著者
伊藤 龍星 原 朋之 樋下 雄一 藤吉 栄次 玉城 泉也 小林 正裕 阿部 真比古 吉田 吾郎 菊地 則雄
出版者
大分県農林水産研究指導センター水産研究部
雑誌
大分県農林水産研究指導センター研究報告. 水産研究部編 = Bulletin of Oita Prefectural Agriculture, Forestry and Fisheries Research Center (Fisheries Research Division) (ISSN:2186098X)
巻号頁・発行日
no.4, pp.9-22, 2014-07

国東半島及び別府湾の沿岸で、アサクサノリほか希少アマノリ類の分布について調査した。1. 採集した葉状体は形態観察を行い、アサクサノリと思われるものはさらにPCR-RFLP分析による種同定を行った。2. 調査を行った46地点のうち、国東半島10地点、別府湾2地点の計12地点で採集したアマノリ葉状体がアサクサノリと判断された。3. 国東半島の1地点で採集したアマノリ葉状体がイチマツノリと判断された。4. 国東半島の3地点で採集したアマノリ葉状体がソメワケアマノリと判断された。5. アサクサノリは環境省の「絶滅危惧I類」、水産庁の「絶滅危惧種」に、イチマツノリは水産庁の「絶滅危惧種」に、ソメワケアマノリは環境省の「準絶滅危惧種」、水産庁の「絶滅危惧種」に選定されており、国東半島及び別府湾には、貴重な絶滅危惧種アマノリ類が分布していることが判明した。
著者
林 圭一 西 弘嗣 高嶋 礼詩 友杉 貴茂 川辺 文久
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.117, no.1, pp.14-34, 2011-01-15 (Released:2011-05-11)
参考文献数
42
被引用文献数
3 3

北海道中央南部には,上部白亜系の佐久層,鹿島層,函淵層が広く分布している.本研究では,これまで十分に検討が行われてこなかった大夕張地域以南において佐久層上部~鹿島層にかけての岩相層序を再検討するとともに,浮遊性有孔虫および底生有孔虫化石の層位分布を検討し,浮遊性有孔虫化石による国際年代対比を行った.あわせて底生有孔虫化石帯を設定し,その群集変化から堆積環境の変化を解明することを目的とした.浮遊性有孔虫に基づくと,佐久層上部~鹿島層はチューロニアン上部からカンパニアン下部に対比される.また,底生有孔虫群集の変遷から4つの底生有孔虫化石帯を設定した.底生有孔虫に基づくと,佐久層上部~鹿島層の堆積場は堆積期間を通じで中部~上部漸深海であったと考えられる.
著者
上林 洋二
出版者
筑波大学文藝・言語学系
雑誌
文藝言語研究. 言語篇 (ISSN:03877515)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.51-57, 1988-02
著者
堀 秀昭 藤本 昭 山崎 美帆 伊藤 のぞみ 大谷 浩樹 小林 康孝 林 正岳
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.E0340, 2008

