著者
野田 勉 原田 守夫 宮沢 寛 石黒 公 西山 光生 清水 信作 伊東 晋
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.1509-1516, 1997-09-20
被引用文献数
17 1

The Cable Television Conference working group conducted experiments on the 64 QAM signal transmission in a CATV system from 1995 to 1996. These experiments were based on the tentative specifications of the Telecommunications Technology Council of the Ministry of Posts and Telecommunications (MPT), to promote standardization of the Japanese digital CATV system. Experimental results showed that a C/N of more than 26 dB, a Composite Triple Beat (CTB) of less than -43 dB, and a single carrier interference of less than -30 dB were required to keep a BER of less than 1×10^<-4> without forward error correction. Cable reflection within the conventional CATV standard for NTSC-AM signals was low enough for 64 QAM signals. Experiments on adjacent channel interference between 64 QAM and NTSCAM signals indicated that the 64 QAM signal level needed to be lower than the NTSC-AM signal level by about 4-20 dB. Based upon these results, the Japanese standard was introduced by MPT on December 3,1996.
著者
清水 浩 對馬 ゆかり 小松 佳菜子
出版者
日本植物工場学会
雑誌
植物環境工学 (ISSN:18802028)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.2-7, 2008-03-01
被引用文献数
2 4

ノースポール(<I>Chrysanthemum paludosum</I> 'North Pole')を対象として,3通りの昼夜間温度差(DIF)条件, +10 DIF(明期25°C/暗期15°C), 0 DIF(20°C/20°C), -10 DIF (15°C/25°C)で下胚軸の伸長成長量を画像計測システムを用いて10分毎に6日間連続計測した. その結果, 計測開始2日目(播種10日後)の一日の伸長成長量は+10 DIF で0.5 mm, 0 DIFで0.42 mm,-10 DIFで0.2mmとなり, DIF値が大きいほど一日の伸長成長量が大きくなった.<BR>明期および暗期における伸長成長量は, 明期にDIF値が大きくなると伸長成長量も大きくなる傾向が認められるが, 一方, 暗期ではDIF値による伸長成長量の違いは認められなかった. これらの伸長プロフィールを画像による連続計測データから解析したところ, 伸長成長パターンについては+10 DIFと0 DIFの伸長成長パターンはよく似ており, ぞれぞれ明期開始3時間後, 5時間後に顕著な伸長が認められれるが, -10 DIFでは明期暗期ともに顕著な伸長成長は認められず, 明期開始8時間後(14時頃)に若干の増加傾向が観察された程度であった. また, 顕著な伸長成長の持続時間もDIF値が大きいほど長いことが明らかとなり, 明期の伸長成長量がDIF環境下におけるノースポールの一日の伸長成長量に大きな影響を与えていることが明らかとなった.
著者
尾登 誠一 片山 和俊 佐藤 道信 宮永 美知代 吉富 進 清水 順一郎 中山 淳
出版者
東京芸術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

研究は、17年度におこなった風土性、生態学的アプローチ、文化的視点、そしてμGにおける柔素材検討、μG環境での人体姿勢という5つの視座を、ISS(国際宇宙ステーション)の諸条件に照らし、3つの日本的な間(MA)の概念に収斂し展開している。第一点は、居住空間MAの概念であり、狭小限定空間や閉鎖系住居等の分析をしている。また第二点の生活時間MAの概念では、宇宙時間の変則性から仮想されるライフサイクルのありようが検討された。そして第三点の動作空問MAの概念においては、天地左右を暖昧にする浮遊の姿勢に関する展開が試みられている。研究指針はこれらの概念を総合的に相関させ、日本古来の茶室の要素を分析、新たなる居住のありようを宇宙茶室としてコンセプト化している。これを受けて18年度におこなった研究課題の微小重力空間における"柔"環境デザインは、ISS(国際宇宙ステーション)日本モジュールの1/10縮小コンセプトモデルを結論として提案している。モデルは現在建設中のモジュール条件から、直径4m×長さ10mのシリンダー空間を前提に、8名のクルーが長期滞在においてシェアする居住空間(物理的茶室のディメンションをもつプライベートスペース)と、共用を前提とした宇宙茶室(精神的茶室の機能が付加されたパブリックスペース)の合体により構成されている。特に微小重力下における浮遊というテーマは、既成概念を超えて、空間における人間の所作にっいて考察する必用があり、これに関連して宇宙環境における外部のない内部空間を構成する接触面のサーフェイスやテクスチュアのありようが考察された。また床-壁-天井という地球と異なる宇宙での居住環境は、必然的に素材のみならず、媒質(光/空気/音等)との関連性で考察する好機として、デザインの新たなる指標を予感させるものとなった。結果、微小重力下における人間行動と空問のありようから、BIRD HOUSE(鳥の巣)として応用デザインした止まり木的装置へと発展試作、微小重力下で使用することを想定しつつ、体感できるフルスケールモデルの制作も合わせておこなっている。研究成果は、コンセプトデザインモデルとしての提案が主となっているが、研究成果は、地球上の茶室の本来の意味や機能を再検証し、汎人間的な視点から、身体観、及び宇宙観の風土的背景を検討しつつ、宇宙文化のありようを問う考察が加えられている。
著者
阿部 なつ江 馬場 聖至 荒井 章司 富士原 敏也 杉岡 裕子 鈴木 勝彦 山野 誠 平野 直人 中西 正男 道林 克禎 石川 正弘 町田 嗣樹 志藤 あずさ 伊藤 亜妃 仙田 量子 水上 知之 清水 健二 森下 知晃
出版者
独立行政法人海洋研究開発機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

