著者
梅田 靖 松本 光崇 福重 真一 木村 文彦 増井 慶次郎 藤本 淳 増井 慶次郎 近藤 伸亮 高本 仁志 小林 英樹 木下 裕介
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

持続可能社会像の議論のため、「持続可能社会シナリオ」が盛んに描かれているが、文章の合理的理解が困難であり、また、シナリオ作成の計算機支援も十分ではない。以上の問題を解決するため、本研究は、論理構造に注目したシナリオ表現方法論、シナリオ作成の計算機支援方法論を提案し、これらを実装したシナリオ作成・分析支援システム「Sustainable Society Scenario (3S) Simulator」を開発した。さらに実行例として、持続可能社会における製造業のシナリオを作成した。
著者
池田和史 服部元 松本一則 小野智弘 東野輝夫
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.1308-1315, 2011-06-30

近年、TwitterのようなブログやWeb掲示板などに投稿された商品やテレビ番組などに対する口コミ情報を分析してマーケティング等に応用する評判解析技術に注目が集まっている。これらは手軽い情報発信が可能なため、新鮮かつ多数の意見を即座に収集するツールとして、その活用は大きな可能性を持っている。一方で、評判は投稿者の年齢や性別、趣味などのプロフィールに応じて異なることが多いが、ブログや掲示板には投稿者の年齢や性別が記載されていない場合が多く、投稿数や平均的な意見などの表面的な情報しか抽出できず、プロフィールごとの意見を抽出できないことが課題であった。この問題を解決するため、著者らはTwitter上の口コミ投稿者の日常的な投稿内容を解析することで、年代、性別、居住地域などのプロフィールを推定する技術を開発した。本技術を利用することで、ネット上の口コミ情報をプロフィールごとに分類、集約することが可能となり、商品の改善やテレビ番組の企画などに生かすことが可能となる。性能評価実験の結果、提案手法の汎用的な推定精度は性別で88.0%、年代で68.0%、居住地域で70.8%であり、視聴率測定などへの応用を想定したプロフィール分布誤差の評価では、分布に偏りがある場合でも性別で8.8%、年代で12.4%、居住地で14.0%と実利用に十分な精度であることが示された。
著者
川合 知二 金井 真樹 田畑 仁 松本 卓也 SZABO Gabor LIBER Charle LIEBER Charl
出版者
大阪大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

レーザーアブレーション法は、誘電体、超伝導体など様々な種類の無機積層薄膜が形成でき、有力な機能性無機材料作成法である。レーザーアブレーション法をさらに発展させ、原子分子層制御無機機能性人工格子などの設計、合成に応用していくには、アブレーションのメカニズムを明らかにすることと同時に、レーザーアブレーション特有の特徴を薄膜形成に生かして新しい人工物質を実際に創成していくことが重要である。この様な背景のもとに、無機物質化学、表面界面化学で世界的に活躍しているハーバード大学Prof.Lieberグループと短パルスレーザーの科学で活躍しているハンガリー・ジェイト大学Prof.Szaboグループと川合グループが共同で「レーザーアブレーション薄膜形成のメカニズム解明と人工格子への応用の調査研究」を行った。平成6年度は、主に金属酸化物、特に強誘電体(BaTiO_3,SrTiO_3)と超電導体(Bi_2Sr_2CaCu_2O_8系)を中心にしてレーザーアブレーションのメカニズムと薄膜形成の決定要因の解明について調査研究を行った。既存のエキシマレーザーを用いて、上記物質群のアブレーションメカニズムを調べた。放出粒子の光強度依存性、及び、アブレートされた部分の微視的モルフォロジーなどからアブレーションが、主に光化学的プロセスであり、しかも内殻最高準位電子の多光子励起によって起こることが明らかになった。このメカニズムは、2つのレーザーパルスを遅延させてアブレーションさせる実験によって確認できた。アブレーションによって生成した粒子のエネルギーと薄膜表面と構造との相関を解析し、より良質の薄膜の形成要因を明らかにした。平成7年度は、レーザーアブレーションによる人工格子形成に調査研究の中心をおいた。BaTiO_3,SrTiO_3,Bi_2Sr_2CaCu_2O_8など異なったターゲットを用いて、格子定数の異なる層を積層し、強誘電体及び超伝導体の歪格子を形成した。強誘電性人工格子系では、最も誘電率の大きなBaTiO_3を基本層とし、これより格子定数の小さなSrTiO_3,CaTiO_3の層で挟んだ人工格子を作り、C軸を引き延ばすことにより、さらに大きな誘電率をもつ新物質(歪み誘電体人工格子)を形成した。又、PbTiO_3を基本層とする系でも、同様な歪みを加えることにより、分極の大きな新物質を系統的に形成して、物質の構造と特性との相関を明らかにできた。超伝導人工格子系では、Ba系超伝導体の異種元素の導入とCuO_2層数の調節を主に行った。CuO_2層数をレーザーアブレーションの原子分子層積み上げでコントロールし、その層数と超伝導転移温度との関係を調べた。その結果、金を導入した人工格子を作成できたこと、及び、その系でCuO_22層の系が安定であることを見出した。これらの無機機能性薄膜材料の設計、合成について、前年度に調査したアブレーション放出粒子のサイズ、エネルギーと各原子層分子層形成の温度、表面の平坦性の関連を調べ、高機能酸化物人工格子の形成条件を明らかにすることができた。当初計画した研究目的と研究計画については、大方計画通りに進むことができた。レーザーアブレーションのメカニズムが内殻電子の多光子過程を経ることなど重要な結果を得た。本研究の成果は、論文にまとめて公表する他、米国、及び、日本の物理学会、応用物理学会で発表した。特に、1995年度は、国内だけでなく、米国の物理学会に行き共同研究の成果を発表した。
著者
大石 亨 松本 裕治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.29, pp.15-20, 1997-03-21
被引用文献数
4

