著者
丸井 淳己 則 のぞみ 榊 剛史 森 純一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会研究会資料 知識ベースシステム研究会 102回 (2014/7) (ISSN:24364592)
巻号頁・発行日
pp.10, 2014-07-24 (Released:2021-07-14)

It is now common to have a conversation with others on social media. Many research have been taken to see the community structure on social media, but there are few studies that apply link-based community (link community) detection on a large social network. Link community detection allows users to belong to more than one community. We improve the method of existing link community detection of Ahn et al., which extracts many small communities. We evaluate existing and proposing methods by network indexes, and we characterize link communities from users' biographies. We found that link communities sharing users have similar characteristics from biographies.
著者
岡田 佳之 榊 剛史 鳥海 不二夫 篠田 孝祐 風間 一洋 野田 五十樹 沼尾 正行 栗原 聡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.SAI-016, pp.01, 2013-03-11 (Released:2021-08-31)

Twitter is a famous social networking service and has received attention recently. Twitter user have increased rapidly, and many users exchange information. When 2011 Tohoku earthquake and tsunami happened, people were able to obtain information from social networking service. Though Twitter played the important role, one of the problem of Twitter, a false rumor diffusion, was pointed out. In this research, we focus on a false rumor diffusion. We propose a information diffusion model based on SIR model, classify the way of diffusion in four categories, and reapper the real diffussion by using this new model.
著者
榊原 彩子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.92-101, 1996-03-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
25
被引用文献数
4 4

According to previous theories, effects of repeated exposure of music on pleasingness depend on uncertainty of the music. In this study,“redundancy of rhythm pattern” and “prototypicality of harmony” were manipulated as the factors of uncertainty. The purpose of the following study is to examine effects of repeated exposure on pleasingness determined by the two above mentioned factors. Subjects heard tone sequences that represented four levels of redundancy and four levels of prototypicality, nd rated them on 7-point scales of “complexity” and “pleasingness”. Pleasingness was shown to be an inverted U-function of redundancy and prototypicality. And then, each tone sequence was repeated and rated pleasingness after each repetition. In a case of sequence whose redundancy caused most pleasingness before repetition, pleasingness of that sequence was decreased by repetition. But, in a case of sequence whose redundancy was too low to cause pleasingness before repetition, pleasingness was seen increased by repetition. On the other hand, pleasingness determined by prototypicality was not affected by repetition, and kept initial pleasingness during repetition.
著者
黒木 勝久 秋山 克樹 榊原 陽一
出版者
日本電気泳動学会
雑誌
電気泳動 (ISSN:21892628)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.97-102, 2022 (Released:2022-11-02)
参考文献数
12

黒毛和牛やブランド豚肉を始めとした高付加価値食肉は系統種の交配と飼育条件の工夫により開発される.食肉偽装などの問題もあり,遺伝的・環境的要因を一度に解析できる手法を確立することで,効率的な優良育種とブランド肉の偽装鑑定への応用に期待できる.その一つとして,我々はプロテオミクス基盤技術を活用した解析を行っている.本稿では,豚肉に焦点を当てブランド肉鑑定および優良種豚選抜法への可能性を二次元電気泳動と質量分析計を用いて検討した結果を報告する.プロテオーム解析の結果,ブランド豚肉では解糖系に関するタンパク発現が大きく変動しており,環境要因が糖代謝に与える影響を見出すことが出来たと共に,ブランド豚肉を判別できるマーカータンパク質・ペプチドの候補を見出すことが出来た.さらに,優良育種に用いられるデュロック種と大ヨークシャー種の血清サンプルを用いた解析より,従来の系統的な選抜方法とは異なる新たな個体識別方法への可能性が示された.
著者
石渡 哲哉 榊原 航也
出版者
芝浦工業大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2022-06-30

複素平面上で定義される複素数値関数の解析学である複素解析学は、数学のみならず工学等における応用でもよく活用されている数学の理論の1つです。本研究では、その離散的対応物である離散複素解析学の基盤を作ることです。このような研究は20世紀前半より進められてきましたが、複素平面の離散化の形状に制限がありました。これは、複素関数論で重要となる正則性の離散版の定義に起因します。本研究では、この離散正則性の定義をコーシーの積分定理を基礎に見直し、複素平面の離散化に対する制限を完全に取り払い、任意の平面分割上での離散複素解析学の構築のための基礎を確立します。
著者
榊原 雅人
出版者
日本生理心理学会
雑誌
生理心理学と精神生理学 (ISSN:02892405)
巻号頁・発行日
pp.2209si, (Released:2022-10-29)
参考文献数
120
被引用文献数
1

