著者
若林 満 鹿内 啓子 後藤 宗理
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大學教育學部紀要. 教育心理学科 (ISSN:03874796)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.137-155, 1982-12-28
被引用文献数
1

国立情報学研究所で電子化したコンテンツを使用している。
著者
竹上 健 後藤 敏行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理
巻号頁・発行日
vol.97, no.509, pp.15-22, 1998-01-23

本論文では, 1台のカメラで入力した画像を処理することにより, 被験者に非接触でかつ頭部の固定や眼鏡等の装着なしに高精度な視線検出が可能なアルゴリズムについて述べる. 本手法は, 視線方向の変化に伴って角膜における光源の反射像の位置が虹彩領域 (黒目部分) 内で変化することに着目したもので, 虹彩領域内の角膜反射像の相対位置と視線方向との関係式に基づき, 画像処理により視線方向を推定するものである. 従来の瞳孔像と角膜反射像を利用する方法や頭部の方向を基準として視線方向を推定する方法と比較して, 照明系の光学条件が緩和でき, また安定な特徴として得られる角膜反射像や虹彩領域を利用することにより, 頭部に固定や指標等を装着することなく高精度な計測が可能になる. 評価実験の結果, 頭部が±30mm程度揺らいだ場合でも±15deg.の範囲で±0.5deg.の精度で視線方向の検出が可能であり, 本手法の有効性が検証できた.
著者
吉岡 秀人 後藤 隆文 秋山 卓士
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.831-836, 2001
被引用文献数
9

症例は12歳男児で仙尾部の腫瘤を主訴として来院したhuman tailであった.神経症状はなく, さらにCT, MRIを施行し脊髄との連絡がないことを確かめた後, 単純切除を行い術後経過は順調である.human tailの定義は, 現在も曖昧であるが, 真のhuman tailとは, 腰部付近から肛門縁までに存在する突起物で, 病理学上他の腫瘍性病変を除外した腫瘤に用いられる総称と定義した.通常は仙尾部付近に腫瘤を認めることが多く, その組織像は骨・軟骨などを含むことはまれで脂肪組織のみのものが多い.また様々な合併症が報告されているが, 本邦例ではその約35%に二分脊椎の合併があり, 時に腫瘤は脊髄と連絡を持つため術前に神経学的症状, 直腸膀胱障害の有無を確かめ, MRI, CTを施行し二分脊椎や脊髄との連絡がないことを確認した後, 摘出術を行う必要がある.
著者
飯田 寛志 後藤 顕一
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.285-297, 2015
被引用文献数
2

理科授業における, 資質・能力を育成する教育改革に対応した学習評価の在り方について, 国内外の調査では資質・能力の育成の柱の一つである「子供の主体的な学びを引き出す学習を促進させていく」ことに課題があることがわかっている。その改善のためには「内容と学習活動と学習評価」を一体としてつないでいき, 子供の学習意欲を引き出し, 主体的・協働的な学びを促進し, それらを含め資質・能力に結び付けていくことが求められる。さらに, カリキュラム・マネジメントに基づき, 行った実践や学習評価を検証・再構成していくことが必要であると考えられる。そこで, 主体的な学びを引き出すために, 相互評価表を用いる学習活動を取り入れた授業の実践を試行した。相互評価表を用いる学習活動とは, 授業における学習課題に対する記述について, 一定の評価規準を用いて生徒それぞれが自己評価と他者評価を行い, 評価結果とともに課題に対する記述を振り返る中で, 主体的に学習に取り組みながら表現力等を育成することを目的とするものである。本研究は, 相互評価表を用いる学習活動をデザインし, 実践を試行, 検証するPDCAサイクルを授業づくりのプロセスとして意識して取り組む中で, 相互評価表を用いる学習活動の持つ主体的な学びを醸成する仕組みについて明らかにすることをねらいとして行った。実践の結果, 相互評価表を用いる学習活動を取り入れた授業の実践とその授業づくりの過程は, 教師の評価観の転換を促すとともに, 生徒の主体的な学びを引き出すために必要な要素の一つである, 学習意欲の向上に寄与する可能性があることが示唆された。
著者
白上 洋平 後藤 尚絵 西脇 伸二 丹羽 優佳里 久保田 全哉 岩下 雅秀 小野木 啓人 林 隆夫 前田 晃男 齋藤 公志郎
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.104, no.9, pp.1377-1382, 2007 (Released:2007-09-05)
参考文献数
29
被引用文献数
2 5

症例は33歳男性.心窩部痛を主訴に来院.上部消化管内視鏡検査にて胃および十二指腸粘膜のびらん,浮腫を指摘され入院となった.入院経過中に,胃十二指腸炎の増悪を認めた.血清抗サイトメガロウイルス(以下CMV)抗体価の上昇と,胃粘膜生検組織にて核内封入体を認め,CMV胃十二指腸炎と診断した.健常成人のCMV感染症において,胃のみならず十二指腸まで病変を認める例は極めてまれであると考え報告する.
著者
圓 純一郎 石井 則久 後藤 正道
出版者
日本ハンセン病学会
雑誌
日本ハンセン病学会雑誌 (ISSN:13423681)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.5-10, 2011-02-01 (Released:2012-02-02)
参考文献数
15
被引用文献数
2 6

