著者
神森 眞 田久保 海誉
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.365-368, 2004-07-25 (Released:2011-03-02)
参考文献数
16
被引用文献数
1

テロメアは染色体末端に存在し, 染色体の安定に貢献している. また, 正常培養細胞における細胞老化はテロメア短縮によって説明されている. 今回, 我々は組織切片を用いたテロメア長測定法を開発したので, テロメア長測定法を中心に記述し, テロメア研究の進歩について述べる. 従来は, 細胞や組織から抽出したDNAを制限酵素で切断し泳動像のピーク値などをテロメア長としていた. 1996年に培養細胞を用いた細胞分裂中期 (metaphase) の染色体個々のテロメア長測定が quantitative fluorescence in situ hybridization (Q-FISH) により可能となり, 癌組織では, 特異的に限られた染色体のテロメアが短縮していることが報告された. 培養細胞や末梢血のテロメア測定は flow cytometery による flow FISH が行われ, 多くの白血病細胞におけるテロメア代謝が明らかにされた. 組織切片を用いたテロメア長測定法 (tissue FISH) は, 少数の論文の中で紹介されていたが良好な結果を得ることが困難であった. 我々の研究グループにより確立された組織切片を用いたテロメア長の測定法を紹介し, この方法は測定が容易であると同時に, 組織像と対比できる点で利点が大きく, 今後の組織のテロメア代謝の解明に貢献すると思われる.
著者
森田美比著
出版者
森田美比
巻号頁・発行日
1989
著者
山森 光陽
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.195-204, 2003-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

本研究では, 中学校英語科の観点別評価における関心・意欲・態度の評価について, 下位観点ごとに, どれだけの項目数を用意すれば信頼性のある評価になるのかを, 多変量一般化可能性理論を用いて検討した。具体的には, 2学期に行われた関心・意欲・態度の評価について, 一般化可能性研究と決定研究を行い, その結果を3学期の評価に反映させ, 評価の改善を行った。この理論を用いたのは, 関心, 意欲, 態度の下位観点ごとに必要な項目数を検討できるためであった。その結果, 2学期の評価に対する決定研究の結果通りの信頼性を, 3学期の評価において得ることが出来ず, 項目数を増やすことが信頼性の高い評価に直接つながるとはいえないことが示唆された。従って, 関心・意欲・態度の評価において, より信頼性の高い評価を行うには, 評価の回数を増やすことよりも, より吟味して評価項目を設定することの方が重要であることが提案された。
著者
森川 潤
出版者
広島修道大学
雑誌
広島修大論集 人文編 (ISSN:03875873)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.1-24, 2001-02

Im Juni 1872 wurde ein Beamte des Justitzministeriums Inouye Kowashi zum Begleiter des Justitzministers Etoh Shimpei ernannt, und reiste im September nach Frankreich ab. Er beschaftigte sich mit der Untersuchung des franzosichen Rechtswesens bis Juli des nachsten Jahres, und machte danach eine Reise nach Berlin mit seinen Kollegen. Seit dieser Reise schatzt er hoch das preussischen Recht und das politische Wesen. Die Aufgabe dieses Aufsatzes ist aufzuklaren, zur welchen Erkenntnissen kam er uber Deutschland wahrend des Aufenthalts in Berlin.
著者
橋本 孝太郎 佐藤 一樹 内海 純子 出水 明 藤本 肇 森井 正智 佐々木 琴美 宮下 光令 鈴木 雅夫
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.153-161, 2015 (Released:2015-03-05)
参考文献数
14
被引用文献数
4 6

【目的】在宅緩和ケアを受けた終末期がん患者の現状と診療実態を調査すること.【方法】在宅緩和ケアを専門的に提供する6診療所(在宅特化型診療所)から在宅診療を受け,2012年1~6月に死亡または診療中止したがん患者352名を対象として,診療録調査を実施した.【結果】対がん治療終了後に在宅診療を開始した290名の有効回答が得られた.男性165名(57%),年齢は平均72±13歳.訪問看護を238名(98%),訪問介護を95名(39%)が利用し,死亡または診療中止前1カ月間に,輸液療法を72名(30%),強オピオイド鎮痛薬投与を127名(52%)の患者が受けていた.転帰は自宅死亡242名(83%),在宅診療中止48名(17%)であり,中止の理由は,患者の身体的問題と並んで,家族の精神的・身体的な問題が多かった.【結論】在宅特化型診療所における在宅緩和ケアの現状と診療実態が明らかとなった.
