著者
松野 隆男 永田 誠一 佐藤 嘉純 渡辺 哲夫
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.579-584, 1974
被引用文献数
5

The carotenoid pigments from the fin and skin of horse mackerel, swellfishes, porcupinefishes and striped mullet were investigated. Tunaxanthin was predominant in horse mackerel (63-69%), swellfishes (33%) and porcupinefishes (56%). The following carotenoids were identified and their contents determined in the respective fishes: β-carotene(-, -, 4%), α-cryptoxanthin (2-trace, 3, 10%), cryptoxanthin (-, 10%, -), lutein(15-19, 3, 6%), zea1xanthin(10-16, 33, 16%), diatoxanthin(-, 7%, -), cynthiaxanthin(-, 8%, -), α-doradecin (-, 3, 1%) and astacene (-, trace, 1%), respectively.<br>Carangoxanthin originally reported in horse mackerel by Hirao was not detected in fishes collected at various seasons and places in spite of our detailed investigation.<br>In contrast with the above fishes, striped mullet contained zeaxanthin (68%) and lutein (20%) as the major carotenoids and a relatively small amount of tunaxanthin (6%).
著者
水谷 幸正 藤堂 俊英 渡辺 千寿子 場知賀 礼文 藤本 浄彦 小西 輝夫 田宮 仁
出版者
佛教大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1993

医療技術の進歩と高齢化社会の到来によって、より問題化してきた終末看護に、仏教的叡智を体して対応しうる人材を養成することは、その原理的精神を継承する日本仏教の、またそれを教授指導する仏教系学府の今日的使命の一つであるといえる。そうした認識をふまえて本研究は三期七年にわたる「仏教とターミナル・ケアに関する研究」を先行する基礎的理論的研究とし、さらにその成果をもとに平成5年4月より本学専攻科内に本邦で最初の仏教看護コースを開設した。その就学者には看護僧をめざす僧尼ばかりでなく、第一線の看護、社会福祉、社会教育に携わる人々も含まれることになり、仏教精神を体した日本的ターミナルケアの本格的な稼働が如何に待望されているかを知らしめられることになった。今回の一期二年にわたる研究は当該コースにおける教授指導を通してターミナルケア従事者、特に仏教看護僧の養成に当っての教授法やカリキュラムについて多角的、また統合的な検討を加えて行った。その成果は順次、仏教看護コースの教授の中に活かされ、その充実に資するところとなった。仏教看護コースの修学年限は一ヶ年(二年まで可)であるが、欧米では定着している大学院レヴェルでの教育システムの中で専門家を養成して行くことで、日本におけるターミナルケア従事者の裾野を充実したものに広げて行くことが次の課題となった。またそうした構想の実現を通して、日本社会におけるターミナルケア従事者、仏教看護者の受け入れ体制も徐々に整って行くことであろう。尚、先行する「仏教とターミナルケアに関する研究」の三冊の報告書が新たな編集のもとに法蔵館(京都)より出版されることとなった。この公刊により日本におけるターミナルケアに対する理解が一層深まることを期待したい。
著者
井上 真出美 江頭 広幸 岡崎 泰久 渡辺 健次 近藤 弘樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.594, pp.29-34, 2003-01-17

我々は,障害者のPC利用に着目し,発話障害のある肢体不自出者が人力できる音声による入力支援システムを開発した.本システムでは,市販の音声認識エンジンを使用しているが,その製品の既存の辞書では単語が多数登録してあるため,発話障害者の発話は誤認識される.そこで,ある発話障害をもつ肢体不自由者に協力を得て,実験により認識可能な単語を調査し,少ない単語を登録した独自の辞書を作成した.また,少ない単語であらゆる操作が可能となるように,複数のモードを定義した.システムを実現し,入力実験を行なった結果,発話障害のある肢体不自出者でも人力が可能であることがわかった.
著者
渡辺 幸三 大村 達夫
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:18806082)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.94-104, 2006-04-20

