著者
山口 雄仁 渡辺 哲也 岡田 伸一 鈴木 昌和 川根 深
出版者
日本大学短期大学部
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

本課題研究は大きく分けて,1.数式を含む文書の光学的文字認識(OCR)システムの開発と2.OCRされた文書の日本語による自動読み上げシステムの開発から構成される。それぞれについて,研究成果の概要は以下の通りである。1.については,(1)日本語・英語両方の文章から数式領域を正確に切り出す技術の確立,(2)数学記号認識の精度を大きく向上させる新たな特徴抽出法の研究や数学記号用認識辞書の整備,(3)認識結果をLa TeXを含む様々なファイル形式で出力する技術の開発などを行い,高度な理数系専門書でも精度よくOCR出来るようになった。また視覚障害学生でも,音声操作でOCRが出来るような環境を用意した。2.については,(1)La TeXで書かれた文章を汎用エディターに読み込み,それを文章解析して数式部分を日本語できちんと理解出来るように音声出力する,Windows汎用画面読み上げソフトウェアに対応した音声マクロを開発し,(2)評価実験を通してその音声マクロの読み上げ法や操作環境の改良を行った。その結果,ある程度理数系の専門知識がある学生であれば,容易に音声で理数系文書の内容が理解出来るようになった。以上の2つを組み合わせれば,墨字で印刷された理数系専門書に音声で十分アクセスすることが出来,理数系視覚障害学生が自立的に墨字文書を読む道が開けたと言える。これは,今後1と2が一体化したより汎用な「数式自動読み上げシステム」を開発する上で,重要な指針を与えるものである。
著者
渡辺 予里 ワタナベ ヨリ Yori Watanabe
雑誌
言語科学研究 : 神田外語大学大学院紀要
巻号頁・発行日
vol.13, pp.53-68, 2007-03

サービス業は、いろいろな接客業、例えばスーパーマーケットなどの販売店、レストランなどの飲食産業、病院や電車、バスなど多種多様であるが、その中から、私たちが日ごろよく目にする接客場面の状況やサービスをする側と受ける側の会話を想定し、もし自分がお客だったらその状況と受けたサービスについてどういった評価をするかを質問紙によって調査を行った。そしてその結果について、国ごとや性差、年齢などによってサービスに対する評価に違いがあるかどうかを分析した結果、国によって店員の接客態度に対しての評価の違いや、男女の性差による、接客態度への評価の違いが存在するという結果を得た。
著者
橋本 佳明 永田 泰自 四柳 宏 渡辺 毅 岡 博 黒川 清
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.45-50, 1995-01-30 (Released:2011-03-02)
参考文献数
14
被引用文献数
1

症例は29歳の男性微小変化型ネフローゼ症候群のために, プレドニゾロン治療を受けた. その経過中 (プレドニゾロン50mg投与中, 総投与量5300mg) に, 空腹時の低血糖 (40-50mg/dl) と高インスリン血症 (17~27μU/ml) がみられ, インスリノーマの合併が疑われた. 日内血糖・インスリン変化と75g経口ブドウ糖負荷試験で, 軽度の耐糖能異常と高インスリン血症が認められた. Cペプチド抑制試験では, Cペプチドが3.3から1.2ng/mlまで低下した. CT検査で膵のびまん性腫大が認められたが腫瘤は検知できなかった. プレドニゾロンの減量に伴い空腹時インスリンは低下し, 空腹時血糖もほぼ正常まで上昇した. その後8年間低血糖症状はみられず, また最近の空腹時血糖とインスリンも正常である. 以上の検査および経過より, この症例の空腹時高インスリン血症・低血糖の原因は, インスリノーマではなく投与されたプレドニゾロンであると強く疑われた.
著者
竹内 広宜 荻野 紫穂 渡辺 日出雄 白田 佳子
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.10-10, 2008

本研究は、テキストマイニング技術を用いて有価証券報告書を分析し倒産企業の特徴を明らかにしようとするものである。企業の倒産兆候を明らかにする研究では、企業の財政状態や経営成績を分析することが一般的である。これに対し本研究では、非財務データを用いて倒産企業の兆候を明らかにした。具体的には、企業が提出する有価証券報告書内のテキスト部分を解析対象とした。なお先行研究がテキスト内に出現する単語の出現頻度のみに注目していたのに対し、本研究では深い言語処理で得られる係り受け情報などにも注目した。具体的には、非倒産企業、倒産企業の有価証券報告書について、IBM OmniFind Analytics Edition(OAE)を用いて2群を比較し、倒産企業群を決定付ける表現を抽出する差異分析を単語レベル、文脈レベルで行った。
著者
大杉 千尋 村上 信司 渡辺 嗣信
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.730-736, 2014-11-25 (Released:2015-01-10)
参考文献数
11

