著者
村上 正祥
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.48-52, 1991 (Released:2013-02-19)
参考文献数
4
著者
村上 源太郎 名越 利幸
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.95-98, 2014

本研究室では奥羽山脈,雫石町上空,盛岡市上空に南北に伸びる波状雲を発見した.波状雲は,北西から吹く季節風が奥羽山脈の山越え気流となることで生じる定常状態にある雲である.お天気雨,風花,虹などの盛岡市でしばしば見られる気象現象の原因と考えられる波状雲は,盛岡市の気象を学ぶ上で重要な役割を担っていると考えられる.高橋(2012)は「学校気象台」動画データによる観測によって 2011 年の波状雲月別出現頻度をまとめた.北西の季節風が吹く冬に波状雲は頻繁に出現し,夏にはほとんど見られないことが分かった.本研究では 2012 年から 2014 年までの観測を行い,先行研究と同様の結果を得ることができた.また,今回の観測では南北に伸びる典型的な波状雲の他に岩手山を中心に弧を描くように形成する波状雲を発見した.これより波状雲の形成には奥羽山脈だけでなく岩手山も影響を及ぼしていることが考えられる.今後は気象条件との関係にだけでなく,地形効果との関係についても調べるため,シミュレーションソフトの利用や模型による再現を考えている.
著者
村上 隆史 一色 正男 杉村 博 横山 悠平
雑誌
研究報告デジタルコンテンツクリエーション(DCC)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.33, pp.1-7, 2015-01-19

全世界的にエネルギーマネジメントの重要性が,叫ばれ続けているなか,日本国内においても,エネルギーの高効率利用は,20 世紀後半より継続して高い関心を持ち続けている.特に 2011 年 3 月 の東日本大震災以降は,エネルギーマネジメントの効率化を目的とし,Home Energy Management System (以下,HEMS) を中心にマルチベンダ相互接続を実現するための仕組み作りや商品化の加速が進んできている.ただし,HEMS の対象範囲での電気使用量は,エネルギー全体の 1/3 程度であり,エネルギーマネジメントをさらに有効にしていくためには,HEMS 以外のエネルギー機器へ拡張していくことが重要になる.業務用機器のネットワーク接続における課題は,標準化が十分に進んでおらず,マルチベンダ接続が困難な状況である.そこで,民生用途の HEMS で確立した技術の展開を検討し,業務用機器へ拡張時の課題を整理するとともに,ツールを用いて通信インタフェースの展開が可能であることを検証する.The importance of global energy management is being cried in the all over the world. Also in Japan, High-efficiency utilization of energy is very interesting from the end of the 20th century. Especially since the Great East Japan Earthquake of March 2011, the scheme to achieve a multi-vendor interoperability and the commercializing any kind products for energy are accelerating focusing around Home Energy Management System (below, HEMS). However, the electrical consumption in the scope of HEMS is about one third of the total energy. In order to enable more effective energy management, it is important to extend the scope other than HEMS. An issue in the network connection between the energy equipment other than HEMS is that the standardization is not sufficiently advanced and multi-vendor connection is a difficult situation. Therefore, we consider deploying the techniques established in HEMS of consumer applications and organizing some issues. And we verified that it is possible to extend communication interface from HEMS to range of other than HEMS by using a tool.
著者
山田 協太 前田 昌弘 村上 和 布野 修司
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.71, no.607, pp.71-78, 2006
参考文献数
27
被引用文献数
1 2

