著者
飯森 隆昌 村井 安 脇坂 康尋 大塚 晏央 大内 章吉 児玉 佳男 大石 武
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.775-777, 1993-04-15 (Released:2008-03-31)
参考文献数
14
被引用文献数
2 8

Conformational restrictions of sangivamycin (1) could be achieved by the use of the gauche effect of the substitutents on the ribofranose moiety. The conformational deviations obtained by this method were found to nicely correlate with the inhibitory activity of PKC.
著者
村井 稔幸
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

癌細胞の浸潤・転移の制御機構には不明な点が多く、癌進展を防ぐ効果的な手段の開発が望まれている。私たちは、癌細胞に発現する接着分子CD44が、腫瘍細胞外マトリックスの主要構成成分であるピアルロン酸の小断片と相互作用することにより、切断を受けることを見出した。さらに、そのシグナル伝達分子と切断酵素を同定し、癌細胞の運動性亢進への寄与を明らかにした。平成18年度は、平成17年度に引き続いて、腫瘍組織における低分子量ビアルロン酸の生成機序の解明、および、CD44の細胞外領域切断による癌細胞の浸潤性亢進の分子機構について、次の研究をおこなった。1.腫瘍組織における低分子量ビアルロン酸生成機序の解明癌細胞において、ビアルロン酸を断片化する酵素分子を同定した。そして、当該ビアルロン酸分解酵素分子について、その発現を遺伝子工学的に抑制する系、および、増強する系を構築することができた。2.CD44の細胞外領域切断による癌細胞の浸潤性亢進の分子機構癌細胞において、上皮成長因子受容体の高発現が顕著に認められる。このことに着目し、これまでのCD44と癌細胞浸潤・転移についての独自の知見を基に、上皮成長因子の癌細胞浸潤への関わりについて検討をおこなった。その結果、上皮成長因子がCD44の細胞外領域切断を惹起し、癌細胞の浸潤性亢進を引き起こしていることを明らかにした。また、その作用機序についても分子レベルで明らかにした。
著者
村尾 沢夫 大山 邦夫 村井 英継 後藤 章 松井 良博 福原 健一 宮田 茂一 住田 光夫 荒井 基夫
出版者
The Japanese Society of Applied Glycoscience
雑誌
澱粉科学 (ISSN:00215406)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.157-164, 1979-05-31 (Released:2010-06-28)
参考文献数
19
被引用文献数
1

Three kinds of amylase inhibitor (S-AI, S-GI and Haim) were obtained from the culture filtrate of Streptomyces sp. S-AI was produced by St, diastaticus subsp, amylostaticus and inhibited glucoamylase and various a-amylases . S-PI consisted., of 6 moles of glucose and 1 mole of unknown substances. The structure of S-AI was discussed. S-GI was a specific inhibitor for exotype glucanase and was produced by St, lavendulae . S-GI inhibited animal invertase, but did not inhibit microbial invertase. Haim was a proteineous inhibitor and produced by, St, griseosporus. Haim inhibited specifically animal a-amylases.
著者
村井 政史 矢野 博美 大竹 実 岩永 淳 犬塚 央 貝沼 茂三郎 田原 英一 三潴 忠道
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 = Japanese journal of oriental medicine (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.906-911, 2010-11-20
参考文献数
24

通脈四逆湯の附子を烏頭に変更し奏効した2例を報告した。1例目は33歳の女性。皮疹および瘙痒感を認め,通脈四逆湯を投与し白河附子を14gまで漸増したが改善しなかった。そこで冷えが極めて強いために,通脈四逆湯の白河附子を烏頭に変更したところ,皮疹および瘙痒感が改善した。2例目は42歳の男性。泥状便および全身倦怠感を認め,通脈四逆湯を投与し炮附子を10gまで漸増したが改善しなかった。そこで冷えが極めて強いために,通脈四逆湯の炮附子を烏頭に変更したところ,普通便となり全身倦怠感が改善した。附子を用いた通脈四逆湯では改善しない寒の強い病態においては,附子を烏頭に変更すると有効な場合がある。
著者
村井 宏徳 加藤 明里 神戸 信人 高瀬 達夫 鈴木 弘司 森田 綽之
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.B_67-B75, 2017