著者
坪井 祥一 淺川 義堂 田中 利典 森 憲司 岩砂 三平
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Bb1420, 2012 (Released:2012-08-10)

【はじめに、目的】 大脳基底核は脳出血の好発部位でもありながら,大脳皮質や脳幹と強い機能的連結を持ち運動プログラムの生成や随意運動の実行,姿勢制御プログラムおよび自動歩行運動の制御を担う(高草木2009,花川2009)など,理学療法において最も重要な脳器官の一つであると考えられる.大脳基底核は直接路や間接路,ハイパー直接路からなる回路構造を持ちその内部で大脳皮質および脳幹から得た情報を元に,抑制増強と脱抑制を相互に用いながら(南部2009),運動の開始・切り替え・終了といった随意制御を担っているとされている.また,特に補足運動野との機能的連結によって記憶誘導性運動を,一方で同じ高次運動野でも運動前野は視覚誘導性運動を担っている(乾2001)とされている.この双方の比較的相反する機能を応用し,パラレルニューラルネットワーク(彦坂2003)が運動学習理論として提唱されている.今回左被殻出血を呈した患者様に対して上記メカニズムを応用した理学療法を実施し,得られた結果,その一考察を報告する.【方法】 症例は60歳代女性,右利き,病前ADLは自立,特筆すべき既往歴はなし.MRI所見として,主に左被殻後部・放線冠を中心とした損傷と内包後脚方向への血腫による圧迫を認めた.尾状核,被殻前部の直接的損傷は免れていた.当院入院当初(第37病日後)重度右片麻痺SIAS-motor0-0-2-1-0,表在・深部感覚重度鈍麻,筋緊張は弛緩性であった.神経心理学的所見としては伝導失語,軽度の失行,軽度の注意障害を認めた.機能的制限として,座位保持は自立であるが,起立・移乗は軽介助,立位保持は後方へ倒れやすく中等度介助,歩行は右下肢の振り出しが自己にてわずかにできる程度,右膝関節の膝折れ著名であり中等度介助を要した.本症例に対し,大脳基底核を中心としたメカニズムを応用し理学療法を実施した.視覚情報を用い随意運動を制御するため,姿勢矯正鏡の前で1日40分程度の動的立位,バランスex.(起立動作,スクワット,左右への重心移動,踵上げ,ステップ動作,リーチ動作を各20回程度),および20分程度の歩行,階段昇降ex.等を実施した.その際,本症例の能動的視覚性注意が保たれ,十分な視覚情報が随意運動・姿勢制御に寄与するよう,指差し指示やセラピストの視線等を有効に用い,姿勢矯正鏡に写る症例自身の身体関節運動を注視させ,視覚的注意対象を限定させた.また必ずジェスチャーにてセラピストがやって見せ,動作理解が行えた事を確認しながら行なった.その後,課題動作が概ね監視あるいは自己にて可能なレベルまで改善されたことを確認し,同様の動作を閉眼位にて行なった.【倫理的配慮、説明と同意】 本症例に対し,研究に関する趣旨を説明し,同意を得た.【結果】 第78病日後,SIAS-motor1-0-3-2-1,表在・深部感覚重度鈍麻,筋緊張は弛緩性であった.神経心理学所見として特筆すべき変化は認めなかった.動作能力としては起立動作,立位保持は自立,歩行はT字杖および短下肢装具着用下において二動作前型歩行を獲得し,病棟歩行が自立となった.【考察】 今回,左被殻出血を呈した重症片麻痺症例に対し,大脳基底核を中心とする脳機能メカニズムを応用した理学療法を試みた.今回損傷された被殻を中心とする大脳基底核は,補足運動野との機能的連結により,運動の開始・切り替え・終了を随意的に制御し,内発的かつ記憶誘導性の運動制御を担っていると考えられる.一方で同じ高次運動野でも運動前野は頭頂連合野,小脳との機能的連結により,外部情報を起因とする視覚誘導性運動を担っているとされている.