著者
池永 誠 大島 行彦 清水 正夫 後藤 紀夫 渡辺 龍彦 吉田 勝明 宮内 邦浩 中村 秀夫 朝永 哲弥 比企 能樹
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.1116-1120, 1990-05-01
被引用文献数
15

大腸穿孔21例を対象とし, 穿孔部位, 原因, 臨床症状, 手術時期, 手術術式, 術後経過より検討した. これは虫垂炎を除く消化管穿孔例97例の 21.6%, 大腸手術例173例の 12.1% にあたった. 大腸穿孔の確定診断は, 遊離ガス像の出現率が 33.3% と低い事もあり必ずしも容易ではないが, われわれは発症6時間以内に11例 (52.4%) と早期に手術を施行し全例救命しえた. 大腸癌穿孔は8例にみられ大腸癌手術の 6.1% にあたり, 全例に治癒切除を施行した. 累積生存率は Kaplan-Meier 法にて2年生存率 100%, 5年生存率 75.0% であった. 同期間の全大腸癌例の5年生存率は 65.1%, 治癒切除例の5年生存率は 79.8% であり, 穿孔例, 非穿孔例の間に差異は認められなかった. 穿孔例といえども癌に対する積極的な治療を行うべきと考えられた.
著者
龍岡 文夫 舘山 勝 平川 大貴 渡辺 健治 清田 隆
出版者
国際ジオシンセティックス学会 日本支部
雑誌
ジオシンセティックス論文集 (ISSN:13446193)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.205-210, 2009 (Released:2010-01-22)
参考文献数
11
被引用文献数
4 7

GRS一体橋梁は、従来形式の橋梁を「構造工学の立場から改良した一体橋梁は連続桁とRC竪壁(壁面工)が一体の一体橋梁(Integral bridge)」と「地盤工学の立場から改良したGRS擁壁を橋台とした橋梁」を合体させたものである。GRSは、Geosynthetic-Reinforced Soil(ジオシンセティックス補強土)を意味する。GRS一体橋梁の構造的特徴は、連続桁・壁面工と壁面工背面に定着したジオシンセティックスで補強した盛土の一体化である。支沓の省略と連続桁の使用により建設・維持費が削減される一方、構造的に安定化している。すなわち、竪壁は多層補強材で支持された小支点間距離多支点支持の連続梁であるため構造が簡略化できる。盛土補強により、橋桁の温度収縮膨張に伴う水平繰返し変位による盛土の主働崩壊を防げ残留沈下を極小化し、常時の交通荷重による壁面工背後の盛土の沈下を防ぎ、壁面工は上昇した受働土圧に対して安定を保つ。橋桁・竪壁・補強盛土の全体系が一体構造であるため、耐震性も高い。施工上の特徴は、補強盛土の建設による盛土・支持層の変形が終了した後、剛で一体のRC壁面工を補強盛土と一体化になるように建設し、次に橋桁を壁面工と一体化するようにして建設する、と言う段階施工である。段階施工により、壁面近くの盛土は良く締固まり、壁面工と補強材の相対沈下による損傷を防ぎ、杭基礎の必要性が減じる。
著者
小谷 信司 鈴木 良弥 渡辺 寛望
出版者
山梨大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

発話が不可能で両手両足の自由がきかない重複肢体不自由者に対して、視線を利用したコミュニケーション実現を目指している。過去の研究において、短い語彙入力の場合、有効性が認められたが、長い文章入力の場合で、誤入力が生じると、極端に効率が悪くなることが判明した。そこで、静的属性(知識・経験)、基本属性(時間・空間的情報)、動的属性(周囲・人物情報)を組み合わせて、その状況に応じた予測変換を実現することを目指した。シミュレーション実験と健常者による実験において良好な結果が得られた。現在、支援学校に協力してもらい生徒と一緒に取組を行い、その有効性を検証中である。
著者
大塚 浩通 渡辺 知香 小比類巻 正幸 安藤 貴朗 渡辺 大作 増井 真知子 林 智人 安部 良 小岩 政照 佐藤 繁 川村 清市
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.68, no.11, pp.1161-1166, 2006-11-25
被引用文献数
7 35

