著者
平井 辰典 中野 倫靖 後藤 真孝 森島 繁生
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.66, no.7, pp.J251-J259, 2012 (Released:2012-06-25)
参考文献数
12
被引用文献数
2

We present a method that can automatically annotate when and who is appearing in a video stream that is shot in an unstaged condition. Previous face recognition methods were not robust against different shooting conditions, such as those with variable lighting, face directions, and other factors, in a video stream and had difficulties identifying a person and the scenes the person appears in. To overcome such difficulties, our method groups consecutive video frames (scenes) into clusters that each have the same person's face, which we call a “facial-temporal continuum,” and identifies a person by using many video frames in each cluster. In our experiments, accuracy with our method was approximately two or three times higher than a previous method that recognizes a face in each frame.
著者
北村 泰佑 後藤 聖司 髙木 勇人 喜友名 扶弥 吉村 壮平 藤井 健一郎
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-000884, (Released:2016-06-30)
参考文献数
25
被引用文献数
4

患者は86歳女性である.入院1年前より認知機能低下を指摘され,入院2週間前より食思不振,幻視が出現し,意識障害をきたしたため入院した.四肢に舞踏病様の不随意運動を生じ,頭部MRI拡散強調画像で両側基底核は左右対称性に高信号を呈していた.血液検査ではビタミンB12値は測定下限(50 pg/ml)以下,総ホモシステイン値は著明に上昇,抗内因子抗体と抗胃壁細胞抗体はともに陽性であった.上部消化管内視鏡検査で萎縮性胃炎を認めたため,吸収障害によるビタミンB12欠乏性脳症と診断した.ビタミンB12欠乏症の成人例で,両側基底核病変をきたし,不随意運動を呈することはまれであり,貴重な症例と考え報告する.
著者
関口 正之 山崎 正夫 後藤 典子 等々力 節子 萩原 昌司
出版者
日本食品照射研究協議会
雑誌
食品照射 = Food irradiation, Japan (ISSN:03871975)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.14-23, 2007-09-30
被引用文献数
3 1

熱ルミネッセンス(TL)法による照射食品の検知は、欧州でハーブやスパイス、バレイショなどを対象に試験室間共同試験が実施され、分析法としての妥当性が確認されている。TL法は1996年に欧州規格EN1788となり、2001年に改訂され現在に至っている。本研究では、海外旅行者がトルコの空港で購入したスパイス(12種類)を試料として、TL測定を行った。TL比の算出にあたっては、当所で使用している70〜400℃の積算温度範囲の他に、EN1788が推奨するTLD-100素子で設定した積算温度範囲、およびDolomiteから試作した素子で設定した積算温度範囲も採用した。それぞれの積算温度範囲から算出した積算発光量のTL比に与える影響を調べた。TLD-100とSaffronについては、2つの研究機関で発光ピーク温度やTL比を測定し比較した。
著者
後藤 浩子 Goto Hiroko
出版者
法政大学経済学部学会
雑誌
経済志林 (ISSN:00229741)
巻号頁・発行日
vol.82, no.1, pp.207-238, 2015-03

Compared with other European countries, the development of arts' institutes such as academies of arts and galleries was considerably slow in Great Britain. The Crown did not actively promote and support the arts until the late eighteenth century. Instead, voluntary clubs and societies of arts became places where connoisseurs, antiquaries, art amateurs, and artists mingled. This private-sector vitality can be seen as the British enlightenment movement on the arts scene and was to have a considerable influence on the features of the British museum. This paper shows how the enlightenment formed the British Museum and analyses the changes in purchases of collections and their backgrounds in the following three phases: Firstly, Sloane's collection and natural history; secondly, antiquarian collections and the Dilettanti; and thirdly, the Elgin collection and aesthetic controversy. In conclusion, the museum formed by the enlightenment is characterized by the three concepts of an institute of scientific and aesthetic instruction, a cultural asylum, and a device for aesthetic critique in the public sphere.
著者
後藤 敏行
出版者
科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.74-86, 2007-05 (Released:2013-12-18)
被引用文献数
2

