著者
横林 敏夫 横林 康男 中島 民雄
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.30, no.9, pp.1338-1347, 1984-09-20 (Released:2011-07-25)
参考文献数
18
被引用文献数
3 2

Clinical, radiographic and histologic features of 6 recurrent odontogenic keratocysts that developed in 5 patients were described.The rate of recurrence in 28 cases with a minimum of one year follow-up was 21.4% that corresponded well to the average rate reported in other studies. The recurrence was noted 9 months to 5 years after treatment. The results indicated the necessity of regular and long-term follow-up because of the absence of symptoms associated with recurrence in most cases. The mean age of the patients was 16.6 years which was significantly lower than that of patients wthout recurrence.Radiographically, the lesions were unilocular in 4 cases with smooth or scalloping borders and multilocular in other cases. Three cases manifested themselves as huge radiolucent lesions extending from the molar area to the mandibular notch. The initial lesions were also extending over 5 teeth in 2 of 3 cases that developed in the tooth bearing area, but the huge size was not the findings characteristic of the recurrent cases. The cysts were associated with impacted teeth in 5 cases, but the condition could not be regarded as the cause of recurrence. In terms of location, there was no predilecton in the site of recurrence.Five of the 6 cysts had been treated by marsupialization followed by enucleation and primary closure, whereas recurrence was found in no case in which marsupialization, marsupialization followed by enucleation and packing open, enucleation and packing open or block resection were performed. Thus, treatment modality was the most important prognostic factor. Because of the various advantages of marsupialization, we are still in favor of the procedure in the treatment of the cyst occurring in young patients. When enucleation should be considered after marsupialization, however, the utmost care should be taken to remove the cyst en bloc with a margin of safety to include the soft tissue over the areas of bony defect and a layer of the surrounding bone to which it may be adhered and leave the wound to heal secondarily.The presence of epithelial islands or daughter cysts in the cystic wall could not be correlated the recurrence.
著者
田中 美智子 長坂 猛 矢野 智子 小林 敏生 榊原 吉一
出版者
コ・メディカル形態機能学会
雑誌
形態・機能 (ISSN:13477145)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.8-16, 2011 (Released:2015-08-28)
参考文献数
32
被引用文献数
2

高齢者14名(男性7名、女性7名)を対象とし、腹式呼吸を行なっている間の、循環や自律神経の反応に加え、ストレスホルモンへの影響について検討した。対象者が通常の呼吸条件と意識的腹式呼吸条件を行っている時にRR間隔と血圧を持続的に測定し、実験前後の唾液もしくは尿のサンプルからストレスホルモンを採取し、分析した。RR間隔から心拍数を算出するとともに、心拍変動を解析することで、自律神経系の指標を算出した。意識的腹式呼吸条件中には、通常の呼吸条件と同様に心拍数の減少を認め、さらに、収縮期血圧及び拡張期血圧ともに低下した。自律神経系の反応では、意識的腹式呼吸条件中に副交感神経系の指標であるlog(L×T)の増加が見られた。実験後に両条件でストレスホルモンの減少が認められたが、意識的腹式呼吸条件では有意な減少であった。以上のことより、意識的腹式呼吸は高齢者にはストレッサーにはなっておらず、リラックスした状態を維持できる呼吸法と考えられる。
著者
福永 哲 李 賢哲 小林 敏之 折田 創 波田野 琢
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

虫垂切除によりパーキンソン病 (PD)の発症率を下げる可能性が報告されてから、虫垂切除に対する議論がなされている。PDと腸管との関連も注目されており、腸からαシヌクレイン(AS)シードが迷走神経を介して脳へ伝播するが、虫垂はASが凝集し易く、切除することでASシードが減少し発症率を下げるという可能性が指摘されている。近年慢性炎症とそれに伴う腸脂質代謝の変化は癌化や神経変性などに関与すると指摘されており、ASの異常集積に影響を及ぼす可能性を想起した。そこで本研究では、慢性虫垂炎症例におけるASシードを測定し、構造や蓄積過程を観察し炎症や脂肪酸代謝との関連を検討する。
著者
北山 理恵子 林 敏雄 南新 三郎 渡辺 泰雄 成田 弘和
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Japanese Journal of Antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.643-648, 1995-05-25 (Released:2013-05-17)
参考文献数
16

