著者
田中 慎吾 タナカ シンゴ Tanaka Shingo
出版者
大阪大学大学院国際公共政策研究科
雑誌
国際公共政策研究 (ISSN:13428101)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.113-126, 2013-03

This paper sheds light on the process and reasons behind Harry S. Truman’s suggestion for the Far Eastern Commission (FEC) to permit basic research and academic instruction of nuclear physics in Japan in 1946 and acceptance the FEC’s decision that prohibited any research in 1947. This paper argues that Truman administration planned to relax the restrictions from the various perspectives, such as the international negotiation for controlling nuclear energy at the United Nations and the policy in occupied Germany. After facing oppositions in FEC, however, Truman dropped his suggestion and sought for just the multilateral decision by the FEC to share responsibility of its restriction.
著者
田中 稔彦 石井 香 鈴木 秀規 亀好 良一 秀 道広
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.54-57, 2007
被引用文献数
1 2

24歳,男性.初診1年半前から運動や精神的緊張によって多発する小円形膨疹を主訴に来院した.皮疹は激しい痒みをともなっていた.コリン性蕁麻疹と診断し,種々の抗ヒスタミン薬を投与したが皮疹は改善しなかった.サウナ浴によって同様の皮疹が誘発され,回収した本人の汗による皮内テストで陽性を示した.また健常人および本人の汗から精製した汗抗原で末梢血好塩基球からの著明なヒスタミン遊離が生じ,汗の中の抗原にIgE感作されていることが明らかとなった.本人の汗から回収した抗原による減感作療法を行ったところ皮疹の程度が軽減し,本人のQOLも徐々に改善した.末梢血好塩基球の汗抗原に対するヒスタミン遊離の反応性も経時的に低下し,汗抗原による減感作療法が奏効したと考えられた.
著者
臼田 知史 田中 雅臣
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.226-231, 2010-04-05

我々の銀河系では超新星の頻度が約50〜100年に一度と推定されているが,人類がこの約400年間に銀河系内の超新星を肉眼で確認した例はない.その間に望遠鏡や分光器が発明され,系外の超新星について詳細な観測研究が進んだが,系内の超新星に対してはこれら高度化した装置での観測機会はなかった.我々は日米独共同で,系内の超新星残骸ティコ(超新星爆発記録は1572年)とカシオペヤA(推定爆発年は1680年)の爆発当時の放射光の「こだま」(light echo)-光源の周囲にある塵やガスによって反射された光が遅れて届く現象-をすばる望遠鏡で分光観測し,新たな知見を得た.
著者
田中 皓介 中野 剛志 藤井 聡
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_353-I_361, 2013
被引用文献数
4 4

人文社会科学において,"物語"は,人間,あるいは人間の織り成す社会の動態を理解するにあたって重要な役割を役割を担うものと見なされてきている.それ故,人間や社会を対象として,公共的な観点からより望ましい方向に向けた影響を及ぼさんと志す"公共政策"においても,物語は重大な役割を担い得る.また公共政策の方針や実施においては,マスメディアが少なからぬ影響を及ぼしていることが十二分に考えられる.ついては本研究では,現在の日本において,政策が決定,採用されてきた背景を把握するにあたり,新聞の社説を対象とし,新聞各社に共有されている物語を定量的に分析することとする.
著者
鈴木 陽一 橋本 明記 小島 政明 田中 祥次 木村 武史 斉藤 知弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.212, pp.19-24, 2009-09-22

今後の放送の大容量化や通信との親和性を考慮した方式として,高度衛星デジタル放送伝送方式がARIB STD-B44として国内標準規格となっている.本方式では,誤り訂正符号としてLDPC符号を採用するとともに,ロールオフ率0.1の採用により現行BSデジタル放送方式と同じサービス時間率を確保しつつ,伝送容量が約30%増加した.本方式には,「今後の周辺技術の進展により利用可能となる方式」として,さらなる大容量伝送が可能な振幅位相変調方式も採用されている.本方式ではπ/2シフトBPSK,QPSK,8PSKに加え,16APSK,32APSKの5種類の変調方式が選択可能である.本方式で用いるLDPC符号の検査行列は符号長44880ビットのLDGMタイプであり,11種類の符号化率が利用可能である.本報告では,まず初めに,高度衛星デジタル放送伝送方式に適用する誤り訂正符号の要求条件を述べる.次に,高度衛星デジタル放送伝送方式の構成について述べ,LDPC符号を設計する上で必要な伝送フレーム構成を示す.続いて,高度衛星デジタル放送伝送方式用LDPC符号に用いる検査行列の設計指針として,サイクル4,6の除去方法について述べ,11種類の符号化率に対する検査行列パラメータを明らかにする.また,計算機シミュレーションによるBPSK,QPSK,8PSK変調を用いた場合の白色雑音下での伝送特性結果を示す.次に,16APSK,32APSKについて,LDPC符号を用いた場合に白色雑音一定の元で最小BERを満たす最適半径比の設計指針を示し,最適半径比を16APSK,32APSKに適用した場合の伝送特性結果を示す.
著者
田中 秀和 下沖 光浩 Gustavo Dore 竹居 直哉 小林 茂 奥出 直人
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2010-GN-77, no.16, pp.1-6, 2010-11-18