日本語のアスペクトの研究は,継続相,完成相というような分類とそれぞれの意味を記述していく段階から,副詞的成分などの関わりを含め,アスペクト的な意味の決まり方のプロセスを整理する方向へと発展してきている.本稿では,アスペクト形式や副詞句の意味を時間軸におけるズーミングや焦点化といった認知的プロセスを表示するものとしてとらえ,動詞句の意味に対する動的な操作であると考える.その上で,動詞の意味を素性によって六種類のカテゴリーに分類し,コーパスに現れた表層表現によってこれを推定する実験を行なった.実験の結果,対象とした動詞のうち,96%のカテゴリーを一意に決定することができた.得られた分類を評価するために,最も基本的なアスペクトの形態である「シテイル」形の意味を自動的に決定する処理を行なった.200文における正解率は71%であった.これらの情報は,動詞句のアスペクト的な意味のあり方の類型を与えるだけではなく,文間の関係をとらえる際の手がかりを提供するものであると考える.The study on aspect in Japanese has evolved from the description of the meaning for each type such as "progressive" or "perfective" into the process of the determination of the aspectual meaning including adverbial phrases etc. In this paper, we consider the meaning of the aspectual markers or adverbs as the indicators of the cognitive processes such as "zooming" or "focusing" on the time-line and define them as the dynamic operations on the meaning of the verb phrases. We estimate the aspectual meaning of verbs from surface expressions in a corpus and represent them as a bundle of features. A unique category is identified for 96% of the target verbs. To evaluate the result of the experiment, we examine the meaning of si-teiru which is one of the most fundamental aspectual markers, and obtained the correct recognition score of 71% for the 200 sentences.
著者
山本 明 吉田 哲也 安楽 和明 稲葉 進 井森 正敏 上田 郁夫 音羽 真由美 折戸 周治 木村 誠宏 佐貫 智行 鈴木 純一 田中 賢一 西村 純 野崎 光昭 槇田 康博 松永 浩之 松本 浩 元木 正和 矢島 信之 山上 隆正 吉村 浩司 Golden Robert Kimbell Barbara Mitchell Jon Ormes Jonahtan Righter Donald Streitmatter Robert
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.103-119, 1996-03