【目的】今回の介護保険制度改正は、「できない」「足りない」を補うだけでなく、「できる」「している」を増やす目標志向型にシフトし、特に運動器の機能向上、栄養改善、口腔機能の向上に関しては加算が行われる。しかし、これらのプランも事業所で行われるだけでは効果はなく、在宅・地域コミュニティで継続されることが重要である。今回、高齢者スポーツ実施を通して継続的に地域で介護予防を実施するために、スポーツ高齢者の身体機能を調査し、スポーツの特殊性を検討するための基本的な調査を行った。<BR>【方法】対象は、スポーツを行っている高齢者366名(平均年齢69.8歳)とスポーツを行っていない高齢者399名(平均年齢76.5歳)とした。スポーツの種類としては、エスキーテニス、バウンドテニス、ラージボール卓球、シルバーバレーボール、グランドゴルフ、マレットゴルフ、ゲートボール、太極拳とした。身体機能測定項目は、片脚立位時間、握力、5m速度とし、各々の測定値から運動機能総合判定指標を算出した。また同時に転倒リスクに関する調査も行った。分析は、実施の有無、種目別、年齢別にて分散分析、また重回帰分析により転倒リスクとの関連を検討した。<BR>【結果】1、片脚立位時間は、太極拳(49.2秒)、シルバーバレー(46.2秒)がマレット(28.0秒)ゲートボール(32.6秒)より有意に長かった。握力は、グランドゴルフ(36.5Kg)エスキー(35.5Kg)バウンド(35.1Kg)ゲートボール(34.3 Kg)であり、太極拳(27.8 Kg)より有意に強かった。5m歩行は、バウンド(2.1秒)がゲートボール(2.8秒)より有意に早かった。運動機能総合判定指標においては、各種目に有意差は認められなかった。2、転倒リスクとの関連では片脚立位時間(p=0.011)握力(p=0.013)が有意な関連が認められた。<BR>【考察】運動機能総合判定指標では各スポーツの種目において違いが認められなかったが、バランス能力の片脚立位時間や総合筋力指標の握力で、スポーツ間に違いが認められた。これは競技特性を表しており、ラケットを使用しての競技は握力が必要であり、前後左右への動きが必要とされるラージボール卓球、シルバーバレーボール、太極拳は片脚立位時間が必要とされる。また転倒リスクと片脚立位時間や握力に関連性が見られたことで、高齢者スポーツを紹介する手段として、高齢者の握力と片脚立位時間を測定し、過去のスポーツ暦を考慮に入れながら、転倒予防を目標としたスポーツ紹介が可能と考える。また運動の精神的効果や社会的効果も報告されており、汗を流す喜びを体験させ、体力の向上は健康感を実感させ、ストレスから解放し、また地域に住む人々とともに運動やスポーツを楽しむことで友達づくりに貢献できるので、高齢者スポーツの推進を積極的に行う必要性がある。
著者
林 明男 池田 直樹 東条 尚 山本 良二 多田 弘人
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 = The journal of the Japanese Association for Chest Surgery (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.18, no.5, pp.682-686, 2004-07-15
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

気管用ダブルルーメンチューブ使用により第2-5気管軟骨膜様部に損傷を来たした症例を経験したので報告する.症例は48歳女性.身長156cm, 体重48kg.右肺癌cT4N1M0に対し化学療法4コース施行後に右肺中葉切除及び右胸腔内温熱療法を施行した.挿管チューブは左用35Frダブルルーメンチューブ (ポーテックス社製ブルーライン・気管支内チューブ) を使用.挿管は容易であったが至適位置での固定が困難で, やむを得ずチューブを強く押し込んだ形で固定した.術中は左片肺換気を行い明らかな異常は認めず, 抜管後退室した.術後1日目に前胸部皮下気腫を認め増強傾向であったため術後2日目に胸部CT及び気管支鏡を施行.気管周囲に著明な縦隔気腫像を認め, 第2気管軟骨輪部を中心に膜様部が非薄化し裂傷が疑われた.同日緊急手術でこれを修復し, 初回手術後14日目に退院した.文献的考察を加え報告する.
著者
寺坂 晋作 竹原 康浩 高畠 靖志 宇野 英一 土屋 良武 林 浩嗣 山村 修 青竹 康雄
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.735-739, 2007-11-25 (Released:2009-02-06)
参考文献数
7
被引用文献数
8 7

脳卒中リハにおいて予後予測は重要なテーマである. 今回, 急性期脳卒中患者の予後についてFIMを用いて検討した. 2005年4月から1年間の脳卒中患者208例 (くも膜下出血は除外) のうち, 入院から2週経過時の運動FIMが80点未満の123例を対象とした. 2週時運動FIMより70~79点, 50~69点, 50点未満の3群に分類し, 運動FIM50点未満の83例は, 運動FIM利得15点以上の高回復群 (30例) と14点以下の低回復群 (53例) に細分類した上で, 運動FIMと認知FIM, 自宅復帰率, 歩行獲得率, 在院日数を比較した. 2週時運動FIM50点以上のセルフケア自立群と半介助群では, 退院時運動FIMがそれぞれ80.9, 72.7, 歩行獲得率は100%, 90.9%であり退院までに高いADL獲得が可能であった. 50点未満の全介助群では退院時運動FIMは38.8, 歩行獲得率36.1%と前2群に比べ低値であった. 全介助群のうち高回復群の2週時認知FIMは24.2であり, 低回復群の12.5に比べ有意に高かった. 2週時運動FIMが50以上であれば高いADL獲得が可能である. 2週時運動FIMが50未満であっても認知FIMが高ければ, その後高いADL獲得の可能性が示唆された.
著者
松原 藤好 加藤 勝 林屋 慶三 児玉 礼次郎 浜村 保次
出版者
The Japanese Society of Sericultural Science
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.39-45, 1967-02-28 (Released:2010-11-29)
参考文献数
16