海洋プレートの非活動域に発見された新種の火山「プチスポット火山」海域において、地球物理学的・地質学的調査および岩石試料採取を実施してきた。同試料・データは、東北沖日本海溝に沈み込む前の海洋プレートそのものであり、陸側プレートに与える影響や島弧における火山および地震活動を評価する上で、重要な試料・データをもとに、海洋プレートとその下のマントル構造について総合的な研究・調査を行った。
著者
清水 龍瑩
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.185-224, 1997-08-25

1996年8月から1997年6月までの1年間,為替レートは乱高下した。日本経済は円安時には輸出に支えられ成長した。しかしこの1年間を通して,日本経済は情報化・グローバル化・ボーダレス化で競争が激化し,各企業はコスト削減,品質向上,短納期が求められた。さらに少子化,高齢化,超低金利で消費は低迷し,公共投資も波及効果が少なく,長期低迷,閉塞状態が続いている。一方,本来人間の意識が固定してできる法律とか制度が,外圧によって,人々の意識より早く変わってしまい,多くのトラブルを生ぜしめている。内需拡大,規制緩和,金融ビックバンなどは人々の意識より早く変わっている。それに対応できない人々が野村証券,第一勧銀などのようなトラブルをおこしている。このような構造的大変革を多くの経営者は身をもって認識しはじめ,経営についての考え方,哲学を変え,新しい対処行動をとりはじめた。グローバル化・国際競争激化に対処するため,レジャー製品の大メーカーは,社長自身が雇用を守ることが大前提だと明言して,競争力の弱くなったスキー板から撤退した。国際競争激化に対処するため,自動車電装品大メーカーは,エレクトロニクスからバイオにいたる基盤技術を強化し,自動車関連ハイテク製品で勝負する。ボーダレス化に対処するため,音響中堅メーカーは音響機器は今後必ずしもハイテクでないからとして,製造をやめ企画,販売に集中する。化学企業は規模では国際競争ができないため,通信・電子関係のコアの事業に集中する。ボーダレス化・情報化に対応するため,大手海運会社は,荷主の分散化.Eメールによる情報の共有化をはかる。高齢化に対応して,警備保障会社が予防医療に進出し,少子化にともなう輸送人員数の減少に対処して,私鉄が不動産業に力を入れる。これらは,各企業とも従来の経営の考え方や哲学までも修正する大転換戦略である。すなわち従来のような産業構造上の連鎖の中での固定的な小売の優位,アセンブリの仕入れ優位,下請不利などはなくなり,部品メーカー,メーカー卸,小売が平等で競争・協調しなければならなくなったことを示している。〈製造等関係〉[セコム]34年前にセキュリティを中心に創業し,その周辺に医療,教育,情報等の事業をおこし現在マルティプル産業に成長。次々に事業展開をするために,家庭用セキュリティシステムはレンタルとし,その安定収入をもとにして新投資を行うという原則。復数の事業を束ねるには遠い先に目標を定める。医療は今後治療医学から予防医学へ。[日本金属工業]日本の製造企業に共通している"製造設備の自社開発は強み"という説はあてはまらない。ノウハウを蓄積して三菱重工,日立に注文生産してもらうが第1番目の設備は非常に高価格になる。これを購入する第2,第3番目のメーカーは非常に安い設備を導入できる。台湾,韓国のメーカーはこれを買い汎用品を大量生産し,日本へ輸出してくる。競争激化。[デンソー]日本国内の自動車保有量は限界に達し,これ以上供給量をムリにふやせば輸出ドライヴがかかり,再び円高になる。それに対処するため自動車関連電装品の強化,すなわち環境,安全,エネルギー関連に特に力を入れる。エレクトロニクスからバイオに至るまでの基盤技術の強さが,企業成長の原動力となり,この企業成長の理念こそが構造的な経営問題解決の条件となる。[アイワ]ハイテクはもはやハイプロフィットではない。アセンブリーに近い音響メーカーは繊維産業のように日本からなくなっていく。日本に残っていけるエレクトロニクス産業は技術の蓄積のできる会社,100億の投資のできる大企業だけ。アイワはこれからは,企画と販売だけで食っていく。これが中堅企業の生き残る道。[ヤマハ]NEW YAMAHA PLANで沈滞したムードの意識改革を行った。この前提として雇用を守ることを大前提とした。強みをさらに強化するためにR & Dに集中投資をし,弱いところから撤退する。撤退の意思決定は社長にしかできない。