またパラレルニューラルネットワークの概念図より,新しい運動を学習する運動学習初期段階では,後方線条体を中心とした体性感覚情報と比較し,より前方線条体を中心とした視覚情報を元に運動学習が行なわれるとしている.これらのことから被殻後部を損傷した本症例に対し,体性感覚情報を用いた随意運動制御と比較して,視覚矯正鏡等を用いた視覚情報による随意運動制御を行なった方が,小脳-頭頂連合野-運動前野系経路による視覚誘導性運動をより賦活することになったと考えられ,理学療法介入初期において,より運動学習が行なわれやすかった可能性が示唆された.また本症例にとって,視覚情報による運動制御がある程度成立した後に,閉眼位課題を導入することで,視覚情報と体性感覚情報の異種感覚統合がより行なわれやすくなり,更なる運動学習が進んだ可能性があることが示唆された.【理学療法学研究としての意義】 本症例において大脳基底核を中心とした脳機能メカニズムの理学療法応用は有用である可能性が示唆された.
著者
森田 とわ 山口 智史 小宅 一彰 井上 靖悟 菅澤 昌史 藤本 修平 飯倉 大貴 田辺 茂雄 横山 明正 近藤 国嗣 大高 洋平
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Ea0348, 2012 (Released:2012-08-10)

【はじめに、目的】 膝蓋骨骨折や膝蓋腱断裂,大腿四頭筋断裂などでは,膝伸展筋の機能不全によって歩行時に膝折れを呈し,膝伸展位保持が困難になる.この膝折れを防止するために,膝伸展位保持装具(以下,膝装具)が使用されることがある.支持性の良い膝装具は膝伸展筋力を代償するだけでなく,他の関節周囲筋の筋活動を変化させる可能性がある.しかしながら,膝装具使用時の歩行時筋活動量について言及された報告はない.本研究では,膝装具が歩行時の下肢筋活動量へ及ぼす影響を検討した.【方法】 対象は健常成人9名(年齢:24.4±2.8歳,身長:1.73±0.04m,体重61.2±6.3kg)とした.課題は20m/minに設定したトレッドミル上での膝装具装着および非装着の2条件の歩行とした。膝装具は,両側支柱付きのニーブレース(アルケア株式会社)を使用し,十分な練習後に装着非装着での歩行,装具装着での歩行の順番で課題を行った. 表面筋電図の測定には,筋電図記録用システム(Delsys社)を使用した.記録筋は,両側下肢の大殿筋(GM),内側ハムストリングス(MH),大腿直筋(RF),ヒラメ筋(SOL),前脛骨筋(TA)とした.電極は,筋腹上に能動筋電を貼付し,サンプリング周波数は1kHzで記録した.また,両側の母趾球部と踵部にフットスイッチを貼付し,歩行周期の特定および時間距離因子(重複歩幅,歩行率,立脚期割合)の算出をした.得られた筋電図波形は、全波整流後30歩行周期分を加算平均して平滑化した後,フットスイッチの情報から,立脚相と遊脚相に分け,それぞれの積分値(μVs)を算出した.また歩行時の重心動揺を計測するため,小型加速度計(ワイヤレステクノロジー社)を使用した.加速度計は,第三腰椎棘突起部に伸縮ベルトで固定し,サンプリング周波数60Hzで記録した.加速度データは,10歩行周期分のデータを加算平均し平滑化した後,時間で2回積分し変位を算出した.その変位から1歩行周期における左右移動幅を算出した.統計解析は,装具の有無による各筋活動量と時間距離因子,重心動揺の違いを検討するため,対応のあるt検定を用いた.有意水準は5%とした.【倫理的配慮、説明と同意】 所属機関の倫理審査会により認可され,事前に全ての対象者に研究内容を説明し,同意を得た.【結果】 装具着用により,装着下肢の立脚相においてGM,MH,RF,TAの筋活動量が有意に減少した.装具着用側の立脚相における各筋の平均積分値は(装具あり条件、装具なし条件)で,GM(6.33μVs,7.98μVs),MH(4.22μVs,5.39μVs),RF(1.43μVs,1.80μVs),TA(2.71μVs,3.53μVs)であった.