著者
川久保 俊 村上 周三 中條 章子
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.24, no.58, pp.1125-1128, 2018-10-20 (Released:2018-10-20)
参考文献数
6
被引用文献数
3

Efforts of local governments are essential for achieving the Sustainable Development Goals (SDGs), core elements of the 2030 agenda adopted by the United Nations in September 2015. A nationwide online questionnaire survey was conducted to collect data on the actual implementation level of the SDGs in Japan. Results showed that about 30-40% of local governments is considering/developing a plan and implementing projects towards achievement of the SDGs in Japan.
著者
遠藤 数江 小川 純子 村上 寛子 荒木 暁子 中村 伸枝
出版者
千葉大学看護学部
雑誌
千葉大学看護学部紀要 (ISSN:03877272)
巻号頁・発行日
no.26, pp.93-97, 2004-03
被引用文献数
1

大学生における食習慣に影響を与える要因を検討する目的で,現在の食生活,食習慣の変化,食に関する体験について,フォーカスグループによる振り返り調査を行った.対象者は18歳から21歳の文化系または,運動系のサークルに所属している大学生9人(男2人,女7人)であった.大学生の食習慣に影響を与える要因として,経済状況,調理器具などの料理をする環境,料理に費やす時間や手間,生活スタイルの変化,嗜好の変化,運動部に入ったことによる影響が抽出された.さらに,幼少時からの家庭環境も大学生の食習慣に影響を与える要因の一つであった.また,家庭や学校の授業での料理経験は,大学生になっても食の体験として記憶に残っていた.大学生の食習慣の形成には,経済状況,生活スタイルの変化,所属サークルなどの現在の生活状況からの要因と,これまでの食に関する体験が影響していることが示唆された.
著者
村上 興正
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.119-130, 2001-01-15 (Released:2018-02-09)
参考文献数
25
被引用文献数
1

生物多様性条約第8条の外来種の管理には,導入の阻止と現存外来種の管理の2側面が含まれているが,世界的には前者がもっとも重要だとされている.まず,外来種移入防止のためには,輸入と移動,捕獲と飼養,放逐と逃亡の各段階での規制が必要である.また,すでに野生化した外来種の管理には,撲滅や防除などの規制が必要である.この点で,1995年に策定された生物多様性国家戦略で述べられているCITES,種の保存法,植物防疫法など日本に現存する法律が,これらに係わる行為をどの程度規制できるかを具体的に検討した.その結果,日本における現行の法律は各々その目的が異なるために,現在問題視されている生態系に影響を与える外来種の管理という側面では,一部でしか関係しておらず,とくに,外来種の移入の阻止という点で多くの問題が抜け落ちることが明確となった.既存の法律の強化では,現在進行中の国際的な外来種管理のための指針すら満たせないことが明確となり,今後新たな枠組みによる法律が必要であることが明らかとなった.
著者
清宮 理 古川 巖 村上 晋二
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
地震工学研究発表会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.24, pp.837-840, 1997

兵庫県南部地震を契機に空港施設の大規模地震に対する耐震性の評価手法の開発が望まれている。地盤の振動による舗装版の有限要素法による評価手法を筆者らは提案しているが、この手法の妥当性については検証が今までなされていない。釧路空港の滑走路では釧路沖地震において滑走路に何本かのひび割れが生じた。この事例を対象に地震応答計算を実施しひび割れ発生の有無について検討した。舗装版目地のばね定数は載荷試験の結果を使用している。計算によると滑走路に生じたひび割れをよく再現できることが判明し計算法の有効性が検証できた。また兵庫県南部地震クラスに対しても滑走路にはひびが入るが破壊までには至らないことが推定された。
著者
折津 政江 生島 壮一郎 小松 淳子 中本 弘 山本 亮二 村上 正人 桂 戴作
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.152-156, 1992-07-20 (Released:2012-08-27)
参考文献数
8