Buruli ulcer is a skin disease caused by Mycobacterium ulcerans (M. ulcerans). In this review, we introduce our recent studies and other important works. Lesions of Buruli ulcer are usually painless, despite the extensive tissue necrosis. We have reported that mice inoculated with M. ulcerans show nerve degeneration and absence of pain, but the mechanism evoking the nerve damage have not been clarified. In order to define whether mycolactone, a toxic lipid produced by M. ulcerans, can induce nerve damages, we have injected mycolactone A/B to BALB/c mouse footpads. Mycolactone induced footpad swelling, and sensory test showed hyperesthesia on day 7 and 14, recovery on day 21, and hypoesthesia on days 28 and 42. Histologically, nerve bundles showed hemorrhage, neutrophilic infiltration, and loss of Schwann cell nuclei on days 7 and 14. Semithin section studies revealed vacuolar change of Schwann cells started on day 14, which subsided by day 42, but myelinated fiber density remained low. This study suggests that mycolactone directly damages nerves and is responsible for the absence of pain characteristic of Buruli ulcer. In the human lesions, presence of neuritis is reported (Rondini S, 2006), and murine studies showed "autoamputation" (Addo P, 2005). In order to prevent the serious deformities evoked by Buruli ulcer, further studies are necessary.
著者
渋谷 俊昭 金山 圭一 上野 健一郎 木村 洋子 後藤 昌彦 籾山 正敬 北後 光信 白木 雅文
出版者
朝日大学
雑誌
岐阜歯科学会雑誌 (ISSN:03850072)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.91-95, 2010-10-20

歯周組織に及ぼす喫煙の影響を検討する目的で,歯肉線維芽細胞へのニコチンの影響について検討した.歯肉線維芽細胞は通常の培地で24時間培養され,次に1μg/ml,0.1μg/ml,0.01μg/ml のニコチン含有培地で培養した.細胞増殖能を測定するために培養終了24時間前に3H-Thymidine を添加した.培養終了後に放射能計測を行い,細胞分裂能を観察した.さらに同様の培養後に細胞形態を観察した.また細胞骨格の観察の目的でFITC Phalloidin で染色し,ストレスファイバーの観察をおこなった.ニコチン添加1μg/ml 群では有意に細胞増殖能が低下した.また1μg/ml 群では細胞形態は紡錘型を呈していた.さらに細胞骨格のストレス線維は収縮し,粗になっていた.これらの結果から,歯肉線維芽細胞の増殖にニコチン摂取が抑制的に関与することが示唆された.
著者
後藤 憲子
出版者
Japan Society of Family Sociology
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.21-29, 2009

1995年から2005年の10年間で,就学前の幼児を育てている家庭の世帯年収は全体的に減少傾向が見られたが,1ヵ月あたりの平均教育費は増加していた。全体的に年収が減少しているのに対し,教育費は増加しているので,この10年間で世帯年収に占める教育費の比率は上がっていることになる。学力低下を危惧する世論が就学前の子どもを持つ保護者にも影響を与え,習い事などに使う金額が増えていることがわかった。母親の学歴別に子ども一人あたりの平均教育費をみると,高等教育(短大も含む,以下同)を受けた母親と高卒の母親の間で,95年から05年の10年間で,教育にかける金額の差が大きくなっていることがわかった。また,習い事などの実施状況をみると,高等教育を受けた母親で英語の実施率が高くなっていることがわかった。将来のために幼児期から行う習い事として,高収入・高学歴層で英語の実施率が高くなっていた。
著者
後藤 憲子
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.21-29, 2009-04-30 (Released:2010-04-30)
被引用文献数
1

1995年から2005年の10年間で,就学前の幼児を育てている家庭の世帯年収は全体的に減少傾向が見られたが,1ヵ月あたりの平均教育費は増加していた。全体的に年収が減少しているのに対し,教育費は増加しているので,この10年間で世帯年収に占める教育費の比率は上がっていることになる。学力低下を危惧する世論が就学前の子どもを持つ保護者にも影響を与え,習い事などに使う金額が増えていることがわかった。母親の学歴別に子ども一人あたりの平均教育費をみると,高等教育(短大も含む,以下同)を受けた母親と高卒の母親の間で,95年から05年の10年間で,教育にかける金額の差が大きくなっていることがわかった。また,習い事などの実施状況をみると,高等教育を受けた母親で英語の実施率が高くなっていることがわかった。将来のために幼児期から行う習い事として,高収入・高学歴層で英語の実施率が高くなっていた。
著者
後藤 邦康
出版者
公益財団法人 日本醸造協会・日本醸造学会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.104, no.3, pp.209-214, 2009 (Released:2016-01-19)
参考文献数
14
被引用文献数
1

酒米47点,市販清酒および酒粕各25点中のカドミウム(Cd)濃度を測定した。試料は硝酸と過酸化水素を用いたマイクロ波分解装置により調整し,誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP-AES)により分析を行った。測定した酒造用玄米,70%精白米および市販酒粕中のCd濃度は平均でそれぞれ29.9,25.3,154.7μg/kg,市販清酒中のCd濃度は1.29μg/lであった。70%精白米中のCd濃度は玄米の約78%(7試料の平均値)となった。以上の結果から,精米工程によるCd濃度の減少効果は少なく,また原料米中のCdは清酒へはほとんど移行せず,酒粕に移行する可能性が示された。
著者
渡部 龍正 鍬田 泰子 後藤 浩之
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.I_244-I_252, 2012 (Released:2012-07-26)
参考文献数
11

北海道では,軟弱な泥炭地盤が広がり,地震時には宅地や地中管路に被害が出やすい.北海道浦河町にも泥炭が堆積しており,1982年浦河沖地震や2003年十勝沖地震では建物被害だけでなく地中の水道管路にも被害が発生した.本研究では浦河町を対象にして,表面波探査から表層の泥炭地盤のS波速度や深さを推定し,泥炭地盤を有する断面の地震応答解析によって,表層の地盤ひずみを算出した.狭隘な谷筋に堆積した地盤の基盤面が不整形であることだけでなく,泥炭地盤のS波速度や深さが地盤ひずみに大きく影響することが明らかになった.さらに,基盤面の勾配が大きいところで過去の地震における管路被害が多く発生していることが分かった.