著者
長谷川 修 森島 繁生 金子 正秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.8, pp.2047-2065, 1997-08-25
被引用文献数
68

「顔」は人間にとって非常に身近な存在であると共に, 顔の持ち主である一人一人の人間における個人的な情報, コミュニケーションに係わる情報を始めとした, 言語的手段では表現しにくいようなさまざまな情報を担っている. 近年, 工学分野では主としてコミュニケーションメディアやヒューマンインタフェースへの応用の観点から,「顔」の工学的取扱いに対する研究が活発に行われている. 具体的には, ユーザである人間を対象とした視覚機能をコンピュータにもたせるための顔の認識技術と, コンピュータあるいはコミュニケーションメディアに表現力豊かな顔をもたせるための顔の合成技術である. これらの研究成果は, 従来個別に検討が行われていた顔関連の心理学, 人類学, 美容, 歯科等さまざまな分野においても活用されつつある. 本論文では, このような観点からコンピュータによる顔情報処理に焦点を当て, まず要素技術としての顔画像合成と表情認識について最近の技術動向を概観する. 次に,「顔」の諸特性について考察した後に, 人と人との対面コミュニケーションの支援, 人と機械との間の顔情報を介したコミュニケーションという二つの立場から「顔」の工学的応用について述べる. また,「顔」情報処理の研究のためのツールやデータベース等についても紹介する.
著者
松本 啓子 森戸 雅子 名越 恵美 中嶋 和夫 桐野 匡史 高井 研一
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

在宅認知症高齢者に絞り、突発事故や症状及び容態の急変しやすい疾病等について、実態調査をしたうえで、急変から緊急介入を含めた一連のリスク管理モデルの開発を目的とした。その結果、実質調査を行うことで、現場ならではの疾患と症状の関連等が明らかとなった。また、家族側に起こっている現象を明らかにするためにインタビューを重ね、質的因子探索的分析を進めることで、家族の思いが明らかとなってきた。
著者
赤木 剛士 梶田 啓 木部 隆則 森村 春香 辻本 誠幸 西山 総一郎 河井 崇 山根 久代 田尾 龍太郎
出版者
園芸学会
雑誌
Journal of the Japanese Society for Horticultural Science (ISSN:18823351)
巻号頁・発行日
vol.83, no.3, pp.214-221, 2014 (Released:2014-07-31)
参考文献数
44
被引用文献数
4 28 2

雌雄性は作物の栽培そして育種の大きな制限要因となる.カキ(Diospyros kaki Thunb.)の雌雄性に関してこれまでに多くの形態学的な観察が行われ,カキは雌雄混株あるいは雌性両性異株とされている.しかしながら,カキにおける雌雄性の遺伝制御機構は明らかにされていない.本研究では,カキ(六倍体あるいは九倍体)の近縁野生種であり,雌雄異株であるマメガキ(D. lotus L.)(二倍体)を用い,交雑分離集団を作出し,雌雄分離の調査を行った.また同じ集団を用いて AFLP 解析によって雌雄性判別のための分子マーカーの開発を試みたところ,雄性と共分離を示す 2 種類の AFLP バンド(DlSx-AF4 および DlSx-AF7)が同定された.このため,マメガキの雌雄性は,他の多くの雌雄異株の植物種と同じく,単一の遺伝子座(ハプロブロック)によって支配される雄性異型接合型(XY 型)であることが明らかになった.しかし,DlSx-AF4 から作製した SCAR マーカー DlSx-AF4S および雌雄性形質の分離は,一遺伝子座支配における理論値である 1:1 から有意に雌性側に偏り,1:2 に近い分離を示した.DlSx-AF4S はカキにおいても雄花の着花性と相関を示し,カキの雌雄性もマメガキと同様の遺伝制御を受けていること,ならびにカキの育種における DlSx-AF4S を用いたマーカー選抜の可能性が示された.
著者
森江 隆 岩田 穆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.162, pp.67-78, 2002-06-21
被引用文献数
2

脳の初期視覚系での特徴抽出モデルとして知られるガボールウェーブレット変換を画素並列動作で実現するLSIを核とする自然画像認識システム構築の試みについて述べる。まず,自然画像の特定領域を注視する処理として抵抗ヒューズを用いた大局的領域分割を行う。分割された各領域を個別に抽出し,ガボールウェーブレット変換を行う。得られたガボール特徴量を用いて,ダイナミックリンクアーキテクチャに基づく柔軟なマッチングにより認識を行う。特徴抽出までの処理をハードウェアで実行するために,画素並列で動作するLSIをパルス変調信号を用いたアナログ・デジタル(AD)融合回路アーキテクチャに基づいて設計した。本稿では特に,(1)パルス変調方式ピクセル回路を用いた大局的領域分割用抵抗ヒューズネットワークおよび抵抗ネットワーク型ガボールフィルタ回路とそのLSI設計例,(2)セルオートマトン型画像領域抽出アルゴリズムとそのFPGAへの実装例,(3)システム化の基盤となるLSI制御用FPGA搭載PCIボードの仕様について詳述する。
著者
中野 鉄平 彦本 里美 森江 隆 永田 真 岩田 穆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.248, pp.45-51, 2001-07-26
被引用文献数
1

