著者
森山 園子
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

線形計画問題(LP)を解くアプローチの1つに,単体法[Dantzig(1947)]に始まるピボットアルゴリズムがある。多項式時間ピボットアルゴリズムの存在の解明はLPにおける重要な未解決問題である。本研究では,多項式時間達成の可能性があるピボット規則として近年注目を集めている最小訪問規則[Zadeh(1980)]に着目し,以下目標を通じてこの未解決問題の解決に挑んだ。(1) ピボットアルゴリズムの振る舞いを記述するLPグラフの列挙法を構築;(2) 最小訪問規則から着想した履歴依存型ピボット規則の振る舞いをLPグラフ上で解析;(3) ピボット規則の適用回数に関する予想の成立・不成立を検証
著者
森山 郁子 植田 充治 赤崎 正佳 一條 元彦
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.769-775, 1982-06-01

ヒトの妊娠22週および分娩時における臍帯血を採取し,また,それらの新生児血液を採取し,総アミノ酸量(FAA)を測定し,また,タウリン(T)に注目してその量を測定したところ,胎生期においてはFAAは母体血より高く分娩時に低くなり,以後新生児では一定の値を示したが,Tのみは他のアミノ酸に比べて高い値を示した.臍帯血のT重は胎生期に高く分娩時に次第に低くなり,新生児では日数と共に低下し,出生9日目でほぼ正常値に近づいた.他のアミノ酸と異なる動態が明らかとなった.この事実を解析するために正常およびStarvationの妊娠ラットについて比較を行つたところ,正常妊娠では臍帯静脈血および胎児動脈血では17,18および19日の間でFAA5,800〜7,O00μg/dlおよび5,700〜6,250μg/dlの範囲値で母体血の2,500〜3,150μg/dlのほぼ2倍の値を維持していた.羊水は18日で4,150μg/dlであり,20日では8,850μg/dlと上昇していた.これに対してTは母体血では18日目に最も高く360μg/dlとなり20日目にほぼ半分の正常値に近づいていた.しかし臍帯静脈血では18日目に最も高く680μg/dlで以後20日目に320μg/dlと減少しており胎児動脈血では18日目に1,150μg/dlと異常に高く,20日目には280μg/dlとたった.羊水中では380〜400ug/dlの間にあり,ぽぽ一定の値を示した.この動物にStarvationを行うと母体血ではStarvationの程度がつよいとFAAの値は上昇し,また,臍帯血値も上昇した.羊水中ではほぼ一定であった.しかし,Tのみは母体ならびに胎仔血中では著しく上昇していることが認められた.但し,羊水のみはStarvationの影響は認められず対照とほぼ等しい値であった.これらの実験事実から,著者らはFAAの変動の意義とT生成量の増加について若干の考察を行つだ.
著者
山本 拓弥 久保 満 河田 佳樹 仁木 登 大松 広伸 柿沼 龍太郎 金子 昌弘 森山 紀之 江口 研二 森 清志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.172, pp.43-48, 2000-07-03
被引用文献数
6

肺がん集団検診で撮影された撮影日時の異なる2つのヘリカルCT画像のスライス差を, 自動的に算出する比較読影システムについて述べる.横隔膜部分は吸気量によって横隔膜の形状が異なるので, 肺形状を用いた従来のスライス差算出アルゴリズムでは横隔膜部を正確に合わせることが困難であった.そこで本研究では肺野領域における血管情報を使ったテンプレートマッチングによるスライス差算出アルゴリズムを作成し, 従来の手法と比較を行い, 有効性を示す
著者
土川 洋子 関谷 栄子 森山 千賀子 杉本 豊和 西方 規恵
出版者
白梅学園短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

介護は、わが国に定着している家庭生活技術ではあるものの、学問としての介護教育は、未だ明確に確立しているとは言いがたい。その中で、精神障害者は、長期入院と社会的入院という処遇の長い歴史を経て、平成18(2006)年4月に、障害者自立支援法が施行され地域での自立生活支援がすすめられ始めている。本研究では、精神障害者に対する介護を学問として構築していくために必要な根拠を当事者、家族会、介護従事者、海外の現状、病院、教育機関に求め、幅広い現状を把握し、必要な介護技術を抽出しようと試みた。
著者
松田 浩 木村 吉郎 河村 進一 森田 千尋 才本 明秀 森山 雅雄 出水 亨 牧野 高平 豊岡 了 上半 文昭
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