生理心理学や関連領域において心拍変動は自律神経活動を検討する目的でひろく利用されている。本稿は心拍変動の分析を用いた心理生理学的状態の評価と心拍変動の増大に関わる臨床的応用(心拍変動バイオフィードバック)について解説した。はじめに,心拍変動の高周波成分(呼吸性洞性不整脈)は統制された条件のもとで信頼性の高い迷走神経活動の指標となり,これを利用してさまざまな行動的課題(すなわち,ストレスやリラクセーション)に対する心理生理学的反応性を評価できることを示した。一方,迷走神経制御の特徴から呼吸性洞性不整脈は迷走神経活動の指標というよりはむしろ心肺系の休息機能を反映する内因性指標であると考えられ,これを利用して日常場面に関わる心理生理的状態を評価できることを示した。次に,心拍変動の増大に関わる臨床的応用の文脈から,心拍変動バイオフィードバック研究の起源,臨床的な有用性,作用機序について解説した。心臓血管系の調節に重要な役割を果たしている圧受容体反射には共鳴特性があり,共鳴周波数(おおむね0.1Hz)の呼吸コントロールは著しい心拍変動を生み出す。このような共鳴のメカニズムを通して心拍変動バイオフィードバックは圧受容体反射に関わる自律系のホメオスタシス機能を高め,ストレス症状の緩和や情動制御の効果をもたらしている。総じて,心拍変動の分析は心理生理学的状態を評価する有用なツールとなり,心拍変動の増大は心身の健康やウェルビーイングにとって重要な要因であると考えられる。
著者
榊原 良太 大薗 博記
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.92, no.5, pp.332-338, 2021 (Released:2021-12-25)
参考文献数
7
被引用文献数
1 11

Wearing masks is an easy and effective way to prevent infection by COVID-19. In Japan, two studies investigated the reasons why people wear a mask; however, the results were inconsistent. Therefore, the present study reexamined the association between mask wearing and the reasons given for doing so, focusing on the differences in and problems of item wording. The results of both studies were found to be almost reproducible, and there were few issues regarding item wording. Furthermore, the results revealed that people wear a mask to prevent themselves and others from infection and to conform to others wearing a mask. We suggest that inconsistencies in the results were due to differences in item wording, and discuss how future research should be conducted.
著者
中瀬 裕之 田村 健太郎 玉置 亮 竹島 靖浩 乾 登史孝 三宅 仁 堀内 薫 榊 寿右
出版者
日本静脈学会
雑誌
静脈学 (ISSN:09157395)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.157-161, 2007 (Released:2022-07-09)
参考文献数
20

当科における術後脳静脈梗塞の症例から,術後脳静脈梗塞の臨床的特徴を検討し,合併症(術後静脈梗塞)を回避するために注意すべきことについて述べる.脳外科手術中の脳静脈損傷により術後静脈梗塞を起こした自験例8症例(全手術中の0.3%),男性3例,女性5例(平均58.1歳)を対象とした.二次性静脈血栓の進展により緩徐に症状が発現してくる群(n=5)と急激に脳静脈灌流障害を起こしてくる群(n=3)の2群に分類できた.症状の発現が旱いものほど重篤な症状がみられた.外科的療法を要したものが2例,保存的に対処できたものが6例である.予後は良好が6例,軽度障害を残したものが2例であった.術後脳静脈梗塞を少なくするためには,(1)術前に静脈解剖を考慮し,重要な静脈を避けた手術アプローチの選択,(2)静脈を損傷しない手術法の工夫, (3)脳静脈損傷時の対処や術後管理など,できるかぎり静脈を温存し合併症を早期に予測し予防する努力が必要である.
著者
上子 優香 榊 剛史 原 忠義 森 純一郎 坂田 一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回 (2015)
巻号頁・発行日
pp.4I13, 2015 (Released:2018-07-30)