ダム湖は河川水生昆虫の幼虫と成虫の移動を阻害し,ダム上下流間の遺伝的分化やそれに伴う遺伝的多様性の低下を引き起こす恐れがある.本研究は湛水面積が異なる複数のダム湖周辺でヒゲナガカワトビケラ,ウルマーシマトビケラ,クロマダラカゲロウの3種の水生昆虫地域集団のRAPD解析を行った.解析の結果,ヒゲナガカワトビケラの遺伝的分化は6つのダム湖のうち湛水面積が 3.27 km<sup>2</sup> 以上の2つの大きなダム湖で遺伝的に分化していたが,ウルマーシマトビケラは湛水面積が小さい場合でも分化することがあった.また,ウルマーシマトビケラの遺伝的多様性の低下要因として,集団サイズの低下とダムによる生息地分断化の2因子が働くが,残り2種は集団サイズの低下のみが主に働いていることが明らかになった.
著者
谷口 薫 渡辺 満久 鈴木 康弘 澤 祥
出版者
SEISMOLOGICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
地震. 2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.11-21, 2011-08-25
被引用文献数
2

The 150 km long Itoigawa-Shizuoka Tectonic Line Active Fault System (ISTL) in central Japan is one of the most active fault systems in Japan. Paleoseismologcal studies 1980s have revealed that the most recent event and the average recurence interval of the ISTL. The approximately 7 km long portion of the fault system between Matsumoto and Okaya has been regarded as a gap without any active fault trace. The gap namely the "Shiojiri Pass Gap" has long been taken as a segment boundary owing to the geometric discontinuity. Recent geomorphological analyses of the gap have demonstrated a through-going left-lateral slip assocaited with recent earthquakes in this area, based on aerial photograph interpretation and excavation studies. Excavation study on this portion revealed that the latest faulting event occurred between 1,700 cal. B.P. to 1,310 cal. B.P. (255 A.D. -645 A.D.). The timing of the last faulting event at this study area coincides with the timing in the Gofukuji fault and Okaya fault. The active faults extending from the Matsumoto basin as far as the northwestern margin of the Suwa basin display the evidence for its recent reactivation at the same time.
著者
原田 英二 渡辺 怜子 児嶋 紀子 水野 充
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.770-780, 2003 (Released:2003-02-01)

インターネット時代の到来により,電子ジャーナル出版は加速され,学術雑誌の世界では一般的なものとなってきた。電子出版には従来の冊子体ベースの出版物にはないさまざまなメリットが見られるが,電子化により,雑誌に縛られない,論文単位での扱いが容易となった点もそのひとつである。そして,それに応じて論文の個別売り,いわゆる一部売りサービスが登場してきた。一部売りサービスによる論文の購入は,出版社だけでなく,アグリゲータ,二次データベース経由によっても可能となってきている。ここではそれら一部売りを扱う業者を出版社,アグリゲータ,二次データベースサービスに分けて整理し,それぞれの特徴をまとめた。さらに,提供業者ごとの価格を調査し,比較を行った。
著者
小林 勉 西村 伸也 棒田 恵 渡辺 恵 樋口 雅希
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.73, no.634, pp.2557-2564, 2008-12-30

"Machiya" houses in the "segai-style", which is characterized by its use of cantilevers as the ceiling beams to hold the roof, can be seen all over Niigata Prefecture. "Machiya" houses in the Shinano and Agano river basins and on the Japan Sea coast were examined and house systems and their use of interior space investigated. "Segai-style" houses were consequently divided into four groups according to defferences in details: houses on Sado Island; houses downstream on the Shinano and Agano rivers; houses midstream on the Shinano river; houses upstream on the Shinano river and on the Japan Sea coast.
著者
中川 恭次 渡辺 清治 角田 智彦 瀬尾 和大 此上 典文
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, 1974-06-15