(1)非接触全視野非破壊試験法の開発とその応用:レーザシェアログラフィを用いた欠陥検知への有効性について検討した。また、超高速度カメラを用いた動的変位計測システムによる振動計測法の有効性を確認した。(2)常時微動計測に基づく構造同定及び健全度評価への応用:耐震補強前後の実橋脚を対象として、レーザドップラ速度計による振動試験とFE解析から振動モード同定を実施した。補強前後の固有振動数の変化を実振動計測および振動解析で確認することができた。
著者
森山 慶太 石黒 匡史
雑誌
日本美容外科学会会報 (ISSN:02882027)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.29-34, 2012-03-25
著者
丹羽 篤朗 三井 敬盛 森山 悟 石黒 秀行 柳瀬 周枝 大和 俊信 柴田 和男 佐々木 信義 角岡 秀彦
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.30, no.9, pp.1962-1966, 1997-09-01
被引用文献数
13 10

中結腸動脈瘤の破裂により腹腔内出血をきたした症例を報告する. 症例は60歳の男性. 既往に高血圧. 突然の腹痛と背部痛で発症し, 疼痛が増強するため当院を受診した. 腹部理学所見, 血液検査で腹膜炎を疑ったが, 超音波検査では大量の腹水を認め, 腹腔穿刺にて腹腔内出血と診断した. 造影CTでは脾動脈瘤と胃裏面から股間膜左側に広がる血腫を認めた. 緊急手術を施行し, 中結腸動脈左枝の破裂による出血で破裂部を切除し止血した. 病理組織検査では中膜壊死に伴う隔離性動脈瘤と診断された. 術後経過は順調で16病日に退院した. 術後の血管造影で腹腔動脈起始部は閉塞し, 上腸間膜動脈根部, 下膵十二指腸動脈, 膵十二指腸動脈弓, 背側膵動脈, 脾動脈, 胃十二指腸動脈, 中結腸動脈根部に嚢状, 紡錘状の動脈瘤が多発したきわめてまれな症例であった. 術後18か月が経過したが, これらの動脈瘤による症状はない.
著者
森山 英樹 三浦 靖史
出版者
神戸大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

骨折治癒促進法について、特定の分子を対象とした研究が多く行われてきたが、複雑な骨折治癒過程のすべてを促進する分子は見出されていない。本研究では、臨床的に古くから認められいる脊髄損傷後に骨折が早く治癒する事実に基づいて、ある特定の分子を対象としない、従来になかった骨折治癒促進法の基盤となる知見を見出すことを目的とした。脊髄損傷後の骨折が、実際に通常の骨折よりも早く治癒する否か、実験的に骨折治癒過程を検討した結果、脊髄損傷後の骨折の治癒期間は、通常の治癒期間よりも約40%短いことを実証した。そして、骨折治癒を促進する原因を探索した結果、脊髄損傷後の筋緊張亢進であることが明らかになった。
著者
森山 茂栄 小汐 由介 福田 善幸 竹内 康雄
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

ニュートリノが出ない二重ベータ崩壊を観測することにより、ニュートリノの性質を決定するとともに、ニュートリノの絶対質量を測定することが期待されている。本研究の目的は、そのための基礎原理及び技術を開発することにある。本研究では、キセノンに含まれる136Xeが二重ベータ崩壊可能な原子核であるとともに、液体キセノンが良いシンチレーターであることを利用する。特にバックグラウンドを低減するために、常温高圧の液体キセノンを透明な容器にいれ、特殊な光学系で測定することにより、感度の向上を図るものである。ここに含まれる研究開発は、1耐圧アクリル容器の開発、2波長変換材の開発、3常温液体キセノンの発光量測定、4ダブルフォーカス型検出器の開発、5バックグラウンドの見積もり、6プラスチックシンチレータを用いた容器の開発である。本研究で最も重要であったのが、2の波長変換材および3の常温液体キセノンの発光量である。1については、アクリル容器からの水の放出が問題となるため、(2)で開発する波長変換材等の膜により保護することとなった。2については、興味ある一定の成果が得られた。ポリスチレンの母材に、TPB(テトラフェニルブタジエン)を4%混合させることで、49±4%の変換効率が得られた。この効率とは、液体キセノンの発光である175nmの真空紫外線が入射した場合に、可視光として放出される光子の数の比である。この変換は、液体キセノンの発光よりも早く、発光の信号の時定数は、液体キセノンの発光の時定数との違いは見られなかった。残念ながら、この波長変換材を液体キセノンにいれて測定した場合、波長変換材が液体キセノンにより浸食されることがわかり、効率として20%程度に下がってしまうことがわかった。アクリルの保護の役割や、長期安定性などを含めて、今後研究が必要である。3常温液体キセノンの発光量については、大変面白い結果が得られた。圧力5.57MPaG、摂氏3度における発光量と、圧力0.06MPaG,摂氏-100度における発光量とを比較すると、前者が後者の0.85倍という結果が得られた。両者で光の収集効率が異なる可能性がありその効果を現在見積もり中であるが、常温高圧での液体キセノンの発光量を測定するのはこれまでに無く、重要な進展である。4については、装置を作成したところ、検出器内面の反射率が低いことがわかった。今後測定・改良を続けていく予定である。5、6については、4までの成果の延長上にあるため、今後の課題となった。
著者
森山 清徹
出版者
佛教大学
雑誌
仏教学部論集 (ISSN:2185419X)
巻号頁・発行日
vol.97, pp.1-27, 2013-03-01