これまでニュース記事の一読者に過ぎなかった人々が、ソーシャルメディアを通じて意見を発信することで社会的影響力を持つようになってきた。本研究ではYahoo!ニュース内のコメントとTwitterでのコメントを対象として、ニュース記事のもつ言語的特徴が、ニュース記事の読者がソーシャルメディア上で発信するコメントの数や感情度に与える影響と、プラットフォームによるコメントの性質の違いを明らかにした。
著者
宮内 貴之 佐々木 祥太郎 佐々木 洋子 最上谷 拓磨 榊原 陽太郎
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.487-493, 2022-08-15 (Released:2022-08-15)
参考文献数
21

本研究の目的は,Bálint症候群を呈した患者1名を対象に日常生活活動(ADL)で用いられる代償手段を明らかにすることとした.事例は左後頭葉出血で急性期病院に入院中の80歳代女性とした.急性期病院入院中に事例のBálint症候群の重症度に変化はなかったが,ADLは向上し,セルフケアが発症から4週間で自立した.向上したADLでは非利き手を用いた視覚的な手がかりと体性感覚による代償手段を用いていた.このことから,Bálint症候群を呈した患者のADLの再獲得には非利き手を用いた視覚的な手がかりと体性感覚を活用した代償手段の練習が有効であると示唆された.
著者
髙橋 司 榊 真智子 管 利大 佐々木 佑佳 小野 愛季 西山 徹 小林 武
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.AdPF1007, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】 バランスは「質量中心を安定性限界(Limit of Stability: LOS)内に保持する能力」と定義される。また、筋力はバランスの構成要素の一つであるため、筋力低下が生じることでバランス能力が低下する。 バランスに関する先行研究は、立位バランスと姿勢調節筋について述べられているものが多い。主要姿勢筋は、主に安静立位姿勢を保持する役割を担っているが、足圧中心(Center of Pressure: COP)が絶え間なく移動している安静立位では、主要姿勢筋の活動のみでなく、当然足関節背屈筋なども関与している。しかし、足関節背屈筋と立位バランスの関係についての研究報告は主要姿勢筋に比べ数件しかなく、LOSとの関連は報告されていない。 しかしながら、臨床場面では脳卒中や腰椎椎間板ヘルニア、腓骨神経麻痺などによって前脛骨筋(Tibialis Anterior:TA)の筋力発揮が障害される疾患に多く遭遇する。TAの機能不全が立位LOSに与える影響を明確にすることは、臨床場面に有益な情報をもたらすと考える。これらの理由から、本研究はTAの筋力低下が立位LOSに与える影響を明確にすることを目的とした。【方法】 対象は健常男性21名(年齢21.1±1.0歳、身長170.5±5.9cm、体重61.4±6.4kg、BMI 21.1±1.3kg/m2)、対象筋は両側TAとした。測定項目は、徒手筋力計での足関節最大背屈筋力と重心動揺計を用いたクロステストでの足圧中心位置とし、各々TAの筋疲労前後で測定した。筋疲労はクロステスト実施中の筋力回復を考慮し、体重10%の重錘を足背部に負荷して30%以下になるまで背屈運動を行った。クロステストは、閉脚立位にて15秒間の静止立位後、前後左右ランダムにCOPを可能な限り移動させ、その位置を各々10秒間保持させた。疲労前後の平均COP位置を対応のあるt検定を用いて比較・検討した(p<0.05)。【説明と同意】 全被験者に対して実験実施前に本研究の目的・方法について、文書と口頭にて説明し実験参加の同意を得た。【結果】 疲労運動による足関節最大背屈筋力は、疲労前249.2±39.6N、疲労後63.1±27.0Nであり、疲労直後の筋力は疲労前の23.1±5.9%となった。足長と足幅のそれぞれ半分の位置を原点として、x座標は正で右方、負で左方に、そしてy座標は正で前方、負で後方に位置していることを示す。疲労前の静止立位位置は(-1.6±6.0,-12.3±8.3)%。LOSは、前方(-3.9±9.1,43.7±23.3)%、後方(-4.3±7.9,-48.3±23.9)%、右方(38.3±9.3,-10.9±7.2)%、左方(-49.1±9.3,-6.0±10.5)%であった。疲労後の静止立位位置は(-2.7±6.1,-17.2±11.8)%。LOSは、前方(-3.2±6.6,37.3±21.9)%、後方(-5.9±10.5,-38.2±23.9)%、右方(32.5±8.5,-17.9±10.7)%、左方(-38.2±10.6,-16.6±12.2)%であった。疲労前に比べ、疲労後のLOSは、足長・足幅に対して前方:6.9%、後方:10.1%、左方:10.6%、右方:5.8%それぞれ有意に減少した(p<0.05)。 また、疲労後の静止立位時と左右方向での姿勢保持時におけるCOP位置(y座標)は静止立位:4.9%、左方:10.6%、右方:7.0%それぞれ有意に後方へ変位した(p<0.05)。【考察】 TAの筋疲労前後での立位LOSは、疲労前に比べて疲労後は全方向で有意に減少した。また、静止立位時や左右方向での姿勢保持時におけるCOP位置は静止立位、左方、右方、それぞれ有意に後方へ変位した。 COPが前方移動すると母趾側荷重となり、足関節回内位となる。足関節の回内運動は内側縦アーチの降下を引き起こすことになる。後方移動では下腿は後方傾斜し、左右移動では外方傾斜する。 TAは内側縦アーチの保持を担い、閉鎖性運動連鎖では下腿の後方、外方傾斜の制動に関与する。そのため、TAの筋力低下により下腿の後方、外方傾斜の制動作用と内側縦アーチの保持作用の減弱が生じ、LOSが減少したと考える。また、静止立位位置と左右方向のCOP後方変位(y座標)については、足関節戦略での姿勢調節が関係していると考える。静止立位では、ヒラメ筋とTAの持続的な等張性活動によって姿勢を制御している。TAが疲労するとヒラメ筋とTAの筋活動比率が崩れ、TA劣位の姿勢制御となる。そのため、COPの後方変位が生じたと考えられる。【理学療法学研究としての意義】 臨床場面では脳卒中や腰椎椎間板ヘルニア、腓骨神経麻痺などによってTAの筋力発揮が障害される疾患に多く遭遇する。TAの機能不全が立位LOSに与える影響を明確にすることは、臨床場面に有益な情報をもたらすと考える。
著者
榊田 希 佐藤 実佳 貫洞 里美 鹿島 かおり 島田 慎一 石井 里枝
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.151-157, 2022-08-25 (Released:2022-08-30)
参考文献数
32

