著者
内野 權次 三好 茂樹 森山 利治 小林 正幸
出版者
筑波技術短期大学学術国際交流委員会
雑誌
筑波技術短期大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.75-80, 2002

筑波技術短期大学の聴覚部では通常の学内放送の代わりに、ケーブルテレビシステムを利用して開学時から文字と画像を中心とした学内広報〔1〕〔2〕や、学生に必要な様々な情報伝達を行ってきた。またこの設備は、通常のテレビ放送を受信し、再転送放送も行っており、時代の変遷に伴って用途に応じた様々な改善や機能増設を施しつつ活用されている。ここ数年間に一般のテレビ放送局においても、聴覚障害者のための情報保障として字幕放送番組が増えつつある。また、放送大学でも本学と単位互換協定を結んで、昨年から字幕入りの講義科目を開設している。一方全日本ろうあ連盟では独自の聴覚障害者専用デイジタル衛星放送「目で聴くテレビ」を平成12年度から開始した。そこで本学では、これを期に学生達が寄宿舎の個室で様々な学習情報や生活情報など、字幕放送を通じてより多くの知識が吸収出来るよう設備の改善充実を実施した。その内容について報告し、活用状況と運用上の課題および今後の検討事項などについて触れてみたいと思う。
著者
森山 昭雄 江口 亜希
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.136, 2004

この春の地理学会で,中道 (2004)は,瀬戸市海上の森で,地形地質の立場から花崗岩地域と土岐砂礫層地域において森林植生の違いを定量的に調査した結果,花崗岩地域はコナラ・アベマキが優位な生長の良い森林,砂礫層地域はアカマツが優位な生長の良くない森林にはっきりと分かれ,花崗岩地域は砂礫層地域の3倍もの生長量(材積)の差があることを明らかにした.地質(地形)の違いが明瞭に森林植生に表れることは,他の地質でも起こっているのではないかと考え,今回は中・古生層の上に土岐砂礫層を乗せる濃尾平野北東縁丘陵地において,地質(地形)と二次林植生との関係を明らかにするために調査を行なった. 調査地点は,標標高の増大に伴う気温の低下など気候的影響を少なくするため高300m以下の地域で,斜面の方位により地表面での水や熱の配分が変わるその違いをなくすため,地形的位置は南向きの斜面とした.地質としては,土岐砂礫層地域,中・古生層の主としてチャート地域および中・古生層の主として砂岩地域の3地域とした. さらに,1947年撮影の米軍航空写真を判読し,樹木が一様に伐採されて丸刈り状態になっている場所で,それ以降人為的な手入れが行なわれていない森林とした.これは,遷移のスタートが同じ時期である二次林の,その後の生長を比較するためである.また,現地調査により,新しい崩壊がない二次林で,広い範囲を代表する植生地点とする.本研究では斜面の一連の変化と植生との関係を見るため,上部斜面,中間斜面,下部斜面を選定した. 毎木調査は,方形区内の樹高が1.4m以上のすべての木本について,樹木の種類を同定し,個体数,胸高直径,樹高を測定する.高木層・亜高木層・低木層に分類し,樹冠投影図を作成した. 土壌に関しては,土壌断面形態を調べ,A層厚,貫入深,土壌水分量,土壌pHを計測した.調査地点のA層とB層の土壌を持ち帰り土壌中の養分を蒸留水に溶出させこの土壌水をイオンクロマト法(日本ダイオネクス社製)によりイオン分析を行った. 毎木調査を基に森林植生を定量的に分析した結果,地質別に見ると,土岐砂礫層地域がコナラ・アベマキなどの落葉広葉樹の生長が最もよく,チャート地域ではアカマツ・クリが優勢で生長が悪いこと,砂岩地域ではヤマザクラ・アラカシが優勢である.地形別に見ると,下部斜面が最も生長がよく,上部斜面が悪い.生長量の違いは材積の違いからも明らかである.遷移のスタートが同じであるにもかかわらず,植生に違いが生じるのは土壌の影響が大きいと考えられる.土壌は,岩石の風化によって生成されるため,地質によって土壌の養分量が異なる.また,土壌の粒度の違いにより孔隙量,透水性,水分量が異なる.そのため,その土壌条件に耐えられる根を持つ植物が優先的に生長する.その結果,高木層の樹種が異なり,これが低木・亜高木の植生に影響を与え,全体的な樹種の違い,生長量の違いとなったと考えられる.つまり,地質による植生の違いは,土壌養分量の違いだけではなく,土壌の透水性など性質の違い,樹木の根の性質の違いなどによる影響も受けていると考えられる.地形による植生の違いは地質の影響より小さいが,上部斜面と中間・下部斜面では明らかな植生の違いがみられ,斜面位置の違いにより生長量(材積)も異なっている.上部斜面は排水が盛んであるため,水分量が中間・下部斜面に比べて明らかに少ない.そのため,乾燥に強いアカマツが優先的に生長し,上部斜面では中間・下部斜面とは異なった植生になったと考えられる.また,中間・下部斜面は,A層厚,土壌養分量の違いが生じている.砂礫層地域では根を深く張るコナラの生長が良い.根を深く張るため,土壌が厚く,地上部の生長を促進する窒素やマグネシウムが多く含まれる下部斜面で生長がよい.一方,チャート地域では,根を浅く張るリョウブの生長が良いため,土壌養分量が多く, A層が厚い下部斜面の生長がよい.以上のように,地形による植生の違いも,土壌養分量の違いだけでなく,土壌の厚さや根の性質の違いによる影響を受けていると考えられる.
著者
ポワヴェ=ルクレール エレーヌ 森山 浩江
出版者
慶應義塾大学大学院法務研究科
雑誌
慶應法学 = Keio law journal (ISSN:18800750)
巻号頁・発行日
no.39, pp.83-103, 2018-02