<p>宮崎県児湯郡川南町の一般国道 10 号には,沿道商業施設の往来等から,乱横断する歩行者・自転車が多く,死亡事故が発生する単路区間が存在していた.このため,交通安全対策として,我が国で初めて信号機を設置せず,横断歩道を食い違いに配置した無信号の食い違い二段階横断施設が導入された.本研究は,我が国で初めて導入された,この二段階横断施設の導入効果を明らかにするために,導入前後に実施した各種調査の結果を用いて,二段階横断施設の安全性,円滑性の評価と,横断特性の変化を分析した.分析の結果,二段階横断施設の利用者が増加して乱横断が減少し,車両と接近した横断の減少や横断待ち時間の短縮等の安全・円滑面の効果が確認できた.また,歩道部より横断待ち時間が短縮する等の食い違い二段階横断の特性が確認できた.</p>
著者
村井 章介
出版者
公益財団法人 史学会
雑誌
史学雑誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.127, no.2, pp.1-41, 2018 (Released:2019-02-20)

室町幕府の首長が明皇帝によって日本国王に封じられるという、日中関係史における画期について、1402(建文4)年でなく1404(永楽2)年が正しいとする学説が有力になっている。しかしそれらは厳密な史料の読みに裏づけられた学説とはいいがたい。 根拠とする史料が原態からどれくらい隔たっているかを正確に測定しながら、一歩一歩史実を確定していくという、古文書学的な手法を用いて検証してみると、1404年説を採った場合に受封者と認定しうるのは、足利義満・豊臣秀吉の二人しか残らない。室町幕府の首長が東アジアの国際社会で日本国王として承認されるという、「封」の実質を重視する観点からは、1402年のほうがはるかに重要な画期である。皇帝が「封」の実質を実現するために発給する文書には、誥命・詔書・勅諭など、対象者のランクに応じて多様な様式が使い分けられていた。 琉球の中山・山南・山北の三王に目を転じると、三山相互、あるいは明との関係の推移にともなって、皇帝が王を「封」ずる文書のほか、暦・印・冠服などがさまざまなタイミングと順番と目的に従って与えられていく状況が観察できる。「封」をめぐる多様な皇帝文書の使い分けは琉球の場合にも認められ、しかも比較的短い間に移り変わっていた。 さらに対象を「東南夷」(東アジア~インド沿海部の諸国)に拡げて見ていくと、洪武・建文年間には「封」が最高ランクの文書「誥命」でおこなわれたのは高麗・朝鮮のみだったが、永楽年間には一変して、印とのセットで遠距離の諸国に気前よく与えられるようになる。その背景には、鄭和の大遠征に象徴されるような、天下に威と徳を及ぼそうとする永楽帝の対外姿勢があった。 最後に、琉球をふくむ日本列島地域に伝えられた史料、すなわち何通かの外交文書の原本や『歴代宝案』『善隣国宝記』という外交文書集には、明代の国際秩序の解明にとって他に換えがたい価値があることを指摘した。
著者
村井 智 荻原 浩太郎 西 和彦 伊丹 尚多 大塚 真司 日下 昇 西浦 司
出版者
日本脊髄外科学会
雑誌
脊髄外科 (ISSN:09146024)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.270-275, 2017 (Released:2018-01-06)
参考文献数
21