保存メタデータはデジタル保存の過程を支援,記録する情報である。その種類には,ファイルフォーマットに関する情報,重要属性に関する情報,利用環境に関する情報,固定性に関する情報,技術特性に関する情報,来歴に関する情報,等がある。研究開発の現時点での到達点はPREMISの最終報告書であり,保存メタデータ要素のコアセットを詳細に定義,記述している。相互運用性確保のために,メタデータのエンコードと通信の標準であるMETSでそれらを実装することが望ましい。効率的・効果的な保存メタデータ付与の課題として,保存メタデータの自動生成ツールの開発,リポジトリ間での保存メタデータ共有,デジタル情報作成者側の協力,がある。
著者
伴 匡人 後藤 雅史 石原 直忠
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.27-33, 2014-12-20 (Released:2015-12-20)
参考文献数
29

ミトコンドリアは細胞内のエネルギー生産のみならずさまざまな細胞機能に関与する多機能なオルガネラである.ミトコンドリアは細長く枝分かれ構造をもつが,同時に活発な融合と分裂サイクルによりその形態を変化させており,このダイナミクスの制御には種を超えて保存されたGTPase群が機能している.近年,哺乳類においてこれらの関連遺伝子の欠損マウスが構築されたことで,初期発生や組織形成への効果など個体における機能が明らかになりつつある.さらに精製タンパク質や人工脂質膜小胞を用いた解析により,融合・分裂の際のGTPaseの挙動,脂質膜形態の変形機構が示されつつある.また最近ではミトコンドリアの形態制御異常が,神経変性疾患,代謝疾患や老化などに関与することから,融合と分裂の分子機構はさらに大きな注目を集めつつある.ここでは哺乳類を中心にミトコンドリアの形態制御に関する最新の知見を踏まえて概説する.
著者
後藤 晃
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.10-16, 1991-02-25

In recent years, cooperative research programs have become popular in Western Countries.These programs help participating firms to increase the efficacy of their research activities and use of funds, and reduce the hesitation to support basic research stemming from fear of the inevitable spillover of research results.On the other hand, cooperative research programs have draw backs such as the cost of organizing and operating research institutions, and disturbing free competition in the market place. Therefore, pre- and post-evaluations for programs are indispensable.Finally, we have to pay attention to the danger that this tide of cooperative research may lead to an undesirable increase in "Techno-nationalism".
著者
武田 則之 安田 圭吾 林 慎 後藤 忍 青山 かおり 伊藤 康文 堀谷 登美子 北田 雅久 野津 和巳 岡 暢之 加藤 譲 三浦 清
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.10, pp.767-771, 1989

症例は23歳女性.1983年9月一過性のthyrotoxicosisで受診.禰漫性の甲状腺腫を認め, 抗甲状腺マイクロゾーム抗体 (MCHA) 陽性.759経口糖負荷試験で血糖前値137mg/d<I>l</I>, 2時間値271mg/d<I>l</I>.1年後妊娠し, 1984年12月帝王切開で女児出産.妊娠中free thyroxine値は正常でMCHAの抗体価は低下した.妊娠中インスリンを使用したが, 産後にSU剤に変更出産3ヵ月後にpostpartum thyroiditisによると考えられるthyrotoxicosisと糖尿病性ケトアシドーシス (DKA) を同時に発症.DKA改善後も1日30単位以上のインスリンを必要とした.抗ラ氏島細胞抗体 (ICA) は妊娠中も出産後も持続性に陽性.血中C-peptide基礎値は妊娠18週0.4ng/m<I>l</I>, 26週0.7ng/m<I>l</I>であったが, DKA発症以後は測定感度以下で, グルカゴン試験時のC-peptide反応頂値も0.7ng/m<I>l</I>と低値HLADR4を有していた.本例はNIDDMの病像で発見され, 産後にIDDMの病像が顕性化した症例と考えられた.妊娠, 出産に伴う免疫機能の変動と, IDDMの進展との関連, が示唆された.
著者
藤井 恵介 川本 重雄 平山 育男 溝口 正人 後藤 治 大野 敏 藤川 昌樹 光井 渉 大橋 竜太 清水 重敦 藤原 重雄 加藤 耕一 角田 真弓 野村 俊一 上野 勝久
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、日本の建築と都市にかかわって、<天災・人災→被害→修理・再建・再生>というプロセスについて、日本の7世紀から20世紀まで、実例を調査、収集する。そして特にその際に起きた技術革新と建築様式の変化を明らかにすることが目的である。主要な成果は以下の通り。①安元3年(1177)に起きた京都大火と治承4年(1180)の南都焼討は、大仏様を誘発する契機となり、和様を中心様式から引きずり下ろした。②明治24年の濃尾地震(1891)は、その後の近代建築の耐震性上昇などの大きな誘因となった。しかし、被害が過剰に報告されるなど、情報が操作された点も多い。
著者
篠原 美千代 内田 和江 島田 慎一 後藤 敦
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.73, no.8, pp.749-757, 1999-08-20 (Released:2011-02-07)
参考文献数
19
被引用文献数
1