序I. 家族間の恵与に対する優遇的制度 A. 家族間の恵与の広がり 1. 税制上の奨励 2. 配偶者間の恵与のための自由分 B. 家族間の多様な恵与 1. 特殊な恵与 2. 家族間協定 a) 贈与分割 b) [相続権等の]放棄の作用II. 恵与からの家族の保護 A. 一定の家族構成員が有する相続分の保護 1. 持戻し 2. 遺留分 B. 家族に属する性質を有する一定の財産の保護 1. 財産の家族[血統家族]内での維持 2. 家族の生活環境の保全講義 : 2017年度大陸法財団寄付講座フランス法における無償行為
著者
金村 尚彦 今北 英高 白濱 勲二 森山 英樹 坂 ゆかり 新小田 幸一 木藤 伸宏 吉村 理
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.A0521, 2005

【目的】 <BR>我々が行った先行研究では,荷重除去を行った後に,長期に重力下でラットを自由飼育しても,一度変性した機械受容器は正常な受容器までに回復しないのではないかという結果を得た.本研究では,受容器の変性を防止することはできるのかという観点から,荷重運動による影響を比較検討した.<BR><BR>【方法】 <BR>10週齢のWistar系雄性ラット30匹を実験に供した. 4週間懸垂中のラットに対し,時間は1日に1時間,頻度は週5日懸垂を除去し,ケージ内で自由飼育した群を運動群(EXC4W群),その対照群は自由飼育群,4週間飼育した群(CON4W群),4週間懸垂のみを行った群(SUS4W群)を各々10匹とした.懸垂の方法はMoreyの変法で行った.<BR> 飼育期間が終了した後,ラットにペントバルビタールナトリウムを腹腔内投与し,脱血により安楽死させた.靱帯はZimnyらのGairns塩化金染色変法に従って染色を行った.組織標本は光学顕微鏡にて観察し,機械受容器の種類とその数について検討した.<BR>受容器の総数(靭帯体積比)については,一元配置分散分析,多重比較はFisher's PLSD法,定型受容器と非定型受容器の割合については,χ<SUP>2</SUP>検定および多重比較Ryan法を用いた.有意水準は5%以下とした. <BR> この研究は,広島大学医学部附属動物実験施設倫理委員会の承認のもとに行った.<BR><BR>【結果】 <BR>すべての群において,パチニ小体,ルフィニ終末,ゴルジ様受容器,自由神経終末の4タイプの神経終末を認めた.SUS4W群,EXC4W群では,定型受容器 以外に非定型受容器(パチニ小体,ルフィニ終末)を観察した.総数については,CON4W群に比べSUS4W群,EXC4W群に比べSUS4W群(p<0.01)が有意に減少していた.CON4W群とEXC4W群においては有意な差を認めなかった.定型受容器では, CON4W群よりSUS4W群,EXC4W群よりSUS4W群(p<0.01)において有意に減少していた.非定型受容器では, CON4W群よりSUS4W群,EXC4W群よりSUS4W群,CON4W群よりEXC4W群(p<0.01)が有意に増加していた.<BR><BR>【考察】 <BR>長期の荷重除去において機械受容器は,形態学において正常な個数までは回復せず,回復しても変性した受容器の増加を認めたが,荷重運動を行うことにより,受容器の数の減少を防止し非定型受容器の増加を抑制することが可能であるのではないかと考えられた.しかし運動群においても,非定型受容器が観察されていることから,受容器の変性を防止するには靭帯へのより適切な力学的刺激が必要であると考えられる.廃用性筋萎縮の改善だけではなく,機械受容器の変性の防止を考慮した神経・筋協調システムを考慮した運動療法の必要性が実感される.
