著者
渡邊 純一郎 望月有人
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.3899-3907, 2008-12-15

さまざまな情報端末を用いて膨大な情報にアクセスすることが可能になってきているが,それらのユーザインタフェースはコンテンツの検索性という点において複雑さを増している.本研究では,複雑な操作を必要とせず所望のページにアクセスできる「本」という情報メディアに着目し,パラパラとページをめくる操作をメタファとしたブラウジングインタフェースを試作した.薄いシート状のデバイスを曲げる操作により,曲げによる弾力を手や指にフィードバックとして与えることで,実世界の本のページを自在にめくる感覚でデジタルコンテンツのブラウジングを行うことができる.このインタフェースは既存の情報端末向けのタンジブルな操作デバイスとしてだけでなく,技術開発が進んでいるフレキシブルディスプレイ向けのインタフェースとしての応用を視野に入れている.
著者
北川 裕久 田島 秀浩 中川原 寿俊 牧野 勇 藤田 秀人 林 泰寛 高村 博之 谷 卓 太田 哲生 萱原 正都 望月 健太郎 蒲田 敏文 松井 修
出版者
医学図書出版
雑誌
胆と膵 (ISSN:03889408)
巻号頁・発行日
vol.32, no.7, pp.609-614, 2011

膵癌では, borderline resectableと言えども局所癌遺残のないR0が得られなければ切除の意義は低い. 膵頭部癌切除標本の検討では病理組織学的にborderline resectableとなる主要因子は"mesopancreas"への進展である. Mesopancreasへの進展範囲はMDCTによって正確に診断可能で, 主腫瘍から連続する粗大網状影, 索状影として捉えられる. R0を得るためには, MDCTで詳細に術前進展範囲診断を行った上で術式立案をすべきである. 特にmesopancreasに関連した, 膵頭神経叢~上腸間膜動脈神経叢への浸潤, 門脈系への浸潤, 上腸間膜動脈への浸潤には注意を払う必要があり, R0のためには, 上腸間膜動脈神経叢全周郭清, 門脈合併切除, 上腸間膜動脈合併切除も考慮する必要がある. 「はじめに」膵頭部癌に対する膵頭十二指腸切除術は高難易度, 高侵襲であるが, 依然予後は不良で, 近年の抗癌剤治療の進歩に伴い, "切除"の意義が問われている.
著者
長島 渉 崎山 奈津子 鈴木 大吾 渡邉 啓介 水野 るみ子 鈴木 利恵 森本 優子 望月 寿人 會津 恵司
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.282-288, 2016 (Released:2016-12-28)
参考文献数
22

【目的】春日井市民病院では,症状緩和と療養場所の意向に関する意思決定支援を中心とした緩和ケアクリニカルパスを導入している.本研究では,自宅退院の意向を持つがん入院患者の自宅退院を困難にする要因をクリニカルパスの情報を基に探索した.【方法】2014年6月〜2015年8月の期間で緩和ケアチームが介入したがん入院患者のうち今後の療養先の意向が自宅である患者を対象とし,診療録を後方視的に調査した.自宅退院を困難にする要因についてロジスティック回帰分析を行った.【結果】解析対象43名の内,自宅退院された患者は25名(58.1%)であった.多変量解析の結果,せん妄の存在と独居が自宅退院に影響する因子として選択された.【結論】自宅退院の意向を持つがん患者の自宅退院を困難にする要因として,せん妄の存在と独居であることが示唆された.せん妄については早期発見・早期治療が,介護者の問題は早期から退院支援部門との連携が必要である.
著者
伊里 綾子 望月 聡
出版者
日本感情心理学会
雑誌
感情心理学研究 (ISSN:18828817)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.105-115, 2016-05-30 (Released:2016-12-02)
参考文献数
38

A wealth of evidence has indicated that an abundance of negative biases and a lack of positive biases in memory could be an important factors in the onset and subsequent maintenance of depression. Moreover, recent studies have suggested that attentional biases influence memory biases and biases in the information input stage might play a key role in causing these biases. Nevertheless, most studies on memory biases have investigated only recall biases, with only a few studies directly examining encoding biases. Therefore the relationship between dysphoria and encoding biases was investigated using the recognition task described by Müller et al. (2009). Results indicated that encoding positive words enhanced encoding preceding and subsequent words in non-dysphoric participants, whereas this was not the case in dysphoric participants. These results suggest that dysphoria is associated with a paucity of encoding information presented temporally close to positive information. It is suggested that future studies should investigate the impact of processing emotional information on processing other types of information in people with depression.
著者
望月 祐洋 上善 恒雄 西田 純二 中野 秀男 西尾 信彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoNA, モバイルネットワークとアプリケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.495, pp.297-304, 2014-03-07