T-3761の血清蛋白結合に関する検討を行い, 以下の結果を得た。1. 各種動物およびヒト血清に対する結合率は16.9~27.7%であり, CiprofloxacinやOfloxacin よりもわずかに高値を示した。2. 薬剤濃度0.25~20μg/mlにおける, ヒト血清蛋白結合率は19.1~23.8%であった。3. ヒト血清蛋白結合率は, 血清蛋白濃度の減少に伴って低下した。4. T-3761 (2μg/ml) のヒト血清との結合率はpHの影響を受け, pH7.0, 7.4および8.0において, 各々12.4, 21.3および32.1%であった。5. ヒト血清蛋白との結合は可逆的であった。6. ウサギにT-3761 20mg/kgを経口投与した時のin vivo結合率は26.1~33.2%であり, in vitro結合率と類似していた。T-3761は富山化学工業 (株) 綜合研究所において開発されたニューキノロン系合成抗菌薬である。本剤はグラム陽性菌ならびにグラム陰性菌に対して広範囲な抗菌スペクトルを有し1), 経口吸収性が優れ, 血中濃度のピーク値が高く, 尿中に速やかに排泄されることを特徴としている2)。今回, T-3761の各種動物およびヒト血清に対する結合率, 血清蛋白結合に及ぼす薬剤濃度, 蛋白濃度ならびにpHの影響, 血清蛋白結合の可逆性を検討した。またウサギにおけるin vivo結合率についても検討したので, その成績を報告する。
著者
小林 敏男
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.64-72, 1987 (Released:2022-07-14)

リーダーシップを含めて諸現象を認識する主観=自我は超越的には存在せず,間主体的な相互作用が取り交わされていくうちに,事後的に形成されるのであり,こうした認識主観の形成原理を調べることによってこそ,リーダーシップ論の認識論的現実妥当性が確保されるのみならず,そもそも主体間での関係の一形態であるリーダーシップのエイドスを見出すことができるのである.極言すれば,リーダーシップがなければ主体における主観=自我は明確には形成されないのである.
著者
/ 藤目 幸擴 / 寺林 敏 奥田 辺幸 伊達 修一 Nobuyuki Okuda Shuichi Date
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.312-318, 2004-07-15 (Released:2008-01-31)
参考文献数
12
被引用文献数
1 2

オクラ(Abelmoschus esculentus)の花芽形成に及ぼす日長の影響を調べるため,春季と秋季の2回,8品種を供試して実験を行った.実験期間中の自然日長区の日長は春季では14.16~14.29,秋季では11.07~12.17時間であった,短日区は自然日長を10時間に制限し,長日区では自然日長の日没前に蛍光灯(3μmo1・m-2・s-1)によって,16時間日長とした.春季実験で'Clemson Spineless'どEmerald'は,自然日長区と長日区に比べて短日区では低節位に,また処理開始後早期に出らいしたノClemson Spineless' どEmerald'における,短日条件による花芽形成促進効果は,低温による生長抑制のためか秋季実験では顕著でなかった. 'Benny','Gulliver','夏のめぐみ','Star Debut','Star Light'と'翠星五角'は,ロ長の長短と季節に関わらずほぼ同一の節位に花芽を形成し,出らい時期もほぼ同じであった.春季実験の短ロ区と秋季実験の全処理区で花芽形成は連続して起こった.一方,春季実験の自然日長区,長日区の'ClemsonSpineless','Emerald', 'Benny','Star Debut'ど翠星五角'では,栄養生長への逆転が起こった.以上の結果から,'Clemson Spineless','Emerald','Benny','Star Debut'ど翠星五角'は花芽形成に対して短日要求性を示した.一方, 'Gulliver','夏のめぐみ'と'Star Light'は,花芽形成に対して中性の要求性を示した.
著者
小林 敏勝
出版者
無機マテリアル学会
雑誌
Journal of the Society of Inorganic Materials, Japan (ISSN:21854378)
巻号頁・発行日
vol.11, no.313, pp.371-376, 2004-11-01 (Released:2011-03-07)
参考文献数
7
被引用文献数
1
著者
布施 彩音 今田 康大 大野 智貴 若林 敏行
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.H2-105_2-H2-105_2, 2019