著者
森山 美香 伊東 美佐江
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.5_823-5_836, 2017-12-20 (Released:2017-12-27)
参考文献数
95

本研究は,終末期医療に関する法的整備が整っている米国の文献と比較し,日本のクリティカルケア領域のDNARに関する看護実践上の課題を明らかにすることを目的に,文献検討を行った。文献は,「DNAR指示が出される患者の病態・背景」「DNARの意思決定をする家族の状況」「医師によるDNAR指示の判断基準の不明瞭さ」「DNARの意思決定を支援する看護師の認識と看護実践」に分類された。両国ともに事前指示をもつ患者は少なく,クリティカルケア領域における看護実践に違いはなかった。米国ではDNAR指示に関するガイドラインやマニュアルが整備されているが,クリティカルケア看護師はDNARの意味を誤認し,DNAR指示後に治療やケアの差し控えを行っていた。日本ではDNAR指示のマニュアルを整備している施設は少なく,看護師は米国同様にDNARの意味の誤認し,家族へかかわる困難を感じていることが推測された。
著者
松井 藤五郎 米田 一樹 森山 甲一 武藤 敦子 犬塚 信博
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.1M4J1304, 2019 (Released:2019-06-01)

本論文では、リターンの時系列に基づく動的クラスタリングを用いて投資信託を分析する手法を提案する。複数の期に分割されたファンドのリターン時系列を対象として、(1) 期ごとにt-SNEを用いて2次元空間に圧縮し、(2) 期ごとにx-meansを用いてクラスタリングを行い、(3) FBL-MONICを用いてクラスター遷移を検出することによって、動的クラスタリングを行ってそのクラスター遷移を検出する方法を提案する。 提案手法を用いてTOPIX連動型インデックス・ファンドを分析したところ、1期から4期は3つ、5期は4つのクラスターが得られた。全ての期において、クラスターの1つに全てのETFが含まれており、かつ、このクラスターにはETF以外のファンドがほとんど含まれていなかったことから、提案手法によって妥当な動的クラスタリングを行うことができたと考えられる。また、5期に新しく増えたクラスターは、前向き分析では4期のクラスターからの遷移として検出されなかったが、後ろ向きでは4期のクラスターの1つの影響が強いと判定され、クラスター遷移として検出することができた。
著者
中村 雅美 青戸 勇太 森山 健 前田 俊二 鈴木 寛 堀江 聖岳
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.650-651, 2018