スマートフォン等のWi-Fi対応機器が常時発信しているProbe Requestを受信するWi-Fiパケットセンサを多地点に配置してデータを収集し,匿名化処理を施してクラウドサーバ上に蓄積することでリアルタイムに人の滞留・流動を分析し,人流の時空間分布を把握するための汎用システム構築の現状について報告する.
著者
鳥居 修晃 望月 登志子
出版者
The Japanese Psychological Association
雑誌
Japanese Psychological Research (ISSN:00215368)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.146-157, 1995-10-25 (Released:2009-02-24)
参考文献数
40
被引用文献数
3

The present experiment was planned to examine whether or not the congenitally blind after surgery were capable of seeing the subjective contour, when Kanizsa's original and a modified version of it were presented for the first time. Three subjects (M. O., To. M. and K. T.) who have continued a series of experiments for visual learning with us participated in the experimental runs. All subjects have already attained the ability to identify the 2D shape and solids. Initially it was expected that the subject's response could be classified as indicating that the subjective contours were seen or that they were not. However, it was found that (1) at least another two classes of responses should be added, and (2) that the commonly reported phenomenon of subjective contours in the normally sighted was rare in the congenitally blind subjects after surgery. A theoretical implication of the results is briefly discussed.
著者
望月 賢二 Solomon Gultneh
出版者
日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.421-427, 1989-03-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
2

熊野灘および南シナ海で採集された標本をもとにスズキ科PercichthyidaeのノコバスミクイウオSynagrppsspinosusを西部太平洋から初めて記録した.本種はこれまでメキシコ湾からの原記載とスリナム沖からの標本によって知られているだけであった.そこでこれらをふくむ西部大西洋で採集された標本を調べ, 西部太平洋産の標本と比較した.その結果, 両者の間に重要な違いはなく, 同一種であるとの結論を得た.本種の形態的特徴は以下の通りである.腹鰭棘, 唇鰭第2棘, および第1背鰭第2棘の各前縁に明瞭な1小棘列を有する.第2背鰭棘に小棘列がない.磐鰭が2棘7軟条 (稀に8軟条) である.第1背鰭が9棘, 第2背鰭が1棘9軟条である.側線鱗数は29-31である.下顎側部に4-7本の大犬歯状歯列があり, そのすぐ外側に1列の微小歯列がある.脊椎骨は10+15である.本種はこれらの形質の組合せにより本科の他種と容易に区別できる.本種は底魚類の一種で, 主に100-500m水深の大陸棚および同斜面上部から底曳網類により採集されている.また, 本種の西部大西洋と西部太平洋という大きく隔たった分布について, 第三紀における海洋構造の変遷や気候の変化との関係で議論した.
著者
大石 修治 望月 圭介 平野 眞一
出版者
公益社団法人日本セラミックス協会
雑誌
日本セラミックス協会学術論文誌 : Nippon Seramikkusu Kyokai gakujutsu ronbunshi (ISSN:18821022)
巻号頁・発行日
vol.102, no.1185, pp.502-504, 1994-05-01
被引用文献数
3 6

The growih of emerald crystals by the flux evaporation method in the system Mo0_3 B_20_3 rs reported. The crys tal growth was conducted by heating a mixture of a so lute (3BeO・Al_2O_3・6SiO_2+1wt% Cr_2O_3) and a fiux (MoO_3 B_2O_3) at 1100℃, followed by holding at 1100℃ for 10, 20, 25 and 30h. The evaporation loss of flux decreased gradually with increasing amount of B_20_3 ad ded to Mo0_3 and increased with the holding time. The transparent emerald crystals were grown with the typi cal emerald green color in size up to I mm. The crystal size was dependent on the evaporation loss of flux. Hexagonal thin plate like crystals were grown from an Mo0_3 rich flux containing 0.15 0.60 wt% B_20_3. The plate like crystals were bounded by the {0001} and {1010} faces. In rare cases, the small {1120} faces ap peared. Crystals grown froun the MoO_3 flux were twelve sided prism in shape. Molybdenum trioxide con taining a small amount of B_2O_3 was found to be a suita ble flux for growing plate like crystals of emerald.
著者
小野 一 永吉 照人 望月 明
出版者
神戸大学
雑誌
兵庫農科大学・神戸大学農学部研究報告 (ISSN:0367603X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.107-110, 1968