Aseptic rearing of the silkworm (Bombyx mori) larvae with prepared food has been carried out to know their condition of development, mortality and quality of the cocoon in comparison with those in the usual rearing with mulberry leaves. The results are summarized as follows.Silkworm eggs within 48hrs. of hatching were disinfected, immersing them in 70% ethanol for 20 minutes and subsequently 0.1% HgCl2 or 2-4% formaline for 20 minutes. The eggs were washed throughly with sterilized water or absolute ethanol and then put in sterilized container.The newly hatched larvae were put and plugged in the previously sterilized test tubes containing prepared food and incubated at 25°C. The sterilization method of the test tubes and diet was as follows: 100gr of diet (regarding its composition, see the text) was mixed in 160ml of water and introduced into the tube, plugged with cotton and autoclaved (1.2kgW/cm2) for 30-40 minutes.Rearing circumstance through all the stages of aseptical rearing were always under the condition of closed circumstance with high humidity (about 95%) but the silkworm larvae ate and grew well.The mortality and body weight of the larvae aseptically reared were almost similar to those in the control worms. Cocoon quality, however, was somewhat inferior in the aseptical rearing.Cocoon weight and its ratio against the weight (cocoon plus pupa) were 0.22-0.33g and 17.5-19.5% respectively in the aseptical rearing. Those in control 20.3-24.0%.To make the results sure it was required that (1) thus prepared food should be acceptance of their food by the newly hatched worms, (2) only eggs 48 hrs should be used for axenic work. After hatching, were to be on the sterilized food, (3) the larvae should be transfered on fresh food at least once every week. In case of aseptic rearing with prepared food, it is guessed that there is not so bad influence for the growth of silkworm larvae even if they are reared under the above mentioned circumstances during their larvae's period. It is considered that the aseptic rearing is suitable for prepared food rearing and is available for practice in sericulture to obtain aseptic-silkworm (Germfree silkworm).
著者
木村 宣哉 小原 健太朗 秋林 奈緒子 宮本 貴子
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
pp.2018-039-B, (Released:2019-05-31)
被引用文献数
10

目的:近年、健康に関する情報を扱う能力であるヘルスリテラシー(以下、HL)が国内外ともに注目されてきているが、日本の企業において包括的なHLを調査した研究は見当たらない。本研究の目的は、鉄道会社A社の包括的HLを調査し、産業分野における包括的HLの実態及び健康診断や健康相談などとの関連を明らかにすることである。対象と方法:対象として、A社の社員をA社全体の分布と同程度の割合になるよう年代、性別、夜勤の有無、役職の有無で20群に層化し、541名を系統的無作為抽出した。調査は2017年に郵送による自記式質問紙調査を実施した。HLの測定は、HLS-EU-Q47日本語版を使用した。この質問紙はヘルスケア、疾病予防、ヘルスプロモーションの3領域で構成され、各領域を合わせたものを総合HLとする。質問は47項目で、回答は「とても簡単」「やや簡単」「やや難しい」「とても難しい」「わからない/あてはまらない」の5択とした。HLのスコアは、0から50点満点に標準化した。HLの困難度は、「やや難しい」と「とても難しい」を合わせた割合とした。HLの比較として、中山らのWEBによる調査とGotoらによる調査を用いた。また、HLと個人属性、健康診断や健康相談等に関する行動との関連をみるため統計解析を行った。本研究はA社内部の倫理委員会の承認を受け実施した。結果:調査票は417名から返却された。A社の総合HLは25.1と低い結果であった。この結果は、中山らの調査と比べると同程度の総合HLで、Gotoらの調査と比べると5点程度低かった。A社の領域別HLは、ヘルスケア24.6、疾病予防27.9、ヘルスプロモーション22.8と全体的に低く、傾向としては疾病予防領域が高く、ヘルスプロモーション領域が低かった。この傾向はGotoらの調査と同様であったが、中山らの調査では逆に疾病予防の領域でHLが低くなっていた。また、A社では個人属性と総合HLに有意差はみられなかった。HLの困難度では「食品パッケージ情報の理解」の項目で最も先行研究と差があり、A社は約20%困難度が高かった。健康診断・健康相談等に関する行動とHLでは、疾病予防とヘルスプロモーションの領域で、健診結果の活用と健診で要精査だった場合の受診行動に有意差がみられた。また、総合HL及び疾病予防のHLと職場巡視で健康相談等を受けた回数とで有意差がみられたが、自分で希望して受けた人を除いた解析では有意差はみられなかった。考察と結論:A社の包括的HLは低かったが、本調査を含め、日本におけるHLS-EU-Q47を用いた3つの調査は一貫した結果を示さなかった。これらの要因として、調査方法の違いやA社の特徴などが考えられる。また、総合HL及び疾病予防のHLが高い人は、自主的に健康相談等を受ける傾向などが明らかとなった。
著者
岡部 多加志 小林 俊恵
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.71-76, 2006 (Released:2008-01-18)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