ある場所で観測される地震動には波動の伝播過程におけるさまざまな要因による影響が含まれているが, 特に観測点直下の表層地盤の影響が大きいと考えられる。そこで表層地盤に関する資料は他の要因に比して比較的豊富であるので, 表層地盤の動特性を観測点ごとに求めることによって, 地表における地震観測記録から観測点直下の基盤における地震動を推定することはある程度可能である。この考え方から東松山地震(1968)の際, 都内13個所で得られたSMAC強震計の同時記録をもとに基盤入力波を逆算し, 表層地盤の動特性と基盤入力波の持つ性質についての考察を行なった。その結果, 基盤入力波の振幅レベル, 特性は推定可能であり, また他の場所で観測された地震記録から計算によって基盤入力波を求めることもある程度可能となった。
著者
谷島 一嘉 平柳 要 丸 瑠璃子 渡辺 直隆 伊藤 雅夫 宮本 晃
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1994

本研究は簡単に測定し得るさまざまな心身反応から、フリッカー値、血圧(収縮期・拡張期)、10秒間の選択反応数、10秒間のタッピング数を選び、これらを作業前と作業後で測定することによって、作業による疲労度を疲労スコアとして、直ちに算出・表示する小型・簡便・安価な疲労度の定量化システム(疲労計)を試作する。そして、これに組み込んだ重回帰推定式の妥当性の検討や人間工学的な評価、改良を施し、より実用性のある疲労計としてまとめあげる。これまで、このような簡単な疲労計で複数の心身反応を総合した測定・評価システムは他に類が無く、しかもその主要なロジックである疲労度の算出方法には、これまでの研究成果からの独特のものを採用している。したがって、上記の心身反応を測定すれば、直ちに重回帰推定式によって、作業前に対する作業後の疲労度が疲労スコアとして算出・表示されるしくみである。そして、出力結果としての疲労スコアが0〜9であればほとんど疲労していない状態、10〜19ではやや疲労した状態、20〜49ではかなり疲労した状態、50以上では極度に疲労した状態の4段階で評価される。最近、健康管理の面から作業者の疲労度を数的に把握するのに、簡単な操作で比較的信頼できる結果が得られる安価な疲労計を希望している職場が多いためこの疲労計は非常に広い応用・需要が期待される。したがって、本研究で開発された疲労度の簡易定量化システム(疲労計)の実用化の見通しはきわめて高いと思われる。今後、さらに看護婦の疲労の測定などで実地に使いながら、簡易疲労計としての信頼性の向上、使い勝手の良さなどを中心に、さらに検討して行く。
著者
茂木 正史 長澤 夏子 渡辺 仁史 簾藤 麻木
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.15, no.30, pp.499-504, 2009-06-20 (Released:2009-06-19)
参考文献数
4

This study aims to reduce nursing home's care work burden by planning method with the consideration of care worker's psychological burden and physical load. Using the results of behavior observation of care workers at seven existing nursing homes and the questionnaire data obtained from ninety-two care workers, care work burden calculation program considering psychological burden and physical load for the facility planning was developed.
著者
赤堀 次郎 渡辺 信三
出版者
立命館大学
雑誌
社会システム研究 (ISSN:13451901)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-12, 2002-03-31

近代経済学の発展に数学や,数理統計学は重要な役割を果たしてきたが,近年,数理ファイナンスと呼ばれる新しい金融の理論においては,確率解析学(Stocahstic calculus)という比較的新しい数学が基本的な方法を提供している.そこでは,市場の数学モデルとして,株式等の証券の価格の時間変化のモデルが確率過程として定式化され,確率微分方程式を中心とする確率解析の方法を用いて研究が行われている.確率過程を数学的に構成する方法はいくつかあるが,数理ファイナンスの理論においては確率微分方程式の理論が有用である.数理ファイナンスの理論において,市場の完備性を考察する際には,確率過程の与える情報系-「filtration」や,そのfiltrationに関するmartingale(と呼ばれる確率過程)全体の集合の構造を知ることが基本的に重要になるが,その集合=空間の構造を調べる方法としては,確率微分方程式の方法がもっとも優れているからである.本稿では,まず,その確率微分方程式の理論を概観する.とくにその「弱い解」と「強い解」の相違について注意を喚起し,「強い解」の存在についての新しい結果を述べる.この結果は確率的流れ(stochastic flow)を先に構成し,そこから確率微分方程式の「強い解」を与える,という点で既存の方法とは異なる新しい手法である.その新しい理論の数理ファイナンスへの直接の応用についてはいまだ研究成果は出ていないが,結びでいくつかの注意を喚起しておく.
著者
吉田 和哉 濱野 博史 渡辺 敏暢
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2002, 2002