This paper intends to clarify block formation and house types of Wolvendaal, Colombo, Sri Lanka, and analyze their transformation process. The research on which this paper is based is the further study of the project called 'Field Research on Origin, Transformation, Conversion and Conservation of Urban Space of Colonial Cities', which the major targets are Dutch colonial cities all over the world. Further to this project, comparing colonial cities in South Asia, in terms of spatial formation and transformation is the ambitious objective of this research. Another purpose is to elucidate the Dutch way of houses construction in their colonial cities, where in Wolvendaal, Dutch developed the form of town houses for high-density living. Colombo was once a head quarter of Ceylon, one of five administrative districts laid by Dutch on South Asia. Wolfendaal also played an important role in British colonial period when the city experienced rapid growth. At present, there still holds numerous town houses. This paper clarifies the spatial organization of Wolvendaal, by analyzing the distribution pattern of its facilities and block formation, based on field surveys. At the last chapter, the paper focuses on house types of Wolvendaal identified according to their physical features and planning parameters, while the transformation process of these house types are discussed as well. This paper suggests that Dutch colonial town houses still playing an important role in the organization of special formation of Wolvendaal.
著者
辻元 健士 村上 征勝
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 34.18 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.35-38, 2010-05-24 (Released:2017-09-21)
参考文献数
3

本研究では,葛飾北斎作『富嶽三十六景』を対象とし,原型の絵画と構図的変化を加えた絵画の二種類を用いて,構図変化の影響を印象評価と視線移動の観点から数量的な比較分析を試みた.印象評価では,構図型,変化の方法,順序効果の3つの観点から比較分析を行った.視線移動では,絵画を観る時の視線移動総面積を分析し,構図を変化させることで印象評価に差が生まれること.また,印象評価の基準の一つとして視線移動総面積が有意な要因であるという結果を得た.
著者
高柳 達 中島 謙一 村上 進亮 橋本 征二
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第26回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.31, 2015 (Released:2015-10-19)

固定価格買い取り制度によって、自然エネルギーの開発及び利用が年々増加している。ここで太陽電池を例に取ると、その普及は、太陽電池パネルに必要なレアメタルの需要の増加や近未来における使用済み太陽電池パネルの排出の増加を意味する。したがって、使用済みパネルに含まれるこれら元素を有効利用できれば、資源安定供給の一翼を担うことにもなる。本研究では、太陽電池パネルおよび周辺機器に使用される元素の今後の需要量と太陽電池を完全にリサイクルするとした場合のこれら元素の供給量のバランスを2010〜2050年にわたり検討した。その結果、廃棄される太陽電池に含まれる元素の量がその元素の全体の需要量に対して大きいのは、Si、In及びTe等であった。周辺機器に利用されるAl、Cu、Fe などの汎用元素を回収しながら、合わせてSi、In及びTe等を優先的にリサイクルするようなシステムを検討することが有益と考えられた。
著者
西 千秋 高瀬 力男 村上 卓男 小藤田 久義 松原 和衛 出口 善隆
出版者
Japanese Soceity of Livestock Management
雑誌
日本家畜管理学会誌・応用動物行動学会誌 (ISSN:18802133)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.135-142, 2012-12-25 (Released:2017-02-06)
参考文献数
18

近年,我が国では列車と野生動物との衝突事故が発生している。特に大型哺乳動物との列車事故は,野生動物保護の面から問題があるばかりか,鉄道会社にとっても列車の遅延などの経済的損失をまねくとともに,安全輸送への信頼を損ないかねない。そこで大型哺乳動物と列車との衝突事故の実態を調査し,対象種の生活史との関係を考察した。1999年から2003年に発生した哺乳動物と列車との衝突事故を調査対象とし,JR東日本盛岡支社から情報を得た。衝突事故動物種毎に,1999年から2003年までの発生件数を月ごとに集計した。衝突事故動物種は,シカ,カモシカ,クマに分類した。その結果,シカとカモシカを合わせた割合が,事故発生件数の約80%を占めた。クマと列車の事故件数は,どの年も10件未満であった。シカと列車との事故は6月と10月に多く,二峰型を示し,カモシカとの事故は7月に多く,一峰型を示した。クマでは初夏から9月にかけて事故件数が増加し,その後減少した。事故の発生時期は,シカ,カモシカ,クマの3種とともに,繁殖期,分散期などの生活史と深く関わっている事が示唆された。また,自己発生時間帯は夜間が中心である事がわかった。
著者
那須 哲夫 黒木 昭浩 浜名 克己 村上 隆之 斎藤 勇夫
出版者
宮崎大学農学部
雑誌
宮崎大学農学部研究報告 (ISSN:05446066)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.p259-267, 1982-12

