著者
佐々木 正晴 鳥居 修晃 望月 登志子
出版者
日本基礎心理学会
雑誌
基礎心理学研究
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.85-97, 1994

The characteristics of the visual and tactual activities were investigated in a congenitally blind person before and soon after an operation performed for regaining his sight. The subject was born blind due to congenital cataracts, and underwent aspiration of both cataractous lenses at the age of 9. Before the operation, his ERG was normal. After the operation he wore +12D lenses. The results obtained were as follows: (1) Before the operation, he could identify colors. To some extent, he could also count objects, discriminate the size of 2 two-dimensional rectangles or two circles. On the other hand, he could not identify two-dimensional figures. (2) During the 15 days after the second eye operation, his percentage of correct responses increased in all tasks, except for discrimination of the size of 2 two-dimensional circles. (3) Postoperatively, the patient no loger attempted to touch objects after counting them and discriminating the size of 2 two-dimensional rectangles, but with either size discrimination of the circular shapes or identification of shapes, he touched them after looking at them, just as before the operation.
著者
望月 てる代
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究は,食事からのフラボノイド摂取量を求めるために必要な資料として,日常摂取している野菜・果実中のフラボノイド量と加熱による変化を調べることを目的とした。日常摂取することの多い数種類の野菜・果実を試料として,80%メタノールによる抽出,塩酸による加水分解を行ってアグリコンとした後の100%メタノール溶出部分を分析用試料液とした。フラボノイドの分析は,3種類の移動相を使用したグラディエント溶出による高速液体クロマトグラフィーで行った。検出器はダイオードアレイ検出器を使用し,254nmと280nmで測定した。この分析により,以下の結果が得られた。(1)大型のピーマンであるパプリカ中の総フラボノイド量は,果皮色により差異が見られ,黄色果実に最も多く,次いで赤色,橙色の順であった。総フラボノイド量を従来の緑色ピーマンと比較したところ,どの果皮色の果実も緑色ピーマンとの間に有意な差が認められた。(2)数種類の柑橘類中のフラボノイドとしては,ナリンゲニンとヘスペレチンが多く含まれており,いずれの果実においてもこの2種類が総フラボノイド量の約90%を占めていた。ミカン,オレンジのようにじょうのうを含む場合には,特にヘスペレチンの量が多くなっていた。(3)野菜類に含まれる主なフラボノイドは,ケルセチン,ケンフェロール,ルテオリンそしてアピゲニンであった。総フラボノイド量は,種類によってかなり大きな差異が見られた。ゆでる,あるいは電子レンジによる加熱の後,総フラボノイド量は一般に減少する傾向が認められた。
著者
望月 貴裕 藤井 真人 篠田 浩一 酒井 善則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.93, no.6, pp.1009-1023, 2010-06-01
被引用文献数
2

スポーツ映像から特定シーンを効率良く検索する技術の実現が強く望まれている.我々は,シンボル列化したシーンの離散HMMを用いた学習による,野球映像の各シーンのプレイ種識別手法を提案した.しかし,出塁及びアウトカウント増加の起こる7種の「打席完了」プレイ種のみを識別対象としていたため,打席の完了しないプレイ種(投球のみ,ファウル,牽制及び盗塁)を識別対象に加えた場合,十分な識別精度が得られなかった.そこで本論文では,我々の従来手法に対し,新しく2種の「プレイ種相関度」を識別尺度として加えた野球映像のプレイ種識別手法を提案する.プレイ種相関度の一つは,シンボル列を構成するシンボルの中の「代表シンボル」の出現頻度に関するものであり,シンボル列全体ではなく個々のシンボルに注視した特定プレイ種との相関の強さを表す.もう一つは,投球ショット間隔に関するものであり,投球ショット間隔の長さのプレイ種との相関の強さを表す.学習用シーンのシンボル列を学習したHMMによるプレイ種ごとの出力ゆう度と,2種のプレイ種相関度を重み指数を付加して掛け合わせて各プレイ種の総合的なゆう度を算出し,識別を行う.そして本論文では,MLB放送映像を用いた実験により,打席完了プレイ種だけでなく,打席の完了しないプレイ種を含めた11のプレイ種を従来手法よりも高い精度で識別可能であることを示す.
著者
田之畑 大二郎 真田 雄介 望月 慎一 宮本 寛子 櫻井 和朗
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.37-47, 2015-02-25 (Released:2015-02-25)
参考文献数
22
被引用文献数
2