本論文では, 画像の領域分割後に得られるエッジ情報を利用し, エッジで囲まれた領域を画素並列で個別に抽出するアルゴリズムとそれを実現するLSI回路構成を提案する.1画素毎に1処理モジュールを割当て, 隣接画素の状態で自分の状態を決めるセルオートマトン型のアルゴリズムである.提案する画素回路は極めてコンパクトなので, すでに提案されている画像分割用画素回路内に組み込むことができるが, 今回はFPGAに実装した例を示し, 画素並列処理がどの程度現状のFPGAで可能かを議論する。
著者
椋木 香子 西田 幸代 鈴木 由美子 田岡 由美子 森川 敦子 工藤 道子 野崎 秀正 松野 仁英 松野 蓮香 松木 朋子
出版者
宮崎大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、乳幼児期の道徳性の発達に即した幼児教育・保育のカリキュラムや指導方法のプログラムを保育現場と協働で開発することを目的としている。そのために研究期間において、乳幼児の道徳的認知発達に関わる諸要素を明らかにするとともに、海外の保育実践と比較して、我が国の社会的・文化的背景に即した道徳性育成について示唆を得ることを目的とした。1歳から5歳までの積み木遊びにおける遊びの発達と他者関係認識について調査した結果、幼児の道徳性は認識能力や身体能力の発達と関連があることが示唆された。また海外の実践事例との比較から、カリキュラムについての考え方の違いが指導方法に影響していることが示唆された。
著者
西森 丈俊
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (システムズ・マネジメント) 学位論文・平成24年3月23日授与 (甲第5996号)
著者
松田 勝敬 森 大毅 粕谷 英樹
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.477-487, 2000-07-01
参考文献数
25
被引用文献数
3

ささやき声の低次のフォルマント周波数が, 通常発声に比べてわずかに高いことが知られている。本論文ではこの現象について, 声門下部系の結合を考慮した声道の電気回路モデルをもとに音響的に説明することを試みる。モデルにおける, 3次元声道形状は磁器共鳴画像(MRI)から測定した。その結果, 声門上部構造のせばめと, 声道と声門下部系との結合が低い周波数のフォルマントを上昇させる主な原因であることが分かった。
著者
大森 啓一 岡田 広吉
出版者
一般社団法人 日本粘土学会
雑誌
粘土科学 (ISSN:04706455)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.40-50, 1978-06-25 (Released:2011-09-20)
参考文献数
9

An old castle named Tagajo was founded between the 8th and 11th Centuries in Miyage Prefecture, Japan. Roofing tiles were unearthed from the ruins of castle and old oven, which were studied by mineralogical methods.Roofing tiles used in the study were classified from archaeology into two groups, one of which was the I era tiles and the other the II, III and IV era tiles. Every tiles were 12 to 34mm in thickness. The I tiles were homogeneous with light dark color and the others inhomogeneous roughly with ashy color. In every tiles many porphyritic quartz crystals were found in association with plagioclase, hornblende, augite and magnetite under a microscope. Their groundmasses consisted of quartz and glassy materials.Textures were found to be fluidal, banded and microfolded in the I tiles, and were more notable than those of the II to IV tiles. From X-ray diffraction patterns the presence of quartz, plagioclase, cristobalite and mullite was detected. From chemical analyses all compositions concentrated on a small area centered at 70% SiO2, 20% Al203 and 10% the others in the triangle phase diagram. Refractorinesses of every tiles were found to be under SK 26. Water absorptions of these tiles satisfies a requirement of the JIS standard for roofing tiles.From these results it was found that the fired temperatures were between 1, 000° and 1, 200°C and the techniques making roofing tiles progressed from the I era to the II to IV eras.
著者
森 俊明 舟崎 真理子 小林 厚志 岡畑 恵雄
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.564-568, 2001-10-25 (Released:2010-03-15)
参考文献数
20
被引用文献数
1 3