役員は自分の担当に専念しているから,過去と比べて改善されたと思って撤退できない。スキーからの撤退は社長がきめた。[昭和電工]企業倫理を浸透させるために,従業員にフェアについての話を繰り返しする。化学産業は規模において国際競争力がないから,今後のコアとなる通信・電子関係の事業の研究開発に注力する。その事業規模は10億,20億でいい。また少しでもスケールを大きくするため合弁会社をつくる。そのとき出資比率を50 :50にしない。そうすると社内でエネルギーを消費してしまい,経営責任がもてなくなる。〈運輸関係〉[大阪商船三井]産業構造の大変革を一番はじめに経験したのは外航海運であり,その対処策は既に十分にとっている。グローバル化・情報化を積極的に利用して,荷主の海外拠点分散,本社組織・海外子会社とEメールによって情報の共有化を行い,タイムリーに意思決定する。特にアジア全体の輸送量の増大を見込んで戦略をたてる。[小田急]鉄道輸送人員が年700万人ずつ確実に減っている。年10%の減少率であり,大変な問題である。これは人口構成上の問題だからアンコントローラブルである。それなのに混雑緩和のために収入の4割を設備投資しなければならない。対処策として不動産業等に注力している。外国には私鉄という業態はない。〈流通業関係〉[島忠]家具はクレーム産業である。クレームには出来る限りの対応をする。それでいて利益を出す。顧客の千差万別の要求に対処する。クレームをつけた客を満足させリピータにすることが最大の戦略。一旦仕入れた商品は返品しないし,関東一円以外の遠くは取り扱わない。在庫量,販促費がかからない。[国分]流通業は毎日配送搬入して顔を合わせていても,相手の明日の動きがわからない程環境変化が激しい。対処策としてクイックリスポンスをする組織をつくること,さらに,メーカー,問屋,小売がお互いに裸になって自分のやりやすい機能を,相手方の領分まで入って果たしていく,という生販三層のコスト削減等が必要である。〈研究所関係〉[三菱総研]日本ではもう公共投資にはそれ程の波及効果はない。消費刺激がいい。長期的にみれば最も心配なのは高齢化とグローバル化。高齢化に対して日本人は個人で身を守ることができない。自分で稼ぐシステムをつくる。グローバル化の問題は日本人が外国人を使うのが下手だということ。アウンの呼吸で意思疎通ができると思っている。
著者
清水 裕之
出版者
名古屋大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1997

これまで劇場建設に求められたものは、1980年代に始まる多目的ホール建設ラッシュから、その反動としての90年代には専用劇場の建設、また今日では劇場の多目的化についても見直され始めている。こうした日本の劇場建設における独特の二者択一の状況を生む背景には何があったかということを歴史的な作業を通して解明し、劇場建設に一つの見解を得ようとするものである。即ち、劇場建設における計画の「多目的」あるいは「専用」の問題についてその議論が見えてくる時代に遡ることによって、現在の劇場建設における功罪を検証しでいる。「多目的」劇場、あるいは「専用」劇場を建設を取り巻く問題の中で、現代に見られる我が国の演劇創造と劇場の乖離現象を暗示するのが、帝国劇場(1911年開場)、築地小劇場(1924年開場)、東京宝塚劇場(1933年開場)であり、それはヨーロッパの劇場空間の影響を受けて進行する。一方、ヨーロッパにおける劇場の近代化には、逆に演劇創造と劇場の協力関係が見える。特に、舞台装置家アドルフ・アッピア(1826-1928)は、舞踊家エミール・ジャック・ダルクローズ(1865-1950)と共に、ダルクローズ学校内ホール(ドイツ・ドレスデン)において、ルネッサンス以来初めてプロセニアムアーチを排除した空間を実現した。そこには、アッピアの演出理念、新しい劇場技術が反映され、ダルクローズとともにつくり出した演劇創造と劇場空間との協力関係を見ることができる。こうした協力関係が、我が国においてどのような背景で乖離の芽が作られたのかについて演劇界、建築界の言説をもとに描き出し、以下の点がなぜ達成できなかったかについて、社会における劇場の位置づけ、劇場制度、劇場技術、舞台と客席との空間構成から見直すものである。
著者
清水 周次 田中 雅夫 中島 直樹 岡村 耕二
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

