著者
山本 政幸 石川 重遠 後藤 吉郎
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第56回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.G03, 2009 (Released:2009-06-16)

本考察は、19世紀アメリカで発達したゴシック体活字について、世紀末に23の鋳造所が合併してできたアメリカ活字鋳造会社(American Type Founders Company)の設立過程を追いながら、その特徴を明らかにすることを目的としている。まず、アメリカで最初のゴシック体活字が掲載されたボストン活字鋳造所の1837年の見本帳を実際に検証した後、19世紀後半に小文字やイタリックを加えていった各地の鋳造所の活字見本を追う。次に、合併後に書体デザイン部門や資料図書館を設置して新活字の計画的な生産に取り組んだアメリカ活字鋳造会社の方針を明らかにする。最後に、モリス・F・ベントンの仕事と、彼の設計したFranklin Gothic、Alternate Gothic、News Gothic、Lightline(Gothic)という四つの代表的なゴシック体のデザインの特徴を探る。
著者
後藤 哲久 堀江 秀樹 大関 由紀 増田 英昭 藁科 二郎
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.80, pp.23-28, 1994-12-28 (Released:2009-07-31)
参考文献数
11
被引用文献数
9 12

市販緑茶7茶種87点を集め,その一般化学成分として全窒素,全遊離アミノ酸,タンニン,カフェイン,中性デタージェント繊維(NDF),アスコルビン酸,また,個別遊離アミノ酸としてアスパラギン酸,アスパラギン,グルタミン酸,グルタミン,セリン,アルギニン,テアニンの含有量を測定した。全窒素,全遊離アミノ酸含有量は,玉露,抹茶が煎茶等と比較して多く,タンニンは逆に煎茶が多かった。煎茶,釜いり製玉緑茶,むし製玉緑茶の3茶種の間では,今回測定した6種類の主要化学成分の含有量に有意差は見られなかった。番茶,ほうじ茶の全窒素含有量は下級煎茶に近いものであったが,NDFはほうじ茶において極端に多かった。アルギニン,テアニンの含有量は同一茶種のクラス間で差が大きく,全窒素,全遊離アミノ酸とともに品質の指標として用いうる可能性が示された。
著者
後藤 哲二
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.1257-1258, 1991-12-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
1
著者
後藤 顕一 松原 憲治
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.17-32, 2015-07-18 (Released:2015-09-30)
参考文献数
46
被引用文献数
4

社会の変化に伴い, 求められる資質・能力 1)の育成が一層重視され, その育成を目指す教育改革が進められている(例えば, 文部科学省, 2014a)。そこで, 理科授業研究において, 資質・能力の育成を目指す教育改革に対応した学習指導について多面的な視点から整理を試みた。国内外の調査では資質・能力の育成の柱の一つである「子供の主体的な学びを引き出す学習を促進させていく」ことに課題があることがわかっている。その改善のためには, 子供の主体的な学びの実現に向けて, 理科を学ぶ目的を意識するとともに, 「内容と学習活動と資質・能力」を一体としてつないでいき, 自らの学びを振り返ることができるようにすることや, 子供の学習意欲を引き出せるような教師の指導に向けて, 主体的・協働的な学びを促進し, それらを含め学習評価に結び付けていくようにすることが求められる。さらに, 理科授業研究において, カリキュラムマネジメントに基づき, 授業実践や学習評価につなげ, 検証・修正を重ね, 改善を図り, 次の学びや指導につなげ続ける仕組みを構築することが求められる。そこで, 資質・能力の育成のためにカリキュラムマネジメントに基づく理科授業研究モデルの構築に向けて, 子供の学び, 教師の指導といった二つの視点を置きながら, 内容・学習指導と評価の一体化について検討した。
著者
須藤 ありさ 片桐 誠一朗 赤羽 大悟 大月 俊輔 山田 晃子 勝呂 多光子 浅野 倫代 吉澤 成一郎 田中 裕子 古屋 奈穂子 岡部 聖一 藤本 博昭 後藤 守孝 後藤 明彦
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.83-88, 2022 (Released:2022-03-08)
参考文献数
15

剥離性食道炎は食道扁平上皮組織のシート状脱落を特徴とする稀な疾患である。抗凝固薬など薬剤性の報告があるが,造血幹細胞移植に合併した報告は少ない。今回,移植後早期に剥離性食道炎を発症した急性骨髄性白血病(AML)を経験した。症例は52歳,女性。FLT3-ITD変異陽性AML第一寛解期にFBM(fludarabine 180 mg/m2,busulfan 12.8 mg/m2,melphalan 80 mg/m2)による非血縁者間同種末梢血造血幹細胞移植を実施した。GVHD予防は,tacrolimusおよび短期methotrexateを実施した。前処置中よりCTCAE grade 3の嘔吐を認めていた。移植後5日目に嘔吐した際,長さ10 cm,幅1 cmの白色帯状物を口腔内より排出した。上部消化管内視鏡検査で食道全域の粘膜剥離を確認し剥離性食道炎と診断した。保存的加療で改善を認めた。前処置関連毒性を背景に,頻繁な嘔吐による食道への機械的圧力が粘膜剥離に寄与した可能性が考えられた。移植前処置として普及しているFBMにおいても剥離性食道炎に対し,十分な注意が必要である。
著者
後藤 秀章
出版者
日本森林学会
巻号頁・発行日
vol.91, no.6, pp.479-485, 2009 (Released:2011-03-28)