埼玉県内の市販国産鶏肉および市販国産豚肉を対象として,Campylobacter jejuni/coli,サルモネラ,腸管出血性大腸菌(EHEC),腸管毒素原性大腸菌(ETEC), Yersinia enterocolitica,Escherichia albertiiによる汚染状況を調査した.カンピロバクターは鶏肉の35.7%(60/168検体),豚肉の7.3%(14/190検体)から検出された.鶏肉においてはC. jejuniが優勢であり,豚肉においてはC. coliが優勢であった.サルモネラは鶏肉の58.1%(100/172検体),豚肉の19.9%(41/206検体)から検出された.検出率の高い血清型は,鶏肉由来株においてはS. Schwarzengrund,豚肉由来株においてはS. Typhimuriumの単相変異株であった.EHECは鶏肉82検体および豚肉124検体からは検出されなかった.ETECは鶏肉の0.6%(1/160検体),豚肉の2.4%(5/206検体)から検出された.Y. enterocoliticaは鶏肉83検体からは検出されず,豚肉の9.3%(18/193検体)から検出された.特にタンの検出率が21.0%(13/62検体)と高かった.E. albertiiは,鶏肉49検体,豚肉59検体からは検出されなかった.鶏肉はカンピロバクターおよびサルモネラによる汚染率が高いこと,また豚肉はカンピロバクター等に加え,ETECおよびY. enterocolitica血清型O3により汚染されていることが確認された.
著者
新井 清美 榊原 久孝
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.62, no.8, pp.379-389, 2015 (Released:2015-10-27)
参考文献数
44
被引用文献数
4