人間ドック受診者を対象に,ストレスチェックリスト(以下SCL)と既存の心理テストとの相関を調べ,その有用性を検討した。CMIで神経症傾向が増大するに従いSCL得点は高くなり,SDS,KMIと良好な相関関係を認めた。SCLは自律神経失調症状を中心とした30問から成る問診表であるが,簡便に実施できることからストレスチェックの第一次スクリーニング法として有用であると考えられた。
著者
村上 雅彦 清水 喜徳 普光江 嘉広 李 雨元 李 雅弘
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.334-336, 1993

上部消化管内視鏡検査後に発症した急性胃粘膜病変の1例を経験したので報告する.症例は37歳男性.検診にて上部消化管内視鏡検査施行したが, 4日後突然に激しい上腹部痛出現し当院来院.再度内視鏡検査施行し, 前庭部を中心に出血性, 多発性の浅い小潰瘍が観察された.絶食, 補液, 抗潰瘍剤投与により1週間後には症状消失し, 1カ月後にはわずかな瘢痕を残すのみで, ほぼ完全に治癒した.近年, 上部消化管内視鏡検査の普及により, 本症は増加の傾向にあり, その発症に関してH.P.感染が有力視されており, 今後内視鏡機器の洗浄, 消毒に対し十分な注意が必要と思われた.
著者
村上 達哉
出版者
社会・経済システム学会
雑誌
社会・経済システム (ISSN:09135472)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.21-26, 1995-10-21 (Released:2017-07-28)

The ZAIKAI is the business world(Economic Organizations)in Japn.In recent years the business world has begun taking an active interest in the higher education in Japan.This is reflected by a drestic increase in the number of propositions of the business world to the university reformation.They contain a sharp criticism of the present educational system in Japan. Japanese educational system at universities has been criticized these days for several reasons:The system of the higher education in Japan is too hard(as iron)to develop creative or individualistic thinking.One of the problems in the Japanese educational system is that it tends to shape a whole population into a homogeneous national standard.This system tend to discourage individuality or creativity in students. The report of the Japanese business world outlines the "evils of uniformity".The key words of these report are importance of individuality or creativity.But this individuality or creativity have ever been considered rather negatively in Japanese companies. It's questionable whether the Japanese business world, which is talking about educational reformation, is prepared to do that.
著者
村上 温子 田中 美貴 今井 裕子
出版者
広島文化学園大学
雑誌
広島文化短期大学紀要 (ISSN:13483587)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.31-37, 2003-07-31

At the request of the Society of Fiber Science and Technology, Japan during their 32nd summer seminar in Onomichi City, we organized the fashion show. The fashion show emphasized the use of denim fabrics made in Hiroshima Prefecture and pile fabrics made in Ehime prefecture. (September 5, 2001) 1. Since there was no time allowed for planning for the fashion show in the fashion course curriculum for enrollees in the year 2000, the teachers selected the materials to be used and decided on the theme 'Simple Modern Ethnic - Relaxation in City' for the fashion show. 2. As an assignment in apparel manufacturing, a lesson plan was developed in order to master the process from design to finish work under the agreed upon condition that the materials to be used are limited. 3. From the teachers' viewpoint, the image that the students cherished regarding the theme at the planning stage had a weak feeling in respect to relaxation, but had a powerful feeling relating to leisure wear. Since we had a new understanding that the younger generation sees relaxation as a situation in which body and mind are relaxed by actively enjoying something, we changed the subtitle of the show to 'Happy relaxation in City.' 4. Even though the rehearsals on summer holidays and the early morning activity on the day of the show were a difficult workload for them, the students fulfilled their roles in an orderly manor. We realized that the educational effect that this chance for presentation of their work would have to help heighten their desire to continue on in manufacturing. 5. Mr. Yuzuru Masuda, a guest speaker at this seminar from the Production and Industry Bureau of the Ministry of Economy, Trade and Industry, suggested that manufacturing should get a higher evaluation. 6. In order to develop the educational effect pointed out in number 4 above from individual creativity into team creativity, we added fashion creation, promotion planning and make-up drills to the curriculum.この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
矢田貝 昌宏 村上 文弘 小郷 直人 田中 祥次
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.41, pp.37-40, 2011-10-13
被引用文献数
2