<p>【症例紹介】</p><p>&nbsp;症例は年齢17歳、性別男性、部活動はバレーボールであった。病歴は3年程前より明らかな誘因なく、両膝関節外側に疼痛が出現、他院にて成長痛疑いで経過観察していた。運動中の痛みは顕著ではなかったことから運動を継続していたが、1年程前から疼痛頻度が増加し、運動後には歩けない程の痛みを呈すようになった為、当院を受診した。主訴は「膝を曲げ伸ばしすると外側に痛みが出る」、Hopeは「日常生活での痛みをなくしたい。6ヵ月後の引退試合に痛みなく出場したい」であった。</p><p>【評価とリーズニング】</p><p>医師診察としてMRIにて半月板損傷、靭帯損傷、軟骨損傷は除外され、腸脛靭帯炎の診断で理学療法開始となった。初回介入時、両側の膝蓋骨下極から傍外側にかけて腫脹、熱感が認められたが、膝蓋跳動は陰性であった。非荷重位での膝関節完全伸展位から約30°屈曲時に膝蓋骨の傍外側でクリックと同時に疼痛を認め、同部位の圧痛も確認できた。Active、Passive両者ともクリック、疼痛程度に変化はないが、上記以外の角度では症状は見られず、安静時痛、夜間痛も認めなかった。部活後、長距離歩行後(1km程度)など運動後のNRS(右/左)は10/10と著明な疼痛を訴えていた。右側に関しては歩行時にひっかかり感も訴えており、日常生活にも支障があった。また疼痛の出現頻度も右側に多く認められた。静的アライメントは大腿、下腿外旋位でわずかに膝内反位、膝蓋骨外上方偏位、外側傾斜を呈しており、膝蓋骨の内下方への動きが制限されていた。膝関節の可動域は屈曲130°/135°、伸展−5°/-5°でエンドフィールは軟部組織性であった。Grinding test、Ober test、Ely test、SLRは全テスト両側で陽性となったが左右差は無かった。</p><p>クリニカルリーズニング:外側滑膜ヒダ障害と診断された先行報告と今回の症状、疼痛部位が類似していたことから、クリックは外側滑膜ヒダが膝蓋大腿関節に挟み込まれることで生じており、これが疼痛を惹起している原因だと考えた。さらに膝蓋骨が外上方偏位、外方傾斜を呈していることで膝蓋骨傍外側に、より圧縮ストレスが生じていると考え、徒手的に膝蓋骨を内下方へ誘導したところ、わずかにクリックが減少した。これらのことから膝蓋骨のマルアライメント修正することにより症状を軽減できるのではないかと考えた。</p><p>【介入内容および結果】</p><p>介入は週1回の外来理学療法を実施した。治療介入はまず疼痛誘発の原因と思われた膝蓋骨のマルアライメントを中心に理学療法を実施した。具体的には膝蓋骨傍外側を中心に超音波を実施し、炎症が強い時期には非温熱にて炎症緩和を、炎症緩和後は温熱にて膝蓋骨周辺組織の伸張性の改善を図った。その上で外側膝蓋支帯、膝蓋下脂肪体周囲のリリース、膝蓋骨のモビライゼーション、腸脛靭帯-外側広筋間のリリースを実施し膝蓋骨の外側傾斜、外方偏位の修正、内下方への可動域制限の改善を図った。また膝蓋骨の内下方への誘導を目的にテーピングを貼付したところ、歩行時の疼痛がわずかに減少したことから、日常生活、部活の際に貼付するよう指示した。その結果、介入から2ヵ月程で膝蓋骨外側の腫脹が軽減し、クリック、疼痛の程度も軽減した。介入開始から4か月ではNRS(右/左)は6/1となり、運動後の疼痛出現頻度も減少した。過度な運動後は疼痛が出現するものの、直後のアイシング、セルフケアにより疼痛自制内でコントロール可能となった。本人の希望であった引退試合に出場することもでき、日常生活にもほぼ支障がなくなったため、外来理学療法終了とした。</p><p>【結論】</p><p>先行報告において外側滑膜ヒダ障害は、膝関節30〜75°で膝蓋骨傍外側にクリックを伴う疼痛が出現するとされており、本症例の症状と類似していた。外側滑膜ヒダ障害は非常に稀であり、過去に保存療法で症状が軽減した報告は見当たらない。診断には関節鏡検査でのみ確定診断が得られるが、本人が希望しなかったため今回確定診断には至らなかった。しかし膝蓋骨のマルアライメントを修正したことで症状が軽減したことから、外側滑膜ヒダ障害と疑われる症例に対し理学療法の有効性が示された。</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>ヘルシンキ宣言に従い対象者には口頭及び文書で同意を得た。</p>
著者
平林 敏行
出版者
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本年度は、マカクザルにおいて遺伝学的手法による神経活動操作と脳機能イメージングを組み合わせ、局所的な神経活動操作による大域ネットワークの機能変容を評価した。まず、片側脳半球の第一次体性感覚野(SI)足領域に抑制性DREADDを遺伝子導入したサルにDREADDの特異的アゴニストであるCNOを静脈投与し、機能的MRIを用いて体性感覚刺激による賦活を調べた結果、DREADDを遺伝子導入したSI足領域における局所的な抑制に加えて、SIから解剖学的投射を受ける同側の5野や第二次体性感覚野においても遠隔的な抑制が認められ、さらにこれらの遠隔抑制領域は、いずれもDREADDを遺伝子導入したSI足領域との間に機能的結合を持つ事が示された。また、呈示された視覚図形を短時間記憶する課題を訓練したマカクザルを用いて、PETによる課題中の局所脳血流量計測を行い、非空間的視覚短期記憶を支える前頭葉―側頭葉ネットワークを同定した。その中で、特に眼窩前頭皮質の活動部位に対して両側性に抑制性DREADDを遺伝子導入し、CNOによる機能抑制を行った。その結果、前述の記憶課題において、記憶負荷が高い場合のみ選択的に課題成績が低下する事が明らかになった。また、CNO投与下にて課題中の局所脳血流量計測を行った結果、DREADDを遺伝子導入した眼窩前頭皮質の活動部位における局所的な抑制に加えて、抑制前にこの領域と機能的結合を示していた下側頭皮質の活動部位においても、遠隔的な抑制が認められた。これらの事から、眼窩前頭皮質の局所的な抑制によって、視覚短期記憶に関わる前頭葉―側頭葉ネットワークの大域的な機能変容が生じ、それが記憶課題成績の低下に繋がったと考えられる。以上により、遺伝学的手法を用いた局所的な神経活動操作が大域ネットワークの機能に及ぼす影響を、脳機能イメージングによって評価する系が確立された。
著者
中林 敏郎 真野 三蔵
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.22, no.11, pp.549-553, 1975
被引用文献数
2