牛(ホルスタイン種,雌, 8カ月齢)の単蹄肢(左右前肢)について解剖学的観察を行った.得られた結果は次のとおりである.### 1. 中手骨の遠位中手管は右肢で完全に閉鎖していた.第四中手骨の外側遠位部に第五中手骨が遺残し,またそれに関節する指骨(基節骨)の遺残を認めた.中手骨の滑車は右肢に1個,左肢に2個存在し,左肢の滑車間切痕は浅くなっていた.### 基節骨,中節骨および末節骨は左右両肢とも第三,四指のものがそれぞれ完全に癒合していた.### 近位種子骨は右肢に2個,左肢に3個存在し,遠位種子骨は左右肢とも各1個が存在した.### 2. 右肢において第三指伸筋,第四指伸筋および総指伸筋の腱は中手・指節関節部で合一し,幅広い腱を形成して中節骨および末節骨の前面に停止していた.左肢では総指伸筋のみは独自の腱を形成して,基節骨の近位端に停止していた.### 浅指屈筋と深指屈筋の腱は中手・指節関節部で分岐することなく,単一のまま走行し,浅指屈筋腱は中節骨後面に,深指屈筋腱は末節骨後面に停止していた.### 3. 正中動脈と橈骨動脈は中手骨の掌側面を下行し,中手骨中間部において深掌動脈弓を形成する.この動脈弓から指骨の外側および内側へ分布する2本の枝が出ており,これらの枝は指骨背側面で互に吻合していた.### 前骨間動脈は細い枝となり中手骨の背面に分布していたが,指骨にまで達していなかった.### 4. 正中神経は中手骨の掌側面を下行し,中手骨近位端1/3のところで分岐し指骨の外側および内側へ分布していた.### 尺骨神経掌側枝は骨間筋の外側を下行し指骨の外側へ分布していた.### 中手骨背側面を下行する外側前腕皮神経は途中で消失しており,それより遠位部では確認できなかった.A pair of forelimbs of 8-month-old Holstein-Freisean cow which had solid hoof was dessected to be description. The details were reported as follows.### 1. The distal perforating canal was absent from the right metacarpus. On the lateral-distal part of the metacarpal bone there were vestiges of the fifth metacarpus and the first phalanx which were jointed earch other. The right metacarpus had one distal trochlea and the left had two trochleas. The intertrochlear notch of the left metacarpus was relatively shallow. All the phalanges of front feet were completely fused. The left foot had three proximal sesamoid bones and a distal sesamoid bone, but the right had only two proximal sesamoid bones and a distal sesamoid bone.### 2. The lateral, medial and common digital extensor tendons of right forelimb fused into a wide aponeurotic plate at the fetlock joint and inserted on the extensor surfaces of the second and the third phalanx. The tendon of the left "common digital extensor did not fuse but inserted into the proximal end of the first phalanx. The superficial and deep digital flexor tendons coursed normally but did not divide into two branches at the level of the fetlock joint, the former inserted on the palmar surface of the second phalanx and the latter inserted on that of third phalax.### 3. The median and the radial arteries descended on the volar side of the metacarpus and anastomosed each other to form the deep palmar arch.### Arising from the deep palmar arch, two branches terminated by entering the lateral and the medial volar surfaces of the digit, where they formed an anastomosing arches.### The small cranial interosseus artery which descended the dorsal surface of the metacarpus did not reach the digital bone.### 4. The median nerve descended on the mediovolar side of the metacarpus. At the proximal third of the metacarpus, this nerve divided into two branches which innervated the medial and the lateral volar sides of the digit.### The palmar branch of the ulnar nerve descended along the lateral side of the interosseus muscle to the laterovolar side of the digit. The lateral cutaneous antebrachial nerve which was a slender branch of the radial nerve disappeared during its course on the volar surface of the metacarpus.
著者
蔵本 築 松下 哲 三船 順一郎 坂井 誠 村上 元孝
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.115-120, 1977-03-30 (Released:2009-11-24)
参考文献数
12
被引用文献数
1