近年ではコンピュータの小型高性能化によりユビキタス環境が可能になりつつある。家庭内においては、家具を新しいメディアにすることで、生活者は今までにない暮らしを経験することになる。本提案では、クロックに顔認識機能を持たせることにより、クロックと生活者の新しい関係性を提案する。
著者
田村 瑞枝 山本 貴嗣 石井 太郎 萩原 徹 斎藤 正樹 服部 研吾 久山 泰 宮本 博文 小田中 佳子 加藤 洋司 新谷 和夫 松井 浩 杉下 靖郎 小田 福美
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.249-253, 2001-11-30 (Released:2012-08-27)
参考文献数
13

無症状の人間ドック受診者242人を対象に,尿中抗Helicobacter pylori抗体(ウリネリザ)を測定し血中抗体法と比較したところ,良好な一致率であった。内視鏡的検査を基準とした場合,ウリネリザの診断能は血中抗体法とほぼ同等であった。またウリネリザ陽性群では陰性群と比較して,上部消化管の有所見率が高い傾向が認められ,上部消化管のスクリーニングの一法として有用である可能性が示唆された。
著者
田中 久美子
出版者
一般社団法人 日本健康心理学会
雑誌
健康心理学研究 (ISSN:09173323)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.15-21, 2015 (Released:2015-07-31)
参考文献数
28

The relationship between test anxiety and restrained eating, as assessed by estimates of the calorie content of food was investigated. Female undergraduate students (N=169) participated in the study. They were shown two “healthy” (fruits) and four “unhealthy” foods (chocolate, potato chips, etc.), and were asked to estimate the calorie content of each food item. Participants also completed questionnaires assessing their test anxiety, as well as the Revised Restrained Scale. Results indicated that restrained eaters were more likely than unrestrained eaters to underestimate the calorie content of healthy food, regardless of their anxiety status. This finding suggested that restrained eaters, who are concerned with managing their weight, believe that healthy foods do not affect potential weight gain, which supported the health halo effect. Moreover, restrained eaters with low anxiety overestimated calories in sweets, which are unhealthy food, whereas restrained eaters with high anxiety underestimated their calories. These biases suggest that lower calorie estimation of unhealthy foods allowed restrained eaters to feel fewer cognitive conflicts associated with eating as an emotion regulation strategy.
著者
小倉 加奈代 田中 唯太 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, ヒューマンコンピュータインタラクション研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2012-HCI-148, no.20, pp.1-8, 2012-05-25

本稿では,大皿料理のように,共食者が料理を共有する共食場面において,しばしば見られる「遠慮のかたまり」という状況がどのような状況かを明らかにすべく,大皿上の料理の残量が最後の一個,最後の一口に近づくにつれ,食事をしている人々の取り分け行動にどのような特徴,変化がみられるのかに着目した分析,考察を行った.その結果,食事開始中盤から終了前にかけて,取り分け行動の停滞,停止が起こり,その停滞,停止直後に起こった取り分け行動が短い間隔で 2,3 度連続して起こることがわかった.この,停滞→取り分け行動の活発化という流れが「遠慮のかたまり」につながる最後の一個に向けての準備行動である可能性があることがわかった. : In this paper, we try to analyze serving food to reveal a situation of “the last on piece of food”. When we analyzed video data of table talks with some platters, we focused on serving food for each platter and for dining table. As a result, we confirmed situations of suspending serving foods from middle stage to end often occurred. In addition, we found after suspending serving food, serving food occurred continuously for short time span. A series of suspending and activating serving food is important for us to handle a situation of “the last one piece of food”.
著者
行野 顕正 田中 省作 冨浦洋一 柴田 雅博
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.365-374, 2007-01-15
被引用文献数
1 2

スラッシュ・リーディングとは,意味のかたまりごとにスラッシュで区切られた英文を読むことにより,読解力の向上を目指す学習法である.多くのスラッシュ付き英文を読むことで,学習効果が上がると考えられるが,現在のところ十分な文書数のある学習教材が存在しないという問題がある.本稿では,統計的アプローチを用いて任意の英文にスラッシュを自動的に挿入する手法を提案する.英文中のスラッシュの位置を定める主な要因は,英文の部分的な構文構造・セグメント長のバランス・一部の単語であるという仮定に基づき,パラメトリックな確率モデルおよびSVM を構築する.既存の教材を学習データとしてモデルを学習することで,その教材のスラッシュ挿入規則を模倣したスラッシュ付き英文を作ることができる.3 つの既存教材を対象とした実験では,提案手法が,様々な教材におけるスラッシュ挿入規則を,従来手法よりも高い適合率・再現率で模倣できるという結果が示されている.In Slash Reading, learners read English sentences separated into segments (sense groups) with slashes to improve their reading skills. The more texts for Slash Reading a learner read, the more effect of learning could be expected. However, there are not enough materials for Slash Reading. This paper proposes methods for transforming automatically a plain sentence into a slashed sentence based on statistical approaches. A parametric model and a SVM model are built on the assumption that the factors to decide where to insert slashes into a sentence are a portion of the syntactic structure of the sentence, the lengths of the segments and words around the slashes. The models are learned from an existing material for Slash Reading. The systems based on these models, therefore, can transform automatically a plain sentence into a slashed sentence by imitating positions of slashes in the material. The results of the experiments using existing materials for Slash Reading indicate that the proposed methods imitate positions of slashes of the materials with the higher precision and recall than the previous methods.
著者
金 明哲 田中 栄一 丁 光躍
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第40回, no.人工知能及び認知科学, pp.480-481, 1990-03-14

