly through their life at university, including lectures, thought logically and wrote down their real opinions and feelings. Their scribbles are the traces of such real opinions and feelings and can be considered an “intellectual layer of traces” that has been read and added to over time.
著者
朴 兪美 細井 洋海 寺本 愼兒 平野 隆之
出版者
日本福祉大学社会福祉学部
雑誌
日本福祉大学社会福祉論集 = Journal social Welfare, Nihon Fukushi University (ISSN:1345174X)
巻号頁・発行日
no.140, pp.111-124, 2019-03-31

本研究では,制度福祉中心の行政システムの機能不全に対応する地域福祉推進の組織整備に注目し,それが機能するメカニズムとして職員のリーダーシップに着目する.制度福祉の制約を乗り越える,新システムの形成において,その実質的担い手となる自治体職員のリーダーシップは重要な要素となる.本研究では,芦屋市の中間マネジャーの取り組みを取り上げ,リーダーシップが発揮される局面と,その展開に潜んでいるリーダーシップ発揮の環境的条件について探る. 分析方法としては,主に振り返りの手法を用いるが,2 人の中間マネジャーの振り返りを2 人の研究者が促進する形をとる.振り返りを通じて,トータルサポート体制をはじめ,独自の地域福祉推進体制を構築してきた芦屋市地域福祉課の時間的展開を探る.その展開においてリーダーシップが発揮された4 局面を取り上げ分析する. 4 局面は,困難事例からの権利擁護支援の展開,困難事例の支援を通じたトータルサポート体制の実体化,モデル事業を活用した庁内横断的な体制の整備,庁内連携を越えた地域内連携への挑戦,である.分析の結果,リーダーシップによる新規体制づくりと新規体制の運用に求められるリーダーシップとが好循環することと,中間マネジャーのリーダーシップによる人材育成の環境整備が行われることを示す.
著者
平野 哲也
出版者
日本農業史学会
雑誌
農業史研究 (ISSN:13475614)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.15-26, 2019 (Released:2020-03-23)

This paper investigates the food and livelihood of farmers in the Shimotsuke Province during the Edo Period, particularly with regard to rice cultivation, and giving consideration to the market economy, it serves as an inquiry into the transformation of the consciousness and behavior of farmers towards food. From the late seventeenth century, farmers in the rice-producing regions of Shimotsuke Province labored to grow rice crops not just for paying taxes to land owners or for personal consumption, but also as a commodity intended for commerce. This rice was sold across a wide-ranging area that included large markets in Edo, neighboring castle towns, villages, river ports, and mountain villages, and even far off port cities in Hitachi Provence. There was also a demand for rice from surrounding areas for use in alcohol and confectionary production. Eventually, a demand also grew for inexpensive rice for consumption among the farming class. Landowners put effort into collection and distribution, working to meet private sector demands and bearing the responsibility of distributing the rice product over a wide area. With the advent of rice being produced as a commodity came a significant change to the food and rice-cropping agricultural practices of farmers. They became sensitive and flexible toward market variations resulting from low or abundant increased crop yields brought about by periods of cold and warm weather, respectively, and responded to them proactively. In the early nineteenth century, when warmer climate conditions led to abundance in rice crops and subsequently, a recession from the decreased price of rice, farmers adjusted by reducing or even giving up their farming work, transitioning to doing various other occupations, thus being able to buy and eat rice and other extravagant foods. However, as this way of living progressed, farmers were seemingly forgetful of the Tenmei no Kikin famine in the 1780s; they did not take the necessary precautions against famine, creating a state of vulnerability for heavy damage in the case of an eventual food shortage. A short time later, there came another a period of famine from the 1830s (called Tenpou no Kikin) during the final period of the Tokugawa Shogunate. During this famine, the price of rice suddenly increased, leading farmers in rice-producing areas to return to the fields and resulting in their return to their former lifestyle with ample food.
著者
平野 修 河西 学 平川 南 大隅 清陽 武廣 亮平 原 正人 柴田 博子 高橋 千晶 杉本 良 君島 武史 田尾 誠敏 田中 広明 渡邊 理伊知 郷堀 英司 栗田 則久 佐々木 義則 早川 麗司 津野 仁 菅原 祥夫 保坂 康夫 原 明芳
出版者
帝京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-10-21

奈良・平安時代において律令国家から、俘囚・夷俘と呼ばれたエミシたちの移配(強制移住)の研究は、これまで文献史学からのみ行われてきた。しかし近年の発掘調査成果により考古学から彼らの足跡をたどることが可能となり、本研究は考古学から古代の移配政策の実態を探るものである。今回検討を行った関東諸国では、馬匹生産や窯業生産などといった各国の手工業生産を担うエリアに強くその痕跡が認められたり、また国分僧尼寺などの官寺や官社の周辺といったある特定のエリアに送り込まれている状況が確認でき、エミシとの戦争により疲弊した各国の地域経済の建て直しや、地域開発の新たな労働力を確保するといった側面が強いことが判明した。
著者
広戸 幾一郎 平野 実 荻尾 良介 末吉 楠雄 大野 敏二
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.98-103, 1964-02-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
13

Massive dosage alinamin F (thiamine tetrahydrof uryl sulfide) therapy (150mg/day) was performed on 267 ears suffering from various type of perceptive deafness. Therapeutic effect was found in 34.5% of the series. It must be emphasized that the earlier the patient began to undergo this treatment, the more favorable result was obtained. 79.2% of the patients who began to undergo the treatmant within one week from the onset of the disease proved effective, and in the cases that were treated within one month from the beginning of deafness 74.3% benefited from the treatment. To our regret, nearly half of the series had began to undergo the treatment in more than half years from the onset of deafness with satisfactory result only in less than 30% of them.The therapeutic effect was most markedly observed when the treatment was continued during two or three months.
著者
平野 敦史
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.758-763, 2018 (Released:2018-07-25)
参考文献数
13

ホイール剛性が操安性に影響することは経験的に知られているが,単に剛性を高めようとすると重量増となる例が多く設計精度の向上が求められている.前報ではディスク剛性とリム剛性の操安性への異なる影響について報告した.本稿ではタイヤの接地特性,動特性との関係について追加検証し操安性影響のさらなる解明を試みた.