ロードレース中継で使用している700MHz帯FPUの伝搬をより安定させるため,送信用アンテナの検討を行っている.筆者らはすでにコーリニアアンテナをアレー化することにより約5dBのアンテナ利得の改善が見込めることを計算機シミュレーションで評価し,報告済みである.今回,このアンテナを,全国高校駅伝(2010年12月)・全国都道府県対抗女子駅伝(2011年1月)で使用し,伝搬データを解析することで送信アンテナの改善によるFPUの伝送の安定化を確認した.
著者
安田 進 石川 敬祐 村上 哲 北田 奈緒子 大保 直人 原口 強 永瀬 英生 島田 政信 先名 重樹
出版者
東京電機大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

2016年熊本地震により阿蘇のカルデラ内では地盤が帯状に陥没するグラーベン(帯状の陥没)現象が発生し、家屋、ライフラインなどが甚大な被害を受けた。このメカニズムを知り復旧・対策方法を明らかにするため平成29年度から3年間の計画で研究を始めた。平成29年度は、まず、現地踏査や住民からのヒアリングなどを行って被災状況の把握を行った。その結果、広い範囲で大規模に陥没が発生していること、その範囲はカルデラ内に約9000年前の頃に形成されていた湖の範囲にかなり一致することが分かった。次に広域な地盤変状発生状況を調べるため、熊本地震前後の複数の陸域観測衛星画像(合成開口レーダー画像)を使って干渉SAR画像から地盤変動量(東西・南北・垂直方向の3成分)を求め、それを基に検討を行った結果、陥没被害が甚大だった狩尾、内牧、小里、的石などの地区では数100mから2㎞程度の区域内で最大2~3mもの変位が発生したことが明らかになった。この局所的な変位によって水平方向の引張り力が作用し、帯状の陥没が発生したのではないかと考えられた。次に、既往の地盤調査結果を収集整理し、また、表層地盤状況を連続的に調べるため表面波探査を行った。その結果、陥没区間のS波速度は遅く、水平方向の引張り力で表層が緩んだことが明らかになった。一方、深い地盤構造を調べるために微動アレイ観測を行ったところ、陥没区間では数十mの深さまでS波速度が遅い軟弱層が堆積していると推測された。そこで、より詳細に調べるために4カ所でボーリングを行った結果、陥没区間の直下では17m~50mの深さに湖成層と推定される軟弱粘性土層が堆積していることが判明した。また、湖成層下面はお椀状に傾いていた。したがって、この湖成層が地震動によって急速に軟化してお椀の内側に向かってせん断変形し、その縁の付近で引張り力が働いて陥没が発生した可能性が浮上してきた。
著者
村上 ひとみ 鏡味 洋史
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.271-281, 1991
被引用文献数
1

Seismic intensity is an important parameter measuring earthquake shaking severity, especially in regions where few strong motion instruments are in operation. This study aims to apply high-precision questionnaire intensity method widely used in Japan to other earthquake countries.<br>Based on the Modified Mercalli (MM) Intensity Scale, an intensity questionnaire form was prepared and survey was conducted for two California earthquakes and the 1988 Nepal-India border earthquake. First, intensity coefficients are assigned to each item category based on the definition of the scale. For each questionnaire, &ldquo;average&rdquo; item intensity is calculated by taking average of intensity coefficients as marked, and also &ldquo;maximum&rdquo; item intensity by taking maximum intensity coefficient among responses.<br>In California, intensities of the USGS isoseismal maps are found larger than the &ldquo;average&rdquo; item intensities and is comparable to the &ldquo;maximum&rdquo; item intensities, presumably because the USGS guideline of intensity assessment is to choose the maximum damage phenomena.<br>In order to solve this discrepancy, we introduced fuzzy set theory and expressed intensity coefficients as distribution of likelihood belonging to continuous intensity level. Accumulating membership functions corresponding to selected item categories, the maximum value of distribution suggests the most probable intensity.<br>New method for questionnaire intensity evaluation is examined for previous data. Questionnaire intensities reasonably correlate with intensities locally reported by the USGS and Nepalese agency. Simple adjustment based on age of buildings is found satisfactory for the case of California but not so for the Nepal-India region.
著者
村上 正行 飯山 将晃 美濃 導彦
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.66-69, 2018-12-15