単一クローン性免疫グロブリン(M蛋白)は,免疫生化学検査の測定結果に様々な影響を与えることが知られている.今回われわれは,AST測定時の反応タイムコースの異常から,患者血清とAST第1試薬が反応して混濁を生じた症例を見出した.その症例における混濁の原因はIgM-κ型M蛋白であることを証明した.さらに他8社のJapan Society of Clinical Chemistry(JSCC)標準化対応試薬で患者血清を測定したところ異常反応を生じなかった.そこで,試薬成分の緩衝液に着目し,3種類の緩衝液における様々な濃度での患者血清との反応性を確認した.その結果,本症例の異常反応は現行AST試薬の低イオン強度によるものであると考えられた.
著者
渡辺世祐 著
出版者
早稲田大学大版部
巻号頁・発行日
1916
著者
平野 弘之 渡辺 好博 大貫 義人
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.485-493, 1996-10-01
被引用文献数
1 1 1

国民体育大会出場レベルの男子水球選手で15から16才 (平均年齢15.6±0.7才) に整形外科的メディカルチェックを6カ月のあいだ3回にわたり, 身長, 体重, 視力, 外傷歴, 手術歴およびスポーツ歴の総合6項目と身体各部位の整形外科的診察50項目について追跡調査し, 以下の結果を得た.<BR>1.中学2年生次にスポーツ外傷が多い.<BR>2.プールサイドでの不注意や悪ふざけに起因する不慮の事故への注意と指導が必要である.<BR>3.体脂肪率, 体格指数および除脂肪体重は選手間で均一の値を示した.<BR>4.腸脛靱帯炎と鵞足筋腱炎はメディカルチェック時の指導で予防可能であった.<BR>5.国体レベルの水球競技に経時的な整形外科的メディカルチェックは有意義であった.
著者
渡辺 芳敬
出版者
早稲田大学教育会
雑誌
学術研究 : 複合文化学編 (ISSN:1882417X)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.69-85, 2011-02-25
著者
渡辺 久美 近藤 益子 太田 にわ 池田 敏子 前田 真紀子 太田 武夫
出版者
岡山大学医療技術短期大学部
雑誌
岡山大学医療技術短期大学部紀要 (ISSN:09174494)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.85-90, 1997-09-10
被引用文献数
2

2週間の特別養護老人ホームの実習前及び実習後の学生の老人イメージを20項目の尺度を用いて調査した。その結果,以下のことが明らかになった。 1. 実習後のイメージの平均得点は,「ユーモアのない」から「ユーモアのある」へ,「生気のない」から「生気のある」へと好ましい方向へ上昇し,一方「経験に富む」,「穏やかな」,「現実的な」は好ましくない方向へ変化した。 2. 3分の1以上の学生が実習後に特にイメージが変化した項目として「ユーモアのない/ユーモアのある」の項目をあげた。 3. 老人像は全体として「暇な」,「弱い」,「孤独な」という否定的な老人イメージと「経験に富む」,「暖かい」という肯定的イメージで捉えられており,このイメージは実習前後で共通していた。実習前後では全体として老人像に大きな変化はなかったものの,実習によって,より活動的な老人イメージを抱き,より現実的に老人をとらえていることが明らかになり,A園での老人看護学実習は教育上意義のある実習であると評価した。This study investigated how nursing students perceived the elderly living in a nursing home for the elderly. Testing was done both before and after they experienced a two-week nursing practice at the nursing home. Three findings were obtained. (1) The students regarded the elderly not only as more humorous and vital but also less experienced, peaceful, and realistic before than after experiencing the practice. (2) Over a third of the students named humorous/not humorous as an item for which they experienced a marked change in image of the elderly. (3) The students generally regarded the elderly as being experienced, warm, bored, weak, and lonely. The findingsindicate that the nursing practice provided the students with an opportunity to form better and realistic images of the elderly.
著者
渡辺 賢悟 伊藤 和弥 近藤 邦雄 宮岡 伸一郎
出版者
The Society for Art and Science
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.58-65, 2010

キャラクタデザインは,ゲームやアニメといったコンテンツ制作において重要な作業である.デザイン作業は複数人のアイデアを,コミュニケーションを介してまとめながら進められるが,絵が描けるデザイナと描けない者の間でアイデアの視覚化の能力に差があるため,アイデアを交換・共有するのが難しい現状がある.本研究では,絵が描けない者のアイデアの視覚化を支援するため,絵画手法の1つであるコラージュに着目する.複数の既存画像から一部分を切り出し,組み合わせるだけの作業で視覚化を行えるシステムを提案する.画像合成処理にPoisson Image Editingを用いることで,高品質なコラージュ結果を実現する.また,合成部品の切り取りを簡単にするため,部品領域の最適化処理を実装する.作成したシステムと,従来のソフトウェアを使用して視覚化した結果を比較し,システムの実用性を検証する.
著者
渡辺 裕恭 中井 文徳 井内 民師
出版者
徳島県立農林水産総合技術センター畜産研究所
雑誌
徳島県立農林水産総合技術センター畜産研究所研究報告 (ISSN:1347099X)
巻号頁・発行日
no.1, pp.15-22, 2001-12