筆者らは,β-1,3-グルカンの1種であるシゾフィラン(SPG)が核酸と複合体を形成すること,その複合体が核酸医薬の薬物送達システム(Drug delivery system:DDS)の材料として利用できることを見いだした.DDSとしての有効性の検証はもちろんのことながら,その開発の基礎となり,かつ,薬事申請で必要となる複合体の構造や水溶液中での性質など基礎物性を明らかにすることは極めて重要な課題である.本報では,SPGや核酸/SPG複合体の溶液中における分子形態に焦点を当てた最近の研究成果について報告する.この中で,核酸/SPG複合体はもとの三重らせんのSPGと同様に枝分かれのない半屈曲性高分子鎖としてふるまうこと,硬さの指標である持続長はもとのSPGより減少することなどがわかった.さらに,本報ではSPGにカルボキシ基を修飾した新しいカルボン酸SPGについて紹介する.
著者
西本 哲也 望月 康廣
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
pp.13-00729, (Released:2015-01-14)
参考文献数
26
被引用文献数
1

The aim of this study was to examine micro injuries of brain tissue to gain a better understanding of head injury tolerance. Compression stress relaxation experiments were conducted in vitro, using porcine brain tissue and subsequently analysed using two stain methods; immunofluorescent stain and immunoenzymatic stain. In these in vitro stress relaxation experiments, brain specimens were compressed quasi-statically at 1 mm/s, for compression strains ranging from 10% to 50%, in ten percent increments. Using the immunofluorescent stain method, it was observed that axon tear occurred at a compression strain of 30% or greater. The distribution of the damage ratio of the transverse length to the longitudinal length of brain nerve cells (referred to as an aspect ratio) using immunoenzymatic stain method in the brain tissue under loading was also examined. This indicated that at a compression strain of 30% or greater the aspect ratio exceeded 2.0. The results of this study show that a compression strain of 30% corresponds to the threshold for the extreme aspect ratio of 2.0; where the transverse length of deformed nerve cell is two times greater than longitudinal length.

2 0 0 0 OA 仏教大辞典

著者
望月信亨 編
出版者
仏教大辞典発行所
巻号頁・発行日
vol.第5, 1936
著者
望月 昭彦 久保田 章 鈴木 基伸 磐崎 弘貞
出版者
大東文化大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

中学・高校の日本人教師のための信頼性・妥当性の高いライティングの評価規準作成を目的として、高校、高専7校、中学校3校を対象として英語熟達度テストとライィング・テストを実施した。分析の結果、(1)ライティング・テストの評価者間信頼性は高く、熟達度テストとの併存的妥当性は高いこと、(2)熟達度を見るには文の数よりも語数を見るほうが有効であること、(3)複雑さの指標と熟達度の相関は弱いこと等がわかった。
著者
田原 雄一郎 望月 香織
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.139-143, 2005
被引用文献数
2

33種のハーブのエタノール抽出液をベニヤ板製のゴキブリのシェルター(5cm×5cm, 5mm隙間)に浸漬させ, チャバネゴキブリ10頭(♂または♀)を放ったプラスチック円形容器(半径15cm, 高さ17cm)に無処理シェルターとともに対角の位置に置いた.それぞれのシェルター区に48時間で落下した糞の数から忌避性を求めた.その結果, デイル, セロリ, キャラウェイ, クミン, コリアンダー(以上, セロリ科), シナモン(クスノキ科), メース(ニクズク科)およびトウガラシ(ナス科)を処理したシェルター区には糞の落下数が極めて少なく, 無処理区のシェルターに90%以上の糞が落下した.これは, これらのハーブを処理したシェルターを忌避したからと判断した.忌避性は1ヵ月以上持続した.また, ハーブ抽出液を80倍程度希釈しても効力は維持した.他方, アニス, サンショ, オニオン, ユーカリなどの抽出液では誘引性が確認された.
著者
望月 通子 阪上 辰也 船城 道雄 田中 雄一郎 田中 舞 牛尾 佳子 手塚 まゆ子 萩野 里香 アックシュ ダリヤ 芦 媛媛 アン ジュンミン
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