焙煎中のクロロゲン酸類の質的および量的変化を明らかにするために,熱分析曲線の変化とクロロゲン酸類の変化との関係を検討した。<BR>(1) コーヒ豆粉砕物の圧縮成形試料を用いることにより,再現性のある熱分析曲線を得ることができた。<BR>(2) コーヒー豆,そのメタノール抽出物,およびクロロゲン酸の熱分析曲線は類似しており,200℃付近に吸熱があり,それ以上で著しい発熱と重量減が起こる。<BR>(3) 200℃付近の吸熱はクロロゲン酸類からの多数の熱変化物の生成反応に基くもので,熱変化物の一部が焙煎コーヒーに含まれることをTLCクロマトグラフィーで明らかにした。<BR>(4) 200℃以上での急激な発熱と重量減は,コーヒー豆成分の酸化や燃焼によるもので,この段階での褐色色素の急増に平行してクロロゲン酸類が急減することをアンモニア発色法を用いて明らかにした。<BR>(5) 以上の結果から,焙煎中クロロゲン酸類は直接,あるいは多数の熱変化物や他の成分との反応で生成する2次生成物を経て褐色色素に変化するものと推定した。<BR>本実験を行なうに当り熱分析の御指導を頂いた本学部の加藤芳朗教授に感謝する。また御援助を頂いたソントン食品工業株式会社および試料を提供して頂いた(株)トミヤコーヒー店(静岡市)に感謝する。
著者
何 永森 森西 洋平 小林 敏雄
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.p39-42, 1988-01

特集 乱流の数値シミュレーション(NST) その4
著者
中林 敏郎 真野 三蔵
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.22, no.11, pp.549-553, 1975-11-15 (Released:2011-02-17)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2