日本産キクイムシ類の分類について、これまでの研究史を述べるとともに、キクイムシ類研究の基礎的資料として、日本産キクイムシ類の学名、および和名のリストを作成し、その中で5種について新たに和名を与えた。その結果日本産のキクイムシ類はキクイムシ科302種、ナガキクイムシ科18種が記録されていることがわかった。
著者
吉村 佳津司 後藤 春彦 山村 崇
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.1365-1371, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
25

近年、子ども達の遊びの貧困化や受動化が進み、子ども達の心身の成長に悪影響を及ぼす事が危惧されている。本研究では子どもの成長の観点から、非認知能力の一つである自己効力感に着目し、自己効力感と遊びの関係性を検討した。その結果、地域で活発に展開されている外遊びが自己効力感と強い正の相関関係を持つことが明らかになった。また、該当する外遊びと遊び場の関係性を検討した結果以下の2点が明らかとなった。 1)遊び場に対して単に物理的要素だけではなく、「遊び場に行けば友達がいる」や、「友人と集合しやすい」等社会的要素が重視されている。 2)子どもが遊び場に対して多様な解釈を行い、自分なりの遊び方や遊び場を創造している。
著者
槇原 寛 北島 博 後藤 秀章 加藤 徹 牧野 俊一
出版者
森林総合研究所
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.165-183, 2004 (Released:2011-03-05)

小笠原諸島に近年移入されたイグアナ科トカゲ、グリーンアノールが在来昆虫相に与えた影響を推定するため、野外および網室で捕食行動を観察した。網室内のグリーンアノールは餌として与えた昆虫等のうち、比較的小型の種(たとえば体長約2cm以下の甲虫)を捕食したが大型種(体長約3cm以上の甲虫、チョウ)は捕食しなかった。また小笠原諸島母島でグリーンアノールが蔓延する以前(1983、1985、1986年)とそれ以後(1995、1996、1997)のカミキリムシの採集記録を比較した。夜行性のカミキリムシ11種のうち、蔓延後に採集されなくなったものは1種もいなかったのに対して、昼行性の5種のうち3種がまったく採集されなくなった。これらから、侵入者であるグリーンアノールは、小笠原の昼行性小型昆虫を激しく捕食することにより、少なくとも一部の種の生息数を激減させている可能性が強いと考えられる。
著者
後藤 晃 Goto Akira
出版者
神奈川大学
雑誌
商経論叢 (ISSN:02868342)
巻号頁・発行日
vol.36(1), pp.85-118, 2000-05-30
著者
後藤 晃 Goto Akira
出版者
神奈川大学
雑誌
商経論叢 (ISSN:02868342)
巻号頁・発行日
vol.34(4), pp.71-134, 1999-03-25
著者
後藤 晃 Goto Akira
出版者
神奈川大学
雑誌
商経論叢 (ISSN:02868342)
巻号頁・発行日
vol.34(3), pp.154-262, 1999-02-25
著者
中岡 暖 後藤 春彦 山村 崇
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.235-242, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
15

昨今、就業者の精神的疲労は深刻な問題であり、その疲労の蓄積が健康を損なうことが懸念される。就業者の健康と生産性を下支えする労働環境への関心の高まりから、オフィス内部空間の環境改善を中心として研究が進められているが、外部環境のありかたについての議論は不十分である。本研究では、業務市街地のオープンスペースに着目し、利用者の精神的疲労度に与える影響を明らかにすることに加え、精神的疲労を低減させる歩行空間の環境特性を記述することを目的とした。その結果、オフィス足元のオープンスペースが一般的な業務市街地とは異なり、精神的疲労を低減させることが明らかになった。また、被験者が知覚した空間構成要素に対する評価理由から、歩行空間の一体的な整備が高い評価を得ていること、またベンチやその利用者の様子を知覚することで、自らの利用シーンを想像し、歩行空間への評価を高めていることも伺えた。
著者
後藤 早智 茂木 瑞穂 薮下 綾子 三輪 全三 髙木 裕三
出版者
一般財団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.193-201, 2012-06-25 (Released:2015-03-17)
参考文献数
25
被引用文献数
1

歯科用局所麻酔剤スキャンドネストⓇ(3%メピバカイン塩酸塩製剤)は,血管収縮薬,防腐剤や酸化防止剤等の添加物が無配合,短時間作用型という特徴を持つことから小児歯科治療において有用であると考えられるが,小児に対しての国内での使用成績の報告は少ない。そこで,本研究では,小児歯科治療における本剤の臨床的有用性を検討した。対象は東京医科歯科大学歯学部附属病院小児歯科外来で局所麻酔下にて窩洞形成や抜髄等の歯科治療を行った148 症例で,術者および患児にアンケート調査を行った。局所麻酔剤はスキャンドネストⓇ,シタネストⓇ,シタネスト-オクタプレシンⓇ,キシロカインⓇ,オーラⓇ注の5 種類から,術者の判断で選択し,使用した。その調査結果では,麻酔効果および処置中の痛みにおいて,薬剤間による有意差は認められなかった。また,薬剤の種類と術後違和感において有意な差が認められ,スキャンドネストⓇは,他剤と比較して術後違和感が少ない傾向が認められた。以上より,スキャンドネストⓇの麻酔効果は他剤と同等で,持続的観血処置や長時間(30 分以上)の処置を除けば,術後の咬傷などを防ぐ意味でも小児歯科において有用性の高い局所麻酔剤と考えられ,他剤を含めた局所麻酔剤の選択肢が拡大したといえる。