筆者らは,2014年度から2016年度にかけて「京都ICT教育モデル構築プロジェクト」として,京都市立西京高等学校附属中学3年生を対象に,タブレットを活用したさまざまな教育実践を行い,多様な学習ログを取得した.その学習ログを分析して得られた成果として,(1)学習している時間帯や解答時間などの学習状況の可視化,(2)問題を解く際のペンストロークの分析による解答停滞個所の検出,(3)数学の図形問題を対象に,解答に至る過程を可視化した上で特徴毎に分類,を紹介した.
著者
村上 明美
出版者
一般社団法人 日本助産学会
雑誌
日本助産学会誌 (ISSN:09176357)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.17-26, 1998-08-10
参考文献数
8
被引用文献数
1

自然分娩の骨盤出口部における産道の形態変化を, 力学的に分析したところ, 以下の「命題」が導き出された.<BR>1) 娩出力が陰門の中心に垂直方向に働けば, 娩出力は骨盤誘導線と一致し, 産道は力学的に合理的な形態変化となるため, 会陰裂傷は生じにくい. 骨盤出口部における産道の形態変化を継続的に観察することにより, 娩出力の働く部位と方向が予知でき, 意図的に娩出力の方向を調整することが可能となるため, 会陰裂傷の予防を図ることができる.<BR>2) 児頭娩出時にdrive angleを小さくすると, 娩出力の方向は骨盤誘導線に近づくため, 会陰裂傷は生じにくい. 児頭娩出時には, 大腿を屈曲する, あるいは体幹を前傾するなど, 体位を工夫しdriveangleを小さくすると, おのずと娩出力の方向が調整され, 会陰裂傷が予防される.<BR>3) 骨盤底筋群の抵抗が小さいと, 娩出力は前方に向かい, 反対に, 骨盤底筋群の抵抗が大きいと, 娩出力は後方に向かう. 娩出力が後方に向かうと, 会陰裂傷が生じやすい. 軟産道組織の軟化を促すことは, 骨盤底筋群の抵抗を小さくし, 会陰裂傷の予防につながる.<BR>以上の観点から助産実践を分析したところ, 具体的かつ理論的に行為を意味づけることができた.
著者
和田 清 水谷 法美 村上 宗隆
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海洋開発論文集 (ISSN:09127348)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.291-296, 2000 (Released:2011-06-27)
参考文献数
5

This paper is intended to estimate beach process and wave deformations at the Shitiri-mihama coast in Mie Prefecture. Field investigation by using an aerial photography technique is conducted along the Shitiri-mihama coast from the Kumano river mouth to the Onigashiro cape. It is clear that almost regions occurred beach erosion, especially Udono harbor region located on the left bank of the Kumano river, as the coastal line faced to sea, the beach protection works were struck by strong storms. Based on bottom sounding survey, maximum shoreline retreat was 100 meters for 5 years immediately after extend construction of breakwater around Udono harbor. It is necessary to predict water deformation for erosion control around coastal protection facilities. It is presented a time-depend mild slope equation for estimating wave deformation. Some simple calculations were conducted for modeling breakwater at the worst beach erosion area where located northern Udono harbor. The numerical model has well explanations for generation of partial standing waves, drop of mean sea level behind breakwaters.
著者
村上 加緒理 山口 織江 梅木 正篤
出版者
社団法人 日本理学療法士協会近畿ブロック
雑誌
近畿理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.22, 2009