ダルマキールティのVadanyaya (VN)には<全体性(avayavin)>を始めとするヴァイシーシカ説批判が表されている。そこでは仏教徒にとり非存在であるものに関して、いかに無なる言語行為の確定を導き得るかが大きな争点となっている。プラマーナにより知り得ないことを根拠に<全体性> の無を確定する際、肯定、否定を内容とする無知覚によるとするが、シャーンタラクシタは、その注釈Vadanyayavrttivipancitartha(VNV)において肯定を<自性の対立するものの認識>などとし、否定を<能遍の無知覚> などとしている。対立関係を明示することにより非存在の無の確定へと導いている。この点は、刹那滅論証と共に、後期中観派により、そのまま活用される。また、効果的作用によりグナとドラヴィヤとの存在性の区別無区別(bhedabheda)を吟味する際、ダルマキールティは、一因から多なる果が、多因から一なる果が起こることをもって、それがあり得ないことを論じている。この両者の因果論が、ジュニャーナガルバを始めとする後期中観派により批判的に取り上げられ、四極端の生起の無自性論として形成された。その源泉がVN にあることは、VNV を通じて明瞭に知られる。
著者
奥田 稔 深谷 卓 小林 恵子 伊藤 依子 調所 廣之 設楽 哲也 八尾 和雄 小川 浩司 橋口 一弘 佐伯 哲郎 山越 隆行 濱田 はつみ 川崎 和子 石井 豊太 鳥山 稔 増田 哲也 杉山 博 川端 五十鈴 川島 佳代子 八木 昌人 田部 浩生 岡村 浩一郎 木場 玲子 斉藤 晶 安藤 一郎 野村 恭也 吉見 健二郎 窪田 哲明 大谷 尚志 波多野 吟哉 竹山 勇 上杉 恵介 林崎 勝武 鈴木 淳一 澤木 誠司 石塚 洋一 古屋 信彦 安達 忠治 坂井 真 新川 敦 小林 良弘 佐藤 むつみ 山崎 充代 斎藤 洋三 舩坂 宗太郎 斉藤 啓光 石井 正則 浅井 和康 森山 寛 遠藤 朝彦 小林 毅 関 博之 林 成彦 石井 哲夫 窪田 市世 水谷 陽江 荒 牧元 大竹 守 北嶋 整 上田 範子 山口 宏也 牛嶋 達次郎 坊野 馨二 菊地 茂 佐橋 紀男 臼井 信郎 原 俊彰 宮川 晃一 田中 康夫 喜友名 朝盛 井上 庸夫 八木 聰明 大久保 公裕 服部 康夫 町野 満 大塚 博邦 稲葉 真 島田 早苗 添野 眞一 星 慎一 頼 徳成 大橋 和史 村山 貢司 飯塚 啓介 市川 朝也 冨田 寛 小山 明 山内 由紀 渡辺 健一 佐藤 かおる 山田 久美子 木田 亮紀 牧山 清 亀谷 隆一 藤田 洋祐 井上 鐵三 田村 悦代 野原 理 阿部 和也 水野 信一 岩崎 真一 小川 裕 加賀 達美
出版者
The Society of Practical Otolaryngology
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.88, no.6, pp.797-816, 1995-06-01
被引用文献数
6 3

To evaluate the effectiveness, safety and utility of Emedastine difumarate (ED) in the treatment of Japanese cedar pollinosis, a multicentered, double-blind comparative study was performed in 290 patients in 1994.<br>Patients with Japanese cedar pollinosis were divided into two groups; the first group was treated with ED at a dose of 4mg/day starting two weeks before the season and continuing for the whole season. The second group was given an inactive placebo instead of ED during the pre-season and the early portion of the season and then replaced with ED during the later portion of the season.<br>As a result, the final improvement rate was significantly higher in the first group than that in the second group.<br>All subjective symptoms such as sneezing, nasal discharge, nasal obstruction and eye itching were suppressed due to ED treatment.<br>In conclusion, it was better to continuously administer ED to patients with pollinosis from the preseasonal period till the end of the season.<br>However, when the ED treatment was started in the midseason, the outcome was good, although less satisfactory than the outcome of continuous treatment given throughout the entire pollen season.
著者
塩澤 佳 吉本 信也 三川 信之 森山 浩志 大塚 成人
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.72, no.6, pp.656-661, 2012 (Released:2013-10-10)
参考文献数
20