近年,中国語の計算機処理の研究が進んでいる.中国語を併音で計算機に入力したり,中国語音声の機械認識をするとき,中国語の言語情報を有効に利用しなければならないことは疑いない.そこで中国語の性質を知るために文献2)の中国語高頻度単語6321語について,声母,韻母の出現頻度,声調分布,字数による単語長,声母数に基づく単語の分布,同字数単語中に占める近距離単語数などの調査を行なった.
著者
田中 茂雄 野川 雅道 山越 憲一
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.582-587, 2006 (Released:2008-05-29)
参考文献数
8
被引用文献数
3

The purpose of this study is to investigate the optical absorbance spectrum of bone tissue in the near-infrared region for the development of bone densitometry using near-infrared light. Using bone samples from a bovine femur, optical absorbance spectrums were measured between 750∼2500 nm. With high bone density, the absorbance increased beyond 1400 nm. To predict bone density from the spectrum data, pairs of wavelengths with absorbance ratios or differences having a high correlation coefficient (r>0.99) with bone density were identified. One of the best results was shown by a pair of 1200 nm and 1550 nm with coefficients(r) of 0.994 and 0.996 for absorbance ratio and difference, respectively. Even in thedensity range of the trabecular bone, the coefficients were 0.892 and 0.881 for absorbance ratio and difference, respectively. The results suggest the possibility applying near-infrared spectroscopy to bone densitometry.
著者
田中 雅人 高橋 嘉夫
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第38回ケモインフォマティクス討論会 東京
巻号頁・発行日
pp.18-19, 2015 (Released:2015-10-01)
参考文献数
4

有害元素化合物の鉱物への吸着挙動は、環境中における有害元素化合物の移行挙動を支配していると考えられる。従って、ヒ素化合物の鉱物への吸 着挙動を調べることは、ヒ素化合物の移行挙動の理解や汚染予測に繋がると考えられる。本研究では有機ヒ素化合物の鉱物への吸着構造や吸着量に 及ぼす置換基の影響を吸着実験、X線吸収微細構造(XAFS)法および量子化学計算を用いて調べた。その結果、置換基の嵩高さが有機 ヒ素化合物の吸着挙動を決めていることが示唆された。
著者
田中 健一 金子 弘昌 長阪 匡介 船津 公人
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第38回ケモインフォマティクス討論会 東京
巻号頁・発行日
pp.52-55, 2015 (Released:2015-10-01)
参考文献数
6

化学工学プロセスにおいて実時間測定が困難な変数の値の推定にソフトセンサーが広く利用されている。しかし、触媒の劣化や製造銘柄の変更等に伴い説明変数Xと目的変数yとの関係が変化した場合、変化前のデータから構築されたソフトセンサーでは変化後の予測が困難となる。この問題はソフトセンサーモデルの劣化と呼ばれ、対応策として各種適応型ソフトセンサーモデルが提案されている。本研究では適応型ソフトセンサーモデルの中でJust-In-Time (JIT) モデルの予測精度改善を目指す。JITモデルはクエリのXの値が類似しているデータを選択、もしくは類似度の高いデータに大きな重みを与えて構築されるため、Xの値は類似しているがyの値が異なるデータが存在する際に不適切な回帰モデルとなる。本研究では、Xの全ての領域においてより新しい状態のデータのみを選別したJIT用データベースの管理手法およびJIT用データベースを用いた回帰モデル構築手法を提案する。
著者
田中 譲
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第38回ケモインフォマティクス討論会 東京
巻号頁・発行日
pp.2-5, 2015 (Released:2015-10-01)
参考文献数
5

ビッグデータは通常、3V (Volume, Velocity, and Variety)とか、これにデータの正しさ( Veracity)を加えた4Vとか、更に創成すべき価値(Value)を加えた5Vで特徴づけられるが、この言葉は、ミッション先導型R&Dからデータ先導型R&Dへのパラダイムシフトを象徴する言葉ととらえた方が理解しやすい。本講演では、このようなシフトをもたらした契機を明らかにし、期待される応用分野と基盤技術の現状を述べ、今後の技術課題と、社会的課題について述べる。