(1) ICLEAJ(International Corpus of Learner Japanese「国際学習者日本語コーパス」)の構築・分析、(2)産出過程を分析対象に含めた認知的側面からの分析、(3)学習者コーパスに基づく作文技術教育のweb教材の開発について報告する。(1)はすでに構築してあった日本語作文コーパス「KCOLJ_NNS」「KCOLJ_NS」を大幅に拡充し「ICLEAJ」を構築、そのβ版をweb上で配布している。正式版を2013年8月に配布予定。モダリティ、「思う」、有対自他動詞、外来語などの研究に進展がみられた。(2)は、実験装置の事情で産出過程の記録採集は不可。 (3)教材開発の予備調査として作文の学習過程の質的研究・分析を行った。
著者
望月 俊男
出版者
専修大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

教育実習生が,児童・生徒の多様な態度や考えを踏まえた授業シミュレーションを行えるようにすることを目的に,協調的な参加型授業シミュレーション支援システムを開発した.授業シミュレーションを人形劇で行い,AR マーカー等を活用してその過程を記録した後,記録された人形劇を Web サイトにログインして再生し,相互コメントすることで,授業展開の省察・改善を協同で検討することが可能な学習環境である.このシステムの予備的評価を行った結果,通常のマイクロティーチングでは生じない,多様な子どもの役割演技を引き出すことができることが分かった。
著者
望月 照彦
出版者
多摩大学
雑誌
経営・情報研究 : 多摩大学研究紀要 (ISSN:13429507)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.63-73, 2001

21 世紀の盛り場づくりは、カオスの思想・複雑系の発想で展開しなければ、人間にとって面白くわくわくするような環境にはならない。細い小路や小さなブロック、複雑な機能を持った人々が密度高く暮らし過ごす、ごちゃまぜの街。そんな条件を持つ渋谷の公園通りのさらに裏側に今また注目すべき現象が生まれている。商機能や飲食の機能を土壌に、"知の盛り場"が生まれつつあるのである。 すなわち、ニューヨークのシリコンアレーを越える渋谷=SIBU バレー=スーパー・インテレクチュアル・ビジネス・ユニバース・バレーである。 このSIBU バレーは、世界で最初の"知の盛り場"であろう。
著者
望月 由起
出版者
日本キャリア教育学会
雑誌
進路指導研究 : 日本進路指導学会研究紀要 : bulletin of the Japanese Society for Study of Career Guidance (ISSN:13433768)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.1-9, 2004-06-30

Inquiring the development of students' educational career maturity through career guidance activities at a prep school, following results were obtained. In April, the level of girls' educational career maturity was generally higher than that of boys', and its level of the science course applicants was higher than that of the humanity course applicants. But, the difference by the scholarship level of them wasn't shown. In this prep school, career guidance activities were organized in three different directions: "university and job experience", "cooperation with parents", and "higher academic level". Regardless of the types of career guidance, almost all students showed higher educational career maturity in December. Especially "university and job experience" guidance proved effective, regardless of sex and academic record of the students. But "higher academic level" guidance did not prove effective in the degree of concern.
著者
阿部 裕輔 磯山 隆 小野 稔 斎藤 逸郎 三浦 英和 鎮西 恒雄 望月 修一 磯山 隆 小野 稔 鎮西 恒雄 斎藤 逸郎 三浦 英和 川崎 和男 望月 修一 井街 宏 バスク ジャロミル ドブザク ペーター 中川 英元 光宗 倫彦 河野 明正 小野 俊哉 時 偉 杉野 礼佳 井上 雄介 岸 亜由美
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

無拍動流完全人工心臓の可能性を検討するために、体内埋込式無拍動流完全人工心臓を開発し、成獣ヤギに埋め込んで研究を行った結果、無拍動流でも生理的制御(正常な状態に維持するための制御)が可能で、ヤギの一般状態、血行動態、肝機能、腎機能や自律神経機能を正常に保つことができることを明らかにした。しかし、無拍動流では人工心臓への十分な血液流入を維持できないことがあったため、体内埋込式完全人工心臓に生理的制御を適応する場合には、ある程度の拍動性が必要であると考えられた。