一方,SOLについては,装具あり条件7.79μVs,装具なし条件7.88μVsで統計的有意な差を認めなかった(p=0.783).遊脚相においては,いずれの筋でも筋活動量に有意な差を認めなかった.また,装具非装着側の立脚相および遊脚相においては,いずれの筋でも装具着用の有無による有意な筋活動量の差を認めなかった.時間距離因子については,装具着用の有無による有意な差を認めなかった.重心の左右移動幅は,裸足歩行17.7cm,装具歩行23.8cmで装具装着により有意に増加した.【考察】 膝装具は,膝伸展筋以外の筋活動量も減少させることが示された.GM,MH,RFの筋活動量の減少は,膝装具によって体重支持に必要な筋活動が代償されたためだと考えられる.重心の左右移動幅が増大したが,これは膝関節を伸展位に保持したことにより,下肢を振り出すために生じた体幹側屈や分回し歩行などの代償動作が影響していると推察される.分回し歩行では,初期接地において通常より底屈位での接地になり,このことが,荷重応答期におけるTAの筋活動量が減少につながった可能性がある.また,立脚相のSOLにおいては,有意な変化を認めなかったことから,SOLの役割である下腿が前方へ倒れていく速度の制御に必要な筋活動は,膝装具によって影響をうけないと考えられた.しかしながら,本研究においては各関節の関節運動に言及することはできないため,今後,三次元動作解析装置などを用い検討する必要があると考えられた.【理学療法学研究としての意義】 膝装具を使用することにより,膝関節周囲筋だけでなく股関節や足関節の筋活動量も減少することが示唆された.膝装具を適用する際には,他の下肢筋の負荷をも軽減できる一方で,筋力低下の誘引にもなると考えられ,十分な配慮が必要である.
著者
緒方 久美 服部 朝子 杉浦 真希 森脇 典子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第56回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.116, 2007 (Released:2007-12-01)

〈緒言〉昨今、硝子体・黄班円孔の眼科手術において、SF6ガス及びairの浮力を利用し網膜の復位を目的に、術後3~7日間頭部安静をはかるために、腹臥位の保持が必要とされている。上記目的を受け、当病棟でも、眼科手術後はうつ伏せ枕(以下フェイスピローとする)を使用し安静保持に努めてきた。しかし、患者からは「息苦しい」「胸苦しい」「額の圧迫感がある」など苦痛の訴えが多く、安静保持の方法に問題を感じた。その為、看護師がうつ伏せ寝の実体験をすることで、患者の苦痛を実感した。そこで今回、フェイスピローの問題点を明確にし、改良型枕の作成と安楽物品の活用により、眼科手術後の安楽な体位を検討した為、ここに報告する。〈方法〉1)フェイスピロー(高さ7_cm_)使用後の意識調査 (対象:当病棟看護師11名、女性21~50歳、BMI18~23)2)フェイスピローによるうつ伏せ寝の場合の体圧測定(PREDIA 簡易体圧、ズレ測定器を使用)測定部位:額部、胸骨、右乳房、左乳房、腹臍高の5ヶ所で実施3)測定部位ごとに、夜勤の仮眠時間80分に1回ずつ体験する4)ベッドは患者と同じベッドを使用(パラマウントベッド KA―4150、マットレス KE-303厚さ80mm)5)改良型枕は従来の枕(フェイスピロー)の下に、通気目的のため網(30×40cm)をとりつけ、口元にあたる部分を一部カット、そこに籠を2つ結束帯で固定し高さ(籠の高さ6_cm_)を調整。また額部の圧迫を少なくするため、U字型(枕の厚さ6_cm_)で、スノービーズを入れた枕(以下U字型ビーズ枕とする)を使用。さらに、胸部にもU字型ビーズ枕(枕の厚さ9_cm_)を使用6)改良型枕とU字型ビーズ枕(額・胸部2ヶ所)の使用後、意識調査〈結果〉フェイスピローでは、息苦しさ、額部の圧迫感、胸部の圧迫感の順に苦痛があった。