目的 都市公営住宅における高齢者の低栄養と社会的孤立状態との関連を明らかにすることを目的とした。方法 名古屋市営 A 住宅の65歳以上の高齢者442人を対象に,無記名自記式質問紙を使用し調査を行った。調査内容は,基本属性,社会的孤立状態や栄養状態などについて質問した。低栄養の指標については,Mini Nutritional Assessment®-Short Form (MNA®) を使用して評価した。「栄養状態良好」,「低栄養のおそれあり」,「低栄養」の 3 区分のうち「低栄養のおそれあり」と「低栄養」を,「低栄養のおそれ群」の一群として,「栄養状態良好群」との 2 群で比較した。社会的孤立については,社会的孤立を関係的孤立としてとらえ,日本語版 Lubben Social Network Scale の短縮版(LSNS–6)を使用して評価し,非社会的孤立(12点以上),社会的孤立(12点未満)の 2 群とした。分析では,従属変数を栄養状態とし,年齢,性別,同居の有無,主観的経済状況,社会的孤立,外出頻度,孤独感,要介護認定の有無,老研式活動能力指標を,独立変数(説明変数)としてロジスティック解析を行った。結果 調査は343人から回答を得て(回収率77.6%),有効回答数は288(有効回答率65.2%)であった。分析対象者288人は,65歳から98歳(平均年齢±標準偏差:74.7±6.1歳)で,男性121人,女性167人であった。孤立を示す12点未満は44.1%であった。MNA® については,「栄養状態良好」171人(59.4%),「低栄養のおそれあり」108人(37.5%),「低栄養」9 人(3.1%)であり,「低栄養のおそれ群」は40.6%に認められた。「低栄養のおそれ群」と関連する要因は,多重ロジスティック解析で,社会的孤立状態(オッズ比(OR)=2.52,95%信頼区間(CI)1.44–4.41)および経済状況(OR=1.98,95%CI 1.15–3.41)であった。交互作用の分析結果から75歳以上の一人暮らしも低栄養のおそれと関連することが明らかになった。結論 「低栄養のおそれ群」には,社会的孤立状態および経済状況が関連要因として示され,75歳以上の一人暮らしも要注意であることが明らかになった。今回調査したような公営住宅では高齢者の低栄養や社会的孤立が潜在化している可能性があり,高齢者の介護予防や健康増進への対策には,高齢者への栄養支援とともに社会的孤立への取組の必要性が示唆された。
著者
榊原 清則
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.45-53, 2000 (Released:2022-07-27)

日本の産学連携は実りに乏しいといわれ,大学がしばしば批判されている.だがそれは大企業を中心とする偏見の疑いがある.中小企業やベンチャー企業に着目すれば,むしろ実効性の高い産学連携が進んでいることを,データは示しているからである.本稿では,産学連携の日本における実態を明らかにし,知識生産システムの変容を論じている.
著者
榊原 一也
出版者
日本経営学会
雑誌
經營學論集 第85集 日本的ものづくり経営パラダイムを超えて (ISSN:24322237)
巻号頁・発行日
pp.F55-1-F55-8, 2015 (Released:2019-09-25)

従来の撤退戦略は,主に事業ポートフォリオ理論に依拠し,衰退段階に至った事業のキャッシュを再配分するという点に重きが置かれていた。だが本研究は,経営環境の変化への適応のため,あるいは将来の事業構想のために,積極的に事業ポートフォリオを調整し,断行する「能動的撤退」に注目する。事業売却を除けば,この撤退には,事業撤退が起点となって製品差別化を果たす「適応的撤退(撤退した事業で培った知識を既存事業において活用するもの)」と,新規事業創造を果たす「創造的撤退(撤退した事業で培った知識を事業創造において活用するもの)」の2つが存在する。本研究は,キヤノン株式会社の3つの撤退事例(シンクロリーダー事業,パソコン事業,ディスプレイ事業)から,これらの能動的撤退プロセスを明らかにした。
著者
榊原 清則
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.52-62, 1986 (Released:2022-07-14)

組織のダイナミックな変容はしばしばドメインの定義に関連しているといわれる.しかし,その関係の分析的な議論はほとんど存在していない.本稿では通常のドメインに代えて,より広いドメイン・ユニバースという新しい概念を導入し,独自の組織変動論を展開している.