手足口病の主要な原因ウイルスであるコクサッキーウイルスA16型 (CA16) とエンテロウイルス71型 (Ev71) の簡便な検査方法, 特に中和反応を用いない同定方法を検討した.ウイルス分離では1990年にはVero細胞による分離が最も多かったが, 1994年以降は分離数が減少し, 代わってCaco-2細胞による分離が増加した.1998年はCA16の分離にMRC-5細胞も使用したが, Caco-2細胞と同等の感受性であった.細胞変性効果の出現はMRC-5細胞が最も早かった.CA1-10, ポリオウイルス1-3, エコーウイルス1~7, 9, 11, 14, 16, 17, 18, 24, 25, 27, 30, Ev71の各ウイルス及び分離ウイルスについてRNAを抽出し, 2種の下流プライマー (E31及びE33) を用いて2系列の逆転写反応を行った後, 同一の上流プライマー (P-2) を加えてPCRを実施した.P-2/E31の系では増幅されず, P-2/E33の系で増幅されるのはCA6, CA16, Ev71のみであった.分離ウイルスのP-2/E33系の増幅産物を制限酵素Taq I及びEcoT22Iで処理したところ, Ev71はすべて切断されなかったが, CA16はすべて切断され, その切断パターンはTaq Iでは3種類, EcoT22 Iでは1種類であった.この結果は塩基配列上の切断部位とも一致した.Caco-2, MRC-5細胞を使用してウイルス分離を行い, さらにRT-PCR, Taq I, EcoT22I切断を実施することにより1週間程度でCA16及びEv71を分離同定することが可能であった.
著者
後藤 英一
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, 1975-01-15
著者
後藤 晋
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

平成29年度は(前年度までに開発した)複数の異なる境界条件下における乱流の数値シミュレーションプログラムを実行することで順調に研究を進展させることができた。具体的には、壁乱流の典型例である『平行平板間乱流』、『境界層乱流』、『滑らかな容器内乱流』の大規模数値シミュレーションを実行し、その動力学の解明に向けた研究を進めた。主な成果は以下の通りである。(1)高レイノルズ数の境界層乱流の数値シミュレーションを実行し、得られた乱流の粗視化解析によりこの乱流中の渦の階層構造を同定するとともに、その生成機構を渦力学を用いて解明した。とくに、対数層における小規模乱流渦の生成機構がレイノルズ数の増加とともに質的に変化することを示した。さらに、渦の階層構造の時系列解析(4次元解析)により、渦の生成過程の典型例を示すことができた。(2)平行平板間の発達した乱流を数値シミュレーションし、その渦の階層構造を同定した。また、各スケールの運動が保有するエネルギーと渦の階層との関係を明らかにした。これは壁乱流におけるエネルギーカスケードの物理機構を明らかにするための基盤を与える。(3)平行平板間乱流に輸送される微小固体粒子群の挙動を調べ、そのストークス数依存性を明らかにした。とくに、粒子群のクラスタ構造と渦の階層構造との間の関係を明らかにした。(4)歳差運動をする回転楕円体容器内の乱流の数値シミュレーションを世界で初めて実行し、その3次元の流れ構造を明らかにした。とくに、容器の微小な楕円率が維持される乱流構造に与える影響を明らかにした。
著者
隅 優子 山下 小百合 後藤 剛 渡利 一生
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Eb0606-Eb0606, 2012