顔面神経が顔面表情筋にいたる微小解剖,すなわち表情筋における顔面神経末梢枝の分布,交通についてはほとんど報告がない.今回われわれは,顔面表情筋,特に眼輪筋と口輪筋を支配する顔面神経末梢枝の分布と走行について精査を行ったので報告する.対象は日本人の成人解剖体20体の顔面片側20側,平均年齢87.36(60歳~102歳)で,その内訳は男性10体,女10体,左側10例,右側10例である.方法は顔面神経を耳前部皮膚切開より展開し茎乳突孔から同神経本幹を剖出し,末梢枝については,顕微鏡を用いながら表情筋にいたるまで走行を追い観察した.同神経の枝すべてについて観察を行ったが,特に頬骨枝と頬筋枝について眼輪筋と口輪筋への分布を中心にそれぞれの走行,分布について探求した.その結果,頬骨枝は眼輪筋にすべて分布していたが,25体中8体で口輪筋に分布していた.また頬筋枝も全例で口輪筋に分布していたが,25体中5体で眼輪筋への分布を認めた.顔面表情筋のなかでも,特に重要な働きをする眼輪筋と口輪筋は,教科書的には,眼輪筋が顔面神経の側頭枝と頬骨枝,口輪筋が顔面神経の頬筋枝(あるいは頬筋枝と下顎縁枝)が支配神経と記載されている.今回,顔面神経末梢枝の眼輪筋と口輪筋に停止する解剖と走行について精査を行った結果,従来の成書にはない多数の破格が認められ,その運動も代償している可能性が考えられた.
著者
森山 徳長
出版者
日本歯科医史学会
雑誌
日本歯科医史学会会誌 (ISSN:02872919)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.199-204, 2006-03-30
被引用文献数
1

世界各国と同様に米国においても歯科医学史の研究団体の発端は,心ある少数の熱心家達の発議に基いている.1950年メアリーランド大学歯学部元学長ベン・ロビンソンは,4人の同志と語らい合って団体の創設運動を開始した.1952年には趣旨に賛同する有志を集めて創立総会を開催し,以降年一回米国内各地で年次総会を開き,順次団体の体制・機能を整えて行った.会報も謄写版刷二頁のタイプ印書報告書から始めて季刊誌年2回から,現在ではA4版年3回の斯界第1の専門誌に発展した.会員も米国内に止まらず全世界に拡大した.本論文ではその50年間の会の歩みの概要を描写した.
著者
五條堀 孝 根路銘 国昭 森山 英明 溝上 雅史 星野 洪郎 下遠野 邦忠 森山 悦子
出版者
国立遺伝学研究所
雑誌
試験研究(B)
巻号頁・発行日
1988

AIDS(後天性免疫不全症候群)ウイルスに対して、「総合的視野に立った有効な合成ワクチンの作成を目標とし、その研究開発のための方法論の確立を目指した試験的研究を行うこと」を目的として、相互に関連はしているものの分野的には非常に異なった4つの研究分野(「塩基配列デ-タの分子進化学的解析」、「ウイルス遺伝子の発現実験」、「X線による立体構造の解析」、「ワクチン効果試験」)の最先端技術をもつ研究者達が、有機結合的協力体制の下に研究サイクルを構築して、AIDSウイルスに対する合成ワクチン開発研究の方法論の確立を目指し、本研究は実施されてきた。1.五條堀・森山(悦)・林田は、HIVー1及びー2のenv領域アミノ酸配列デ-タより合成ワクチン開発の候補となるペプチド領域を同定し、さらにアミノ酸置換パタ-ンを推定した。2.溝上・折戸は、同定されたペプチド領域に対する合成ペプチドを作成し、これより抗血清の作成に成功した。3.星野は、HIV感染培養細胞での中和試験及びウイルス増殖抑制試験を行い、ウイルス増殖抑制に多少の有効性を確認した。また,日本人AIDS患者6名より単離されたHIVー1の塩基配列を決定し、海外で単離されたHIVー1との系統関係の解析を行った。4.下遠野・丹生谷は、env遺伝子の大腸菌プラスミドPUC19を用いた大量発現系の研究を行った。5.森山(英)は、1本の合成ペプチドの結晶解析を行った。以上,昨年度に引き続き各研究サイクルの研究が着実に行われ、それぞれ成果を上げることができた。最終的に有効な合成ワクチン開発には至らなかったが、このような研究サイクルの継続が、合成ワクチン開発への有効な手段であるとの感触を得ることができた。