脂質修飾リパーゼは超臨界フルオロフォルム中に可溶化し, R-1-フェニルエタノールを不斉選択的にエステル化する. 超臨界フルオロフォルムの圧量と温度を変化させると, 系内の誘電率を可逆的に変化でき, それにより反応収率は変化しないが, 反応速度を可逆的に制御できることがわかった.
著者
森山 幹弘
出版者
京都大学東南アジア研究センター
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.108-122, 1990-06

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
横森 大輔
出版者
名古屋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012

採用第2年目である平成25年度は、前年度に続いて会話データの整備と拡充および会話分析の手法を用いた文法研究のフレームワークの精緻化を進めつつ、ケーススタディを実施した。まず、既に収録していたデータに加え、合計およそ4時間分の日本語会話を新たに収録し、既存のデータと新規データのいずれについても書き起こしを行った。また、日本認知言語学会第14回大会ワークショップ「会話の中の文法と認知―相互行為言語学のアプローチ―」(9月)、第8回話しことばの言語学ワークショップ企画セッション「インタビュー・データを読み解く : ナラティブ分析、言語人類学、相互行為言語学の観点から」(12月)、公開シンポジウム「ことば・認知・インタラクション2」(2月)といった研究集会での登壇や米国カリフォルニア大学サンタバーバラ校での11日間の滞在(2月)などの活動を通じて、会話分析の手法を用いた文法研究のフレームワークの精緻化を行った。ケーススタディとしては、大きく分けて4稚類の現象に関わる研究を行った。・事例研究(1) : 「の」でマークされたwh疑問文(例 : 「迎えはどうするの」)・事例研究(2) : 副詞節の後置(例 : 「よっしタガリン今からおもろいこと言え。今からオンやから」)・事例研究(3) : 副詞「やっぱ(り)」(例 : 「気になる? やっぱり」)・事例研究(4) : 英語発話からみる日本語話者の文構築ストラテジーいずれも文の末尾位置において観察される様々な言語現象について、実際の会話(および様々な言語的相互行為)の録音・録画データの観察に基づき、参与者たちがどのように言語的プラクティスを利用しているかあるいは構築しているか検討し、それぞれの研究成果を学会等で報告した。
著者
三森 一司
出版者
聖霊女子短期大学
雑誌
聖霊女子短期大学紀要 (ISSN:0286844X)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.69-74, 2003-03-31

しょっつるを用いた調理・加工法を検討した結果、次の点が明らかになった。(1)しょっつるの使用濃度は10倍希釈が適当で、濃くても薄くても評価が低かった。(2)しょっつるに七味唐辛子や食酢を添加することで味の評価が高まる傾向にあった。(3)長ネギ、とろろこんぶ、茹で卵にしょっつるを使用した場合、40%以上の学生が3以上の評価をした。(4)しょっつるを使用した煎餅の味と香の評価にはばらつきがあり、更に検討する必要を感じた。
著者
布目光生 黒田由加 水岡良彰 森田眞弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.23, pp.1-6, 2013-12-12

弱視者や識字障碍者でも読みやすいとされる DAISY コンテンツは,電子書籍端末や音声合成技術の普及により教科書などのコンテンツで徐々に広がることが期待されている.しかし,そのコンテンツ作成作業は,ボランティアベースで多くの時間がかかっていたため,エンドユーザが必要とする図書を,簡単に手早く作成することが困難だった.本報告では,こうした課題に対応するための音訳支援システムを提案する.音声合成技術の活用と,テキスト解析誤りに依存する読みやアクセント誤りの修正手段を Web アプリとして提供することで,視覚・識字障碍者のための朗読コンテンツを,音訳ボランティアや保護者・教職員などの作業者が簡単に作成できる環境の提供を目指す.また,従来の作業手順と比較し,本提案システムを活用した場合の作業期間に関する予備評価の結果についても述べる.DAISY content is expected to gradually gain popularity among the visually impaired according to the prevalence of e-book reading devices and the development of text-to-speech technology. However, the development of DAISY-formatted e-books, which is undertaken by volunteers, is a time-consuming process, making it difficult to meet the needs of end users. In this report, we propose a content transliteration system that can convert plain text to DAISY content including formatted HTML and audio data via automatic text-to-speech technology. Furthermore, using the GUI of the proposed system, users can correct text and accent information by inputting "ruby-type" data. Through this functionality, we aim to target support from transliterate workers such as volunteers, teachers, and parents to make and edit contents easily and quickly for the people with visually impaired. Finally, we present the results of a preliminary evaluation using the proposed method in order to compare it with the conventional method.

2 0 0 0 OA 英文読書初歩

著者
西森武城 原著
出版者
九春堂
巻号頁・発行日
vol.一巻, 1887