当院におけるアルツハイマー型認知症例に対する音楽療法について紹介した.軽度の認知症を伴ったアルツハイマー型認知症の患者10名(平均年令73.1歳)を対象として,小グループによる活動的音楽療法を1回60分,週2回のペースで6ヶ月間施行した.音楽療法終了後,異なった複数の評価方法を用いて効果の判定をした.音楽療法士による評価および高次大脳機能検査では,それぞれ半数以上の症例に改善効果を認め,お互いの判定結果には有意の相関性がみられた.ヘッドホーンを介しての音楽刺激によるデジタル脳波記録では,症例個々の好みの音楽に対するα反応性が良く,同時に好きな音楽を聴くことによりαリズムの速波化が認められた.
著者
藤田 綜一郎 小林 隼人 奥村 学
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

オンラインニュースサイトには,読者の議論の場としてコメント欄が設けられているものがある.そこでは,コメントを肯定的な読者評価が多い順にランキング(順位付け)し,読者に優先的に提示しているが,コメントの良さが平等に評価されていないという問題点が知られている.良いコメントを直接ランキングする研究も行われているが,分類器の精度が高くないという課題が残されていた.一方で,分類器のアンサンブルはモデルの精度を向上させる手法として広く知られている.最近では,要約タスクにおいて,モデル間の類似度を用いてモデルの多数決をとることで高速に動作し,かつ高い精度が得られたという報告がある.我々はドメインの性質から,コメントのランキングに,この類似度を用いた多数決によるアンサンブルモデルが適用できると考えた.そこで本研究では,ランキングの評価指標を用いて記事毎にモデルの重要度を変化させる,多数決ベースの教師なしアンサンブル手法を提案する.ニュースコメントの建設的度合いをランキングするタスクの実験を行い,結果として,モデルの出力を評価指標の値で重み付けや取捨選択することで既存手法を上回る精度を達成した.
著者
斎藤 奨 Chiang Chun-Wei Savage Saiph 中野 鐵兵 小林 哲則 Bigham Jeffrey
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

クラウドソーシングにおいて、ワーカーの多くが十分な賃金を獲得できていないことが問題視されている。原因の一つとして、まだ取り組んだことのないマイクロタスクの「割の良さ」を正確に見積もることの難しさが挙げられる。本研究では、他のワーカーによる過去のタスク作業履歴をもとに、新たに発行された未知のタスクに必要な作業時間と時給を推定する手法を提案する。Amazon Mechanical Turkのワーカー84人に独自に開発したウェブブラウザ拡張機能をインストールさせて9,155件のタスクデータを抽出し、異なる方法で計測した4パターンの時間の候補からワーカー自身に一つ選ばせることで作業時間のラベルを付与した。さらにGradient Boosting Decision Treeのモデルから作業時間を回帰推定するTurkScannerを設計・評価し、約150次元の特徴ベクトルから高い精度で作業時間を推定することを示した。
著者
小林 由紀子 江連 亜弥 小澤 真美子
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.86-88, 2016