従来の遠隔医療システムにおける「画質の劣化」と「高価な機器の必要性」という問題点を解決した新しいシステムを開発し、研究教育用インターネットを活用して、アジアを中心とした医療施設へ高解像度の動画像を用いた遠隔医療教育の活動を展開した。各施設の技術的・医療的背景を調査後、外科手術や内視鏡を初め多くの分野においてライブデモンストレーションや遠隔会議を行った。またハイビジョンなどさらに新しい技術への取り組みも行っている。
著者
山本 譲 樋口 昭平 藤橋 俊明 清水 栄 西出 和憲 上坂 征夫
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.97, no.3, pp.244-250, 1977-03-25
被引用文献数
1

The metabolic fate of ο-chloro-α-(tert-butylaminomethyl)-benzyl alcohol hydrochloride (C-78) in the rat was studied by oral administration of 14C-C-78, and the bronchodilating activities of the metabolites were also examined. The major metabolites in the urine, bile, and feces were unchanged C-78 (I) and 4-hydroxy- (II), 3-hydroxy- (III), and 4-hydroxy-5-methoxy-C-78 (IV), and their corresponding conjugates. As the minor metabolites, ο-chlorobenzoic acid, ο-chloromandelic acid, and 1-(ο-Chlorophenyl)-1, 2-ethanediol were detected by gas chromatography. These results suggested that the major metabolic pathway of C-78 in the rat is hydroxylation of the benzene ring. Although IV had no activity, II had a stronger bronchodilating activity than C-78, and III was as effective as C-78, suggesting the participation of the metabolites in the bronchodilating action and durability of C-78.
著者
平 啓介 根本 敬久 (1989) MULLIN M. EPPLEY R. SPIESS F. 中田 英昭 藤本 博巳 大和田 紘一 小池 勲夫 杉本 隆成 川口 弘一 沖山 宗雄 瀬川 爾郎 SPIES F. 清水 潮
出版者
東京大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1989