焙煎中のクロロゲン酸類の質的および量的変化を明らかにするために,熱分析曲線の変化とクロロゲン酸類の変化との関係を検討した。(1) コーヒ豆粉砕物の圧縮成形試料を用いることにより,再現性のある熱分析曲線を得ることができた。(2) コーヒー豆,そのメタノール抽出物,およびクロロゲン酸の熱分析曲線は類似しており,200℃付近に吸熱があり,それ以上で著しい発熱と重量減が起こる。(3) 200℃付近の吸熱はクロロゲン酸類からの多数の熱変化物の生成反応に基くもので,熱変化物の一部が焙煎コーヒーに含まれることをTLCクロマトグラフィーで明らかにした。(4) 200℃以上での急激な発熱と重量減は,コーヒー豆成分の酸化や燃焼によるもので,この段階での褐色色素の急増に平行してクロロゲン酸類が急減することをアンモニア発色法を用いて明らかにした。(5) 以上の結果から,焙煎中クロロゲン酸類は直接,あるいは多数の熱変化物や他の成分との反応で生成する2次生成物を経て褐色色素に変化するものと推定した。本実験を行なうに当り熱分析の御指導を頂いた本学部の加藤芳朗教授に感謝する。また御援助を頂いたソントン食品工業株式会社および試料を提供して頂いた(株)トミヤコーヒー店(静岡市)に感謝する。
著者
小垣 哲也 小林 敏雄 谷口 伸行
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.65, no.633, pp.1559-1567, 1999-05-25 (Released:2008-03-28)
参考文献数
15
被引用文献数
3 2

In order to conduct direct numerical simulation (DNS) or large eddy simulation (LES) of turbulent flows in complicated flow geometry, accurate finite difference methods are needed in generalized curvilinear coordinate system. Recently, it was shown that the analytical conservation properties of the set of basic equations are needed to be satisfied properly even in discretized basic equations in order to obtain accurate and stable solutions in simulations of incompressible turbulent flow using finite difference method. The basic equations treated here are the continuity equation, the Navier-Stokes equation and the transport equations of the square values of velocity components and the kinetic energy. In this paper, finite difference schemes in generalized curvilinear coordinate system that are suitable for simulations of incompressible turbulent flow are constructed from relatively simple extension of the proper finite difference schemes derived in equidistant Cartesian coordinate system. The extension of finite difference scheme into generalized curvilinear coordinate system is based on the fact that the analytical conservation properties of the coordinate transformed basic equations for incompressible viscous flows are identical with that in Cartesian coordinates.
著者
高橋 利禎 小林 敏彦
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.839-844, 1988
被引用文献数
1

いろいろの条件の下に調製されたポリビニルステアラート (PVS) の構造を透過電子顕微鏡法で研究した. 次のような結果が得られた. (1) 0.3%の高分子を含むクロロホルム溶液より水面または炭素膜上に室温でキャストして薄膜を作成した. 水面上では直径約nmの微粒子よりなる不定形な構造が形成されたが炭素膜上ではフィブリル状の構造が形成された. 電子線回折法 (ED) による研究により, PVSの側鎖は親水性の基盤 (水) 上には垂直に, また疎水性の基盤 (炭素) 上には平行に配列していると推定された. (2) PVSを疎水性基とともに極性基を持つ溶剤 (オクタノール, ニトロベンゼン, シクロヘキサノール, ベンジルアルコールなど) に60℃で溶解させ. その溶液を冷却して形成されるPVSの構造を検討した. PVSは球殻, しわのある円盤, 花弁のような結晶を形成したが. それらは側鎖がその表面に対し垂直に六方充てんした球殻状構造に由来するものと考えた.
著者
北川原 香 横林 敏夫 清水 武 五島 秀樹
出版者
特定非営利活動法人 日本口腔科学会
雑誌
日本口腔科学会雑誌 (ISSN:00290297)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.44-50, 2003-03-10 (Released:2011-01-31)
参考文献数
32
被引用文献数
10

Fourteen patients with subcutaneous emphysema treated in our department during 17 years were clinically studied. All but one were referred to us by other dentists because of complications. They con sistedof five male and nine female patients. Their ages ranged from 16 to 67 years and 62% of them were in their thirties. The emphysema resulted during sectioning of the mandibular third molar by using an air-turbine handpiece in four patients and from extraction of other teeth in four patients. The use of compressed air during dental procedures was the cause in four patients and the complication was associated with endodontic treatment and implanta tionof a dental implant in the other two patients. A diffuse swelling involving the eyelid, cheek, mandibu larregion and neck accompanied by crepitation on palpation of the swollen area was noted in all patients.Difficulty in opening the eyelid, headache, nausea and mediastinal emphysema were found in four, one, one and one patients, respectively. Antibiotics were given to all patients to prevent infection. Except four one patient with prolonged swelling due to pericoronitis and another patient without adequate information, the swelling with subcutaneous crepitus tended to subside within a week and secondary complications were encountered in no patients.