<p>高速道路での逆走は、死亡事故につながる可能性が高い非常に危険な事案である。高齢化の進展といった社会状況のもと、逆走事故の発生件数は依然として多い状況にあり、逆走対策の必要性は高い。我々は、一般物体検出手法であるSingle Shot MultiBox Detectorと動きを捉えるOptical Flowを組み合わせた逆走検知手法を提案してきた。本報告では、提案手法の車両検知精度の評価結果について述べる。</p>
著者
森山 健 青戸 勇太 前田 俊二 鈴木 寛 堀江 聖岳
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.652-653, 2018

<p>現代の車社会において,衝突防止や駐車支援など車両への安全対策や運転支援技術の搭載が加速されている.特に地方においては,車なしの生活を送ることは不可能に近く,事故を未然に防ぐことは,難しい状況にある.本研究は,逆走事故に焦点を当て,逆走車両の識別を目的とするものであり,本報告では、一般物体検出手法であるSingle Shot MultiBox Detectorと動きを捉えるOptical Flowを組み合わせた逆走検知手法を提案する。</p>
著者
当真 孝 山口 浩 森山 朝裕 前原 博樹 當銘 保則 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.56-59, 2019

<p>三角筋断裂を伴う広範囲肩腱板断裂の治療にはしばしば難渋する.我々は三角筋断裂を伴う広範囲腱板断裂の2例を経験したので報告する.症例1 69歳女性.5年前から右肩痛を自覚.1年前より近医受診で内服,ステロイド注射を行っていた.3カ月前に突然右肩挙上困難出現,MRIで三角筋断裂を合併した広範囲肩腱板断裂を指摘され当科を紹介.初診時身体所見は右肩痛を認め自動肩関節可動域屈曲20度,外旋30度,内旋Th8でJOAスコアは45点であった.腱板一次修復術と三角筋修復術を施行し,術後64カ月で自動肩関節可動域屈曲105度,外旋65度,内旋Th8,JOAスコア86.5点へ改善を認めた.症例2 82歳女性.3年前より右肩痛,可動域制限を自覚.1週間前より誘因なく右肩関節腫脹,皮下出血を認め近医受診.三角筋断裂を伴う広範囲腱板断裂を認め,手術目的に当院紹介.初診時身体所見は肩痛を認め自動肩関節可動域屈曲0度,外旋10度,内旋Hip,JOAスコアは25点であった.腱板修復術に大胸筋移行術を併用し,三角筋修復術を施行し,術後12カ月で自動肩関節可動域屈曲65度,外旋45度,内旋L1,JOAスコア58点へ改善傾向を認めた</p>
著者
高雄 由美子 村川 和重 森山 萬秀 柳本 富士雄 中野 範 福永 智栄 上嶋 江利 真田 かなえ 佐藤 仁昭 前川 信博
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.11-16, 2010-01-25 (Released:2010-08-04)
参考文献数
15

ボツリヌス毒素療法は痙性斜頸に対しての有効性が報告されているが,痙性斜頸には明らかな頭位偏奇がなく慢性的な頸肩部の疼痛や随意運動障害が症状の主体である,いわゆる重度の肩こり症例も含まれる.今回われわれは,このような患者に対するボツリヌス毒素療法を施行し効果と安全性を検討した.症例は26症例(男性12症例,女性14症例),平均年齢58.6歳であった.ボツリヌス毒素(BTX-A)100 単位を肩から頸部にかけての持続性緊張状態にある筋群の筋腹に10~20単位/カ所で施注し,4週ごとに12週まで追跡調査をした.痛みとこわばりは視覚アナログスケールで評価し,SF-36によるアンケートを実施し,副作用を問診した.頸肩の痛みやこわばりはボツリヌス毒素投与によりすべての観察期において治療前と比較して有意に軽減した.SF-36のアンケートの結果からは,治療に伴うQOLの改善があまりみられなかった.副作用は4例で頸部の不安定性が出現したが,いずれも短期間で消失し重篤な副作用は認めなかった.ボツリヌス毒素療法は重度の肩こりの症状の軽減に対して効果的な治療である.
著者
石井 正則 金田 健作 関 博之 小林 直樹 八代 利伸 小林 毅 吉田 茂 栄 春海 森山 寛
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.604-613, 1994-10-15 (Released:2011-08-10)
参考文献数
4