四国地域の5月から6月の暑熱環境への移行時期、いわゆる暑くなり始める時期において、牛舎内温度の上昇に伴う泌乳牛の血液成分の変動傾向を調査するため、ホルスタイン種泌乳牛19頭を用いて、平成9年(第1年度)、平成10年(第2年度)の2カ年にわたる飼養試験を行った。その結果、次のような知見が得られた。1)ヘマトクリット(PCV値)は、産歴および乳量水準による差がみられ、第2年度において牛舎内温度の上昇に伴い上昇する傾向にあった。2)総蛋白質(TP)は、第2年度において緩やかに上昇する傾向がみられた。3)トランスアミラーゼ(GOT)は、第2年度において緩やかに上昇する傾向がみられた。4)尿素窒素(BUN)は、2産以上で乳量水準の高い牛群において、第1年度では緩やかに上昇する傾向がみられたものの第2年度では変動がみられなかった。また、初産で乳量水準の低い牛群において、第1年度では緩やかに低下する傾向がみられたものの、第2年度では緩やかに上昇する傾向がみられた。5)血糖(Glu)は、いずれの年度においても変動の傾向がみられなかった。6)総コレステロール(T-cho)は、2産以上で乳量水準の高い牛群において、第1年度では緩やかに低下する傾向がみられたものの、第2年度では変動の傾向がみられなかった。また、初産で乳量水準の低い牛群において、上昇する傾向がみられた。7)遊離脂肪酸(NEFA)は、初産で乳量水準の低い牛群では、5月中旬に低下したものの、その後は変動の傾向がみられなかった。8)カルシウム(Ca)は、いずれの年度においても変動の傾向がみられなかった。9)無機リン(IP)は、第2年度において5月中旬からの本格的な暑熱環境において一旦低下したものの、その後は上昇する傾向がみられた。10)マグネシウム(Mg)は、変動の傾向がみられなかった。11)アルカリフォスファターゼ(ALP)は、産歴および乳量水準により濃度に差がみられるとともに、緩やかに低下する傾向がみられた。12)アルブミン(Alb)は、緩やかに上昇する傾向がみられた。
著者
横田 充弘 山内 一信 谷村 英彦 渡辺 佳彦 外畑 巌 安井 昭二
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.315-324, 1975-03-01 (Released:2013-05-24)
参考文献数
20

20歳から49歳にわたる日本人正常男性164名,女性137名を対象として,小型電子計算機を用いた8心拍加算法により,S/N比の良いFrank誘導ベクトル心電図P環を描出した.これらのP環について17項目の諸量を自動計測し,性別,年代別(20-29歳,30-39歳,40-49歳)に平均値および標準偏差を求め,統計学的手法を用いて性差,年齢差の解明を試みた.計測17項目中20歳代の群で5項目,30歳代の群で3項目,40 歳代の群では7項目に有意な性差が存在した.また,男性では5項目に,女性では13項目に加齢に伴う変化を認めた,これらの成績よりP環について適切なベクトル心電図診断を行なうには性別,年齢別診断基準が必要であることが示唆された
著者
渡辺 宝陽
出版者
立正大学
巻号頁・発行日
1980

博士論文
著者
加藤 俊博 奥山 治美 徳留 信寛 織田 久男 渡辺 和彦 木村 眞人
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.80, no.2, pp.192-200, 2009-04-05
被引用文献数
1

健康志向が世界的に高まりつつあり、わが国においても、国民の食育、食と健康に関する関心は益々高くなっており、食生活の重要性が強く認識されつつある。一方、国民の「栄養と健康」に関する知識の現状はなお不十分で、野菜摂取量不足等によるビタミン、ミネラル不足あるいは油脂・脂肪(リノール酸、トランス脂肪酸)の取りすぎ等による栄養摂取のアンバランスががん、心疾患等の生活習慣病を助長している。他方で、消費者の健康食品・機能性成分に対する関心は高く、栄養補助食品としてビタミンやミネラル成分が摂取されている。しかし、ミネラル等の栄養補助食品では過剰摂取による弊害も発生しており、野菜等の食物からの摂取を積極的に勧める必要がある。このため、行政サイドからも、野菜摂取量の増加が叫ばれているものの、食生活の変化から、こども、若者高齢者を中心に野菜を十分に摂取できていないのが現状であり、流通と消費の両サイドから十分量のミネラル強化野菜の周年安定供給が望まれている。
著者
三崎 文夫 林 恭平 渡辺 能行 川井 啓市
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化機病學會雜誌. 乙 (ISSN:13497693)
巻号頁・発行日
vol.80, no.12, pp.2504-2511, 1983

嗜好品の摂取状況と潰瘍発症の関係を検討するため, 内視鏡検査直前にアンケート調査を行い, 男性胃潰瘍 (GU) 136例, 胃•十二指腸潰瘍 (GDU) 38例, 十二指腸潰 瘍(DU) 84例について, 発症前の煙草, アルコール, 香辛料, コーヒー, 紅茶, 牛乳の摂取状況を対照 (正常, 萎縮性胃炎) 65例と比較検討した. 症例全体での比較, 性•年齢でのマッチド•ペアによる比較, 2因子の組合せでの比較, 標準化相対危険度を検討し, 煙草がすべての潰瘍に強い危険因子であり, 香辛料がGUで, コーヒーがDUで, アルコールが他因子との組合せでGUの危険因子になりうることを認めた.