著者
鈴木 晶子 小田 伸午 西平 直 金森 修 今井 康雄 生田 久美子 加藤 守通 清水 禎文
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

スポーツや音楽演奏や伝統芸能における「わざ」の修練・継承においては、(1)目習いと手習いの連動、(2)修練と継承の一体化が軸となっていた。(1)目習いにおいては単に視覚のみでなく様々な運動感覚が統合的に働くこと、また手習いにおいても自己の身体動作の実際と身体イメージとの間を繋ぐために表象・言語の力が大きく関与していること、(2)修練における経験の内在化が常に継承行為の一部となっていること、創造的模倣(ミメーシス)が、経験の再構成において広義の制作的行為(ポイエーシス)へと移行していく機構が認められることが解明された。
著者
覚道 健治 清水谷 公成 四井 資隆
出版者
大阪歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

まず,in vitroの実験として,滑膜由来の培養細胞に対し生体におけるブラキシズムに類似したメカニカルストレスを与え,解析できる実験システムを開発した.それは,ラットの顎関節滑膜から初代培養により得た細胞を単層培養にて増殖させ,コラーゲンスキャホールドの中にコラーゲンゲルを併用して三次元培養組織を作製した.次に,顎関節解放手術の際に得られた滑膜組織からヒト滑膜由来培養細胞で同様に三次元培養組織を作製し,独自に開発した繰り返し圧縮刺激装置を用いて,生体におけるブラキシズムに類似した圧縮負荷ストレスを与えた.5日間負荷刺激後,三次元培養組織を回収し,細胞動態およびアポトーシス誘導を組織学的観察,炎症性サイトカインの遺伝子発現をRT-PCR法,タンパク発現をウェスタンブロッティング,ザイモグラフィ等の手法を用いて検索した。結果,過剰負荷想定の圧縮刺激により,MMP-1,MMP-3,IL-6,IL-8などの炎症性サイトカインのmRNA発現,タンパク発現の上昇が認められた.さらに,刺激直後,1時間後,6時間後の遺伝子発現の時間推移を調べた.その結果,サイトカインの種類により圧縮負荷刺激後の発現パターンが異なることが明らかになった.in vivoの実験として,ボランティアによる正常者の噛みしめ時の脳内賦活部位の解析をfunctional MRI(f-MRI)を使用して行った.その結果,噛みしめ時に賦活化される部位を特定することができた.さらに,噛みしめ時の不快症状が脳のどの部位で感知されているかどうかを調べるため,噛みしめのタスクに加え,浸潤麻酔および伝達麻酔を行い,歯根膜からの感覚を遮断し,その上で噛みしめ時のf-MRIを撮影,解析を行った.結果,片側の感覚遮断により,反対側の一次体性感覚野および運動野に賦活化が認められた.また両側の感覚遮断を行うことにより,脳の両側の体性感覚野および運動野の賦活領域の拡大がみられた.このことにより噛みしめ時の歯根膜からの感覚刺激が賦活化する脳の領域が明らかになった.
著者
清水 誠 佐國 勝
出版者
埼玉大学教育学部
雑誌
埼玉大学紀要 〔教育学部〕 教育科学 (ISSN:03879321)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.17-25, 2003
被引用文献数
6

じゃがいものデンプンは、どこで作られるか話し合いを行った。話し合いをするため、2つのクラスを設定した。1つのクラスは、3〜6人の小グループを作った。小グループのメンバーは、異なる予想に基づき実験をした児童で編成した。もう1つのクラスは、全員で各児童の実験結果について話し合いをした。小グループでの話し合いは、クラス全員での話し合い比べ、次のような違いがあることがわかった。1)児童の間に社会的相互作用が多く見られる。2)児童は、自身の考えに自信を持つ。3)話し合いを通して新たな疑問や考えを見いだすことである。Children discuused how the starch of a potato is produced. Two classes were set up to have discussions. One class established small groups of 3 to 6 children. The members of the small groups were organized based on the different expectations of each child about how the experiment would result. Another class held a discussion with all of the class members about each child's results of the experiment.When compared with the discussion with all of the class members, the following differences were noticed in the small group discussions :1) more social interactions were seen between the children ;2) the children had more confidence in their thoughts ;3) the children discovered new doubts and expectations through their discussions.
著者
瀬戸 秀春 禿 康雄 銭 昭輝 清水 猛
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.61-67, 1992-02-20
被引用文献数
5

ククルビン酸のすべての立体異性体および種々の類縁体をラセミ体にて立体選択的に合成し, 構造活性相関の解明ならびに農業上実用可能な植物生長調節剤の探索を目的として, これら化合物について水稲の幼苗根およびトウモロコシの草丈の成長に対する阻害活性を調べた.その結果, 水稲の幼苗根の成長阻害活性を高めるククルビン酸類縁体の化学構造要因として, 1) 1位と2位の置換様式がシスであること, さらに, 2) 3位の水酸基, 3) (Z)-2´-petenylあるいはbutyl基に代表される2位のalkenylあるいはalkyl置換基, および, 4) 1位のmethyl acetate置換基が重要であることが解明された.水稲の幼苗根の成長阻害活性において, ククルビン酸類縁体の中で, 相当する3-oxo体である, ジャスモン酸メチルあるいはエピジャスモン酸メチルに勝るものはなかったが, 茎葉処理によるトウモロコシ草丈の成長阻害活性においては, これらの化合物と同等あるいは若干強い活性を示す化合物がいくつか見い出された.これにより, より実用的な茎葉処理においては, 3位がケトンであるより水酸基のほうが, また, 2位の置換基がalkenylよりもalkyl基のほうが活性発現に適していると推測された.
著者
石河 晃 舩越 建 石井 健 大内 健嗣 清水 篤
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

