著者
谷山 茂人 諫見 悠太 松本 拓也 長島 裕二 高谷 智裕 荒川 修
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.22-28, 2009
被引用文献数
1 23

2007年9月~2008年1月に長崎県橘湾で採集した小型巻貝7種計66個体につき,マウス試験で毒性を調べたところ,キンシバイは供試した22個体すべてが有毒であった.毒力は極めて強く,特に2007年9月に採集したものでは,10個体中8個体の筋肉または内臓が1,000 MU/gを上回った.興味深いことに,22個体中13個体で筋肉の総毒力(725~9,860 MU/個体)が内臓よりも5.9~110倍高い値を示した.LC/MS分析により,毒の主成分は tetrodotoxin (TTX) であることが明らかとなり,加えて11-oxoTTXを含むことが示唆された.一方,同時期同海域で採取したその他の巻貝については,毒性は全く認められなかった(5 MU/g未満).
著者
松岡 真里 丸 光惠 武田 淳子 中村 伸枝 兼松 百合子 松本 暁子 内田 雅代 竹内 幸江 佐藤 奈保 栗林 浩子 篠原 玲子 西牟田 敏之
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学看護学部紀要 (ISSN:03877272)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.59-68, 1998-03
被引用文献数
2

気管支喘息患児をもつ母親の,1)ライフスタイルの実態を明らかにする,2)ライフスタイルの要素間の関連を明らかにする,3)母親の特性,喘息児の特性とライフスタイル間の関連を明らかにする,ことを目的に研究を行った.対象は,喘息児をもつ75名の母親であった.質問紙による調査の結果,以下のことが明らかとなった.気管支喘息患児をもつ母親は,家族の健康に関心が高く,楽観的な考えの母親ほど,日常の中でストレスを管理している様子が明らかとなった.また,こどもの自立を望み,子育てへの関心も高かった.しかし,発作に関するストレスや薬の不安などを抱く母親も多く,発作が母親のストレスとなり,発作をコントロールするためにこどもへの統制的な関わりが増していた.以上より,疾患管理についてのみでなく,子育てについてをともに考え,母親自身の生活が充実したものになるように援助することが,喘息児の発作のコントロール,ひいては児の自立にもつながると考えられた.
著者
松本昭著
出版者
臨川書店
巻号頁・発行日
2002
著者
吉武 尚美 松本 聡子 室橋 弘人 古荘 純一 菅原 ますみ
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.180-190, 2012

中学生や高校生が生活全般に抱く満足度評価(以下,生活満足度)に関連する要因として,パーソナリティや学力などのポジティブな個人内特性をはじめ,家族関係や友人関係などの対人関係が検討されてきたが,これらがどのように関連しあって生活満足度に結実するのかは明らかでない。そこで本研究は,ポジティブな個人内特性と対人関係が,生活満足度とそれぞれ独自に関連し,同時に対人関係は個人内特性にも関連するというモデルを構成し,両親の学歴と生徒の性別の影響を統制した上で検証した。加えて,モデルの変数間の関連性に発達的な違いが見られるか検討した。中学1年生(n=254)と高校1年生(n=368)の質問紙データを用い,共分散構造分析により仮説モデルの検証を行った結果,モデルの妥当性が確認され,さらに多母集団同時分析により仮説モデルは中学生と高校生でともに成立し,関連性の度合いもほぼ同程度であることが確認された。ただし,家族関係から個人内特性に引いたパス係数は中学生の方が高校生より有意に大きく,家族環境の良好さと個人内特性の関連性は中学生にとってより顕著であることが示唆された。
著者
池田 和史 服部 元 松本 一則 小野 智弘 東野 輝夫
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンシューマ・デバイス&システム(CDS) (ISSN:21865728)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.82-93, 2012-03-21
被引用文献数
1