リハビリテーション部署の産前産後休業および育児休業(以下,産休育休)の取得状況を検証するため,医療法人敬愛会リハビリテーション部における産休育休の取得状況と妊産婦がかかえる問題について検証した。方法は,医療法人敬愛会リハビリテーション部の職員を対象に,過去10年間の職員総数,男女比,経験年数,離職者数,産休育休取得者数等を調査した。また,産休育休取得者には,産休取得時の経験年数,産休育休の期間についてアンケートを実施した。結果は,職場の動向について,離職率は近年横ばいとなり,療法士の経験年数は中堅層以上が若手層を上回っていた。産休育休取得者は増加傾向が認められた。アンケート結果では,産前休暇は,約3割が体調不良により早めに取得した。育休復帰時期は,半数近くが予定より早く復帰した。産休育休取得者に増加傾向が認められたのは,職場が安定し中長期的な人生設計が立てやすくなったことや,子育て世帯によるロールモデルの蓄積などとの関連性が推察された。育休終了時期に関しては,保育所不足の問題が大きく関与していた。<br>
著者
三柴 良和 吉多 誠児 岩崎 伸二 林 美樹 広瀕 拓
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.687-688, 1997-09-24

運用管理業務における管理者は監視結果の警告や諸情報に基づいて, 対応作業を行うことになるが, 管理者の対応作業は定型化が難しい事もあり, ツールによる支援があまり行われていない。また, 分散システム環境ではシステムの巨大化に伴い複数の管理者で分担して管理する事が多くなり, そのため管理者間での情報交換がスムーズに行われる事が管理作業を進める上で重要な要素になっている。複数管理者での管理作業で問題になるのは, 作業分担による情報の分断と不明確な責任範囲である。問題を抱えた管理者は, 自分では解決出来ない場合, 他の管理者に情報提供等の作業を依頼する事が考えられる。その場合に, 依頼を受けた管理者はさらに他の管理者に依頼をするなどして, 作業責任が不明瞭になっていく。そこで, 管理者同士のやり取りを, システムが畜積・公開を行う事で, 情報の共有・作業責任の明確化を行い, 問題解決の支援を行う。本研究では管理者間の協調作業と作業責任の明確化を重視した問題解決支援の仕組みを, 特に迅速さが要求される障害対応作業の支援として適用した。
著者
宮本謙三 竹林 秀晃 島村 千春 宮本 祥子 宅間 豊 井上 佳和 岡部 孝生
出版者
土佐リハビリテーションカレッジ
雑誌
土佐リハビリテーションジャーナル (ISSN:13479261)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.25-29, 2004
被引用文献数
2

介護予防を目的とする様々な取り組みが行われている。高知県香我美町においても平成15年度より県のモデル事業として,高齢者健診による虚弱高齢者の把握と運動教室を開催している。運動教室の成果は費用対効果の観点から評価されることが多いが,運動プログラムの適否を検討するためには身体機能の変化を指標とした評価が不可欠である。今回我々は,平成15年度に実施した運動教室について,3ヶ月間22回の運動教室の前後で運動機能を比較検しその効果を検証した。測定項目は(1)握力,(2)膝伸展筋力(HHD),(3)開眼片脚立ち時間,(4)閉眼片脚立ち時間,(5)長坐体前屈,(6)Up & Go,(7)10m歩行時間の計7項目とした。参加人数は21名で,運動内容はストレッチングと軽い筋力トレーニングを中心に約1時間程度のものである。結果は長坐体前屈と10m歩行時間において改善が認められ,運動内容を反映した一定の効果が得られたものと思われた。そしてこの運動教室は,事業終了後も参加者の自主開催により継続されている。介護予防の取り組みは対象者に継続的な運動習慣を根付かせ,地域全体の健康意識の高まりを促すものでなければならない。今後は,教室の集団構成のあり方を吟味し,集団の機能水準に見合った運動内容を整理すると同時に,機能維持のためのシステム構築を検討することが必要である。