著者
近藤 直子 花田 勝美 榊 幸子 松中 浩
出版者
Western Division of Japanese Dermatological Association
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.173-178, 2005
被引用文献数
1

皮膚の乾燥症状を有するアトピー性皮膚炎または乾皮症の患者26例に対し,オリゴマリン<sup>®</sup>をそれぞれ含んだ3種類のスキンケア製剤(ローション,ボディクリーム,ハンドクリーム)の使用試験を実施し,その安全性と有用性を検討した。オリゴマリン<sup>®</sup>は,海水からナトリウムなどを減量し亜鉛やセレンなどの微量元素を多く含む化粧品(医薬部外品)原料である。8週間の使用において,ボディクリームを使用した乾皮症の1例に軽いそう痒と炎症を認めたが,それ以外のすべての症例で安全性を確認した。また有用性は,皮膚所見,表皮角層水分量および角層細胞の形態観察にて評価した。その結果,本試験に供した3種類のスキンケア製剤は,乾燥性皮膚に対し安全に使用でき,かつ皮膚症状を改善するとともに,角層のバリア機能を向上させ得ることが明らかとなった。
著者
榊原 良太 北原 瑞穂
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.87.15302, (Released:2016-03-10)
参考文献数
43
被引用文献数
1 30

This study aimed to investigate the relations between CERQ and depression, and anxiety, and also aimed to reveal the characteristics of a Japanese sample through meta-analysis. The results showed that self-blame, acceptance, rumination, catastrophizing, and blaming others had significantly positive correlations with both depression and anxiety, whereas positive refocusing, refocus on planning, positive reappraisal, and putting into perspective had significantly negative correlations with both variables. Moreover, when comparing the correlation coefficients of the Japanese samples and the combined value, correlations between depression and positive reappraisal were significantly larger than the combined value. On the other hand, regarding the correlation coefficients of depression and putting into perspective, the combined value was larger than the value of Japanese samples. In addition, compared to the combined value, the Japanese sample’s positive correlation between anxiety and rumination, and negative correlation between anxiety and positive reappraisal were larger.
著者
榊原 良太
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.251-259, 2014

The concept of " emotional labor" has started being recognized as a socially significant issue, thus attracting numerous attention. A great deal of research has been done. Especially, the application of the study of " emotion regulation," a concept thought to be closely related to emotional labor, was a major turning point for the discipline. However, until now, its potential influence and the implications it have for the discipline of emotional labor haven't been discussed. Therefore, the present paper aimed to reconsider the originality and unique significance of the study of emotional labor by discussing the two points raised above.
著者
榊原 博樹
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.227-233, 1996-02-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
5
被引用文献数
2 5

アスピリン喘息はアラキドン酸シクロオキシゲナーゼ阻害をトリガーにして発症する.アスピリンだけではなく,すべての非ステロイド性抗炎症薬が喘息発作を惹起する.アスピリン喘息の頻度は成人の通年性喘息の9.8%と推定できる.ただし,病歴から診断できるのは60%の症例である.診断を確定するためには負荷試験が必要である.コハク酸エステル型ステロイド薬が喘息を誘発したり増悪させたりすることがある.
著者
榊 哲
出版者
日本英語文化学会
雑誌
異文化の諸相 (ISSN:13460439)
巻号頁・発行日
no.31, pp.163-176, 2011-02-25

The purpose of this paper is to discuss what lies behind the current situation where increasingly many university students need remedial classes for English in Japan, and then to try making three proposals for the issue. First, I will report what is going on in English classes in junior and senior high school, and discuss why some students get lost while they take English classes, and why they sometimes even stop studying English at the junior high school level. Next, I will discuss what may underlie the recent situation where some university students need supplementary lessons for English in Japan from the view point based on the statistical report by the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology. Last, I will try making proposals for handling these issues with 3 points. (1) What to consider when making a syllabus for junior and senior high school, (2) Organizing small classes according to students' proficiency, and (3) Applying Second Language Acquisition research to the classroom so that more students can acquire sound basic English skills.
著者
榊 剛史 松尾 豊
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

近年、ソーシャルメディアの爆発的な普及に伴い、ネット上に流通するクチコミの量は増え続けており、その種類も多様化している。本研究では、それらのネット上のクチコミに人物目撃情報が多数含まれていることに着目し、位置情報と共にそれらをリアルタイムに抽出・提示するシステムを試作した。本システムにより、ソーシャルメディアからのリアルタイムイベントの抽出の可能性を検証する
著者
鈴木 春菜 榊原 弘之
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.53-58, 2014-04-25 (Released:2014-04-25)
参考文献数
9