近年,TwitterのようなブログやWeb掲示板などに投稿された商品やテレビ番組などに対する口コミ情報を分析してマーケティングなどに応用する評判解析技術に注目が集まっている.これらは手軽に情報発信することが可能なため,新鮮かつ多数の意見を即座に収集するツールとして,その活用は大きな可能性を持っている.一方で,評判は投稿者の年齢や性別,趣味などのプロフィールに応じて異なることが多いが,ブログや掲示板には投稿者の年齢や性別が記載されていない場合が多く,投稿数や平均的な意見などの表面的な情報しか抽出できず,プロフィールごとの意見を抽出できないことが課題であった.この問題を解決するため,著者らはTwitter上の口コミ投稿者の日常的な投稿内容を解析することで,年代,性別,居住地域などのプロフィールを推定する技術を開発した.本技術を利用することで,ネット上の口コミ情報をプロフィールごとに分類,集約することが可能となり,商品の改善やテレビ番組の企画などに生かすことが可能となる.性能評価実験の結果,提案手法の汎用的な推定精度は性別で88.0%,年代で68.0%,居住地域で70.8%であり,視聴率測定などへの応用を想定したプロフィール分布誤差の評価では,分布に偏りがある場合でも性別で8.8%,年代で12.4%,居住地で14.0%と実利用に十分な精度であることが示された.This paper proposes a real-time analysis technology of the online opinions of commercial products and broadcast TV programs. As many people submit their opinions via social media services, such as Twitter, utilizing these real-time and huge amounts of opinions is strongly desired as a novel marketing tool. However, it is impossible in many cases to understand the overall trend of such enormous user opinions by browsing the information stream on the screen. In addition, though presuming the ratio of positive and negative opinions is useful, that discrimination is not much enough because the ratio of opinions differs depending on user demographics (age, sex, area, etc.) The proposed technology makes it possible to analyze the contents of Twitter streams related to commercial products or broadcast TV programs, and estimate the demographics of the users by tracking and analyzing their past tweets. This analysis attracts peoples such as, product planners, broadcast TV directors, and advertisement agencies that produce and promote products/TV programs for target segments. Our experimental results show that the estimation accuracy of the proposed algorithms is, 88.0% in sex, 68.0% in age, 70.8% in areas, respectively. The error ratio in the distribution of estimated demographics was 8.8% in sex, 12.4% in age, 14.0% in area, respectively, which is high enough for practical use.
著者
酒澤 茂之 浜田 高宏 松本 修一 坂口 裕直 高山 享
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.93, no.14, pp.57-64, 1993-04-23

現行のCDTV(Conventional Definition TV)と周波数帯域、受像機の互換性を保ちながら画質改善および画質向上をめざすEDTV2の放送方式が検討されている。CDTV互換を保つためにレターボックス形式となるEDTV2の素材を27MHz級トランスポンダあたり2チャネル伝送することを目標として、MUCCS45(45Mbps多重通信TV符号化システム)を改良し適用することとした。本稿では、CDTV用MUCCS45をEDTV2に適用した場合の問題点を分析し、レターボックス内の補強信号部と映像信号部とで量子化器の切替え、および補強信号と映像信号にまたがるブロックの量子化を見直すことで解決を図った。その結果、SNRで2.5[dB]、主観的にもかなりの画質改善が得られた。
著者
松本 秀人
出版者
北海道大学観光学高等研究センター = Center for Advanced Tourism Studies, Hokkaido University
雑誌
CATS 叢書 (ISSN:21853150)
巻号頁・発行日
vol.5, 2010-07-01

観光と図書館の融合 = The fusion of tourism and libraries
著者
森 彰 松本 吉弘
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.11-12, 1994-09-20

Curienは,カルテシアン閉圏(cartesian closed category,以下,CCCと略す)の定義における普遍写像性を,圏論的結合子と呼ばれる特別な射に関する等式に翻訳し,この等式を書き換え規則とみなすことで,関数型言語の操作的意味が圏論を通じて与えられることを示唆した.特にCCCの圏論的結合子から型,すなわち定義域と値域に関する情報と,終対象に関する結合子を取り除いた代数系(C-モノイドと呼ばれる)を用いれば,型なしのラムダ計算を従来の項書換え系として扱うことができる.横内も独立して,型なしの場合に圏論的結合子の等式を書き換え規則として扱うことを提唱した.しかし圏の射はf:A→Bのように定義域Aと値域Bによって型付けられた存在であり,射の結合は一方の値域と他方の定義域が一致するような射の対に対してのみ部分的に定義される.個々の結合子についても,異なる対象の上で同様に作用し得るという多相的な性質を持っている.たとえ型なしのC-モノイドを扱うとしても,結合子に関する個々の等式がどのような計算的・意味論的性質に連係しているのかが明らかでないので,合流性や停止性といった項書換え系の性質を考察することが困難である.本稿では,まずCCCのための圏論的結合子とその等式を随伴関手から直接導き出し,自由圏を生成する逐次式計算系を定義する.そしてこの体系におけるカット除去を圏論的結合子の操作的意味として用いることを提案する.
著者
森 彰 松本 吉弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.10, pp.2422-2432, 1995-10-15

圏論的結合子(categorical vombinator)はラムダ計算の変数を含まない翻訳であることから、圏論的解釈を利用した関数型言語の実装に用いられている。本稿では圏の構造を随伴関手(adjointfunctor)で定義することで、圏論的結合子とその等式が圏論の基本概念から天下り的に導かれることを示す。圏論的結合子は随伴関手に付随する自然変換である単因子(unit)と余単因子(counit)として得られ、その等式は圏、関手、自然変換の定義、および随伴関手の三角可換図(triangular identity)から直接導かれる。まず最初にカルテシアン閉圏(cartesian closed category)のための圏論的結合子の導出について述べ、これを用いた自由圏の構成を示す。そして次に圏論的結合子の非外延的(non-extensional)な等武が半随伴関手(semi-adojoint functor)から導かれることを示す。最後に一般の極限対象(1imit object)や再帰的対象(recursive object)について考察し、その際に右随伴関手と左随伴関手の双対性(dua1ity)がどのように作用するかをみる。