また、うつ伏せ寝ができたのは11名中10名、寝ることができたのは11名中3名であった。その理由としては「フェイスピローでは、頭の重さで枕が圧縮し、顔面がシーツについてしまい苦しかった」や、形はU字型を呈しているが「型くずれすることで口元が開き、顔が沈むために息苦しくなり眠れなかった」であった。改善点として、枕の高さ調整や、額への圧迫感の軽減が必要という意見があった。 改良型枕では11名中9名が使用感は、適当であり息苦しさなどの自覚症状はなかった。 改良型枕と安楽物品使用後に寝ることができたと自覚し、うつぶせ寝ができた時間は、15分以内2名、15~45分以内4名、45分以上5名であった。改良前後のうつぶせ寝には、苦痛の程度、体圧測定値、時間に差があった。〈考察〉フェイスピローの高さの調節による除圧と網と籠の工夫による通気性を考慮したこと、型崩れによる顔の沈みを軽減することで、息苦しさや圧迫による苦痛の軽減が図れたと考えられる。さらに、安楽物品として、額部・胸部にU字型ビーズ枕を使用することで「圧の分散」ができ自覚症状の軽減が図れたと考えられる。以上のことから、改良型枕とU字型ビーズ枕は、眼科手術後の安静保持における安楽な体位には有効であると考えられる。手術後の安静保持は、治療の効果を高め早期回復を促すためには不可欠である。今回の研究結果を日々の看護実践に活かし、今後も研鑽を積んでいきたいと思う。
著者
Balibar Etienne 松葉 祥一 大森 秀臣
出版者
青土社
雑誌
現代思想
巻号頁・発行日
vol.26, no.12, pp.90-103, 1998-10
著者
齊藤 匠 土居 健次朗 河原 常郎 大森 茂樹
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0599, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】筋出力に影響する要因は,神経と筋肉の2つに分けられる。我々は第49回全国理学療法士学術大会において,神経モビライゼーション(以下NM)が筋出力向上に影響することを報告した。一方,ストレッチングにおいても,筋出力向上に影響があると報告した研究は多い。臨床においてストレッチングやNMは多く用いられる手技だが,筋出力に対する各々の効果は明らかではない。本研究はNMとストレッチングが筋出力に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は,健常成人男性13名(24.5±1.9歳)とし利き足側の下肢に対し計測を実施した。使用機器は,イージーテックプラス(Easy tech),ストップウォッチ(CASIO),メトロノーム(KORG)とした。膝関節屈曲・伸展の筋出力計測は等尺性収縮,等速性収縮の2つの収縮形態で行った。筋出力は等尺性収縮の屈曲最大トルク,等速性収縮の屈曲・伸展最大トルク,屈曲・伸展最大パワーを評価した。等尺性収縮は計測肢位を股関節90度,膝関節60度に設定し,10秒間収縮を行った。等速性収縮の設定では,反復回数を5回,角速度を屈曲・伸展90度と設定した。各測定は開始5秒前から声掛けを行い,測定中は必要な声掛け以外行わず,静かな環境で行った。筋出力はNM,ストレッチング前後で計測した。検者はベッド上にて体幹,非検査側の大腿部,足部をベルトで固定しNM,ストレッチングを実施した。NMは坐骨神経を対象とした。Maitland Conceptのgrade4を参考に,膝関節伸展位,股関節屈曲位にて,足関節背屈を行い,2Hzの反復伸張刺激を10秒間与えた。ストレッチングは,ハムストリングスを対象とした。股関節・膝関節90度屈曲位から膝関節伸展を行った。伸張度は,痛みを感じない最大伸張位を至適強度とし,時間は6秒間保持した。解析は,各パラメータでNM前後とストレッチング前後の筋出力の差を算出し2施行間で比較した。