超伝導マグネット・スペクトロメーターを用いた宇宙粒子線観測・気球実験(Balloon Borne Experiment with a Superconducting Magnetic Rigidity Spectrometer)は,宇宙起源反粒子探索及び宇宙粒子線の精密観測を目的とする日米・国際共同実験として推進されている[1-7]。NASAおよび宇宙科学研究所を相互の代表機関とし,東京大学,高エネルギー物理学研究所,神戸大学,ニューメキシコ州立大学が研究に参加している。日本側グループがスペクトロメーター本体を準備し,アメリカ側グループが気球の飛翔,制御を担当している。この実験計画は,1980年代にNASAを中心に検討されたASTROMAG計画の準備研究に於て,ソレノイド型超伝導マグネット・スペクトロメーターの構想を提案し,基礎開発を行なった事から,その第一段階となる気球実験としてスタートした[8-9]。この実験協力が1987年にスタートして以来6年の準備期間を経て,1993年に第一回の気球飛翔実験に成功した。1994年には第二回,1995年には第三回・気球飛翔実験に成功した。実験は,北磁極に近いカナダ北部のマニトバ州リンレークからアルバーター州ピースリバーにかけて実施され,合計約50時間の科学観測に成功し,実験機器も無事回収されている。これまでにBESS93の気球飛翔実験についてデータ解析を完了し,運動エネルギー500MeV以下の運動エネルギー領域で,反陽子を4イベント検出した[10-12]。この結果は,低エネルギー領域(<500MeV)での初めての明確な宇宙線反陽子の観測として評価を受けている。BESS93&acd;95の総合的なデータ解析からは,途中経過として,運動エネルギー<1.2GeVに於て,合計&acd;50イベントの反陽子候補を検出している。また反ヘリウムの探索については,1993年&acd;1995年のデータを合わせ,従来の観測よりも一桁高い感度での存在上限値(反ヘリウム/ヘリウム比=8×10^<-6>,@95%CL)を得ている[13-15]。実験は,結果が現われ始めた段階であるが,経過と現状を報告する。
著者
鶴内 孝之 古屋 忠彦 村山 祥子 島野 至 松本 重男
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.185-190, 1988-10-31

1 . lvyleaf speedwell plants were grown in four air conditioning rooms at constant temperatures under natural day length, from 1982 to 1983. In the 15℃ room, they formed a pair of opposite leaves on each of the lower 4 to 6 nodes of the stems, and then an alternate leaf and a flower on each of the upper nodes. In the 20℃ room, they formed opposite leaves on the lower 5 to 7 nodes, and then an alternate leaf and a flower, but fruiting was not prominent. In the 25℃ room, they developed only opposite leaves without a transition to alternate leaf arrangement. In addition, vegetative growth continued and no flowers was produced (Fig. 2) . In the 30℃ room, they did not grow and died within 1 or 2 weeks. 2 . Germinating seeds of ivyleaf speedwell were treated in a 4℃ incubator for 8 or 26 days, and young green plants of ivyleaf speedwell and birdseye speedwell were grown in at air conditioning box at 10℃ under diffused sunlight for 16 or 28 days, from 1984 to 1985 (Table 1) . Thereafter the materials were transferred to the 15, 20 and 25℃ rooms. The exposure of the germinating seeds to 4℃ and of the green young plants to 10℃ promoted the transition from opposite to alternate leaf arrangement, flowering and fruiting. The most remarkable results were as follows : the ivyleaf speedwell plants did not flower in the 25℃ room (Fig. 2), but the exposure to the low temperatures of 4℃ and 10℃ for 26 (VL) or 28 (GL) days, promoted the transition from an opposite to an alternate leaf arrangement, as well as flowering and in some cases fruiting (Table 2) .
著者
奥野 和彦 松本 淳 城丸 春夫 阿知波 洋次
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

(1) SUS1/4"管の内部に8本の0.5φSUS線を張ったビームガイドを真空隔壁を貫通させた3段の差動排気システムにより、大気圧あるいは大気圧に近い圧力領域のイオン化室から生成イオンをガス流の電荷輸送特性とビームガイドのイオントラップ効果を活用して効率よく高真空領域に導いて質量分析ができる大気圧質量分析技術を開発した。(2) AP-LDIにおいてレーザーを回転させた試料塗布ディスク上に点収光させて超低速で走査する螺旋軌道照射させることにより低出力のレーザー光で脱離イオンを長時間安定に連続供給することに成功した。(3) AP-LDIにより生成したC_<60>-イオンのレーザー照射による電子脱離実験(C_<60>-+hn R C_<60>+e-)から、大気圧に近いAP-LDIイオン源で生成されビームガイド中をガス流とともに下流に搬送されてトラップされた分子イオンは運動エネルギーのみならず内部エネルギーも基底状態あるいはその近傍にまで十分冷却されていることが確認された
著者
金田 章宏 松本 泰丈 HOLDA M・A
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