老年者肺炎12例に於て肺炎と同時または稍遅れて前壁中隔硬塞を思わせる心電図変化を認めた. すなわちV1-V3, V4のQSまたはrの減高, ST上昇, 冠性Tが出現し, 肺炎の軽快と共に異常Qは約一週間, 陰性Tは1カ月以内に正常化し, その後剖検し得た8例にはいずれも前壁中隔硬塞を認めなかった. 臨床所見では狭心痛はなく, 呼吸困難, 咳痰, チアノーゼ, 意識障害等が見られ, 肺炎は2葉以上にわたる広範な病巣を示し, 胸膜癒着または胸水を伴った. 検査所見ではGOTの軽度上昇を4例に認めたにすぎず, BUNの一過性上昇, CRP強陽性, PO2低下と共にヘマトクリットは全例4~9%の著明な上昇を示した.剖検し得た8例では肺気腫を6例, 気管支炎を7例に, 剖検時肺炎を6例に認めた. 陳旧性後壁硬塞及び後壁心外膜下出血を各1例に認めた. 左冠動脈前下行枝の50%以上狭窄を7例に認め, 心筋小胼胝を5例に認めた.急性心筋硬塞様心電図の発現機序として慢性肺疾患によるQRS軸の後方偏位, 肺炎に伴う急性右心負荷, hypoxia, 中等度の冠硬化などの上にヘマトクリット, 血液粘度の上昇等が加わって心筋に広範な一過性虚血性変化を来たすものと考えた.
著者
青木 正哉 向原 伸彦 吉田 正人 村上 博久 邉見 宗一郎 松島 峻介 西岡 成知 森本 直人 本多 祐 中桐 啓太郎
出版者
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.391-394, 2013

症例は71歳男性,201×年2月22日に他院にて腹部大動脈瘤破裂に対し人工血管置換術が施行された.術後3カ月目,外来の採血検査でHb 7.0 g/dlの貧血を認めたため,再入院となった.CTならびに上部消化管内視鏡検査にて,Aortoenteric Fistula(以下AEF)と診断され,手術目的にて当科転院となった.手術待機中に,吐・下血後,出血性ショックとなり,緊急でステントグラフトによる血管内治療(Endovascular aneurysm repair : EVAR)を施行した.術後,感染の再燃や消化管出血も認めず,術後58日目に軽快退院した.現在術後1年が経過しているが,再感染の兆候なく,外来にて厳重に経過観察中である.二次性AEFは予後不良であり,外科的根治術が原則である.しかし,出血からショックに陥った症例では,血管内治療はその低侵襲性と迅速性を活かしてbridge to open surgeryとして治療のオプションとなりうる.また,再感染がなく,消化管出血を認めないなどの条件が整っていれば,最終的な治療にもなりうるが,再感染および再出血のリスクを念頭に置いた観察が必要である.
著者
遠藤 達哉 早川 真由 高橋 敬亮 杉山 未紗 齋藤 昭彦 村上 幸士
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2016, 2017