また,NMとストレッチングで最大トルクと最大パワーそれぞれの屈曲と伸展に及ぼす差を検討するため,NMとストレッチングの差分を屈曲トルク・伸展トルク間,屈曲パワー・伸展パワー間で比較した。統計は二元配置分散分析にて検討した。測定した筋出力の値は体重で正規化した。Bonferroniの多重比較検定を実施し,有意水準は5%未満とした。【結果】等尺性収縮において,最大トルクはストレッチング-0.014±0.29N/kg,NM0.013±0.18 N/kgで有意差は認めなかった。等速性収縮において最大トルク(屈曲/体重)はストレッチング0.013±0.129 N/kg,NM0.024±0.139 N/kgで,有意差を認めなかった。最大トルクは(伸展/体重)ストレッチング0.025±0.153N/kg,NM0.044±0.248 N/kgで有意差は認めなかった。最大パワー(屈曲)はストレッチング7.3±22.7 N/kg,NM2.4±19.6 N/kgで有意差は認めなかった。最大パワー(伸展)はストレッチング-0.4±15.4 N/kg,NM9.6±31.07 N/kgで有意差は認めなかった。ストレッチングとNMの差分において最大屈曲トルク-0.0108 N/kg最大伸展トルク-0.018N/kgで有意差を認めなかった。最大屈曲パワー4.9N/kg最大伸展パワー-10.15 N/kgで有意差を認めた(P<0.05)。【考察】等尺性収縮においてストレッチングとNMの影響に違いは認めなかった。等速性収縮においてもストレッチングとNMの影響に違いは認めなかった。ストレッチングとNMが主動作筋である屈曲筋力と拮抗筋である伸展筋力に及ぼす作用でみた場合,最大屈曲パワーと最大伸展パワーに有意差を認めた。ストレッチングは膝関節伸展パワーと比較し膝関節屈曲パワーに有効的に働き,NMは膝関節屈曲パワーと比較し膝関節伸展パワーに有効に働くことが示唆された。最大トルクに対しては屈曲と伸展による差はなかった。パワーは単位時間あたりの筋発揮であり,速度を要する動作においてストレッチングとNMを有効的に使い分けることが可能だと考えた。NMは神経線維の緊張が弛み,神経伝導速度は低下すると言われている。介在ニューロンに対して刺激を与え,前角細胞の電位を下げ,膝関節屈曲筋活動を抑制し,伸展筋力が増加傾向になると示唆された。【理学療法学研究としての意義】本研究よりハムストリングスのストレッチングは膝関節屈曲の筋出力に対し有効な結果をもたらし,NMは膝関節伸展の筋出力に有効な結果をもたらす事が示唆された。ストレッチングとNMは分けて行う事で,治療の幅を広げる事が考えられる。スポーツ現場では,双方を調整する事で効果的な筋出力向上が考えられる。今後はNMの変化・対象について,検証する必要があると考えられる。
著者
中澤 知洋 森 浩二 村上 弘志 久保田 あや 寺田 幸功 谷津 陽一 馬場 彩 幸村 孝由 内山 泰伸 斉藤 新也 北山 哲 高橋 忠幸 渡辺 伸 中島 真也 萩野 浩一 松本 浩典 古澤 彰浩 鶴 剛 上田 佳宏 田中 孝明 内田 裕之 武田 彩希 常深 博 中嶋 大 信川 正順 太田 直美 粟木 久光 寺島 雄一 深沢 泰司 高橋 弘充 大野 雅功 岡島 崇 山口 弘悦 森 英之 小高 裕和 他FORCE WG
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集 72.1 (ISSN:21890803)
巻号頁・発行日
pp.508, 2017 (Released:2018-04-19)

NGHXTあらため、FORCE衛星は1-80 keVの広帯域X線を高感度で撮像分光し、まだ見ぬ隠されたブラックホールや超新星残骸のフィラメントでの粒子加速の探査を目指している。2016年に変更した計画の内容、検出器および望遠鏡の開発状況、およびサイエンス検討の進捗を報告する。