当該の研究期間における研究成果の概要は以下のとおりである。1.八丈方言の文法書を作成した。これはまだ草稿段階のものであり、こんごこれをもとに、練習問題や発展問題などを充実させて学校教育における副読本として利用できるレベルのテキストにまで完成度を上げることで、消滅の危機に瀕した方言再生の手がかりとなる可能性がある。2.過去に録音された八丈島の談話資料をローマ字とカナで文字化し、対訳を付した。これまでに代表者がかかわってきた八丈方言民話・談話資料作成の一環であり、研究期間終了後も継続して進められる予定である。3.八丈方言とのかかわりを念頭に、奄美方言の文法を記述した。分担者である松本がこれまでに行なってきた八丈・琉球方言比較研究の一部となるものであり、代表者が現在個人で行なっている八丈・八重山方言比較研究とも深く関連するものである。4.研究成果の一部を国際会議で発表した。関連する内容についてはこれ以前にも国際会議で発表を行なっているが、今回の研究期間にかかわるものだけを報告書に掲載する。さらに、分担者であるホウダは他言語との対照研究に重点を置いた別稿を準備中である。5.国語研究所に保存されていた八丈方言資料(カードで保存)を電子化し、検索可能なものとした。これにより、文法研究の深化に比べて方言辞典作成の面で遅れていた部分を多少なりとも補うという可能性がでてきた。これについては報告書にも掲載するが、代表者のホームページでの公開も予定している。6.代表者のHPを開設し、過去の関連する科研の成果とあわせて、研究成果の公開を開始した。こんごさらに充実させていく予定である。http://student2.international.chiba-u.ac.jp/kaneda/index-htmlのなかの八丈方言資料
著者
諌早 勇一 MELNIKOVA Irina 服部 文昭 三谷 惠子 石川 達夫 楯岡 求美 松本 賢一
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

1)ロシアと汎スラヴ主義a)スラヴ民族は、しばしば互いの協力と連帯を求める「スラヴ主義」を唱えてきた。b)「スラヴ主義」には親ロシア的な汎スラヴ主義と反ロシア的な複スラヴ主義がある。c)汎スラヴ主義は正教徒の擁護を唱え、ロシアを中心とする拡張主義的傾向が強い。ドストエフスキイはその代表的論客である。d)複スラヴ主義は多くの場合、反ロシア的か反カトリック的だった。チェコスロヴァキアとユーゴスラヴィアはこの思想を体現した国家だが、複スラヴ主義の破綻とともに、国家としても消滅した。e)ソヴィエト映画では「スラヴの兄弟」という概念がしばしば謳われているが、この概念はロシアの拡張主義と深く結びついている。2)亡命と文化の越境a)第一次ロシア亡命者はスラヴ諸国に多く移住したが、受入国の亡命者への態度はさまざまだった。b)受入国が亡命者に好意的だった国では亡命文化が開花したが、非好意的な国では開花できなかった。c)亡命したロシア人演劇関係者は、西欧世界にスタニスラフスキー、メイエルホリドらの最新の演出方法を知らせるのに貢献した。d)チェコスロヴァキア・アヴァンギャルドのブックデザインは、ロシア構成主義の影響を色濃く受けているが、やがてその影響を克服し、独自のスタイルを生み出した。3)ナショナリズムとスラヴ語a)スラヴ諸国においては、近代文章語の成立はナショナリズムの高揚と密接につながっている。b)国家として独立できなかった民族の言語(たとえば上下ソルブ語)は絶滅の危機に瀕しているが、同時に少数言語として保存させるためのさまざまな方策が今日採られている。4)以上の成果は成果報告書「スラヴ世界における文化の越境と交錯」(2007)に掲載されているが、同時にホームページhttp:///www.kinet-tv.ne.jp/~yisahaya/Kaken-2.pdf上にも公開されている。
著者
松本 正 衣斐 信介
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J90-B, no.1, pp.1-16, 2007-01-01