めまいや耳鳴を主訴とした患者の中には, 症状の増悪に患者の心理的因子や環境因子が関係することがあり, その治療には心身症としての側面を考慮する必要がある。とくにメニエール病では, ストレスが発症に関与していることが多く, ときとしてその治療に難渋することもある。そこで, 心身症や神経症に対して優れた臨床効果の報告がある抗不安薬 (Ethyl Loflazepate, メイラックス ®) を使用し, メニエール病を中心にめまいや耳鳴を主訴とした疾患に対してその臨床効果を検証した。その結果, この薬剤の内服により動揺感, 悪心・嘔吐, 耳鳴の大きさなどにその改善度や有用率が高いことがわかった。しかも心理検査のCMI検査や健康調査表でも服用後にCMIの値や健康調査の値が有意に低下することを認めた。以上により抗不安薬であるメイラックス ® が自律神経症状や動揺感を主体としためまい感や耳鳴の大きさに対する自覚症状を和らげる効果を示すことがわかった。
著者
阪東 哲也 市原 靖士 森山 潤
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.25-32, 2015 (Released:2017-03-03)
参考文献数
15
被引用文献数
1

本研究の目的は,健康維持に関する情報モラル意識として,情報機器使用時の身体疲労への配慮及びインターネット依存傾向を取り上げ,個人内特性との関連性について検討することである.大学1年生136名を対象に,個人内特性として自己効力水準を取り上げた調査を実施した.その結果,健康維持に関する情報モラル意識の形成には,自己効力の高さが個人内特性として重要な役割を果たしていることが示唆された.とりわけ,自己効力水準の低い男性は,情報行動時の健康維持に対する配慮意識が低下しやすいと共に,インターネット依存傾向に陥りやすい傾向を有することが明らかとなった.
著者
森山 敬子
出版者
学習院大学
雑誌
学習院大学人文科学論集 (ISSN:09190791)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.1-17, 2010

"But for the opera I could never have written Leaves of Grass," Walt Whitman in his later years remarked to a close friend. It is well known that Whitman was an opera-goer and loved Italian opera especially and that operatic elements exist in Leaves of Grass. The powerful influence of operatic music awakened him to his poet's "destiny," as expressed in "Out of the Cradle Endlessly Rocking"(1860), which is a rapturous lyric in which death is comprehended as the climax of "love." "Out of the Cradle," though it employs the structure of Italian opera, evokes the music of Richard Wagner, especially, Tristan und Isolde(1859). The aim of my paper is to demonstrate the similarities between Whitman and Wagner, and clarify the meaning of the joyful death represented in their works. Whitman and Wagner were contemporaries: a poet and a composer - cum-poet, who sought a new form of art which would transcend traditional forms. The theme of "love and death" is common in both and the setting for the work which features this theme is the sea. Imagery of waves and water play an important part in evoking the sensuality and feeling of joy that derives from the affirmation of death. The voluptuousness in "Out of the Cradle," is close to the love and death motif in Tristan und lsolde, especially in the prelude, which grows and melts restlessly like a rushing wave, and in Isolde's final aria. The heavy use of present participles - the "- ing form" - contributes to the construction of a harmonious world with various sounds and voices developing simultaneously. All of the sounds and voices blend and evoke an infinite melody, in the words of Wagner, "unendliche Melodie." The melody produces an ecstatic moment in the poet's sensation, which is similar to Isolde's aria in the last scene of Tristan und Isolde. This scene stirs up sensuality by using voices and symphonic elements entwining and ascending together. "Out of the Cradle," with the word "death" whispered by the sea as well as the horizontal movement of the sound of waves, resulting in vertical movements as if the waves are rising up in the body, strengthens the sexual impression by stimulating the tactile sense of the readers. What is the joyful death proposed by Whitman and Wagner? The ecstasy felt by being engulfed with the word "death" whispered by the sea in the "Out of the Cradle" is very close to the feeling where "sweet breath" of Tristan engulfs Isolde like a huge wave. This is the same as the ecstasy where Eros and Thanatos unite. Life and death are the two sides of a coin. One recognizes death within life when experience is at its most intense.