<p>【はじめに,目的】</p><p></p><p>医療用弾性タイツは保存療法として下肢の静脈循環障害や浮腫を伴う疾患へ利用されている。弾性タイツに関する先行研究では,下腿三頭筋に着目した研究が多く,運動時に頻見する走行や跳躍動作で重要となる膝関節伸筋群の研究は少ない。</p><p></p><p>本研究では,若年層における弾性タイツによる効果を膝関節伸筋群に着目し明らかにすることで,走行や跳躍動作を繰り返す運動時や,それらの動作を用いた運動介入において有意義な知見になると考えた。</p><p></p><p>そこで,弾性タイツ着用時と非着用時における膝関節伸筋群の筋持久力の相違について,等速性筋力測定機器を使用して明らかにすることを目的とした。</p><p></p><p></p><p></p><p></p><p>【方法】</p><p></p><p>健常男子大学生26名を対象とした。測定肢位は椅子座位で,三角クッションを使用し背もたれが90°になるように設定した。右足関節は底屈位に保持した状態で,下腿の遠位端をパッドで固定し,右大腿部固定時のベルトの圧は対象内での条件を一定にするため80hpaとした。測定範囲は膝関節90°~最大伸展位とした。測定は角速度180deg/secにて,最大努力で30回3セットを行った。筋疲労を考慮しセット間は1分間の休憩を設けた。筋持久力の評価指標は,2セット目の等速運動開始4から8回の最大筋力値の平均に対し,3セット目の終了5回の最大筋力値の平均の差とした。なお1セット目は準備期として除外した。また,測定前後の変化を比較するため安静座位にて大転子と大腿骨外側上顆間1/2部位にて大腿周径を測定。</p><p></p><p></p><p></p><p></p><p>【結果】</p><p></p><p>弾性タイツ着用群,非着用群の筋持久力の比較では,弾性タイツ着用群において1.43±0.26Nm/kg,非着用群において1.67±0.26Nm/kgであり,弾性タイツ着用群は非着用群と比較し,筋持久力の低下が有意に抑制された(p<0.01)。弾性タイツ着用群は,運動前後で平均0.69±0.20cm有意に増加した(p<0.05)。また,弾性タイツ非着用群は,運動前後で平均0.96±0.14cm有意に増加した(p<0.01)。よって,弾性タイツ非着用群と比較し,弾性タイツ着用群では増加が抑制された。</p><p></p><p></p><p>【結論】</p><p></p><p>筋持久力は筋の有酸素的作業能をさしており,筋への酸素の供給が筋持久力を決定する生理的因子であるため,末梢の血液循環と筋の代謝が大きな影響を与える。筋の血流量が多いほど筋の酸素摂取量が大きく,筋持久力は高い。そのため,弾性タイツ着用群では,末梢の血液循環が向上したと推察する。これにより,筋の酸素摂取量が増加し膝関節伸筋群の遅筋線維への酸素供給の増加が考えられる。また,速筋線維の収縮にともなって生じる乳酸などの代謝産物を速やかに除去できると考える。</p><p></p><p>本研究の結果では,弾性タイツの圧により末梢の血液循環が向上し,筋の酸素摂取量が増加したため,膝関節伸展筋群の筋持久力の低下が抑制されたと考える。</p><p></p><p>今後は本研究の結果を生かし,走行,跳躍などを必要とするスポーツ場面において弾性タイツ着用における効果について検討していきたい。</p>
著者
中尾 達馬 村上 達也 数井 みゆき
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.179-189, 2019-03-01 (Released:2019-03-12)
参考文献数
24
被引用文献数
1

本研究の目的は,児童用に,アタッチメント不安とアタッチメント回避を測定可能な尺度(児童版ECR-RS)を作成し,その信頼性と妥当性を確認することであった。調査対象は小学4年生から6年生540名(平均年齢10.5歳,男児260名,女児280名)であった。本研究では,まず,児童版ECR-RSが2因子(アタッチメント不安,アタッチメント回避)から構成されているとみなせるかどうかを検討した。次に,児童版ECR-RSの信頼性については,内的整合性と再検査信頼性(5カ月)を確認した。最後に,妥当性については,児童版ECR-RSと理論的な関連性・無関連性が想定される変数(アタッチメントの安定性,全体的自己価値,情動知能,共感性,生活満足度,対人不安傾向,孤独感,友人関係良好度,運動能力評価)との間で検討を行った。これらの結果は,我々の予測をおおむね支持していた。以上の結果から,児童版ECR-RSは,一定の心理測定的属性(信頼性と妥当性)を備えた尺度であることが示唆された。