大気中の二酸化炭素の増大やオゾン層の破壊などグロ-バルな地球環境の変動の可能性が広く注目を集めるようになり、大気中に放出された二酸化炭素の50%を吸収することに示される海洋の役割とその変動を解明するために、東京大学海洋研究所は太平洋の対岸に位置する米国スクリップス海洋研究所と平成1ー3年度にわたって共同研究を行った。これに先だって1968年5月に東京大学(海洋研究所)とリフォルニア大学サンディゴ分校(スクリップス海洋研究所)は学術研究協力協定を締結して、太平洋における地球圏変動(グロ-バルチェンジ)にともなう海洋の生産力、生物資源および海底の動態に関する協力研究に着手することに合意していた。平成1年、本研究の発足に当たって、根本敬久(当時、研究代表者)と小池勲夫がスクリップス海洋研究所を訪問して、全体の研究計画ならびに海洋上層における炭素・窒素の生物的循環を対象として研究する方法について討議した。同年11月に新造された白鳳丸がスクリップス海洋研究所に寄港して、海洋物理学、海洋化学、海底物理学、海洋生物学そして水産学の全分野について研究計画の打ち合わせを行った。また、スクリップス海洋研究所のヘイワ-ド博士を東京大学海洋研究所に招き、杉本隆成が渡米して地球規模の生物環境問題、特にイワシ類の資源変動の機構解明の方策が話し合われた。瀬川爾朗がスピ-ス教授を訪問して、東太平洋海膨の海底活動荷ついて電磁気学的特性について討論し、それぞれの海域で観測研究を実施することを打ち合わせた。平成2、3年度は上記の方針に沿って、カタクチイワシ、マイワシ類の稚仔魚の変動については、平成2年、3年の冬季に薩南海域で実施したマイワシの資源調査の結果ならびに既存資料とスクリップス海洋研究所がカルフォルニア沖で40年以上継続している調査結果と比べて大規模な地球的変動であるエルニ-ニョに対する応答を明かにした。物理的(温度、塩分、雲量、光量、海流)、化学的(栄養塩量、溶存酸素)パラメ-タ-によって資源変動を予測するための海洋環境変動モデルをそれぞれの海域について構築することができた。これらの資源環境学的研究は英文モノグラフとして刊行することになった。海洋における栄養塩の量的変動と微生物食物連鎖の研究も実施された。海洋物理学では、CTD観測に基づく海洋構造の観測と中立フロ-トの追跡によって太平洋の深層循環の研究を実施した。スクリップス海洋研究所は1987年2北緯24度と47度の太平洋横断観測を実施し、東太平洋の南北測線の観測を1990ー91年に実施した。後者についてはスクリップス海洋研究所のデ-ビス教授が南極環海と熱帯海域においてアリスフロ-トの追跡実験を、東京大学海洋研究所では平啓介が中心になって四国海盆ならびに黒潮続流域でソ-ファ-フロ-ト追跡実験を実施しており、デ-タ交換を深層流の統計学的特性を明らかにした。海底磁力計と電位差計による海底観測は東京大学海洋研究所では瀬川爾朗が中心に、スクリップス海洋研究所ではスピ-ス教授のグル-プが実施しており、相互のデ-タ交換を行い、海底ステ-ションによる長期観測法を確立した。海洋の炭素循環について、国際共同研究の一環として白鳳丸による北西太平洋における観測を平成3年5月に実施した。また、太平洋熱帯域ではスクリップス海洋研究所が8月に観測を実施した。これらのデ-タ解析により、溶存炭素の循環に関する研究をとりまとめた。
著者
小松 彦三郎 清水 克彦
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

この間の精力は、ほとんど2008年8月に東京で開催した関孝和三百年祭記念数学史国際会議の組織とこの会議録編集に費やされた。研究代表者自身は、関による連立代数方程式の未知数消去の理論(1683)及びその後の日本人数学者による研究の詳細とその独自性を明らかにした。これらは、従来、江戸時代の関流数学の伝統と、これをほぼそのままに受け入れた近代の数学史家の解釈によって理解されてきたが、今日の目では批判に堪ええない。この他、ケルビン卿(1855)とヘヴィサイド(1887)の電信方程式に対して新しい解法を与えることができた。
著者
清水 浩 高野 愛
出版者
日本植物工場学会
雑誌
植物環境工学 (ISSN:18802028)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.8-13, 2008-03-01
被引用文献数
2 4

キク(<I>Chrysanthemum morifolium</I> Ramat.'Reagan')を対象として, +10 DIF(DT:25°C/NT:15°C), 0 DIF(20/20), -10 DIF (15/25)の環境下での伸長成長量を画像計測システムで非接触連続計測(それぞれn=5)を行なった. その結果, いずれのDIF条件においても暗期の伸長成長量が明期よりも大きいという結果となり, これまでに差動変圧器など接触型計測装置での報告と一致した. 一日当りの伸長成長パターンについては暗期開始後約1時間に顕著な伸長があり, これは長くは持続せず暗期開始約2時間後には傾きが緩やかになるが, 約4時間後に再び若干上昇する傾向が観察され, これはDIF値が大きくなるほど顕著であった. 明暗期それぞれにおける伸長成長量は, 明期ではいずれのDIF条件でも顕著な伸長は認められなかったが, 暗期ではDIF値が大きいほど, つまり暗期温度が低いほど伸長成長が大きくなるという結果を得た. 本研究での結果と過去の知見との考察より, 明期の温度がそれに続く暗期の伸長成長に大きな影響を与えていると推察された.
著者
倉田 博之 清水 和幸 清水 和幸
出版者
九州工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

生体分子ネットワーク中に埋め込まれている生物学的基本回路の構造と機能の関係(設計原理)を体系化して,合成生物学の基盤となるデータベースを構築した。それを基にして,基本回路の複合化システムである大腸菌中央代謝経路(解糖系+TCA回路+ペントースリン酸回路)の設計原理を解析して,それを合理的に設計するための遺伝子組換え戦略を提案した。物質生産の基盤である中央代謝経路を再設計することによって,エタノール発酵系や乳酸発酵系の生産性を向上させて,環境エネルギー問題に貢献する。