1) アクリルアミドを担体としたディスク電気泳動を用いて, コムギの胚乳に含まれるアミラーゼの分析を行なった。2) 供試材料はTriticum monococcum var vulgar, T. timopheevi, T. durum var Stewart, およびT. aestivum var Chinese Springの4種である。3) 貯蔵種子のアミラーゼ含量は低く, T. timopheeviとT.durumにおいて, 僅かに1本の活性部位を検出できた。4) 発芽後時間と共にアミラーゼ活性は急にたかまる。発芽後3日目の胚乳のザイモグラムから合計9つのアミラーゼアイソザイムを検出した。それらに易動度の小さいものからA, B, C, ……, Iと符号をつけた。5) A, B, C, Dはα-アミラーゼ, G, H, Iはβ-アミラーゼと推定した。6) A, B, バンドは供試4種のコムギに共通の主バンドで, 各種が共通にもつAゲノムがこの形成に関与すると推察された。一方IはT. timopheeviに個有の主バンドで恐らくGゲノムに由来すると考えた。
著者
坂野 純子 菊澤 佐江子 的場 智子 山崎 喜比古 杉山 克己 八巻 知香子 望月 美栄子 笠原 麻美
出版者
岡山県立大学
雑誌
岡山県立大学保健福祉学部紀要 (ISSN:13412531)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.19-25, 2010

本研究では、大学生の精神障害者への否定的な態度をスティグマ的反応尺度により把握し、その因子構造と関連要因を明らかにすることを目的とする。青森県、大阪府、岡山県、東京都、奈良県の大学生を対象にビニエット方式で質問紙調査を実施した。ビニエットの事例疾患はうつ病、統合失調症、ぜんそくの3種類を用意し、それらを無作為に対象者に振り分けた。分析項目はビニエットの人物に対するスティグマ的反応、疾患事例、回答者の性別、専攻分野とした。大学生のスティグマ的反応を検討するために最尤法を用いたプロマックス回転による探索的因子分析を行った。その結果、「精神障害者と接することへの不安」「精神障害者の責任能力への不信」「精神科医療を受けていることへの抵抗感」「精神障害者の知的能力や生産性への期待」「精神疾患への恥辱」の5因子が抽出された。一元配置分散分析と多重比較の結果、「精神障害者の責任能力への不信」「精神障害者への恥意識」因子は、ぜんそく群よりもうつ病群および統合失調症群にスティグマ的反応が強い傾向がみられたが、両者の間には差はみられなかった。専攻分野別では「精神障害者の責任能力への不信」「精神障害者の知的能力や生産性への期待」「精神疾患への恥意識」3因子では、看護系が社会福祉系、人文社会系理工系に比べてスティグマ的反応が小さい傾向がみられた。そのうち「精神疾患への意識」因子は社会福祉系が理工系に比べてスティグマ的反応が小さい傾向がみられた。
著者
望月 弘彦
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.1183-1191, 2014 (Released:2014-10-20)
参考文献数
15

病態が安定しており、在宅復帰によってQOLの改善が見込め、患者や家族が希望していることが HPN導入の前提となる。保険診療上の適応は「医師が必要と認めた場合」であるが、より生理的な経口・経消化管から栄養投与が十分にできないことが絶対条件となる。HPNの合併症としてカテーテルに関連した感染症、カテーテルやポートの閉塞、静脈血栓、血糖や水・電解質異常、肝機能障害などに注意が必要である。アクセスデバイスにはブロッビアック/ヒックマンカテーテルや CVポート、通常の CVカテーテルや PICCカテーテルがあり、予想される HPN施行期間や患者の活動性、余命などを考慮して選択する。在宅への移行にあたっては、十分な患者・家族指導とともに輸液製剤を提供する調剤薬局も含めた在宅担当者との緊密な連携が欠かせない。さらには地域包括ケア病床などのポスト急性期、医療療養病床などの慢性期病院も活用したネットワーク造り:地域一体型 NSTの構築が望まれる。
著者
望月 正道
巻号頁・発行日
no.14, pp.19-24, 1990-08-31
著者
鳥居 修晃 望月 登志子
出版者
日本心理学会
雑誌
心理学ワ-ルド
巻号頁・発行日
no.16, pp.21-24, 2002-01