本論文の目的は,「ターボ概念」に関する理解を読者に提供することである.そのために,ターボ概念に基づくアルゴリズムの動作を理解する上で不可欠な相互情報量の伝達特性を評価するために便利なツールである,EXtrinsic Information Transfer (EXIT) チャートの概念を解説する.そのための題材としてターボ等化を取り上げ,現実性と柔軟性に富むSoftCanceller followed by Minimum Mean Squared Error filter (SC-MMSE)型ターボ等化アルゴリズムについて概説する.また,その特性を漸近特性と収束特性の両面から解析する.更に,合理的な拡張としてターボ等化の空間多重を行うMIMOシステムに適用する場合には,収束特性は多次元EXITチャートを用いて評価されなければならないことを示す.最後に,今後の課題や研究動向についても述べる.
著者
帆足 啓一郎 上向 俊晃 松本 一則 滝嶋 康弘
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.41-52, 2009-09-30
被引用文献数
1

本研究では,過去の研究において筆者らが提案した,位置情報付き写真共有 Web サイト上から収集した画像に対し,その位置情報と色特徴に基づいてクラスタリングを行うことにより,Points of Interest (POI) を表す画像群 (POI クラスタ) を自動的に抽出する手法に加え,抽出された POI クラスタに関連するランドマークの名称を自動的に推測する手法の提案と評価を行う.具体的には,POI クラスタの場所と領域に基づき,地図検索を行い,POI クラスタ周辺のランドマークの名称を収集し,次に,各ランドマーク名称を検索クエリとして Web 画像検索を行い,ランドマークに関連する画像情報を収集し,POI クラスタ内の画像との類似度を算出することにより,POI クラスタの画像との関連度が高いランドマーク名称を推測する.東京都心で撮影された画像群を対象とした評価実験により,提案手法によるランドマーク推測の有効性を実証する.This research proposes a novel method to associate specific landmarks to points of interest (POIs), i.e., areas that are expected to be of interest to many users, which can be automatically extracted by clustering geo-tagged images based on their geographical location and color features. Namely, the proposed method first collects images from the Web, by using the names of the landmark candidates of the extracted POIs as Web image search queries. The collected images are used as references of the respective landmarks. The landmark representing each POI is then determined, based on the content-based similarity between the images in the POIs, and the Web images of the landmark candidates. This approach makes possible the automatic construction of a landmark identification system for geo-tagged images. The effectiveness of the proposed method is proved by evaluation experiments conducted with images in the Tokyo metropolitan area.
著者
今村 主税 金納 明宏 光岡 ちほみ 北島 俊一 井上 秀顕 岩原 正宜 松本 陽子 上岡 龍一
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.116, no.12, pp.942-950, 1996-12-25
被引用文献数
12

Remarkably high inhibitory effects of the hybrid liposomes composed of L-α-dimyristoyl-phosphatidylcholine (DMPC) and polyoxyethylenealkyl ether (C_<14> (EO)_n, n=6-8 and C_<12> (EO)_n, n=8-12)) on the growth of human lymphoma-human B-lymphocyte hybridoma (HF) cells in vitro were obtained. The hybrid liposomes composed of 90 mol% DMPC/10mol% C_<14> (EO)_n (n=6-8) or C_<12> (EO)_n (n=8-12) were more fluid as compared with 90mol% DMPC/10 mol% C_<14> (EO)_4 or C_<12> (EO)_n (n=4,23) hybrid liposomes on the basis of fluorescence polarization measurements. These results suggest that the inhibitory effects of the hybrid liposomes on the growth of HF cells should be related to the membrane fluidity. No toxicity to normal rats in vivo was observed in the experiment using 90mol% DMPC/10mol% C_<14> (EO)_7 or 90mol% DMPC/10mol% C_<12> (EO)_<12> hybrid liposomes.
著者
設楽 宗孝 水挽 貴至 松本 有央
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

視覚認識視覚認識において確率共鳴現象がどのような条件で起こるかどうかを調べるために、サルに逐次型遅延見本合わせ課題をトレーニングするための実験制御装置を作成した。ここで、ノンマッチ刺激およびマッチ刺激、背景にはランダムドットノイズを加える。ノイズ量と視覚認識の反応の早さとの関係を調べるために、サルのこの課題のトレーニングを行っているところであるが、ヒトで予備的検証を行ったところ、5%ノイズ程度のところで反応時間が最も短くなり、ヒトでも同様のプロセスがあることが考えられた。
著者
松本 宏 石塚 皓造
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.91-97, 1982-08-26