不整地走行する月・惑星探査ローバーにおいて, 走行中のすべり率を小さく保ち踏破性能の高い制御法を提案する。特に月面環境では地表は細かな砂(レゴリス)で覆われており, 車輪の空転によって穴を掘ってしまい, その場から動けなくなってしまう。このような状況を避けるため, 常にタイヤのすべり率を推定しつつ空転を回避する制御法を示す。また, 各車輪の荷重配分に応じた駆動制御を行うことにより, さらに踏破性能を向上させることができる。これらの制御法について, シミュレーション解析およびテストベッド実験結果について示す。

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著者
渡辺守邦 島原泰雄編
出版者
青裳堂書店
巻号頁・発行日
1985
著者
渡辺 幸雄 猿丸 仁美 嶋田 典司
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.37-43, 1983-12-25

134種の植物についてウレアーゼ活性を調べた結果,大部分の植物でその活性が検出された.活性がもっとも高かったものはナタマメであった.ウレアーゼ活性が検出されなかった植物でも,生育環境が異なると活性を発現するものもみられ,まったくウレアーゼが存在しない植物があったとはいいきれないと思われる.供試植物を草本と木本とに分けて比較すると,草本の方が高いウレアーゼ活性を示す傾向にあった.ウレアーゼ活性が検出されなかったシコロベンケイに尿素を与え,その同化を検討したところ, Niの存在下でのみウレアーゼ活性の上昇が認められた.
著者
水野 勉 米野 史一 林 利明 榎木 茂実 品川 宏樹 山田 一 渡辺 誠一 岸本 哲 竹下 邦夫
出版者
公益社団法人日本磁気学会
雑誌
日本応用磁気学会誌 (ISSN:18804004)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.296-301, 2005-03-01
被引用文献数
9 6

The output voltage of an eddy current displacement sensor depends on the quality factor Q=ωL/R of the coil. Therefore, impedance analysis of the coil is important for output voltage analysis. Theoretical analysis of coils has been performed by C. V. Dodd, A. Reatti, and others. However, the quality factor of a coil cannot be calculated by using their theory. This paper presents theoretical, numerical, and experimental analyses of a coil for an eddy current displacement sensor. The impedance characteristics are analyzed by combining three theories : Dodd's theory, Reatti's theory, and the finite element method (FEM). As a result, the calculated value of the quality factor using the technique of complementing Dodd's theory with FEM is found to be accurate within seven percent. This technique is effective from the viewpoints of calculation time and accuracy. The calculation times of the three methods are also discussed in this paper.
著者
渡辺 法男 安村 幹央 中川 千草 立山 健一郎 安田 公夫
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.310-312, 2007 (Released:2007-11-07)
参考文献数
10

【目的】オピオイド鎮痛薬は単剤治療が基本であるが, モルヒネとフェンタニルパッチ (FP) を併用することにより, 疼痛, 咳嗽・呼吸困難の症状緩和を得ることができた症例を経験したので報告する. 【症例】50歳代, 女性, S状結腸がん, 肝・肺転移. 疼痛に加え咳嗽・呼吸困難があったため, 硫酸モルヒネを開始し, 症状緩和を得た. 将来的に経口摂取が困難になることを考慮し, FPへの変更を計画した. しかしながら, フェンタニルの咳嗽・呼吸困難に対する効果は確立していないため, 咳嗽・呼吸困難に対しては少量の硫酸モルヒネを継続し, 疼痛に対してはFPにて調節を行い, 最後までモルヒネとフェンタニルの両成分を併用することにより, 疼痛, 咳嗽・呼吸困難の症状緩和を得ることができた. 【結論】経口摂取困難で, 疼痛に加え, 咳嗽・呼吸困難を有する症例に対して, 少量のモルヒネとFPの併用は, 安定した症状緩和を得るうえで有用であると考える.