本研究では、自動車を保有しないと不便であると考えられる地方都市における、移動格差がもたらす心理的諸影響について分析を行った。自動車を利用できる環境にあるが敢えて利用しない積極的自動車非利用者と、自動車を利用したいが利用できない状況にある消極的自動車非利用者がいると想定し、消極的な自動車非利用者は自動車利用者と比較して地域愛着・主観的幸福感・地域の地理認知の水準がいずれも低いという仮説を措定した。山口県宇部市において転入者と学生に対するアンケート調査を行い、仮説の検証を行った。その結果、地域愛着・主観的幸福感・地理認知のそれぞれについて仮説を支持する結果が得られた。また、地域愛着については一般居住者については自動車利用傾向が高いほど地域愛着が低下するという結果が得られ、自動車利用の積極性による影響の差異が示された。
著者
三浦 房紀 鈴木 素之 村上 ひとみ 中村 秀明 多田村 克己 瀧本 浩一 朝位 孝二 大島 直樹 久長 穣 榊原 弘之 三石 真也 中田 幸男
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、行政と住民が協力して災害時の情報を収集、処理、提供するとともに、災害時要援護者の安否確認を迅速に行い、救助活動を支援するシステムの開発を行った。入力情報には、気象庁の情報のほか、地震計と3次元雨量計を設置して、独自でも入力できるシステムとした。広く住民に情報を提供するためには、デジタルサイネージを用いて、安否確認システムの要援護者が持つ端末はスマートフォンを用いて、サーバはクラウドシステムを用いてシステム構築を行った。宇部市をモデル地域として、市の防災や福祉に関連する部署、高齢者、聴覚障碍者の協力を得て、プロトタイプシステムを構築、その機能検証を行った。
著者
吉岡 敏和 水野 清秀 榊原 信夫
出版者
日本活断層学会
雑誌
活断層研究 (ISSN:09181024)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.16, pp.87-94, 1997-08-30 (Released:2012-11-13)
参考文献数
9

The Senzan fault is an active reverse fault directing N-S to NNE-SSW in the central Awaji Island. During the 1995 Hyogoken-nanbu earthquake, a characteristic surface break appeared along the Nojima fault located at the western side of the Awaji Island, however, no surface break had occurred along the Senzan fault. We excavated an exploratory trench on the Senzan fault to detect the age of the faulting events, and we confirmed a reverse fault making a contact between slope deposits and a granitic rock. The youngest age of the hurried soil deformed by the fault is 1161±67 AD. This means that the last faulting event of the Senzan fault occurred after the 12th Century. This event may correspond to the historical Keicho Fushimi earthquake in 1596 AD.
著者
福井 孝太郎 石川 優馬 大野 圭介 榊原 菜々 高西 淳夫 誉田 雅彰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.265, pp.19-24, 2008-10-16
参考文献数
6

人間の発声器官の3次元機械モデルの確立を目的としたWaseda Talkerシリーズの開発において,音声生成の明瞭性の向上を目的とした新型発話ロボットWT-7R(Waseda Talker No.7 Refined)を開発した.これまでの3次元発話ロボットWT-7においては,舌部をリンク機構で構築し,その上に熱可塑性エラストマー・セプトン製のカバーをかぶせることで声道としていた.しかし,この方法ではカバーが十分な厚みが無いため音漏れが生じ,共鳴特性に問題があるため,結果として,生成される母音が不明瞭になってしまっていた.この問題を解決するために,新型ロボットでは,リンクが駆動する舌内部の空間を液体で満たすことにより,共鳴特性の向上を目指すこととした.実験による検討の結果,セプトンへのダメージが少ないという利点から,封入液体にはエチレングリコールを選定し,可動部ではオイルシールや液体ガスケットによって液漏れを防いでいる.また,WT-7においては舌のリンク自体の可動域が不足していたため改良を行い,口唇部においては断面積変化が不十分であったため,確実に必要な断面積変化を実現できる機構を採用した.これらの改良により,発話ロボットによって生成される母音の明瞭性が向上し,スペクトル解析で計測したフォルマントのバンド幅が狭くなっていることが確認できた.
著者
出口 博則 山口 富美夫 坪田 博美 嶋村 正樹 榊原 恵子 倉林 敦
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

7種のセン類,2種のタイ類,1種のツノゴケ類を含む,10種類のコケ植物について,葉緑体ゲノムの全塩基配列を新たに決定した.これまで,セン類は,タイ類やツノゴケ類と比べ,葉緑体ゲノムの構造が大きく異なっていると考えられていたが,セン類の系統基部に位置する分類群では,タイ類やツノゴケ類と非常によく似た葉緑体ゲノム構造をもつことが分かった.進化を通じておきたいくつかの遺伝子の欠失イベントは,セン類の主要分類群の分岐順序を考える上で有効な系統マーカーとなることが示唆された。高等植物の葉緑体で知られる,線状ゲノム分子,多量体ゲノム分子がコケ植物にも存在することを初めて明らかにした.
著者
佐古 曜一郎 榊原 朋子
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.8-22, 1998-03-01

赤・黄・緑・青・黒という5色のセルスポンジを実験対象サンプルとして、いわゆる功能者を被験者に、一連の色の視覚外認識実験を行った。被験者の視覚はアイマスクで厳重に遮蔽し、手かざしで色を感知・識別してもらった。実験対象サンプルは、被験者が接触することのないようにケースをかぶせて呈示した。このケースは2種類準備し、1つは、可視光を遮蔽しない透明なケース、もう1つは、可視光を遮蔽する黒いケースであった。また被験者にはケースの種類を正しく通知する場合と、黒いケースを用いているのに透明ケースであると思わせるというように偽りの情報を通知する場合とを、混在させた。ケースの種類と被験者に通知した内容の種類の組合せにより、4つに分類される実験を各々200試行実施し、統計的に評価した。各実験とも認識率は有意な高さであったが、さらに透明ケースの方が黒いケースを用いた場合より認識率が高く、また被験者はケースの種類によらずケースは透明であると通知されている方が、認識率が高いことが見い出された。なお通知情報の真偽による認識率の差は見い出されなかった。