Objective : Odontoid fractures are the most common cervical injuries among the elderly population. We evaluated treatment outcome in 14 patients with odontoid fractures who were treated at our institute between 2003 and 2016. Additionally, in this report, we discuss the optimal treatment option for odontoid fractures in the elderly population and provide a literature review.  Results : Patient age ranged 19-90 (average, 60.6) years, and the patients included five (36%) octogenarians. According to Anderson’s classification, four cases (29%) were type II and 10 cases (71%) were type III odontoid fractures. Surgical intervention was performed in 12 cases, including anterior odontoid screw fixation in nine, posterior cervical instrumented fusion in four (including reoperation after anterior screw fixation in one), and conservative treatment with halo vest fixation in two. Moreover, 13 patients received radiographic follow-up, and 11 (85%) attained bone fusion. In octogenarians, three (60%) of five cases attained bone fusion through anterior screw fixation.  Conclusion : In the elderly population, tailor-made treatment is necessary according to systemic diseases, activities of daily living, and radiographic assessment of odontoid fractures in addition to Anderson’s classification.
著者
清水 俊幸 安島 雄一郎 吉田 利雄 安里 彰 志田 直之 三浦 健一 住元 真司 長屋 忠男 三吉 郁夫 青木 正樹 原口 正寿 山中 栄次 宮崎 博行 草野 義博 新庄 直樹 追永 勇次 宇野 篤也 黒川 原佳 塚本 俊之 村井 均 庄司 文由 井上 俊介 黒田 明義 寺井 優晃 長谷川 幸弘 南 一生 横川 三津夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.96, no.10, pp.2118-2129, 2013-10

スーパーコンピュータ「京」の構成と評価について述べる.「京」はスパコンの広範な分野での利活用を目指した10PFLOPS級のスパコンである.我々は,デザインコンセプトとして,(1)汎用的なCPUアーキテクチャの採用と高いCPU単体性能の実現,(2)高いスケーラビリティのインターコネクトの専用開発,(3)並列度の爆発に抗する技術の導入,(4)高い信頼性,柔軟な運用性,省電力性の実現を掲げ,2011年にそのシステムを完成させた.HPC向けCPU,SPARC64 VIIIfxと,スケーラビリティの高いTofuインターコネクトを専用に開発し,並列度の爆発に抗する技術としてVISIMPACTを実装した.冷却やジョブマネージャ等により,高い信頼性,柔軟な運用性,省電力性を実現した.「京」は2011年6月と11月にTOP500で世界一となった.また,複数のアプリケーションで高い実行効率と性能を確認し,スパコンとしての高い実用性を示した.
著者
森田 明夫 村井 保夫 木村 俊運
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.10, pp.812-819, 2014 (Released:2014-10-25)
参考文献数
9
被引用文献数
2

Occipital transtentorial approach (OTA) は, 中脳背側, 松果体, 小脳上面の腫瘍等の病変にアクセスする基本的アプローチの一種である. 本稿では本アプローチの基本についてまとめる. OTAは視野が広く, 特に下方へ伸展する病変への対応に優れている. 一方で術後短期間または永続的な視野障害をきたすことがある. これを回避するためには, まず静脈損傷を避けるアプローチ側を選択する. そのうえで髄液圧を減らし, 後頭葉を広く剝離し, 脳表を十分保護しつつ愛護的に後頭葉を圧排しテント面に至る. 手術中視覚誘発電位モニターなどが有用である. その他中脳背側への障害, 静脈損傷などは重度な障害をきたし得るので要注意である. 術前の画像評価を徹底して行い, 適切な解剖学的知識, 手技によって安全な手術を心がけることが重要である.
著者
村井 トミ
出版者
日本幼稚園協会
雑誌
幼児の教育
巻号頁・発行日
vol.54, no.8, pp.18-21, 1955-08-01
著者
安冨 素子 岡崎 新太郎 河北 亜紀子 林 仁幸子 村井 宏生 眞弓 光文 和田 泰三 大嶋 勇成
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.827-832, 2013-07-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
12

症例は4カ月女児.生後1カ月より湿疹が出現し,近医で小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)・当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)・十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう),NSAIDs外用剤による治療を受けていたが,皮疹の増悪,下痢,体重減少を認め当科に入院した.入院時血清Na126mEq/L, K7.3mEq/L, Alb3.0mg/dl, IgG15.3mg/dl.便中EDN,血清IL-18値が著明高値で,上記漢方薬のDLSTは陽性であった.漢方薬中止後に下痢は消失,ステロイド外用剤で皮疹は改善.母の食事制限なしに母乳で体重増加も回復し,検査所見も正常化した.外用剤の不適切な使用による皮膚症状の増悪に,漢方薬による修飾も加わり,電解質異常,低蛋白血症を来したものと考えられた.アトピー性皮膚炎の治療において,漢方薬は補助的治療薬と位置付けられるが,乳児への適応は慎重にされるべきである.