落葉状天疱瘡は全身の皮膚に水疱、びらんをきたす自己免疫疾患であるが、自己抗体が抗原に結合してから水疱発生までの機序は明らかではない。本研究では正常ヒト皮膚器官培養にクローン化した抗体を局所注射し、経時的に超微細組織変化を観察した。病原性抗体注射後2時間後にはデスモソームの減少が見られ、22時間後にはデスモソームの消失と細胞離開が見られた。デスモソームの数が減少することによる細胞離開の経路が存在することが推察された。
著者
清水 孝一 加藤 祐次 山下 政司 北間 正崇
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

従来、カプセル内視鏡など体内機器との通信には、電波による単純な通信方式が用いられてきた。これに対し本研究は、体内を伝搬する散乱光を積極的に用いた光通信を新たに提案し、その実現可能性を実証することを目的とする。体内深部からの光信号は、生体組織で散乱され広く拡散していく。体表面に装着した複数の光センサでこの信号をとらえ、体内生理情報を復元する。光散乱を積極的に利用し、体表上いくつかの点に光センサを配置することにより、死角のない常に安定した信号伝送が期待できる。本年度は、前年度までの検討内容を踏まえ、提案手法の基本をなす体内散乱光による信号伝送実験装置を試作すると共に、それを用いた実験により信号伝送方式の最適化を図った。具体的内容は次のとおりである。1.生体内・光通信システムを試作した。2.試作システムを用い、生体モデルファントムと生体において本手法の特性を実験的に解析した。その結果、提案手法の実現可能性が実証された。3.種々のダイバーシティ方式の比較などを通し、提案手法の最適化を図った。その結果、提案手法の実用における有用性が実証された。研究成果の発表:国際学術誌(Applied Optics 2件、Optics Express 1件)および国際会議(invited talk 2件を含め4件)において、本研究の成果を報告した。
著者
清水 明宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFS, オフィスシステム
巻号頁・発行日
vol.96, no.380, pp.19-24, 1996-11-21
被引用文献数
5

出先から電話網を使わず, インタネットを経由して, 安全に自分宛のメールメッセージを取り出したり, 自分のアカウントからメッセージを送信したりすることのできるサービスを提案する. このサービスでは, パスワード認証機能を持った情報転送方式PERMにより, 資格の認証を行っている. また, メールメッセージの送受信に, メール送受信のプロトコルを用いることによって, 分散ネットワーク個別のファイアウォールを回避している. 本論文では, PERMを中核のとする本サービスアルゴリズムを示すと共に, 作成したシミュレータの概要と性能評価の結果について述べる. さらに, 公衆電子メール転送サービスの具体的なシステム構成例を示す.
著者
七夕 高也 清水 久代 篠村 知子 高野 誠 宮村 中村 浩子 斎藤 隆文
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. C, 電子・情報・システム部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. C, A publication of Electronics, Information and System Society (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.128, no.6, pp.962-969, 2008-06-01
被引用文献数
3 1

We developed an imaging system and image analysis software for phenotype analysis of rice seedlings growth. The developed imaging system could collect rice seedlings growth images in test tubes every 10 minutes. The image analysis software could detect leaf tip points and collect measurement of leaf height. Using this system, we could obtain detailed measurement and analysis phenotype of rice seedlings growth depends on time parameters, germination timing and leaf elongation timing.
著者
津田 一郎 ケルナー エドガー 清水 博
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.664-666, 1988-07-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
清水 謙多郎 石田 晴久
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1071-1072, 1986-10-01

本稿では、ワークステーション上でホスト計算機のマルチウィンドウ端末を実現し、ホスト計算機上でのマルチタスク処理を支援する通信ソフトウェア・システムWIPについて述べる。WIP(Window Interface Program)は、ホスト計算機とワークステーションの間の通信回線を多重化して用いることにより、複数の端末セッションおよびファイル転送を並行して行うことを可能にしている。WIPはユーザ・レベルのプログラムとして実現され、ワークステーション側のソフトウェアは、現在、OSの異なる3機種のワークステーション上で移動中である。
著者
小清水 郁 上岡 英史
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.36, pp.27-32, 2009-09-24

本研究では,モバイル端末が無線LANに接続する前にそのネットワーク利用状況を把握し,どの程度のスループットが得られるかを推定する方式について検討する.もし,十分なスループットが得られないと判断した場合は,端末自らネットワークへの接続を辞退し,ネットワーク状況が改善された場合に接続するという,端末の自律的アドミッション制御方式を提案する.本方式によって,ネットワーク全体の利用効率を高めることが可能となり,最終的には各ユーザの満足度を上げることにつながる.本稿では,無線LANパケットの再送率を利用した本方式の実現方法について述べ,フィールド実験によって得られた結果をもとに提案の有効性について報告する.

1 0 0 0 OA 尿膜管癌の2例

著者
松尾 康滋 清水 嘉門 松下 磐 辻 裕明 今井 強一 山中 英寿
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.1227-1229, 1988-07

Two cases urachal carcinoma are presented. Both of them had complaints of macrohematuria. One patient received partial cystectomy, and the other patient had radical cystectomy, peritoneo-umbiliectomy, and ureterosigmoidstomy after CDDP and ADM intraarterial injection. The former patient was found to have distant metastasis 7 months after operation. The latter patient has been disease-free for 4 months. The most important point to cure urachal carcinoma is accurate staging and sufficient first treatment, especially pre-operative intraarterial chemotherapy.