周産期における乳牛の栄養状態と細胞性免疫機能の関係を明らかにする目的で,異なる2つの飼養内容にあった2群の乳牛の免疫状態を観察した.免疫解析としては末梢白血球ポピュレーションおよびreal-time RT-PCRによる末梢血単核球のIFN-γ, TNF-α, IL-4およびIL-10のmRNAを計測した.乾乳期の飼料内容は1群(N=6)では非繊維性炭水化物が不足しており,II群(N=6)では充足していた.I群の血糖値はII群にくらべ分娩前12週から分娩後16週にかけて有意な低値を示した.1群の総コレステロール値はII群に比べ分娩後2週から10週まで有意な低値を示した.I群のCD3^+T細胞およびCD4^+T細胞数はII群に比べ分娩後6週および14週に有意な低値を示した.またI群のCD21^+B細胞はII群に比べ分娩前の16過と12週および分娩後の2過と10週で有意に低かった.一方,I群におけるCD4^+/CD8^+比は分娩後2週から14週までII群に比べ有意な低値が見られた.分娩後6週ではI群のIFNγ/IL-4mRNA比がII群に比べ明らかな低値を示した.周産期において低栄養にある乳牛では分娩後に細胞性免疫の低下のあることが明らかとなった.
著者
吉川 昌之介 山本 達男 寺脇 良郎 笹川 千尋 江崎 孝行 檀原 宏文 渡辺 治雄 岡村 登 橋本 一 吉村 文信
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1987

組換えDNA実験技術を始めとする分子生物学的、分子遺伝学的技術を病原細菌の病原性の解析に応用することを目的としてこの総合研究班を結成し、3年間補助金を受けた。研究分担者総数21名という大規模な班員構成からなり、各分担者の対象とする菌種も多岐にわたり、ビルレンス遺伝子の存在部位も染色体性、プラスミド性、およびバクテリオファ-ジ性と異るため各分担者の研究達成の難易度には著しい差があった。組換え体の選択方法、汎用される宿主・ベクタ-系でクロ-ン化できるか否か、EK系を用いることができるか否か、仮にクロ-ン化できたとしてそれが完全に形質発現するかなどにも大きな差があった。この壁を乗り切るためにベクタ-系を開発するところから始めたり、新たに宿主に特殊の変異を生じさせたり、遺伝子導入のために特殊の方法を採用したり多くの試行錯誤が行われた。幸に長時間にわたる班会議の議論を通じてこれら問題点の克服の方法が模索され、解決のための示唆が与えられた結果、各分担者それぞれがほぼ所期の目的を達した。セラチアの線毛、サルモネラの病原性、赤痢菌の病原性、大腸菌の表層構造、赤痢菌の抗原、らい菌の抗原、バクテロイデスの病原性、とくに線毛、腸管感染病原菌の粘着因子、コレラ菌の溶血毒、ナグビブリオの溶血毒、腸炎ビブリオの溶血毒、緑膿菌のサイトトキシン、Pseudomonas cepaciaの溶血毒などにつき、その遺伝子の存在様式、遺伝的構造、塩基配列の決定、形質発現の調節機構、前駆体物質のプロセツシング機構などを明らかにし、その病原的意義の解明に一定の知見を得ることができた。これらは多くの原著論文の他、シンポジウム、講演、研究会、総説などに発表したが、各分担者それぞれにより深く研究を堀り下げ、より完全な形で完成するべく努力を続けることになろう。ともあれ本邦のこの領域の発展に大いに寄与したことは間違いないと思う。
著者
渡辺弘人 編
出版者
圭章堂
巻号頁・発行日
1881
著者
寺沢 秀雄 渡辺 衆 小泉 弘之 星村 隆史 酒井 宏明
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.55, pp.50-51, 2008-06-20

ワークショップは,企業や地域コミュニティなどの体験型の講座として用いられる.ユーザインタフェース(UI)デザインでは人と人工物との関わりを扱うため,人の活動の場における発見的探索が不可欠である.この学びのかたちのひとつとして,ワークショップはふさわしいと考える.本研究は,1)Found Behavior(FB)手法を体験型UIデザイン学習交流に適用するためのプログラムの作成,2)ワークショップの実施と検証を目的とする.優れたUIデザインとは,その過程において日常生活における対話経験を多く参照したものである. FB手法とは,この考えに基づき,人のふるまい観察に主眼を置いたUIデザインの方法である. ここでは,観察を次の2つに分ける.1)状況の観察(活動の場における人の工夫の発見):文脈におけるデザインで一般に用いられる現場の観察 2)人のふるまい観察(ついついしてしまう人の習性の発見):デザイナーの引き出しとも呼べる対話経験の参照を促す観察 FB手法を用いたワークショップは,即効的ではないが,UIデザイン発想の根拠を明示的に説明できるようになったという点で一定の効果があったと思われる.
著者
渡辺 宏
出版者
山形大学教育学部国語国文学研究会
雑誌
国語研究
巻号頁・発行日
no.8, 1956-01
著者
山本 芳彦 渡辺 寛望 丹沢 勉 小谷 信司
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp."2P1-D21(1)"-"2P1-D21(3)", 2010