【はじめに、目的】 当院では、他の診療機関にて筋萎縮性側索硬化症(以下、ALS)の確定診断を受けた長期療養患者を受け入れており、ALS患者の在宅生活を支援すべく、訪問看護ステーション、ヘルパーステーション、介護支援室を開設し、その一環として訪問リハビリテーション(以下、訪問リハ)を開始した。今回、訪問リハ開設から現在までの利用者の動向を調査した。また、現在利用中のALS患者の問題点と訪問リハの内容を、担当理学療法士(以下、担当PT)及び家族へアンケートにて調査し、各々に相違がみられるか比較検討した。【方法】 利用者の動向調査は、平成12年1月~平成23年10月の期間に当院の訪問リハを利用したALS患者21名(男性11名、女性10名)を対象とし、過去の診療録をもとに調査した。調査内容は、訪問リハ開設から現在までの利用者数、利用期間および訪問リハ開始時と終了時もしくは現在の寝たきり度、使用していた医療機器、福祉機器、利用していたサービスである。また、現在利用中のALS患者のアンケート調査は、平成23年10月現在の利用者8名(男性5名、女性3名、平均年齢69.3±13.8歳)を対象とし、担当PTに対しては「現在の問題点」と「リハビリの内容」、家族に対しては「家族が考える問題点」と「利用者に必要と思うリハビリの内容」を調査した。これらはあらかじめ各々10項目ずつ選択肢を挙げておき、優先順に5つ選択する形式をとった。「現在の問題点」及び「家族が考える問題点」の選択肢は、関節可動域(以下、ROM)制限、筋力低下、痛み、坐位・立位保持困難、移乗困難、移動困難、コミュニケーション困難、排痰困難、外出困難、日常生活動作(以下、ADL)困難の10項目を挙げ、「リハビリの内容」及び「利用者に必要と思うリハビリの内容」の選択肢は、ROM訓練、筋力訓練、疼痛に対する徒手療法、坐位・立位訓練、移動訓練、コミュニケーション訓練、排痰訓練、外出支援、ADL訓練の10項目を挙げた。【倫理的配慮、説明と同意】 第47回日本理学療法学術大会で発表するにあたり、ご家族の同意を得ており、個人情報の管理には十分配慮した。【結果】 平成12年1月に訪問リハのサービス提供を開始し、その年の利用者は3名、翌年は4名と徐々に増え、平成20年、21年、22年は11名と最も多かった。現在の利用者は8名で、これまでの利用者総数は21名である。平均利用期間は36.3±36.8カ月で、最も長い利用者は11年9カ月であった。訪問開始時の寝たきり度はA-1が1名、A-2が4名、B-1が7名、B-2が1名、C-1が2名、C-2が6名であったが、現在または終了時になるとB-2が2名、C-2が19名であった。使用している医療機器では、NIPPV使用が2名から0名、在宅酸素は4名から6名、気管カニューレは10名から18名、人工呼吸器は10名から16名、胃ろうによる栄養注入は9名から16名へと変化していた。福祉機器では、ベッドの使用が19名から20名、車いすの使用は開始時、終了時ともに16名、杖・歩行器は5名から0名、ポータブルトイレは5名から3名、移動用リフトは0名から2名、伝の心等のコミュニケーション機器は0名から1名へと変化していた。他のサービスでは、全員が開始時、終了時ともに訪問看護、ヘルパーを利用しており、過半数の方がレスパイト、訪問入浴を利用していた。現在、8名の訪問リハを行っており、寝たきり度は全員C-2で人工呼吸器を装着している。家族へのアンケート結果から利用者の問題点として「コミュニケーション困難」と答えた方が100%、「ROM制限」が87.5%、「ADL困難」が75.0%であった。担当PTでは「ROM制限」が100%、「筋力低下」が87.5%、「排痰困難」が75%であった。家族が利用者に必要と思うリハビリの内容は、「ROM訓練」が100%、「排痰訓練」が75%、「筋力訓練」が75%であった。担当PTでは「ROM訓練」が100%、「疼痛に対する徒手療法」が87.5%、「排痰訓練」が75%であった。【考察】 動向調査から、利用者は徐々に増加しているが、その中に占めるランクB・Cの割合も増え介護負担の大きい家族も多いのではないかと考える。アンケートでは、家族はROM制限以外にコミュニケーションやADLを問題と考えていたが、担当PTでは低い結果となった。また、ROM訓練や排痰訓練は家族・担当PTとも必要と考えていたが、筋力訓練に関しては担当PTでは低い結果となった。今後は家族が問題と感じている点を調査し、リハビリの内容だけでなく福祉用具の検討などアプローチに繋げると共に、家族に対し訪問リハの実施計画を十分説明し、お互いが共通認識を持ったうえでサービスを提供することが必要と考えた。【理学療法学研究としての意義】 ALS患者は進行に伴いADLや意思疎通が困難になるにつれ、家族の負担も大きくなる。その中で訪問リハの担当PTと家族の意見を一致させることは重要であり、今回の取り組みは意義があったと考える。