【目的】Functional Reach Test(以下FRT)距離は、年齢・性別・身長・COPの前後長等に影響されると言われているが、否定的な報告も多い。今回の研究では直立時・直立前傾時・最大リーチ時の重心動揺測定を行い、最大リーチ距離と重心位置及び身長との関係を検証した。<BR>【対象及び方法】対象は本研究に同意を得た健常女性21名とした。対象年齢は平均26.2±6.8歳であった。<BR>身長は金属身長計(アイズワン株式会社製YS-OA)を用いて測定した。<BR>FRT距離は、被験者を側方に設けたホワイトボード(200cm×240cm)と平行な方向に、裸足で足位は閉脚位に直立させて行った。開始肢位は両肩関節90°屈曲位とし、開始肢位と最大リーチ位での、第三指尖を通る床への垂直線の距離を3回測定し、平均値を求めた。<BR>重心動揺計測には重心動揺解析システム(アニマ社製G-620 )を用いた。計測時の足位は、閉脚位とし、基準点は両外果を結ぶ線の中点と一致させた。測定肢位は直立位、両母趾球の間に重心が落ちるよう指示した直立前傾位、両上肢を最大限前方に伸ばすよう指示した最大リーチ位の3肢位にて動揺検査を行った。各肢位における計測時間は30秒間とし、総軌跡長、外周面積、直立位のY軸中心変位を求めた。統計学的処理として、FRT距離と外周面積は、Spearman'sの順位相関係数を用い、最大リーチ距離と身長・総軌跡長・Y軸中心変位はPearsonの積率相関係数を算出し、いずれも有意水準は5%未満とした。<BR>【結果】FRT距離の平均は34.4±9.0cmであった。外周面積の平均は、直立時2.32±3.5cm、前傾時2.99±5.67cm、リーチ時6.14±5.99cmであり、FRT距離と直立時の外周面積(rs=0.59;P<0.01 )、最大リーチ時の外周面積(rs=0.47;P<0.05 )には相関を認めた。身長の平均は、160.9±10.1cmであり、FRT距離と身長には相関が見られなかった。総軌跡長の平均は、直立時で32.83±16.52cm、前傾時で44.25±27.46cm、最大リーチ時で66.0±30.78cmであり、FRT距離と総軌跡長の間には相関は見られなかった。Y軸中心変位の平均は、直立時4.49±2.98_cm_、前傾時10.22±2.98cm、最大リーチ時10.64±3.5cmであり、FRT距離と直立時のY軸中心変位のみ負の相関を認めた(r=-0.48;P<0.05 )。<BR>【考察】先行研究では、身長がFRT距離に影響をするという報告は多数あるが、今回の結果での相関は認めなかった。FRT距離は直立時と最大リーチ時の外周面積、直立時のY軸中心変位と相関が見られた。これは動的立位バランスの指標とされているFRTが、直立位の影響を受けていると考えられた。<BR>
著者
村上 正祥
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.236-251, 1984 (Released:2013-02-19)
参考文献数
5
著者
中尾 達馬 村上 達也 数井 みゆき
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
2018
被引用文献数
1

<p>本研究の目的は,児童用に,アタッチメント不安とアタッチメント回避を測定可能な尺度(児童版ECR-RS)を作成し,その信頼性と妥当性を確認することであった。調査対象は小学4年生から6年生540名(平均年齢10.5歳,男児260名,女児280名)であった。本研究では,まず,児童版ECR-RSが2因子(アタッチメント不安,アタッチメント回避)から構成されているとみなせるかどうかを検討した。次に,児童版ECR-RSの信頼性については,内的整合性と再検査信頼性(5カ月)を確認した。最後に,妥当性については,児童版ECR-RSと理論的な関連性・無関連性が想定される変数(アタッチメントの安定性,全体的自己価値,情動知能,共感性,生活満足度,対人不安傾向,孤独感,友人関係良好度,運動能力評価)との間で検討を行った。これらの結果は,我々の予測をおおむね支持していた。以上の結果から,児童版ECR-RSは,一定の心理測定的属性(信頼性と妥当性)を備えた尺度であることが示唆された。</p>