I research and develop it aiming at the realization of a scooping goldfish robot copied from the method that a human being takes. This paper describes I estimate the position and prediction of goldfish in the water tank based on the information from a camera on a water tank to distinguish a timing to scoop a goldfish.
著者
今井 繁 小倉 信彦 渡辺 澄夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.684, pp.1-8, 2000-03-13
被引用文献数
5

人間は言語を用いて互いにコミュニケーションを行う.しかし, 言語はその複雑さゆえに, 脳がどのように生成・獲得しているかは大きな謎となっている.一方, ある種の生物にみられるような単純な信号によるコミュニケーションを計算機により人工的に生成することが可能である.本研究では, 通信する2人のハンターによる獲物捕獲問題を分類子システムにより学習させる.次に, 分類子集合から決定木を生成することにより本質的なルールを抽出し, ハンター間のコミュニケーションについての分析を行う.実験の結果抽出されたルールは, 人間による理解が比較的容易であり, 元の分類子集合に対してわずか6%程度のルール数でほぼ同程度の獲物捕獲性能を獲得できた.
著者
横堀 正純 清水 公夫 渡辺 秀昭 小司 利昭 森田 修己
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.249-254, 1996-04-01
被引用文献数
4

補綴臨床やスポーツ歯学において全身運動時における咬合接触や咬合力についての研究はきわめて重要と考えられるが,いまだ十分に明らかにされていない.そこで本研究は,握力発揮時にかみしめを自覚している男性を選択し,デンタルプレスケールシステムを用いて握力発揮時と最大かみしめ時の咬合面積と咬合力を測定し,比較検討した.この結果,握力発揮時のかみしめは最大かみしめ時とほぼ同じかみしめを行っている人が多いが,一部の人はこれと異なったかみしめを行っており,個人差が大きいという知見が得られた.
著者
宮縁 育夫 星住 英夫 高田 英樹 渡辺 一徳 徐 勝
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.195-214, 2003-05-20
被引用文献数
12

Aso central cones located within Aso caldera, central Kyushu, southwestern Japan, initiated their activity soon after the formation of the caldera (ca. 90 ka). The cones have produced voluminous airfall tephra layers and lava flows. Most of the tephra layers distributed in and around Aso caldera are andesite to basaltic-andesite scoria-fall and ash-fall deposits. Their stratigraphy is very complicated because it is difficult to distinguish between scoria-fall layers in the field. However, dacite to rhyolite pumice-fall deposits from some central cones interbedded between the tephra layers are very useful to correlate stratigraphic units at separated localities. Therefore, we used the pumice-fall deposits in order to construct the tephrostratigraphy and eruptive history of Aso central cones during the past 90,000 years. Thirty-six pumice-fall deposits were identified including eleven major key beds. In ascending order they are Nojiri pumice (NjP), Ogashiwa pumice (OgP), Yamasaki pumice 5 (YmP5), Sasakura pumice 2 (SsP2) and 1 (SsP1), Aso central cone pumice 6 to 3 (ACP6-ACP3), Kusasenrigahama pumice (Kpfa) and Aso central cone pumice 1 (ACP1). Phenocrystic minerals of most pumice are plagioclase, ortho- and clino- pyroxene and magnetite, but NjP, ACP5, ACP3 and ACP1 include biotite, and NjP and SsP2 contains hornblende phenocrysts. On the basis of several ^<14>C ages of buried soils just below pumice (above Kpfa) and stratigraphic position eruption ages for the eleven major pumice are estimated as follows: NjP (85 ka), OgP (80 ka), YmP5 (69 ka), SsP2 (57 ka), SsP1 (56 ka), ACP6 (52 ka), ACP5 (45 ka), ACP4 (40 ka), ACP3 (39 ka), Kpfa (31 ka) and ACP1 (4ka). During the past 90,000 years Aso central cones produced pumice-fall deposits at an interval of about 2,500 years. Many of the sources of the pumice appear now buried under the present Aso central cones.