シメトリンの作用点と考えられる光合成系における選択作用性について検討することを目的とし,シメトリンに対して低抗性であるイネ(日本晴)と感受性であるタイヌビエから葉緑体を単離調整し,それらの電子伝達反応および光リン酸化反応における作用部位の検索,植物間における阻害度の比較を行なった。まず,電子伝達反応に対するシメトリンの作用について検討した。光化学系Iの末端から電子を受容するメチルビオローゲンを用い還元されたメチノレビオローゲンが酸素と結合して反床液中の酸素を消費する反応を利用して,酸素電極で種々の濃度のシメトリン存在下における酸素の消費速度を測定することにより,電子伝達系全体に対する作用を調べた。その結果,シメトリンは処理後ただちにかつ低濃度でこの反応を阻害することが判明し,用いたクロロフィル量(100〜120μg)でI_<50>値はイネで8×10^8M,タイヌビエで9×10^8Mであった(第1図)。つぎに,この電子伝達反床を光化学系IIの反応と光化学系Iの反応に分けて,それぞれに対するシメトリンの作用について検討した。光化学系IIに対する作用は,プラストキノン部位から電子を受容する酸化型のフェニレンジアミンを用いて,水の分解に伴う酸素の発生を酸素電極で測定することにより調べた。その結果,両植物のこの反応はシメトリンにより強い阻害をうけ,I_<50>値はともに5×10^8Mであった(第2図)。光化学系Iに対する作用は,光化学系IIからの電子の流れをDCMUで阻害した上で,アスコルビン酸で還元したDCIPを電子供与体,メチノレピオローゲンを受容体として,酸素電極で酸素消費速度を測定することにより調べた。その結果,この反応は10^4Mのシメトリンでもほとんど阻害をうけなかった(第1表)。また,NADPの光還元も同様にシメトリンの阻害をうけなかった(第2表)。光リン酸化反応に対するシメトリンの作用は,ADPからATPが生成される際にエステノレ化されて減少する反応液中の無機リンを比色法で定量することにより測定した。その結果,非環状光リン酸化反応がほぼ電子伝達反応と同程度の濃度で阻害された。環状光リン酸化反応も阻害されたが,非環状光リン酸化の阻害に比べるとやや弱いものであった(第3表)。これらの結果から,シメトリンの作用は光合成系における光化学系IIの反応と,光リン酸化反応の阻害であると考えられた。しかし,調べたすべての反応系において,イネとタイヌビエ間で葉緑体のジメトンに対する感応性に差ば認められなかった。したがって,両植物におけるシメトリンの作用力は,細胞内に形成される生理活性物質の濃度によって決定されるものと考えられ,選択作用性の要因としてはこれまで指摘してきたこれらの植物間の機能の差,すなわち,茎葉処理時においては茎葉からの吸収速度および茎葉内分解代謝能の差が,根部処理時においては根部内および茎葉内分解・代謝能の差と茎葉への移行速度の差があげられる。
著者
松本 亮介 岡部 寿男
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2012-IOT-16, no.13, pp.1-6, 2012-03-08

ホスティングサービスにおいて,仮想ホスト単位で権限を分離するためには,Web サーバ上のアクセス制御である suEXEC 等を利用する.しかし,既存の Web サーバにおけるアクセス制御方式は,プロセスの生成,破棄が必要となり,パフォーマンスが低く,Web API のような動的コンテンツに適していない.また,インタプリタやプログラム実行方式別に複数用意されており,システム開発者が扱いにくい.そこで,本稿では,コンテンツ処理時にサーバプロセス上で新規スレッドを生成し,スレッドで権限分離を行った上で,スレッド経由でコンテンツの処理を行うアクセス制御手法 “mod_process_security” を提案する.この手法は,高速に動作し,かつ,煩雑になっている Web サーバ上のアクセス制御手法を統一することで,システム開発者が扱いやすくなる.実装は,広く使われている Linux と Apache HTTP Server に対して Apache モジュールとして組み込む形式をとった.